- シワ改善コスメ、ポーラと資生堂、どう違うの?
- シワ改善コスメ、ポーラと資生堂、どっちがおすすめ?
この記事で分かること
- ポーラと資生堂のシワ改善コスメ 違いとおすすめ
シワ改善の最前線に立つポーラと資生堂、どちらの製品がより優れているのでしょうか?
この記事では、日本が世界に誇る二大化粧品メーカーのシワ改善コスメを、現役の化粧品開発者の視点から徹底比較します。
ポーラの「リンクルショット」と資生堂の「エリクシール シュペリエル」の技術、有効成分、シワ改善メカニズム、商品の詳細を分析。
ユーザーの皆様には、これらの情報をもとに、どちらのシワケア製品が自分に合っているかを考える一助となることでしょう!
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
シワ改善コスメ
長らく日本では、シワに効くとかシワが改善するといった表現を、化粧品(医薬部外品含む)にすることは出来ませんでした。
※メイクアップ効果の場合は認められています。
一方で、シワに対して改善効果のある化粧品は、ユーザーニーズが高く、現に、欧米ではシワ改善効果を化粧品に表示し、販売することが認められていました。
このような背景から、業界団体(日本化粧品工業連合会)が、かねてより厚生労働省に要望し、2011年、「乾燥による小ジワを目立たなくする」という表現を、化粧品に表示し販売することが可能になりました。
しかし、医薬部外品(薬用化粧品)に関しては、依然としてシワに対する効果効能表現は認められていませんでした。
そのような状況下、ポーラが、シワに対する有効成分ニールワンを開発し、その効果を国が認め、ついに、2017年1月、日本初のシワを改善する薬用化粧品(医薬部外品)、「ポーラ リンクルショット メディカル セラム」が発売されます。
それから、約6ケ月、今度は資生堂から、ポーラを追随する形で、同じく、シワを改善する薬用化粧品、「エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームS」が発売されます。
まさに2017年は、シワ改善薬用化粧品 元年と言える年でした。
あれから7年以上が経過した現在、メディカルセラムは、メディカルセラムNとして、エリクシールは、レチノパワー リンクルクリームと進化して、シワ改善薬用化粧品分野に確固たる地位を築いています。
現在のシワ改善市場では、「ナイアシンアミド」の商品が多いですが、ポーラと資生堂は、他社が絶対真似できない優位性を持っていますから、今後もしばらく両社は、シワ改善コスメの2大巨頭として君臨するでしょう。
次項では、ポーラの「リンクルショット メディカルセラムN」と資生堂の「エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム」を、現役の化粧品開発者の私が、シワ改善効果、有効成分の安全性の視点で比較し、総合的にどちらがおすすめか?をお話しします。
ポーラと資生堂の違い:シワ改善効果
「どちらがシワ改善効果が高いの?」と、興味をお持ちの方は多いと思います。
しかし、医薬部外品において、各有効成分の効果の高さを論じることは出来ません。
何故なら、医薬部外品の基本的な考えは、「国が認めた以上、全ての有効成分にその効果がある」からです。
国がその効果を認めたわけですから、お肌に合う合わないはあるにしても、シワ改善効果は、ポーラも資生堂も同じです。
ただし、シワ改善のメカニズムの違いと処方技術は要注目!
ポーラ リンクルショット メディカルセラムN
引用:ポーラ公式
全成分
【有効成分】三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na
【その他の成分】ジメチコン、ワセリン、架橋型ジメチコン、メタクリル酸エステル樹脂粉末、トリエチルヘキサン酸グリセリル、セリサイト、シクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、水添ポリブテン、シクロヘキシルグリセリン、スクワラン、油溶性アルニカエキス、油溶性カモミラエキス、油溶性桃葉エキス、ローヤルゼリーエキス、タイムエキス-1、スギナエキス、ヒドロキシアパタイト、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、BG、水、無水ケイ酸、酸化亜鉛、香料
シワ改善メカニズム
引用:ポーラ公式
シワ改善の有効成分「三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na」がニールワンの正式名称です。
シワは、紫外線や乾燥、表情による折れ曲がりなどの外部刺激による微弱な炎症が繰り返されることによって出来ることは分かっていましたが、何故、微弱な炎症がシワにつながるのか?は分かっていませんでした。
ポーラは、キズなどの部位に集まる好中球が放出する好中球エラスターゼがシワの原因の一つであると、世界で初めて発見しました。
好中球エラスターゼは、タンパク質の分解力が高く、お肌のハリや弾力のために必要なコラーゲンやエラスチンなどの、真皮成分を分解してしまいます。
ポーラが開発したシワ有効成分ニールワンは、好中球エラスターゼが、コラーゲンやエラスチンなどの真皮成分を分解する前に、好中球エラスターゼに働きかけ、真皮成分の分解を抑制するのです。
処方化技術
好中球エラスターゼに働きかけるためには、「ニールワン」を真皮まで届ける必要があります。
そこでポーラは、ニールワンの浸透に特化した、水を全く使わないダイナミズムデリバリー処方を開発しました。
「ニールワン」は水分と非常に馴染みの良い成分です。
あえて、水を全く使わない処方に「ニールワン」を配合することで、肌につけた際、肌内部の水分によって、角質層よりもさらに奥、真皮まで浸透する(引っ張られる)のです。
水を全く使わない処方にすることで、有効成分「ニールワン」を角質層のさらに奥、真皮まで浸透させます。
処方的には、水がほとんど配合されておらず、シリコンゲル(架橋型ジメチコン)にニールワンと球状粉体(メタクリル酸エステル樹脂粉末)を練り込んでいます。
この処方は、凹凸補正化粧品用としても有名。
メディカルセラムNを塗布するとその直後から、シワが改善された(隠れた)効果を実感できますが、これは、シリコンと球状粉体のソフトフォーカス効果によるものなので、根本的な改善ではないです。
塗布直後の、ソフトフォーカス効果による、即時的なシワ改善で、ユーザーに使う楽しさを感じてもらいながら、長期使用によって、根本的にシワを改善する。
この、即時改善と、ニールワンによる根本改善、これが「ポーラ リンクルショット メディカル セラムN」の処方特徴です。
リンクルショット メディカルセラム
- 有効成分ニールワンは真皮に働きかけてシワを改善する
- ニールワンを真皮に届けるダイナミズムデリバリー処方
- ソフトフォーカスによる即時改善&ニールワンによる根本改善
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エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム
引用:資生堂公式
全成分
【有効成分】レチノール、酢酸DL-α-トコフェロール
【その他の成分】ヒマシ油、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、マヨラナエキス、精製水、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、1,3-ブチレングリコール、濃グリセリン、ジプロピレングリコール、エタノール、ポリエチレングリコール1000、メチルポリシロキサン、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸グリセリル、ベヘニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ステアリルアルコール、水酸化カリウム、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、イノシット、ムクロジエキス、ローズマリー油、ピロ亜硫酸ナトリウム、水溶性コラーゲン(F)、タイムエキス(1)、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ローズマリーエキス、ウコンエキス、酵母エキス(3)、クララエキス(1)、ブリエラスチン、フェノキシエタノール、香料、黄酸化鉄
シワ改善メカニズム
資生堂のシワ改善有効成分は「(純粋)レチノール」です。
ヒアルロン酸は、お肌の水分保持や、お肌の弾力性に関与し、若々しく健やかなお肌を維持するための重要な成分です。
ですが、加齢とともに減少し、このヒアルロン酸の減少が、シワの原因の一つと言われています。
レチノールは、表皮角化細胞に作用し、表皮ヒアルロン酸の産生を増加させ、表皮内の水分量を高めて、お肌を柔軟にしてシワを改善します。
さらに、真皮構成成分(コラーゲン、ヒアルロン酸)の産生も促進します。
このようにレチノールは、表皮~真皮という肌の全方位にアプローチしてシワを改善します。
処方化技術
レチノールと言えば資生堂というくらい、レチノール分野では資生堂の独走状態です。
レチノールは、お肌にとって有用な成分でありますが、非常に不安定で、分解しやすく、長期間安定的に配合するには、非常に高度な技術が必要です。
資生堂は、何十年とレチノール研究を続け、処方化技術は勿論、製造技術、容器設計技術により、レチノールの安定化に成功しました。
特にその中でも、容器設計技術が秀逸!
レチノールは空気(酸素)に触れると分解しやすいので、資生堂は、1度吐出したら2度と戻らない(空気に触れない)特殊チューブを設計し、採用しています。
参考:資生堂公式HP
先ほどのニールワンは、ポーラの独自成分ですから、ポーラしか扱う事はできません。
一方、レチノールは一般流通原料なので、どのメーカーでも扱うことができます。
実際、市場にはレチノールを配合した化粧品は数多く発売されています。
しかし、レチノールを有効成分とした医薬部外品は資生堂しか、発売されていません。
何故なら、資生堂しかできないから!
医薬部外品の有効成分には、非常に厳しい成分安定性が求められます。
この安定性をクリアしない限り、医薬部外品として発売することができません。
レチノールは分解しやすい成分ですから、安定化させることが難しすぎます。
処方化、製造、容器設計の全てにおいて高い技術力を有する資生堂だからこそ実現できたのが、レチノールをシワ改善の有効成分とした医薬部外品なのです。
「資生堂 エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム」は、リニューアル前から、シワ改善薬用化粧品の分野で、6年連続売上No.1を誇ります。
現状、No.1のシワ改善薬用化粧品と言えるでしょう。
ポーラと資生堂の違い:安全性
美白領域で、カネボウの白斑問題がありましたから、有効成分の安全性は非常に重要です。
医薬部外品の有効成分とするには国から認可される必要がありますが、白斑問題以降、認可基準が厳しくなったという現実があります。
ポーラの「ニールワン」と資生堂の「レチノール」には決定的な違いがあります!
ポーラの「ニールワン」は新規成分であるのに対し、資生堂の「レチノール」は以前から用いられている既存成分です。
ポーラは「ニールワン」という新規成分を開発し、シワ改善の効果を見出し、国に認可されました。
一方、資生堂は、以前から肌荒れの有効成分として用いられていた「レチノール」に、シワ改善という新規効能を見出し、国に認可されました。
新規成分と新規効能、いずれも医薬部外品として国から認可されるにはもの凄く難しいです。
だからこそ、これらができるメーカーは限られるわけですが、新規成分の方がハードルは高いです。
何故なら、新規成分のため安全性が未知であり、メーカーは安全性に問題がない事を客観的に示す必要があるからです。
レチノールのような既存成分の場合、シワ改善という新規効能を証明することは難しいですが、安全性に関しては、これまで使用されてきた実績があるため、ニールワンほど大変ではないです。
ですから、「新規成分のニールワンよりも、既存成分のレチノールの方が実績があって安全」と考えることもできます。
ただしそれは、メディカルセラムが発売された当初の事であって、あれから7年以上経った現在は、ニールワンも十分な市場実績があります。
また、新規、既存の違いはあれど、いずれも国が効果と安全性を認めた成分ですから、これら両成分に、重篤な安全性への懸念はないです。
ですから両成分とも、安全にお使い頂けます!
ただしレチノールの場合、特に使用開始時に、皮膚の赤み、乾燥と剥離、かゆみや刺激感などを伴うA反応が起こる場合があります。
多くの場合、レチノールの使用を続けることでこれらの症状は徐々に軽減されますが、これらの症状が重い場合や長期間続く場合は、使用を中止し医師の診断を受けることが重要です。
レチノールを使用する際は、肌への負担を軽減するために、少量から始めて徐々に量を増やす、日焼け止めを併用する、夜間のみ使用するなどの対策が推奨されます。
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また、全ての方が安全に使えるわけではありません。
これはニールワンやレチノールに限った話ではありませんが、お肌に合わない方や、何かしらの違和感をお感じになった場合は、ただちに使用を止めて下さい。
ポイント
- ニールワンは新規成分
- レチノールは既存成分で、シワ改善という新規効能を見出した
ポーラ VS 資生堂 おすすめは?
ポーラと資生堂、両社とも、日本が世界に誇る化粧品会社です。
その両社が開発した成分、製品ですから、品質の高さ(効果、使用感)に疑いの余地はありません。
ですから、「どちらが優れている!」ではなくて、それぞれに、おすすめできるポイントがあります。
シワ改善効果に特化!
シワ改善に特化するのであれば、「ポーラ リンクルショット メディカルセラムN」がおすすめです!
メディカルセラムNは、水に分解されやすいニールワンの特徴を逆手にとって、水を配合しないダイナミズムデリバリー処方を開発しました。
これにより、ニールワンを真皮にまで届けることができます。
ニールワンというシワ改善効果のある成分を、ただ単に配合したのではなく、真皮に浸透しやすい処方にしたという点は非常に高く評価出来ます。
やはり有効成分は、作用箇所に届けてこそ意味があるので、浸透処方にこだわったリンクルショット メディカルセラムNは、効果特化型で、シワに悩みを持つユーザーに最も適した製品です。
メディカルセラムNは、真皮への浸透に重きを置いていますから、水がほとんど配合されていません。
処方の大部分は、シリコンと(球状)粉体です。これら成分にはソフトフォーカス効果があるため、即時的にシワを改善(隠す)することができます。
しかし一方で、シリコンや粉体は乾燥しやすく、テクスチャーが重たい。
ですから、「保湿ケアも同時に叶えたい!」というユーザーや、「首元などの広い箇所にも使いたい!」というユーザーには、次項のエリクシールの方がおすすめです。
メディカルセラムNおすすめポイント
- とにかくシワを改善したい!(シワ改善に特化)
- 目元や口元のシワが気になる!(部分使用)
\ シワ改善効果特化型 /
シワ改善だけでなく保湿ケアも同時に!
シワ改善は勿論ですが、保湿ケアも同時にしたい!という人や、目元、口元だけではなくて、首元など人い箇所にも使用したい!という人には、レチノールを有効成分とした「資生堂 エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム」がおすすめです。
レチノールはニールワンに比べて、水への耐性が強く、処方への水の配合が可能です。
ですから、レチノールであれば、セラムやクリームといったアイテムが可能であり、水系成分が配合出来ますから、シワ改善と同時に、保湿ケアも可能なのです。
また、一般的なセラム、クリームと同様のテクスチャーですから、重たくもなく、目元、口元は勿論、首元など、広い箇所に塗布しても快適です。
エリクシールおすすめポイント
- シワ改善だけでなく保湿ケアも同時にしたい!
- 首元など、広い箇所にも使いたい!
\ シワ改善&保湿ケア /
おわりに
いかがでしょうか?
ポーラと資生堂のシワ改善薬用化粧品の比較を深く掘り下げました。
ポーラの「リンクルショット メディカルセラムN」と資生堂の「エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム」は、それぞれ独自の技術と成分でシワ改善に取り組んでいます。
ポーラは、シワの原因となる微弱な炎症に着目し、独自成分ニールワンを開発。
一方、資生堂はレチノールの安定化に成功し、肌の全方位にアプローチしています。
これらの製品は、シワ改善のメカニズムや処方技術において異なるアプローチを取っており、ユーザーにはそれぞれの肌質やニーズに合わせて選択することが重要です。
ポーラと資生堂の製品は、シワ改善薬用化粧品市場において、今後もその地位を保ち続けるでしょう。
最終的に、どちらの製品が優れているかは、個々の肌の状態や好みによります。
この記事が、読者の皆様が自分に合ったシワケア製品を選ぶ際の参考になれば幸いです。
\ シワ改善効果特化型 /
\ シワ改善&保湿ケア /
※本記事の内容は個人の見解であって、効果を保証するものではありません