世にあるコスメの情報の中には、いかにも正しそうですが、実は間違っている、『誤解』というものがたくさん存在します。
何故このような『誤解』というべき情報が存在するかというと、「あまりにも多くの情報があるがゆえの、(間違い)情報の混在」そして、「化粧品メーカーのイメージ戦略」が考えられます。
「オイルクレンジングは肌に悪い」というのも、典型的な『コスメの誤解』です。
今回は、この『誤解』に対し、『正しい情報』をお伝えします。
オイルクレンジングは肌に悪くない!
ネットを見ると、「オイルクレンジングは肌に悪い!」という情報をよく見ます。その根拠は、オイルクレンジングはクレンジング力が高く、メイク汚れだけでなく、肌に必要な『皮脂』まで落としてしまうためらしいです。
「・・・?」
言いたいことは多少理解出来ますし、後ほど述べますが、正しい面もあるので全否定はしません。しかし、化粧品開発者でこのように思っている人はあまりいないでしょう。
何故なら、「オイルクレンジングは肌に悪い」というのは『間違い(誤解)』であり、一部のコスメを語る人々や、一部メーカーが作り出した『イメージ』にすぎないからです。
化粧品開発者であれば、『本質』を理解しています。「オイルクレンジングが肌に悪い」と言う人は、『クレンジングの本質』を全く理解していません。
そもそもクレンジングは、メイク汚れに代表される『油汚れを落とすためのアイテム』です。『油汚れを落とす=クレンジング力』ですから、クレンジングにとって一番重要なことは、『汚れを落とす力(クレンジング力)』です。
なのに、「オイルクレンジングはクレンジング力が高すぎて肌に悪いから、マイルド(肌に優しい)なクレンジングを使いましょう!」と、クレンジング力よりも、『肌への優しさ』を強く訴える商品が存在します。
クレンジング力よりも肌への優しさが重要?
クレンジング力よりも、肌への優しさのほうが重要なのか?
「肌への優しさ」を大きく宣伝している商品は、クレンジング力が劣ります。肌への優しさを優先するには、クレンジング力をある程度犠牲にする必要があるからです。
クレンジング力が劣るため、メイク汚れがなかなか落ちません。その時、皆さんはどうしますか?
ごしごしと『物理的な力』で落すしかない・・・。
『物理的な力で落とす』、これは、一番やってはいけないクレンジング行為です。
ごしごしと『物理的な力』で落とすと、『人の目は20代からの15年で20%も小さくなる』という報告があります(TBS系列「林先生が驚く初耳学!」2017年4月23日放送より)。
さらに、『物理的な力』でのクレンジングは、『肌荒れ』や『炎症』につながる恐れがあり、絶対にやってはいけません。
・自分のお肌のために、肌に優しいクレンジングを選んだ
⇒
・なかなかメイクが落ちないから、無意識のうちに、ごしごしと力で落とす
⇒
・日常的な、物理的力によるクレンジング行為によって、肌を傷つけてしまった!
クレンジング力に優れる『オイルクレンジング』であれば、メイク汚れを浮かせて落とすことが出来ますから、ごしごしと物理的力で落とす必要はありません。
これで、「オイルクレンジングは肌に悪い」と言えるでしょうか?
クレンジング力が劣り、ごしごし物理的力でクレンジングさせる、「お肌に優しいと言われるクレンジング」の方が、お肌に悪くありませんか?
クレンジング後のケアが重要!
「オイルクレンジングは、クレンジング力が優れるため、メイク汚れだけでなく、お肌に必要な『皮脂』まで落としてしまう」、これは間違いではありません。
ただし、だからと言って、お肌に悪いわけがありません!
私は何度も肌測定をしたことがありますが、洗顔後のお肌は、水分がどんどん蒸発しています。だからこそ、洗顔後、『化粧水』でうるおいを与えるんです。
オイルクレンジングが皮脂まで落としてしまうのであれば、その後、『化粧水』と『乳液』でお肌を整えればいい。
化粧水は、お肌にうるおいを与え、乳液は、お肌のうるおいを閉じ込める(皮脂膜のような働き)。コスメのアイテムには、それぞれに『役割』がある事を忘れてはいけません。
決して、「皮脂まで落とすから」という安直な理由で、オイルクレンジングが肌に悪いと決めつけないでください。重要なのは、クレンジング後の『基礎化粧品でのケア』です。
何故、誤解は生まれるのか?
「オイルクレンジングは肌に悪い」は間違であり、『コスメの誤解』です。
では、何故このような誤解が生まれたのでしょうか?
間違ったオイルクレンジングの選択
「オイルクレンジングが肌に合わない」とか、「オイルクレンジングを使ったらブツブツが出来た」、といったユーザーからの声は確かにありました。
オイルクレンジングは、他のクレンジングに比べ肌を選びやすいかもしれません。
ただし、本当にオイルクレンジングがお肌に合わない方を除き、今一度、オイルクレンジングの選択を見直した方がいいでしょう。
オイルクレンジングの唯一の弱点が、『洗い上がりの悪さ』です。水ベースの「リキッドクレンジング」や「クリームクレンジング」に比べ、オイルベースである「オイルクレンジング」は洗い上がりが悪いです。
洗い上がりが悪いと、「後肌がべとべとヌメヌメする」といった使用感への悪影響だけでなく、オイルが肌に残り、毛穴を防ぐことでニキビの原因となったり、オイルが酸化して炎症を引き起こしたりと、『肌への悪影響』の懸念があります。
これが、「オイルクレンジングは肌に悪い」という『誤解』を生む一因かもしれませんね。
ですから、オイルクレンジングに『洗い上がりの良さ』は重要です。
昔であれば、「クレンジング力が優れているから、洗い上がりは犠牲にすべき」という考えが一般的でしたが、現在は、製剤化技術が進歩していますから、『洗い上がりに優れたオイルクレンジング』は存在します。
その代表格が『アテニア スキンクリア クレンズ オイル』です。
『微細乳化処方』という技術によって、クレンジング後のオイルが、すすぎの水で細かく乳化され、劇的に洗い上がりが改善されています。
この技術のキーとなるのが、『親水性の界面活性剤』で、アテニアはファンケルのグループ会社ですから、ファンケルの界面活性剤配合技術がバックにあるのでしょう。
なかなか真似が出来ない技術です。
オイルクレンジングのクレンジング力が優れているのは当たり前です。ですから、オイルクレンジングを選ぶ際、『クレンジング力』という当たり前の機能ではなく、『洗い上がり』という視点で選んでみてはいかがでしょうか?
ただし、世の中には、『科学的根拠なし』に、「洗い上がりが良い!」と宣伝するオイルクレンジングがたくさん存在します。そのようなものは、科学的根拠がありませんから、おすすめ出来ません。
『アテニア スキンクリア クレンズ オイル』のように、微細乳化という『科学的根拠』がはっきりしている、洗い上がりに優れたオイルクレンジングを選ぶべきだと私は思います。
誤った選択は(洗い上がりの悪いオイルクレンジング)、ニキビや炎症につながるので、ご注意ください。
一部メーカーの販売戦略
「オイルクレンジングは肌に悪い」という『コスメの誤解』が生まれた要因の一つが、一部メーカーの『販売戦略』でしょう。
オイルクレンジング以外の、『クリームクレンジング』や『リキッドクレンジング』を販売する一部メーカーは、『クレンジング力』ではオイルクレンジングに到底敵いませんから、他の機能面で、オイルクレンジングを攻撃しようとします。
売り上げ拡大を図るために、自社の商品をアピールし、他社製品の弱点を突くことは、販売戦略として当然です。
ただし、オイルクレンジングの場合、肌に悪くありませんから、「オイルクレンジングは肌に悪い」という理由で、自社のクレンジングを進める一部のメーカーは、『クレンジングの本質を理解していない』ため要注意です。
そもそも、オイルクレンジングは、クレンジングの剤型タイプの中で、最も『価格と価値のバランスが崩れている』と言っていいでしょう。
つまり、機能・技術は優れるのに、『販売価格が安い』のがオイルクレンジングなのです。
さらに、オイルクレンジングは『原料価格(原価)』が高い。ほぼ全てが『オイル』ですから、ほぼ全てが『水』の化粧水と比べれば、原価が全然違います。
原価が高いのに、販売価格が安い。
そう、オイルクレンジングは『最も儲からないクレンジングタイプ』なのです。
ですから、そもそも、販売力がなく、体力がないメーカーでは、オイルクレンジングを販売することは出来ません。
「ユーザーの肌の事」というより、「自社の都合(儲からない)」で、オイルクレンジングを断念し、他のクレンジングタイプを販売するメーカーが多いのは事実です。
そして、そのようなメーカーに限って、本質を理解していませんから、安易に「オイルクレンジングは肌に悪い」と宣伝する。
「オイルクレンジングは肌に悪い」は、これら一部のメーカーの誤った販売戦略による『誤解』であると私は考えています。
おわりに
いかがでしょうか?
コスメは全てのユーザーの肌に合うものではありません。オイルクレンジングがお肌に合わない方はいらっしゃいます。
オイルクレンジングが肌に合わない方は、他のクレンジングタイプを選ぶべきですが、「オイルクレンジングは肌に悪い」と勘違いして、他のクレンジングを使われている方は、今一度、『クレンジングの本質』を理解し、考えてみてはいかがでしょうか?
クレンジングで一番重要なことは、メイク汚れを優しく包み込むように落とす『クレンジング力』です。
『アテニア スキンクリア クレンズ オイル』のように、洗い上がりに優れたオイルクレンジングを選び、その後、基礎スキンケアでのお手入れをしっかりする。
これがクレンジングの理想だと私は思います。
ただし、注意すべき点がります。
先程も述べたように、オイルクレンジングがお肌に合わない方は、他のタイプのクレンジングをお選びください。
また、ご自身がお使いの『メイク料の性質』と、『メイクスタイル』を理解してください。
ご自身がお使いのメイク料は、「水に強い油中水タイプですか?」「しっかりメイクをされますか?」「ウォータープルーフタイプ」ですか?
例えば、比較的アクティブに活動される方で、水や汗に強い『油中水型』のメイク料で『しっかりメイクされる方』であれば、クレンジング力の低いクリームクレンジング(通常タイプ)を選ぶべきではありません。これではなかなか落ちないので、ゴシゴシ強く擦ってしまいます。クレンジング力に優れたオイルクレンジングやクリームクレンジング(高内相タイプ)を選ぶべきです。
また、『薄付きメイクをお好みの方』であれば、リキッドクレンジングやクリームクレンジング(通常タイプ)で十分です。オイルクレンジング程のクレンジング力は必要ありません。
このように、ご自身がお使いのメイク料の性質やご自身のメイクスタイルをしっかり理解し(水や汗に強い?しっかりメイクする派?)、ご自身に合ったクレンジングを選ぶことが重要です。
これを期に、お使いのクレンジングについて、考えてみてはいかがでしょうか?
※本記事は個人の見解であって、効果を保証するものではありません
