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ナチュラルコスメの新基準「指数表示」:化粧品開発者が徹底解説

この記事を書いている人

コスメデイン

  • 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
  • 今も現役の化粧品開発者
  • 美容雑誌の監修経験あり
  • 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!

美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)

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ナチュラルコスメとオーガニックコスメの市場は成長を続けていますが、その基準の曖昧さが最大の課題です。

この記事では、現役の化粧品開発者の視点から、ナチュラル・オーガニックコスメの新しい国際基準について解説します。ISO 16128に基づくガイドラインが、これらのコスメの定義を明確にし、消費者がより賢い選択をするための道を開きます。

この基準により、ナチュラル・オーガニックコスメの市場はどのように変わるのか、そして消費者にとってどのような意味を持つのかを深く掘り下げます。

 

本記事の内容

  • ナチュラルコスメの新基準「指数表示」について、現役の化粧品開発者が詳しく解説

 

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今のナチュラルコスメ・オーガニックコスメ

新基準・ISO16128・ナチュラルオーガニックコスメ

ナチュラルコスメ・オーガニックコスメほど、怪しいコスメ領域はありません。何故なら、これらコスメには統一基準がなく、各社ばらばら、各化粧品メーカーの自社基準で運営されているのが現状ですから、配合成分的に「これ本当にナチュラルコスメ?」と疑わしいモノがたくさん存在します。

実際、ナチュラル原料はごくわずかで、多くを合成原料が占めているにもかかわらず、ごくわずかなナチュラル原料を配合しているという理由で「ナチュラルコスメ」と宣伝している怪しいナチュラルコスメが当たり前のように存在します。

また、「90%以上を植物由来成分と水で構成」と表示された商品に対し、認定NPO法人から、「90%のうち何%の植物由来成分が配合されているのか? 植物由来成分が多量に配合されているとの印象を与える可能性がある」と指摘された事例もあります。

この場合、90%以上と言っておきながら、大部分は水であり、植物由来成分はわずかでしょう。

このように、今のナチュラルコスメ・オーガニックコスメには、統一基準がありませんから、ユーザー側は時に不利益を被ります。

ナチュラル・オーガニックを求めるユーザーが、自身にとっての真のコスメを選ぶためには、これらコスメを手掛ける化粧品メーカーのナチュラル・オーガニックの解釈を理解し、共感する必要があります。

統一基準がない現状では、化粧品メーカー自身が、自社のナチュラル・オーガニックに対する考え方・理念を、ユーザー側に発信する必要があるのです。

 

ISO 16128に基づくガイドラインの策定

現在のナチュラル・オーガニックコスメに対して化粧品業界団体は、誤解を与えることなく正しい情報をユーザーに提供しなければならないと考えました。

そして、ISO 16128に基づく化粧品の自然及びオーガニックに係る指数表示に関するガイドラインの策定に着手に至ります。

言い換えると、ばらばらなナチュラル・オーガニックコスメの基準を、『際レベルで統一化するということです。

ISOとは、国際標準化機構の略称で、1947年に設立された非政府機関です。160以上の国が参加しており、様々な産業の基準を国際レベルで標準化しております。

ISO 16128がナチュラル・オーガニックコスメに関する国際標準規格で、日本の化粧品業界団体である、日本化粧品工業連合会(JCIA)は専門部会を発足させ、日本代表として会議に出席し、日本の意見を積極的に発信しながら、ISO 16128の成案に貢献してきました。

ISO 16128に基づく自然及びオーガニック化粧品に関するガイドラインによる、基準の統一化によって、ナチュラルコスメ・オーガニックコスメがどのように変わるのか、次項で詳細をご説明します。

 

ISO 16128に基づくガイドライン詳細

では、ISO 16128の詳細をご説明しますが、本記事は一般ユーザー向けの内容ですから、細かな計算式などは割愛します。私は一通り把握しておりますが、詳細の詳細は、ここでは触れませんのでご了承ください。英語とフランス語に限定されますが、ISO 16128は有料で入手可能ですから、そちらをご確認ください。

原料の定義

ISO16128によって原料は、自然原料オーガニック原料自然由来原料オーガニック由来原料鉱物由来原料非自然原料に定義されます。

詳細は割愛しますが、由来に対しても明確な決まりを設けており、に対しても4つに分けて細かく規定しています。

これは非常に評価できる点で、これまでの「天然由来」とか「自然由来」・「植物由来」といった由来という表現は非常に曖昧で、これがナチュラルコスメ・オーガニックコスメを複雑にしてきた要因でもあります。

今回、自然由来原』オーガニック由来原料に該当するための、明確なルールを設けています。

また、全成分表示には「水」とまとめて表記されてしまいますが、コスメの「水」には様々な配合のされ方があります。今回、この様々な配合のされ方の「水」が、どの原料定義に分類されるかも細かくルール化されました。

ISO16128によって、コスメに配合の全ての原料が、自然原料・オーガニック原料・自然由来原料・オーガニック由来原料・鉱物由来原料・非自然原料に定義されます。後ほど説明する指数計算のためにも、配合原料がどの原料定義に該当するか、化粧品メーカーは確実に把握する必要があるのです。

これは結構大変なことで、ISO16128を深く理解する必要がありますから、どれだけの化粧品メーカーがこれに対応できるか、化粧品開発者の能力次第でしょう。

 

原料処理

コスメに配合の原料は、コスメに配合されるために、様々な処理が施されます。

「エコサート認証」や「コスモス認証」などでは、この原料処理も規定していますが、日本のナチュラルコスメ・オーガニックコスメの多くは、原料処理までは考慮していませんでした。

ISO16128では、粉砕・発酵などの「物理処理」、自然に起こる「発酵反応」、意図的な化学修飾を伴う「化学的処理」など、原料処理法によって原料定義は異なります。

ですから、同じ成分でも、処理方法が違えば、「自然由来原料」になったり、「オーガニック由来原料」になったりします。

 

指数表示

今回のISO16128で一番のメインが、指数表示でしょう。

今のナチュラルコスメ・オーガニックコスメには「統一基準」がありませんから、「植物由来原料〇〇%以上配合」とか、「天然由来原料〇〇%以上配合」など、化粧品メーカーによって様々な表示法があります。

先程も述べたように、例えば、「植物由来原料90%以上配合」と宣伝しながら、おそらくこの中には「水」も含まれていますから、真の意味で、植物由来原料が何%配合されているか、ユーザーは知ることが出来ません。

このユーザー側の不利益を解消するために、ISO16128では、指数表示を導入しました。

指数の種類は、自然指数自然由来指数オーガニック指数オーガニック由来指数で、それぞれに「水を含む」、「水を含まない」の2種類存在し、計8つの指数表示の中から選択して表示します。

これはつまり、「〇〇指数」の〇〇に定義される成分が、コスメ中に重量で何%配合されているかを表す表示法で、特筆すべきは、各指数に水の有り無し2種類を用意したことです。

先程の例のように、世のナチュラルコスメ・オーガニックコスメの中には「自然由来原料90%以上配合」と、非常に高い自然由来度を宣伝するモノがあります。おそらく、この数字の5割~8割は「水」が占めています。

「自然由来原料」と聞くと、ユーザー目線では、「植物由来のオイル」や「植物由来のエキス」を想像すると思いますが、化粧品メーカー目線では「水」も「自然由来原料」にカウントします。

何故なら、由来度のパーセンテージを大きくしたいためです。コスメには「水」が多量に配合されていますから、「水」を「自然由来原料」とすることで、「自然由来原料90%以上」という、非常に高い数値が可能になります。

しかしこれは、真にナチュラルコスメ・オーガニックコスメを求めているユーザにとって、あまり好ましいことではありませんから、ISO16128は、この部分にメスを入れたわけです。

ISO16128によって、指数に表示されているパーセンテージが、水を含むか、含まないか、ユーザー側は容易に判断出来るようになります。

もう一つ注目すべき点は、ISO16128では、自然自然由来オーガニックオーガニック由来の4種の表現に限定しており、世に存在する「植物由来」や「天然由来」といった表現での指数表示は認めていません。

では実際、どのような表示例になるのでしょうか?

以下が、ISO16128に準拠した、これからのナチュラルコスメ・オーガニックコスメの表示例になります。

表示例

  • 自然指数50%(水を含まない)ISO 16128準拠
  • 自然由来指数70%(水45%を含む)ISO 16128準拠
  • オーガニック指数30%(水を含まない)ISO 16128準拠

 

注意点

ISO 16128は「化粧品」を規定していない

ISO 16128は、ナチュラルコスメ・オーガニックコスメの、配合原料に対するガイドラインであり、コスメ(化粧品)に対するものではありません。

ですから、「自然化粧品(ISO 16128に準拠)」とか、「オーガニック化粧品(ISO 16128に準拠)」といった表示は禁止されています。

 

法的拘束力はない

これが一番の注意点と言うか、今回のナチュラルコスメ・オーガニックコスメの新基準で、一番重要な点です。

この新基準(ISO 16128)には法的拘束力はないです。

ですから、世の化粧品メーカーはこのガイドラインに従う必要はありません。

これまで通り、自社の判断で、「植物由来原料〇〇%配合」や「天然由来原料〇〇%配合」という表現を使っても、何ら問題はありません。

しかし、ユーザー目線で考えれば、この新基準は非常に有用です。基準の統一化は、化粧品メーカー間の競争力を平等にしますし、何より、ユーザーが不利益を被る、訳の分からないナチュラルコスメ・オーガニックコスメは淘汰されていくでしょう。

ただし、この「新基準」が、世に広く浸透したらの話です。

せっかく基準を統一化しても、法的拘束力がない以上、いかに各化粧品メーカーに浸透させるかが重要です。今後、JCIAは、日本だけでなく、欧米の化粧品業界団体と協力して、「新基準」を浸透させる必要があり、その活動に尽力していくでしょう。

この「新基準」は、ユーザーにとってのメリットは大きいですが、正直、化粧品メーカーにとって、他社が導入しない限り、あまりメリットはありません。

何故なら、今回の「新基準」によって、これまで「植物由来原料90%以上配合」と宣伝していた商品は、確実にパーセンテージの数字が下がるからです。しかも、「植物由来原料」と言う表現も使えません。

数字が下がるということは、見方を変えればスペックダウンと言えますし、従来の表示方法の他社品に比べて競争力が劣るとも言えます。

ですから、今回の「新基準」が化粧品業界に浸透するにはまだ時間がかかると思いますし、第三機関による認証コスメも存在する現状を考えると、浸透させることは、並大抵のことではありません。

しかし、ユーザー目線で考えると、この「新基準」は非常に有用なので、多くの化粧品メーカーが導入し、化粧品業界に浸透して、今のナチュラルコスメ・オーガニックコスメを変えてもらいたいと思います。

 

おわりに

いかがでしょうか?

ナチュラルコスメとオーガニックコスメの市場は、その基準の曖昧さにもかかわらず成長を続けています。この記事では、ISO 16128に基づく新しい国際基準が、これらのコスメの定義を明確にし、消費者により賢い選択を提供する道を開くことを解説しました。

しかし、この新基準には法的拘束力がなく、化粧品メーカーは従う必要はありません。それにもかかわらず、この基準は化粧品業界における競争力を平等にし、消費者にとって有益です。今後、この新基準が広く浸透し、ナチュラルコスメ・オーガニックコスメの市場が変化することを期待します。

 

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません

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