
この記事では、ハトムギ化粧水の本物と偽物を詳しく説明するとともに、化粧品開発者の私が『真におすすめするハトムギ化粧水』をご紹介します。
現在のコスメ市場には、様々な『ハトムギ化粧水』が発売されていますね。
しかし、世のハトムギ化粧水の多くが『偽物』だという事実をご存知ですか?
偽物というのは言い過ぎですが、ハトムギ化粧水には『オリジナル』(本物)が存在し、オリジナルとそうでないモノでは、搭載技術が全く違うという事実をご存知でしょうか?
目次
ハトムギ化粧水のオリジナルは?
日本最大の化粧品口コミサイト、『アットコスメ』で、複数年ベストコスメアワード化粧水部門第一位を獲得したすごい商品があります。
それが、ナチュリエの『ハトムギ化粧水』です。
ですからネット上では、ナチュリエのハトムギ化粧水がオリジナル(本物)で、それ以外は偽物、という情報もありますが、これは間違いです。
確かにナチュリエは、そのコスパの高さから、ハトムギ化粧水として非常に有名ですが、オリジナル(本物)のハトムギ化粧水ではありません。
ハトムギ化粧水のオリジナルは、コスメの名品中の名品、『アルビオン薬用スキンコンディショナー エッセンシャル』で、スキコンの相性で長年愛され続けています。
アルビオン スキコンについての詳細は以下記事をご覧ください。
40年以上前に発売されながら、いまだ愛され続ける理由の一つが、化粧水を白濁化させた『技術』です。
ナチュリエ含め、現在のハトムギ化粧水の多くが、『白濁化剤』(不透明化剤)と言われる「(スチレン/アクリレーツ)コポリマー」という成分で白濁しているのに対し、アルビオンは、水性成分中に界面活性剤を安定的に分散させるという、当時としては画期的で、今なお色あせない『独自技術』によって、白濁化を実現させています。
「水性成分中に界面活性剤を分散」と、言葉で言えば一言ですが、これは非常に高度な事で、相当な技術力が無ければ実現不可能です。
だからこそ、現在のハトムギ化粧水の多くは、界面活性剤を分散させるのではなく、『白濁化剤の配合』という方法をとっているのです。
※白濁化剤・・・(スチレン/アクリレーツ)コポリマー
ですから、ハトムギ化粧水のオリジナルであるアルビオン スキコンと、現在のハトムギ化粧水とでは、搭載技術が全く異なります。
このように、ハトムギ化粧水のオリジナル『アルビオン スキコン』には、界面活性剤の安定分散という『超高度な技術』が搭載されており、さらに、40年以上もの長い間ユーザーに愛され続けられている『確かな実績』があるのです。
アルビオン スキコンは、『コスメの名品中の名品』と呼ぶに相応しい一品でしょう。
現在のハトムギ化粧水はどうやって誕生した?
前述したように、ハトムギ化粧水のオリジナルは『アルビオン薬用スキンコンディショナー エッセンシャル』(スキコン)であって、これは、40年以上経過した今でも多くのユーザー支持を集める、コスメの名品中の名品です。
この商品の特長は、
1. ハトムギエキスを配合している事
2. 白濁化した化粧水である事
以上、2点です。
あまりに、アルビオン スキコン人気が高いため、他社がこの2点を参考にして発売したのが、現在のハトムギ化粧水の誕生だと考えられます。
特長の1つ目の『ハトムギエキス配合』は簡単です。ハトムギエキスは簡単に手に入りますから、コスメへの配合は全く問題ありません。
ちなみに、アルビオンのスキコンは『医薬部外品』のため、化粧品とは全成分名称が違う場合があります。アルビオン スキコンの『ヨクイニンエキス』が、化粧品でいう「ハトムギエキス」になります。
問題があるのは、2つ目の『白濁化した化粧水』。
これは先ほども述べた通り、オリジナルであるアルビオンの白濁化技術は高度で、簡単に出来るものではありません。
ですから、「(スチレン/アクリレーツ)コポリマー」という『白濁化剤』を用いて、オリジナルの外観をトレースしています。
「ハトムギエキス」と「(スチレン/アクリレーツ)コポリマー」、これでハトムギ化粧水の完成です。
そして、さらに驚きの事が。それは、世のハトムギ化粧水の多くが『スキンコンディショナー』という名前を使っている事。
外観(白濁)や成分(ハトムギエキス)だけでなく、商品名までオリジナルのアルビオンのトレースをするとは驚きです。
しかし『価格』は全然違います。
オリジナルのアルビオン スキコンは、3,000円~10,000円(容量によって異なる)と、価格的には『中価格帯』に位置します。
一方、現在のハトムギ化粧水の多くが、500ml 600円前後と、『低価格帯』且つ『大容量』です。この圧倒的なコスパが、ユーザー支持を集めているのでしょう。
現在のハトムギ化粧水の実力は?
オリジナルのアルビオン スキコンは、界面活性剤の安定分散という確固たる技術で白濁化していますし、40年以上ユーザーに愛され続けられているという実績は素晴らしい!
一方、現在のハトムギ化粧水は、オリジナルをトレースするも、白濁化させるだけの技術展開は難しく、『白濁化剤の選択』という方法をとっています。
しかし、冒頭で申し上げたように、例えば、現在のハトムギ化粧水の代表格である「ナチュリエ スキンコンディショナー(ハトムギ化粧水)」は、アットコスメでベストコスメアワード第一位を『複数年』受賞しています(化粧水部門)。
※アルビオン スキコンは、2008年に殿堂入りしています
これは大変すごいことです。快挙と言えます。
『低価格&大容量』というコンセプトが、可処分所得が低い10代~20代や、コスメに対するプライオリティが低い層の支持を得た結果と言えます。
ですから、搭載技術はオリジナルとは違いますが、「低価格&大容量」を実現した企業努力で、ハトムギ化粧水ユーザーの裾野を広げた功績は素晴らしいです。
プロが真におすすめするハトムギ化粧水は?
オリジナルではありませんが、現在のハトムギ化粧水は、『コスパの良さ』という点は大変評価できます。
しかし、白濁に関しては、白濁化剤を用いた『演出』であって、肌への効果は期待出来ません。
一方、アルビオンのスキコンの、界面活性剤を安定的に分散させた『白濁化技術』は大変素晴らしい。
ただし、そもそも、界面活性剤は肌に対して決して良い影響を与えるわけではありません。界面活性剤の配合によって『テクスチャー』や『肌馴染み』は良くなりますが、界面活性剤は分子量が小さいため、『肌刺激』という懸念があります。
ですから、肌のことを考えれば、界面活性剤はない方がいい or 量が少ない方がいいですし、もし白濁化するのであれば、界面活性剤を分散させるよりも、エモリエント効果のある『オイル』を分散(乳化)させた方が、お肌にとっては有効だと私は思います。
このように、現在のハトムギ化粧水に配合されている『白濁化剤』((スチレン/アクリレーツ)コポリマー)及び、アルビオン スキコンの白濁化技術の根幹である『界面活性剤』は、あくまで演出であって、肌にとって必ずしも有効な成分とは言えません。

資生堂 エリクシールホワイト クリアローション
資生堂エリクシールホワイト クリアローション=ハトムギ化粧水、と思っている人は少ないかもしれませんが、立派なハトムギ化粧水です。
外観で判断してはいけません。
<エリクシール ホワイト クリアローション T II>
有効成分
4-メトキシサリチル酸カリウム塩,グリチルリチン酸ジカリウム
その他成分
加水分解コンキオリン液,オリーブ葉エキス,ヨクイニンエキス,オランダカラシエキス,イノシット,水溶性コラーゲン(F),精製水,ジプロピレングリコール,エタノール,ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル,濃グリセリン,1,3-ブチレングリコール,ポリエチレングリコール400,α-オレフィンオリゴマー,ポリオキシエチレンフィトステロール,イソステアリルアルコール,イソステアリン酸,ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(4)ジメチルエーテル,エデト酸二ナトリウム,クエン酸ナトリウム,エリスリトール,2-O-エチル-L-アスコルビン酸,セスキオレイン酸ソルビタン,カルボキシメチルセルロースナトリウム,クエン酸,水酸化カリウム,ローズマリー油,リン酸L-アスコルビルマグネシウム,塩酸リジン,酵母エキス(3),L-アルギニン塩酸塩,ヨモギエキス(2),トウキエキス(1),フェノキシエタノール,香料,赤色227号,黄色4号
ハトムギ化粧水=見た目が白濁、というわけではありません。
先ほども述べたように、あくまで白濁は演出の一部であって、肌にとって有益ではない、です。
『ハトムギエキス』(医薬部外品の場合は『ヨクイニンエキス』)が配合されているモノがハトムギ化粧水。
そのような意味で、化粧品開発者の私が真におすすめするハトムギ化粧水が、『資生堂 エリクシールホワイト クリアローション』。
資生堂エリクシールは、『15年連続売上NO.1』という驚異のブランドです。
エリクシールと言えば『つや玉』。つや玉とは、ハリと透明感で満たされた肌が、外側からの光を受けて、内側から多く反射し、輝くようなつやの事です。
つや玉を実現させるのが肌内の『コラーゲン密度』。
エリクシールに配合のヨクイニンエキス(ハトムギエキス)や水溶性コラーゲンが、肌内のすこやかなコラーゲンを生み出せ続け、コラーゲン密度を高め、つや玉肌に導きます。
エリクシールホワイト クリアローションは、つや玉肌に導きながら、美白&肌荒れの『ダブル有効成分の医薬部外品』でもあります。
美白の有効成分には『4-メトキシサリチル酸カリウム塩』が、肌荒れの有効成分には『グリチルリチン酸ジカリウム』が配合されています。
特に着目すべきは、美白有効成分の『4-メトキシサリチル酸カリウム塩』(4MSK)。
非常に優れた美白効果(チロシナーゼ活性抑制効果)を発揮し、資生堂の『独自成分』でもありますから、資生堂の商品でしかその効果を体験できません。
ハトムギ化粧水と言えば、見た目が白いモノ(白濁)の印象が強いかもしれませんが、何度も申し上げるように、白濁化は演出の一部であって、特段の肌への有用性はありません。
白濁化していなくとも、資生堂 エリクシールホワイト クリアローションのように、圧倒的技術力で、美白&肌荒れのダブル有効成分の医薬部外品を実現させた『ハトムギ化粧水』は存在します。
見た目のインパクト(白濁)に流されてはいけない!
化粧品開発者の私が真におすすめする、エリクシールホワイト クリアローション&エマルジョンのトライアルをきっかけに、『15年連続売上NO.1』のエリクシールブランドのすごさを体験してください。
おわりに
いかがでしょうか?
今流行りのハトムギ化粧水のオリジナルは、40年以上に発売されいまだ愛され続けている『アルビオン薬用スキンコンディショナー エッセンシャル』(スキコン)です。
この、コスメの名品中の名品と言われるモノの、外観・成分・商品名をトレースしたものが、現在のハトムギ化粧水たちです。
ただし、トレースと言っても、『低価格&大容量』という新たなコンセプトで、圧倒的支持を得ている現在のハトムギ化粧水はすごいと言えます。
しかし一方で、アルビオンも現在のハトムギ化粧水も、演出にすぎない白濁化をしています。
※アルビオンの白濁化は「技術」という点では素晴らしいです
化粧水は、最も基本でありながら、最も重要なアイテムでもあるので、正しい知識でご自身にあったモノをお選びください。




※本記事の内容は個人の感想であって効果を保証するものではありません