クレンジングはメイクを落とすための必須アイテム。
オイル・リキッド・ジェル・クリーム・バームと、クレンジングには様々なタイプが存在します。
その中で、クレンジング後の洗顔が不要なタイプ、「ダブル洗顔不要クレンジング」がありますが、皆様、以下の真実をご存じでしょうか?
ダブル洗顔不要クレンジングにはメーカーが明かせない秘密がある!
そして、これがまさに、ダブル洗顔不要のデメリット!
本当にダブル洗顔が不要なクレンジングは3タイプだけ!
この記事では現役の化粧品開発者の私が、これら真実を明らかにします。
本記事の内容
- ダブル洗顔不要のデメリットが分かる
- プロ開発者が真にオススメするダブル洗顔不要クレンジングが分かる
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
ダブル洗顔不要クレンジングのデメリット
クレンジング後の洗顔が必要ありませんから、時短にもつながり、大人気のダブル洗顔不要クレンジング。
しかし、ダブル洗顔不要クレンジングにはメーカーが明かせない大きな秘密があります。
それは、
大きな秘密
ダブル洗顔不要には明確な基準がなくメーカーの言ったもん勝ち。ダブル洗顔不要と訴求しながら洗顔が必要なクレンジングは山ほど存在する!
ダブル洗顔不要に明確な基準はないです。特別な試験をする必要もないし、ダブル洗顔が不要である事を確認しなくても、メーカーがそう言えば、ダブル洗顔不要クレンジングになります。
だからこそ、ダブル洗顔不要と訴求しながら、実際使ってみるとクレンジング残りが気になり、洗顔が必要になるダブル洗顔不要クレンジングが市場には山ほど存在するのです。
そして、この秘密のために、ダブル洗顔不要には大きなデメリットが存在します。
ダブル洗顔不要のデメリット、それは、ダブル洗顔不要と言いながら、クレンジングやメイク汚れが完全に落ちきれていませんから、
ダブル洗顔不要のデメリット
その後の基礎スキンケアの化粧のりが悪かったり、クレンジングやメイクが毛穴に残り、毛穴開き、ニキビ発生&悪化と、肌に大ダメージを与える
ですから、メーカーが言う「ダブル洗顔不要」の訴求を100%鵜呑みにするのではなく、そのクレンジングの特徴をよく理解して、正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングをお選びください。
正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングとは?
現役の化粧品開発者の私がプロの目で、次項で詳しくご説明します。
ダブル洗顔不要クレンジングは3タイプだけ!
例えば、クレンジングミルクは、水系ベースですから、クレンジング後の洗い上がりの良さが抜群で、簡単に洗い流されるため、正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
ただしクレンジングミルクは、クレンジング力が劣りますから、「メイクが落ちない!」という意見をよく耳にします。
ダブル洗顔不要は、確かに魅力的な機能ではありますが、クレンジングの本質であるクレンジング力を犠牲にしてまでも必要な機能ではないです。
つまり、
クレンジングは、例えダブル洗顔不要であっても、メイクが落ちなければ意味がない!
①十分なクレンジング力を有する ②メーカーの言ったもん勝ちではなく本当にダブル洗顔が不要なクレンジング、この①と②を満たすモノこそ、正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
そして、正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングは、数あるタイプの中で3タイプだけです。
それは、
正真正銘のダブルクレンジング
- 高内相クレンジングクリーム
- 一部のクレンジングオイル
- クレンジングリキッド
数あるクレンジングタイプの中で、上記3タイプだけが、十分なクレンジング力でメイクがしっかり落ちるし、洗い上がりも抜群な、正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
次項ではその理由を詳しくご説明するとともに、それぞれのおすすめをご紹介します。
正真正銘!おすすめのダブル洗顔不要クレンジング
高内相クレンジングクリーム:オルビス オフクリーム
オルビス オフクリームは、見た目はクリーム状ですが、ただのクレンジングクリームではないです。
高内相クレンジングタイプで、抜群のクレンジング力を誇りながらも、洗い上がりも良く、正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
クレンジング力
クレンジングクリームの特徴、それは、水を含んだ乳化物でクリーム状である事。
高内相クレンジングクリームはクレンジングクリームの1種で、オイル並みの抜群のクレンジング力を発揮します。
ではまず、
高内相とは何か?
そして、
何故、オイル並みにメイクが落ちるのか?
これらについて、ご説明します。
水と油が一緒になると、図1のように、両者は混ざらず、比重の軽い油が上にいきます。
この状態でいくらかき混ぜても、絶対に混ざり合うことはありません。
しかし、界面活性剤が存在すると、片方が細かい液滴となって、水と油は混ざります。
クレンジングクリームは、油が細かな液滴となって水の中に分散した水中油型の乳化物になります(図2)。
そして、油が超高配合された図3の状態を高内相といい、これが、クレンジング力抜群でメイクが落ちる高内相クレンジングクリームです。
何故、高内相クレンジングクリームはメイクが落ちるのか?
クレンジングにおけるメイクを落とす成分(クレンジング成分)はオイル(油)と界面活性剤ですが、オイルはメイクと馴染みやすいので、オイルの方が圧倒的にメイクを落とす力が強いです。
ポイント
メイクはオイルで馴染ませて落とす!
水中油型のクレンジングクリームの場合、外側には水が存在しますから、このままではオイルはメイクと馴染みません。
オイルがメイクと馴染むためには、クレンジングの塗布行為によって、乳化物が壊れ、中のオイル(油)が外側に出てくる必要があるのです。
これを反転や転相、もしくは解乳化と言います。
解乳化によって、水中油型の中のオイル(油)が出てきてメイクと馴染むのです。
図3が示すように、高内相クレンジングクリームには、メイクと馴染みやすいオイル(油)が超高配合されているため、クレンジングオイル並みにメイクが落ちます。
ただし、クレンジングクリームには、高内相のモノと、そうでないモノが存在します。
高内相でないクレンジングクリームは、オイル量がそれほど多くありませんから、クレンジング力にやや不安が残ります。
では、高内相とそうでない通常のモノの見分け方は?
非常に簡単です。
高内相クレンジングクリームは、オイルが超高配合されていますから、必ず、全成分で水よりもオイルが先に表示されます。
ポイント
全成分で水よりもオイルが先に表示されているクレンジングクリームが高内相タイプ
オルビス オフクリームの全成分は以下です。オイル類(赤字)が水より先に表示されているのがお分かりになると思います。
全成分
パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、水、BG、イソステアリン酸PEG-12、ステアリン酸PEG-25、ミツロウ、スクワラン、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、シクロペンタシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヒアルロン酸Na、(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル)コポリマー、ローマカミツレ花エキス、ローズマリー葉エキス、ラベンダー花水、グリセリン、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸グリセリル(SE)、トコフェロール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン
ダブル洗顔不要
高内相クレンジングクリームは、メイクと馴染みやすいオイルが超高配合されているため、クレンジングオイル並みにメイクが落ちるとご説明しました。
ここで重要な事は、
ポイント
高内相クレンジングクリームはオイルが超高配合されているが、水中油型(外側が水)の水系ベースである事
クレンジングオイルは高内相同様、オイルが超高配合されているためメイクは落ちますが油系ベースです。
油系ベースだからこそ、メイクは落ちるものの、すすぎの水で綺麗に洗い流すことが出来ず、ダブル洗顔が必要になります。
一方、高内相クレンジングクリームは、クレンジングオイル並みにメイクを落としながらも、水系ベースであるが故、すすぎの水で綺麗に洗い流されるため、ダブル洗顔不要なのです。
以上のように、高内相クレンジングクリームは、メイクをしっかり落としながらも、洗い上がりが良い、正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
市場には様々な高内相クレンジングクリームが存在しますが、何故、オルビス オフクリームをオススメするのか?
オルビスが誇る抜群のコスパの良さは勿論ですが、一番の理由は技術です。
高内相を実現するためにはD相乳化という特殊な乳化法が必要です。今でこそ、様々なコスメにD相乳化は展開されていますが、もともとD相乳化はポーラが開発した技術。
大手化粧品メーカーには、それぞれの分野において得意不得意があります。
D相乳化法はポーラが最も得意とする技術の一つと言っても過言ではなく、だからこそ、D相乳化が必須な高内相クレンジングクリームであれば、ポーラグループのオルビス オフクリームをおすすめしています。
オルビス オフクリームは、
オイル超高配合で、メイクが良く落ちる!
水系ベースのため、すすぎの水で綺麗に流される!
正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
ダブル洗顔不要!オルビス オフクリーム
クレンジングオイル:アテニア スキンクリア クレンズオイル
ダブル洗顔不要を訴求するクレンジングオイルはたくさん存在しますが、それらの多くは、根拠がなくただ単に訴求しているだけです。
油系ベースのクレンジングオイルはすすぎの水でなかなか洗い流されませんから、実際は、ダブル洗顔が必要なケースが多いです。
そんな中、一部のクレンジングオイルは技術によって、油系ベースでありながらダブル洗顔不要を実現しています。
その一つが、アテニア スキンクリア クレンズオイルで、私が最もオススメするクレンジングオイルです。
クレンジング力
全成分
エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸BG、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ヘキサカプリル酸ポリグリセリル-20、オクタイソノナン酸ポリグリセリル-20、グリセリン、アッケシソウエキス、シスツスモンスペリエンシスエキス、ヘリクリスムイタリクムエキス、アルガニアスピノサ核油、バオバブ種子油、ジグリセリン、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、水、ジカプリリルエーテル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ダイズ油、パルミチン酸アスコルビル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、ステアリン酸イヌリン、トコフェロール、フェノキシエタノール
油系ベースのクレンジングオイルは、処方の大部分をオイルが占めていますから、数あるクレンジングの中で最もクレンジング力が高く、アイメイクもウォータープルーフも落とすことが出来ます。
オイルには無極性油と極性油があります。
鉱物油として有名なミネラルオイルは無極性油です。
無極性油は一般的に価格が安いため、クレンジングなどの洗い流し品や、乳液・クリームといった基礎品まで、幅広く用いられていますが、クレンジング力という点においては劣ります。
何故なら、
ポイント
メイク汚れは極性を持っている事が多く、極性を持っているメイク汚れに対し、極性を持たない無極性油では馴染みが悪い
一方、極性油は無極性油に比べ価格は高いです。
しかし、極性をもつメイク汚れと馴染みが良いため、クレンジング力という点においては非常に優れています。
アテニア スキンクリア クレンズオイルの主成分である「エチルヘキサン酸セチル」と「ジイソノナン酸BG」は、メイクと馴染みが良い極性油。
だからこそ、アテニア スキンクリア クレンズオイルは、メイクが良く落ちます。
ダブル洗顔不要
クレンジングオイルでダブル洗顔不要にするには、すすぎの水で綺麗に洗い流される必要があります。
そしてそのためのキー成分が界面活性剤です。
つまり、クレンジングオイルに配合される界面活性剤は、メイクを落とすというよりも、すすぎの水で洗い流されやすくするために配合されています。
今一度、アテニア スキンクリア クレンズオイルの全成分を見てみましょう。
全成分
エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸BG、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ヘキサカプリル酸ポリグリセリル-20、オクタイソノナン酸ポリグリセリル-20、グリセリン、アッケシソウエキス、シスツスモンスペリエンシスエキス、ヘリクリスムイタリクムエキス、アルガニアスピノサ核油、バオバブ種子油、ジグリセリン、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、水、ジカプリリルエーテル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ダイズ油、パルミチン酸アスコルビル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、ステアリン酸イヌリン、トコフェロール、フェノキシエタノール
赤字で示した、「ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10」「ヘキサカプリル酸ポリグリセリル-20」「オクタイソノナン酸ポリグリセリル-20」が界面活性剤ですが、アテニアは界面活性剤の配合技術が素晴らしい。
アテニア スキンクリア クレンズオイルは、クレンジング後のすすぎの際、多量の水がくると、界面活性剤によってメイク汚れと馴染んだオイルが乳化され、微粒子レベルに分散されて流されます。
つまり、すすぎ後のべとべとヌメヌメの原因であるオイルが、微粒子レベルに細かく分散されて流されるため、後肌すっきりで、W洗顔不要になるのです。
ポイント
ダブル洗顔不要のクレンジングオイルには高度な界面活性剤の配合技術が必要不可欠!
ダブル洗顔不要を訴求するクレンジングオイルはたくさん存在しますが、それらの多くは、根拠がなくただ単に訴求しているだけであって、実際は、ダブル洗顔が必要なケースが多い。
何故なら、界面活性剤配合技術が圧倒的に足らないから。
アテニアはファンケルのグループ会社です。アテニアの技術基盤はファンケルですから、クレンジングオイルでありながらダブル洗顔不要を実現させるだけの技術を持っているのです。
アテニア スキンクリア クレンズオイルは、
主成分が極性油のため、メイクが良く落ちる!
高度な界面活性剤配合技術によって、すすぎの水で綺麗に流される!
正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
ダブル洗顔不要!アテニア スキンクリア クレンズオイル
オルビス クレンジングリキッド
クレンジングリキッドの名品と言えばオルビス。
一般的に、クレンジングリキッドにはオイルが配合されておらず、界面活性剤でメイクを落とします。
オルビスはオイルフリーをコンセプトに掲げて大きくなった化粧品メーカーです。
オイルフリー技術は圧倒的で、他社と一線を画しており、オルビスのオイルフリーの技術の結晶がクレンジングリキッドと言っても過言ではないです。
クレンジング力
全成分
DPG、水、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジイソステアリン酸PEG-12、ステアリン酸PEG-45、グリセレス-12、イソステアリン酸PG、シクロペンタシロキサン、プロパンジオール、グリチルリチン酸2K、セリン、グリシン、アラニン、ヒアルロン酸Na、ローズマリーエキス、BG、クエン酸、クエン酸Na、トコフェロール
一般的に、界面活性剤で落とすクレンジングリキッドは、オイルで落とすオイルタイプや高内相タイプに比べ、クレンジング力が劣ります。
界面活性剤を高配合すればクレンジング力はアップしますが、使用感と肌への負担からそれが出来ない。
ですから、世の中のクレンジングリキッドの多くは、アイメイクやウォータープルーフメイクを落とすことが困難で、これらを落とす際には、専用クレンジングの使用が推奨されます。
しかしオルビスの場合、リキッドでありながら、界面活性剤を高配合せずクレンジング力をアップさせる技術があります。
それがDPGの配合。
DPGは多価アルコールの一種で、コスメでは主に、保湿成分として用いられますが、DPGにはクレンジング力があり、クレンジングリキッドに、洗浄補助成分として配合されます。
世のクレンジングリキッドの多くに、上記の目的でDPGは配合されていますが、オルビス クレンジング リキッドは、かなり古くから、DPGにクレンジング力がある事を突き止め、配合しています。
これは、オイルフリーをコンセプトに掲げるオルビスが、肌への負担を抑えながらも、クレンジング力を極限まで高めるために必死で研究した成果でしょう。
ダブル洗顔不要
クレンジングリキッドには基本、オイルが配合されておらず、界面活性剤でメイクを落とします。
クレンジングリキッドに配合されている界面活性剤は水となじみが事、クレンジングリキッドは水系ベースである事から、抜群に洗い上がりが良く、ダブル洗顔は必要ないです。
通常のリキッドタイプはオイルが配合されていませんから、抜群に洗い上がりが良くてダブル洗顔不要であっても、オイル不使用のために、メイクが落ちにくいケースが多いです。
オルビス クレンジングリキッドの優れた点は、メイクが落ちにくい欠点を、肌への負担を考慮し、界面活性剤以外の成分配合技術によって、克服した点です。
オルビス クレンジングリキッドは、
界面活性剤以外の成分配合技術によって、メイクが良く落ちる!
オイルフリー且つ水系ベースのため、すすぎの水で綺麗に流される!
正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングです。
ダブル洗顔不要!オルビス クレンジングリキッド
おわりに
いかがでしょうか?
最重要ポイント
- ダブル洗顔不要には明確な基準がなく、メーカーの言ったもん勝ち!
- ダブル洗顔不要と訴求しながら、洗顔が必要なクレンジングは山ほど存在する!
- 正真正銘のダブル洗顔不要クレンジングは、高内相クリーム、一部のオイル、リキッドの3タイプだけ!
ユーザーによっては、本記事でご紹介したクレンジングを使用しても、残り感が気になるかもしれません。
そのような場合は、洗顔をご使用ください。ただし、すすぎの水で大部分が綺麗に洗い流されているので、軽めの洗顔で問題ありません。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません