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「濡れた手で使えるクレンジング」の真実とおすすめは?

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コスメには疑問や誤解がたくさん。このブログでは、大手化粧品メーカーで約20年、今なお現役の化粧品開発者である私が、メーカーが明かさない『コスメの真実』を明らかにします!

濡れた手でも使えます

これはクレンジング、特にオイルクレンジングでよく見る表示ですが、実はこの表示に関して、ユーザーの皆様は少し誤解しているかもしれません。
この記事では化粧品開発者の私が、濡れた手でも使えるクレンジングの真実おすすめをご紹介します。

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「濡れた手でも使える」の真の意味

濡れた手でも使える・オイルクレンジング

クレンジングには、オイルリキッド温感(ホット)クリームと様々なタイプがありますが、その中で、製剤化の段階で、濡れた手でも使えるよう工夫しているのは『オイルタイプ』だけです。

つまり、濡れた手でも使えるよう『特別な技術』を搭載しているのはオイルタイプだけですから、

濡れた手で使えますという表示に意味があるのはオイルクレンジングだけ!

タイプ別に詳しくご説明します。

オイルクレンジング

濡れた手で使うための技術とは?

オイルクレンジングのメイン成分は『油』『界面活性剤』です。それぞれの役割をもう一度おさらいしてみましょう。

<油>
メイク汚れと馴染み、浮き上がらせ、お肌からメイク汚れを落とします。『洗浄剤(クレンジング剤)』として重要な役割を果たしています。

 

<界面活性剤>
油同様、『洗浄剤』としての機能もありますが、その他に重要な役割があります。オイルクレンジングの場合、洗い上がりが悪く、後肌がべたべたヌメヌメするケースがあります。

洗い上がりを改善し、後肌スッキリにするためにはどうすべきか?

すすぎの際、すすぎの水で、油とメイク汚れが、『綺麗に洗い流される』必要があります。

綺麗に洗い流される、つまり、洗い上がりをよくするために、『界面活性剤』が必要なのです。「綺麗に洗い流される=すすぎの水で乳化される事」を意味していて、界面活性剤が存在するからこそ、すすぎの水で油とメイク汚れが乳化されて、綺麗に洗い流されます。

このように界面活性剤は、『洗浄剤』及び、油とメイク汚れをすすぎの水で乳化させる『洗い上がり改善剤(乳化剤)』という重要な役割を果たしています。

では、

オイルクレンジングを濡れた手で使うとどうなるか?

手についている水が、オイルクレンジングに『乳化されて白濁』します。白濁したものは、極端にクレンジング力が悪くなり、クレンジングとしての機能を十分に発揮しないです。

ですから本来、オイルクレンジングは、濡れた手で使うべきアイテムではない

しかし、ユーザーの使用場面を想定した時に、お風呂場で濡れた手で使うことは十分考えられます。そこでメーカーは、濡れた手でも使える技術を開発しました。

それが『可溶化技術』

可溶化とは、その名の通り、お互いに混ざり合わない液体の一方を、界面活性剤によって、他方に溶解させることを言います。

一番ポピュラーなのは『化粧水』です。香料配合の化粧水をお使いの方は多いと思いますが、基本、香料は『油(油溶性)』ですから、化粧水に配合するときは、界面活性剤で『可溶化』させます。

濡れた手でも使えるオイルクレンジングの場合、手についた水が『乳化される』のではなく、『可溶化される』ように、界面活性剤の種類・量を検討します。

ですからオイルクレンジングに配合されている界面活性剤は、先ほど述べた、洗浄剤洗い上がり改善剤だけでなく、『可溶化剤』としても重要な役割を果たしています。
※濡れた手でも使えるオイルクレンジングの場合

オイルクレンジングには複数の界面活性剤が配合されていますが、これは当然の事。

何故なら、洗浄剤、洗い上がり改善剤、可溶化剤と様々な役割を担っているからです。

『可溶化技術』

これが、濡れた手でも使えるオイルクレンジングに搭載されている技術です。

濡れた手で使うとどうなるのか?

「濡れた手でも使えます」と表示されているオイルクレンジングであれば、『可溶化技術』が搭載されていますので、濡れた手で使っても大きな問題はないです。

ただし、オイルクレンジングに配合されている界面活性剤は可溶化剤だけでなく、洗浄剤としても機能しています。可溶化剤として界面活性剤が使われてしまうと、洗浄剤としての界面活性剤量が減ってしまい、洗浄力(クレンジング力)に支障がでる場合があります。

また、可溶化できる水の量はわずかです。一定量を超える多量の水の場合、可溶化できず乳化され白濁し、洗浄力(クレンジング力)を大きく損なう恐れがあるためご注意ください。

濡れた手でも使えるおすすめのオイルクレンジング「アテニア」

 

温感クレンジング(ホットクレンジング)

濡れた手で使うための技術とは?

毛穴汚れまでしっかり落とすことを目的に、使うとぽかぽかと温かくなるクレンジングがあります。これが『温感クレンジング(ホットクレンジング)』です。

何故温かくなるのか?

これは、クレンジングに配合されている『グリセリン』と、お肌表面の『水分』が接触する際に発生する『水和熱』を利用しています。

水和熱は、水分と接触した際に発生する熱なので、長続きはしません。また、クレンジング中に水が配合されていると、クレンジング製造の際に水和してしまうので、ユーザーが使用する際には温度は全く感じられません。

ですから温感クレンジングは、グリセリンの配合量が非常に多く、水は一切配合されていないです。全成分に水と表記がある場合は、エキス由来の水ですので、その配合量はごくわずかです。

このような特徴をもつ温感クレンジングですから、濡れた手で使うと、クレンジングする前に水和してしまい、クレンジング時、ぽかぽかしません。

温感クレンジングの場合は、濡れた手で使える技術はないため、濡れた手でも使える温感クレンジングは存在しないです。

濡れた手で使うとどうなるのか?

温感クレンジングとしての機能はゼロです。絶対に濡れた手で使ってはいけません。

リキッドクレンジング

濡れた手で使うための技術とは?

濡れた手でも使えるという『リキッドクレンジング』は数多く存在します。ただし、

リキッドクレンジングは『水ベース』のため濡れた手で使えて当然!

リキッドクレンジングの場合、特殊な技術を搭載しなくても濡れた手で使えるので、「この表示があるリキッドクレンジングはすばらしい!」と勘違いなさらないでください。

 

濡れた手で使うとどうなるのか?

リキッドクレンジングは水ベースですから、濡れた手で使っても大きな問題はありません。

あまりに多量な水の場合であっても、オイルクレンジングのように「乳化⇒白濁」という現象は起きませんが、リキッドクレンジング自体が水で薄まってしまうので、クレンジング機能に支障がでる恐れはあります。

濡れた手でも使えるおすすめのリキッドクレンジング「オルビス」

 

クリームクレンジング

濡れた手で使うための技術とは?

クリームタイプには大きく2種類存在します。

「油」の配合量で区別され、通常のスキンケアクリーム同レベルの油の配合量のモノが『通常のクリームクレンジング』

圧倒的に「油」の配合量が多いモノが『高内相クリームクレンジング』

「高内相クリームクレンジング」『高内相水中油型』とも言います。少し専門的なお話になるので、「水中油型」と「高内相」については以下記事をご覧ください。

ここでは、『高内相タイプ(高内相クリームクレンジング)』について論じます。

高内相クリームクレンジングの場合、濡れた手で使うことを想定していないです。

高内相クリームクレンジングを濡れた手で使うと、クレンジングとしての機能を著しく損なうため、メーカーは乾いた手で使うことを推奨しています。

 

濡れた手で使うとどうなるのか?

高内相クリームクレンジングは使用感が素晴らしいので、高価格帯のクレンジングに多いタイプです。

このタイプは、メイク汚れと軽く馴染ませると、じゅわっと油が出てきます。これを『反転』と言いますが、この油がメイク汚れを浮き上がらせ、落とします。

高内相タイプの一番のキモは、この『反転』です。しかし、濡れた手で使うと反転に大きな影響が出てしまいます。場合によっては反転しません。

これはつまり、使用感・クレンジング力に大きな支障が出るため、必ず『乾いた手』で使うようにしてください。

以上のように、高内相クリームクレンジングは濡れた手では使えないです。しかし、濡れた手で使えませんが、高内相クリームクレンジングは間違いなく、

クレンジングの理想形!

詳しくは、以下記事をご覧ください。クレンジングタイプ別にそれぞれのNO.1を化粧品開発者の私がプロの視点で紹介しています。

 

おわりに

いかがでしょうか?

濡れた手で使うために技術が必要なのはオイルクレンジングだけ!

濡れた手で使えますの表示に意味があるのはオイルクレンジングだけ!

また、「濡れた手で使えます」というのは、「濡れた手で使ってもクレンジング力に変化がありません」というわけではないです。

「クレンジング力が著しく低下しない」ということであって、程度の差はあれ、濡れた手で使うことで、クレンジング力や洗い上がりに何かしらの影響を与えます。

せっかくお金を出して購入した商品なので、その機能を最大限発揮できる使用法を実践していただきたい。

そのために、極力、乾いた手でクレンジングをお使いになることをおすすめします。

 

濡れた手でも使えるおすすめのオイルクレンジング「アテニア」

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません

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