クレンジングには、オイル・バーム・リキッド・ジェル・クリームと、様々なタイプが存在します。これだけタイプが違うモノが存在するアイテムは、クレンジング以外ないと思いますし、だからこそ、どのクレンジングを選んでいいか分からない!と悩むクレンジング難民の方々は多いのではないでしょうか?
今回の記事では、化粧品開発者の私が、クレンジングの特徴をタイプ別にご説明するとともに、タイプ毎に、オススメNO.1クレンジングを厳選してご紹介します。 是非、皆様のクレンジング選びの参考にしてください。
本記事の内容
- 現役の化粧品開発者が真にオススメするクレンジングを知る事で、クレンジング選びの手助けになる!
あなたにオススメのクレンジングタイプは?
クレンジング選びで最も重要な事は、
それぞれのクレンジングの、メイク汚れを落とす成分(クレンジング成分)は何かを知る事
何故なら、クレンジング力抜群や、洗い流し良好、肌に優しい等、そのクレンジングの特徴を決めるのがクレンジング成分だからです。
クレンジング成分(メイクを落とす成分)には、オイルと界面活性剤がありますが、オイルの方が圧倒的にクレンジング力が高いです。一方、界面活性剤の方が、すすぎの水での洗い上がりに優れていますし、W洗顔不要なので、肌にも優しいです。
クレンジング成分=オイル | クレンジング成分=界面活性剤 | |
クレンジングタイプ | オイル・バーム・クリーム・ミルク | リキッド・ジェル・ホット(温感) |
クレンジング力 | 高 | 低~中 |
洗い上がり | 悪い~普通 | 良い |
以上を踏まえ、以下が皆様にオススメのクレンジングタイプになります
(それぞれの「クレンジング」をクリックして頂ければ、記事内の各パートに飛びます)
次項でクレンジングタイプ別に、特徴を詳しくご説明するとともに、タイプ毎に、おすすめNO.1クレンジングを厳選してご紹介します。
化粧品開発のプロが本当におすすめするクレンジングを厳選してご紹介!
オイルクレンジング
クレンジング力
オイルクレンジングの場合、オイルでメイクを落とします。
オイルクレンジングには、クレンジング成分であるオイルが超高配合されていますから、数あるクレンジングの中でも、最もクレンジング力が高いタイプです。
オイルは、ミネラルオイル等の無極性油と、エチルヘキサン酸セチルやトリグリ等の極性油に大別されます。
メイク汚れは極性を持っている事が多いので、極性油の方が良く落ちるという意見もあるようですが、その差を無視出来る程の多量のオイルが配合されているため、あまり気にする必要はありません。
ご自身の好きなオイル、ご自身のお肌に合うオイルをお選びください。
W洗顔の必要性(洗い上がり)
オイルクレンジングは、クレンジング力には優れますが、大部分がオイルのため、洗い上がりは決して良くありません。
オイルクレンジングユーザーで、「使用後、肌がヌルヌルする」といった、洗い上がりの悪さを経験した事がある方は多いと思います。
一方で、W洗顔不要とし、抜群の洗い上がりの良さを訴求するオイルクレンジングは存在します。
しかし、実は、W洗顔不要には明確な根拠がなく、メーカーの言ったもの勝ち的要素が強いです。
つまり、
注意
洗い上がりが悪く、W洗顔必須であったとしても、メーカー側がW洗顔不要と言えば、W洗顔不要クレンジングになる!
ですから私は、オイルクレンジングであればW洗顔を推奨します。
ただし、オイルクレンジングにおいて、洗い上がりを良くするためには、界面活性剤が必須。界面活性剤の存在により、すすぎの水で、メイク汚れと馴染んだオイルが細かく乳化されて、綺麗に洗い流されます。
ですから、例えば「アテニア スキンクリア クレンズ オイル」 のように、界面活性剤の配合技術に長けたメーカーであれば、驚くほど洗い上がりが良い、W洗顔不要のオイルクレンジングは存在します。
界面活性剤の役割
オイルでメイク汚れを落とすのがオイルクレンジングですが、勿論、界面活性剤も配合されています。
ただし、オイルクレンジングにおける界面活性剤の役割は、洗い上がりの改善や濡れた手でも使えるためであって、クレンジング力にはほとんど関係ありません。
クレンジング力だけを考えれば、オイルクレンジングに界面活性剤は必要ありません。ですが、「W洗顔不要にして欲しい」とか、「お風呂場でも(濡れた手でも)使いたい」というユーザーニーズに応えるために、界面活性剤は配合されています。
濡れた手でも使える?
オイルクレンジングを濡れた手でも使えるようにするには、可溶化やバイコンティニュアス構造という特殊な技術が必要です。
「濡れた手でも使える」と表記されているオイルクレンジングであれば、これらの技術が搭載されているので、濡れた手で使っても問題ありません。
まつエクOK?
「オイルクレンジング=まつエクNG」と言われているようですが、これは間違いです。
ポイント
オイルクレンジングはまつエクOK
そもそも、まつエクのグルーは、アセトン等の有機溶剤には溶けますが、コスメに配合されるオイルには溶けません。
オイルクレンジングで有名な大手メーカーも、まつエクOKとしています。
※一般的なグルー(シアノアクリレート系)の場合
オイルクレンジングNGと考えるメーカーでは、水系ベースのリキッドクレンジングをおすすめするケースが多いようです。
しかし、後程ご説明しますが、リキッドタイプはクレンジング力がやや劣る傾向にあり、特にしっかりメイク派の方ではメイクが完全に落ちなくて物理的な力でゴシゴシやりがちです。
これはクレンジングで最もやってはいけない行為の一つ。本末転倒ではないでしょうか?
どのような人におすすめ?
オイルクレンジングの特徴は圧倒的なクレンジング力。
ですから、
ポイント
ウォータープルーフの日焼け止めを使用する人や、アイメイクなどをされるしっかりメイク派の人におすすめ!
アテニア スキンクリア クレンズオイル
オイルクレンジングのオススメNO.1は、圧倒的にアテニア スキンクリア クレンズオイル。
オイルクレンジングの名品です。詳細は以下をご覧ください。
バームクレンジング
バームクレンジングの特徴
オイルクレンジングを固めたものがバームになりますが、処方的にはそんな単純な話ではありません。
以前のバームタイプは、温度による硬さの差が激しくて、安定性に難がありましたが、現在主流のポリエチレン系は、温度による硬さの差が小さく、劇的に安定性があがっています。
ですから、バームタイプであれば、ポリエチレンが配合されているモノをおすすめします。
加温充填が必須なので、ある程度の設備とノウハウを有するメーカーでなければ実現は難しいタイプです。
個人的には、人肌でとろけるようなテクスチャーが気持ちよくて、使っていて楽しいですね。
クレンジング力とW洗顔(洗い上がり)
バームタイプは、油系クレンジングですから、オイルクレンジング同様、優れたクレンジング力を発揮しますが、洗い上がりは決して良くありません。
ただし、バームタイプは固形という性状なので、安定性の観点から界面活性剤を比較的多く配合出来ます。
ですからバームタイプは、同じ油系ベースのオイルに比べ、洗い上がりが良い傾向にありますが、油系ベースである事に変わりはないので、残り感をお感じになるようでしたら、W洗顔をおすすめします。
界面活性剤の役割
バームクレンジングにも界面活性剤が配合されます。役割は、洗い上がりの向上です。
バームクレンジングはバーム状(固形)ですから、水を取り込むことが困難なため、濡れた手では使いづらい設計になっています。
ですから、乾いた手でのご使用をおすすめします。
まつエクに関しては、オイルクレンジング同様、一般的なグルーであれば、まつエクOKです。
どのような人におすすめ?
クレンジング力が高いので、オイルクレンジング同様、
ポイント
ウォータープルーフの日焼け止めを使用する人や、アイメイク等をされるしっかりメイク派の人にオススメ!
安定性の観点から、オイルタイプに比べて、界面活性剤が多く配合出来るため、洗い上がりが良いというのも魅力の一つですし、何より、人肌でとろけるようなテクスチャーが素敵です。
オイルクレンジングに比べて、価格が少し高いという点がややマイナスポイントでしょうか。
DUO クレンジングバーム
バームクレンジングのオススメNO.1は、DUO クレンジングバーム。
安定のポリエチレン系で、油系ベースとは思えない程、洗い上がりが良いです(W洗顔不要)。人肌でとろけるようなテクスチャーが、使っていて楽しいですね。
高内相クリームクレンジング
クレンジング力を決定づける要素は?
クリームクレンジングはその名の通り、クリーム状の性状で、オイルでメイク汚れを落とします。
界面活性剤も配合されていますが、その役割は、クリーム状に保つためと、洗い上がりの改善であって、クレンジング力には関係ないです。
ですから、クリームクレンジングにおいて、クレンジング力を決定づける要素はオイルです。
高内相って?
クリームクレンジングはオイルでメイク汚れを落とします。つまり、オイルがクレンジング成分です。
性状的に、オイルクレンジングやバームクレンジングよりも、オイル(クレンジング成分)を高配合出来ません。
これが、クリームタイプが、オイルやバームよりもクレンジング力が劣る一番の理由です。
しかし、
ポイント
クリームクレンジングであっても、オイルやバームと同等以上の高いクレンジング力を発揮するモノがある!
それが高内相。
クリームクレンジングの場合、オイルを内相という言葉で表現する場合があり、内相量(=オイル量)が多いという意味で高内相。
つまり高内相とは、クレンジング成分であるオイルが高配合されているという意味で、高内相タイプのクリームクレンジングであれば、オイルやバームと同等以上の高いクレンジング力を発揮するのです。
高内相の見分け方
クリームクレンジングには、当然の事ながら、高内相ではないモノもあります。
私自身、高内相クリームクレンジングの品質は素晴らしいと考えているので、ここでは高内相タイプを詳しくご説明しています。
高内相とそうではないモノ、見極めは簡単。
高内相タイプは、オイル(内相)が非常に多いですから、
必ず全成分表示で、オイル類が水よりも先に表示される
オイル類が水よりも先に表示されているクリームクレンジングであれば、ほぼ間違いなく、高内相タイプです。
ポイント
- クリームクレンジングでオイル類が水よりも先に表示されていれば高内相タイプ
- クリームクレンジングであれば高内相がおすすめ!
高内相タイプはクレンジングの理想形
高内相タイプは、塗布行為によって転相し、オイルがじゅわっと出てきます。
「クリーム(ジェル)からオイルに変化」と言う表現があると思いますが、まさにこれです。
その後、すすぎの水で乳化され、洗い流されます。
この、転相 ⇒ 乳化がスムーズなほど、優れた高内相クリームクレンジングと言えます。
オイルが高配合されているため、オイル・バームと同等以上の高いクレンジング力を有しながら、水系ベースであるので、洗い上がりも抜群。
「高いクレンジング力」と「洗い上がりの良さ」を両立する、高内相クリームクレンジングはまさに、クレンジングの理想形と言えるでしょう。
どのような人におすすめ?
高内相タイプこそクレンジングの理想形。
高いクレンジング力と抜群の洗い上がりの良さを両立する、唯一無二のクレンジングです。
クリームからオイルに変化する転相と、すすぎの水で乳化される状態(テクスチャー)変化は大変面白い。
ですから、メイクをするすべての人にオススメしたい!これが、高内相クリームクレンジングです。
オルビス オフ クリーム
高内相クリームクレンジングの圧倒的おすすめNO.1は、オルビス オフ クリーム。高品質でありながら、比較的お求めやすく、超おすすめの高内相クリームクレンジングです。
詳細は以下記事をご覧ください。
リキッドクレンジング
クレンジング力と洗い上がり
これまでご紹介した、オイル・バーム・クリームクレンジングは、オイルでメイクを落とします。
一方リキッドクレンジングは、オイルではなく、界面活性剤でメイクを落とします。
リキッドクレンジングは水系ベースですから、洗い上がりは抜群に良い。しかし、オイルで落とすオイル・バーム・クリームに比べ、界面活性剤で落とすリキッドは、クレンジング力が落ちてしまいます。
何故なら、理由は2つ。
メイク汚れは界面活性剤よりもオイルとの方が馴染みが良い、
これが一つ目の理由。
そして、界面活性剤を増量すれば、クレンジング力はアップしますが、
肌刺激性の観点と、テクスチャーからそれが出来ない
これが2つ目の理由です。
ですから、ウォータープルーフの日焼け止めやアイメイクは、リキッドでは完全には落ちないため、そのような場合は、オイルで落とす、オイル・バーム・クリーム(高内相)をおすすめします。
どのような人におすすめ?
リキッドクレンジングは、オイル・バーム・高内相クリームに比べややクレンジング力が劣りますが、そもそも、落とすモノ(メイク)が少ない人に高いクレンジング力は必要ないです。
高いクレンジング力のモノを使うと、それだけ肌に負担をかける事になるので、落とすモノ(メイク)が少ない人がオイル・バーム・高内相クリームを使うと、お肌に余計な負担を与える事になります。
ですからリキッドクレンジングは、
ポイント
ナチュラルメイクや薄付きメイクの人におすすめ!
クレンジングはメイクスタイルに合わせてお選びください。
オルビス クレンジングリキッド
リキッドクレンジングのオススメNO.1は、オルビス クレンジングリキッドです。
リキッドと言えばオルビス。リキッドクレンジングの名品です。
詳細は以下をご覧ください。
注意点
リキッドクレンジングは水系ベースですから、特別な技術を投入しなくても濡れた手で使えます。ただし、濡れた手で使うと、界面活性剤(クレンジング成分)が薄まって最大限の効果を発揮しないため、ご注意ください。
また、まつエクOKではありますが、そもそもリキッドクレンジングは、クレンジング力にやや不安がありますから、アイメイクは落ちない可能性が高いです。
アイメイクを落とす際は、油系ベースのオイルかバーム、水系ベースでもクレンジング力が高い高内相クリームがおすすめです。
ミルククレンジング
クレンジング力と洗い上がり
ミルクタイプのクレンジングは、オイルでメイクを落とします。
ミルクタイプの場合、オイルを高配合するとミルク性状を保てなくなるため、オイルの配合量は少ないです。
ですから、数あるクレンジングの中でも、最もクレンジング力が劣るタイプと言えるでしょう。
水系ベースですから洗い上がりは抜群です。濡れた手でも使えますが、ウォータープルーフタイプのメイクやアイメイクを落とすのは難しいです。
どのような人におすすめ?
ミルクタイプのクレンジングはクレンジング力が劣ります。ミルクという性状を保つために、クレンジング成分であるオイルを高配合出来ないのが一番の理由です。
※ オイルを高配合するとミルク ⇒ クリームになってしまいます
注意
ミルクタイプは圧倒的にクレンジング力が劣るのでおすすめ出来ない
ミルクタイプを使うくらいなら、先ほどご紹介したミルクと同じ水系ベースである、オルビス オフ クリームかオルビス クレンジングリキッドをおすすめします。
ホットクレンジング(温感クレンジング)
何故、温かい?
肌に塗布すると熱を感じるのがホットクレンジング(温感)です。
熱の正体はグリセリンによる水和熱。グリセリンが肌の水分と反応して、水和熱を発生する事で温かく感じます。
ですからホットクレンジングでは、水厳禁です。水が存在すると、塗布時に熱を感じなくなるからです。
全成分を見ると、水が表示されるケースはありますが、これはエキス由来の水で、その配合量は、温感に影響を与えない程の極微量です。
当然、濡れた手では使えず、乾いた手でのご使用をおすすめします。水系ベースですからW洗顔不要です。
クレンジング力は?
ホットクレンジングは、かなり温かいので、初めてお使いの方は驚かれると思います。しかし、肝心のクレンジング力は十分とは言えません。
何故なら、温感付与のために、ホットクレンジングの大部分はグリセリンであり、クレンジング成分であるオイルや界面活性剤の配合量が少ないからです。
また、ホットクレンジングの場合、大部分がグリセリンですから、90%等、高い美容液成分量を訴求するケースが多いです。
しかし、クレンジング成分である界面活性剤は美容液成分にカウントされません。界面活性剤の増量によりクレンジング力はアップしますが、美容液成分量が減ってしまう。つまり、
注意
高い美容液成分量を訴求するモノ程、界面活性剤量の減少により、クレンジング力が低下する
マナラ ホットクレンジング
正直、温感タイプもミルクタイプ同様、クレンジング力が劣るのであまりおすすめしませんが、マナラは別格。理由は、圧倒的な販売実績です。
詳細は以下をご覧ください。
まとめ
オイルクレンジング
- 最高レベルのクレンジング力
- W洗顔推奨
- 品質を決定づけるのは界面活性剤
- 濡れた手OK
- まつエクOK
- ウォータープルーフメイク、アイメイク、しっかりメイク派の人におすすめ
- 圧倒的おすすめNO.1はアテニア スキンクリア クレンズオイル
高内相クリームクレンジング
- 最高レベルのクレンジング力
- W洗顔不要
- 濡れた手厳禁
- まつエクOK
- ウォータープルーフメイク、アイメイク、しっかりメイク派の人におすすめ
- クレンジングの理想形
- 圧倒的おすすめNO.1はオルビス オフ クリーム
リキッドクレンジング
- W洗顔不要
- 濡れた手OK
- まつエクOK
- ウォータープルーフメイク、アイメイクを完全に落とすのは厳しい
- オイルが苦手な人はリキッド一択!
- おすすめNO.1は、リキッドの名品オルビス クレンジングリキッド
ホットクレンジング
- W洗顔不要
- 濡れた手厳禁
- まつエクOK
- ウォータープルーフメイク、アイメイクを完全に落とすのは厳しい
- 驚くほど温かい!毛穴ケアやマッサージしながら落としたい人におすすめ!
- ホットクレンジングなら圧倒的販売実績のマナラ
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません