日焼け止めジェルは効果がないのでは?
日焼け止めジェルに対して、多くの人がこのような疑問をお持ちだと思います。
そこでこの記事では、化粧品開発者の視点から、ジェルタイプの日焼け止めが直面する3つの主な課題、「紫外線防御効果の持続性の欠如」、「長波長UVAの防御不足」、「化粧持ちの悪さ」を詳細に解説し、これらの問題に対する解決策を提案します。
この記事を通じて、日焼け止めジェルに関する誤解を解き、夏のスキンケアに対する新たな洞察を得ることができるでしょう。
本記事の内容
- 「ジェルタイプの日焼け止めは効果がない」3つの理由を、現役の化粧品開発者が解説
日焼け止めジェルは効果なし!?
日焼け止めには様々なタイプが存在しますが、その中でも、みずみずしいテクスチャーを有するジェルタイプは人気が高いです。
人気が高い一方、多くの人が以下のような疑問をお持ちのようです。
日焼け止めジェルは効果がない?
結論から言うと、日焼け止めジェルは効果がないとは言わないまでも、その特性上、効果が低いです。
ですから、ジェルタイプを使う際は、特に、使用法には注意が必要ですし、化粧品開発者の立場からすれば、ジェルではなく、ミルクやクリームタイプの日焼け止めをおすすめします。
では何故、日焼け止めジェルは効果が低いのか、その理由を、次項以降で詳しく解説いたします。
結論
日焼け止めジェルは効果がないとは言わないまでも、その特性上、効果は低い
日焼け止めジェル 人気の秘密
日焼け止めジェルの特徴とは?
日焼け止めジェルは、その名の通りジェル状のテクスチャーを持つ日焼け止め製品です。
このタイプの最大の魅力は、肌にスムーズになじみやすく、みずみずしい、べたつきを感じにくい点にあります。
ジェルタイプの日焼け止めは、紫外線吸収剤を用いるケースが多いため、日焼け止め特有の白浮きを心配する必要がありません。それゆえ、服に色がつきにくいという利点も持ち合わせています。
SPFやPAといった紫外線防御指数が高い製品も多く、適切に使用すれば、強力な紫外線から肌を守ることが可能です。
さらに、特有の香りや重いテクスチャが苦手な方にとっても、使いやすい製品が多いのが特徴です。
日焼け止めジェルが人気の理由
ジェルタイプの日焼け止めが多くの方から支持される理由は、その使用感にあります。
さらっとしたテクスチャーは、肌に重い感じを与えず、日焼け止めを塗っていることを忘れさせてくれるほどです。これは、ジェルタイプの日焼け止めの多くが紫外線吸収剤メインで処方化されているためです。
散乱剤は粉状のため、白浮きや乾燥、伸びが重いといったデメリットがありますが、オイル状である吸収剤は、これらデメリットはないです。
また、ジェルタイプの日焼け止めは水系ベースですから、ダブル洗顔不要といったメリットもあります。
これらの特徴が、幅広いニーズに応えるジェルタイプの日焼け止めの人気を後押ししています。
日焼け止めジェル 人気の理由
- みずみずしく、べたつかないテクスチャー
- 白浮きしない
- ダブル洗顔不要(洗顔だけで落とせる)
「日焼け止めジェル 効果なし」3つの理由
「日焼け止めジェルが、効果はないと言わないまでも効果が低い」には3つの理由があります。順番に詳しくご説明します。
紫外線防御効果の持続性なし
ジェルタイプの日焼け止めの多くは、紫外線吸収剤のみ or 紫外線吸収剤メインで処方化されています。
何故なら、ジェルタイプに用いられるカルボマーという増粘剤と、酸化チタンや酸化亜鉛といった紫外線散乱剤は相性が悪いからです。
ですから、ジェルタイプの日焼け止めには散乱剤は使いにくく、必然的に吸収剤メインとなるのです。
吸収剤メインで処方化されているため、ジェルタイプの日焼け止めは、みずみずしいテクスチャーで白浮きしにくく、これが人気の秘密ですが、吸収剤メイン故の大きなデメリットが存在します。
それが、長時間、紫外線防御効果を維持できないという事です。
紫外線吸収剤は、光で分解します。分解すると、表示SPF, PAの効果は得られません。
勿論、たっぷりの量をこまめに塗り直すことで、紫外線防御効果は維持されますが、これを怠ると、ジェルタイプの日焼け止めは、吸収剤の分解によって防御効果の持続が困難なため効果なし!となるのです。
紫外線散乱剤は光で一切分解しないため、効果の維持が可能です。
ポイント
吸収剤メインの日焼け止めジェルは、効果の持続が困難
長波長UVAが防げない
これも、日焼け止めジェルが紫外線吸収剤メインで処方化されている事に起因するのですが、吸収剤はある特定の波長の光を吸収します。
一方、散乱剤は幅広い波長の光をカットします。
紫外線吸収剤は、ある特定の波長の光しかカットできないため、複数の吸収剤を併用して、カットする波長領域を広げるのです。
これが、日焼け止めに吸収剤を複数配合する理由の一つです。詳細は以下をご覧ください。
ですから、吸収剤の複数使用は、紫外線から肌を守るという意味で非常に有効ですが、吸収剤を複数使用してもなお、カットしきれない領域があるのです。
それが、長波長UVAといわれるもので、340nm~400nmの領域を指します。
この領域の光は、波長が長く、肌への浸透力も強いため、肌の老化や光老化の原因となりやすいとされていますが、吸収剤でカットすることは困難です。
ですから、吸収剤メインの日焼け止めジェルに頼りっきりだと、日焼けのリスクは高まります。たっぷり使用しても、長波長UVAのカットが困難だからです。
一番有効な方法は、微粒子酸化亜鉛を配合すること。
散乱剤である酸化亜鉛は、特に、UVA領域を幅広くカットすることができるため、長波長UVA防御には最適です。
ポイント
吸収剤メインの日焼け止めジェルは、長波長UVAの防御が困難
化粧持ちが悪い
ジェルタイプは水系ベースですから、ダブル洗顔なしで落とすことができます。
これはメリットではあるものの、簡単に落ちて、化粧持ちが悪いというデメリットにもなります。
水系ベースは他にも、ミルク, クリームタイプがありますが、同じ水系であっても、ジェルタイプは圧倒的に落ちやすく、化粧持ちが悪いです。
ですから、こまめに塗り直すことが必須で、そうしないと、全く効果が得られません。
ポイント
ジェルタイプは群を抜いて化粧持ちが悪い
解決策
このように、吸収剤のみ or 吸収剤メインで処方化される日焼け止めジェルは、①紫外線防御の持続が困難 ②長波長UVAの防御が困難 ③化粧持ちが悪いという3つの理由から、「効果なし!」となりやすいです。
しかし、日焼け止めジェルを、「効果なし」ではなく「効果あり」にする解決策は存在します。
散乱剤併用タイプを選ぶ
紫外線防御効果の持続、長波長UVAのカットのためには、光分解せず、幅広い領域をカットする紫外線散乱剤は必須です。
ジェルタイプには散乱剤は配合しずらいですが、高い技術を有するメーカーであれば、配合は可能です。
ですから、日焼け止めジェルであれば、吸収剤のみではなく、吸収剤と散乱剤を併用しているモノを強くおすすめします。
化粧品開発者の私が最もおすすめする日焼け止めジェルは、上記条件を満たす、資生堂 アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェル NAです。
引用:資生堂公式
全成分
水,エタノール,ジメチコン,セバシン酸ジイソプロピル,オクトクリレン,サリチル酸エチルヘキシル,ホモサレート,酸化チタン,安息香酸アルキル(C12-15),グリセリン,ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン,ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル,カプリリルメチコン,PEG-60水添ヒマシ油,BG,エチルヘキシルトリアゾン,トリメチルシロキシケイ酸,キサンタンガム,PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル,PEG/PPG-9/2ジメチルエーテル,グリチルリチン酸2K,チャ葉エキス,トルメンチラ根エキス,ウンシュウミカン果皮エキス,アセチルヒアルロン酸Na,水溶性コラーゲン,(アクリルアミド/アクリル酸DMAPA/メタクリル酸メトキシPEG)コポリマー,水添パーム油,イソドデカン,含水シリカ,ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3,ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6,パーム核油,トリエトキシカプリリルシラン,パーム油,カルボマー,水酸化K,(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン,カンテン,(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー,トコフェロール,BHT,ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース,ジステアリルジモニウムクロリド,ステアリン酸,パルミチン酸デキストリン,PEG-6,ピロ亜硫酸Na,シリカ,クエン酸,フェノキシエタノール,香料,合成金雲母
吸収剤の併用方法、散乱剤との併用、最高峰の紫外線防御スペック、汗と水でUVバリア膜が強くなる高度な膜設計、環境にも配慮したオーシャンフレンドリー処方、ジェルなのに高い耐水性、どれをとっても、素晴らしすぎる日焼け止めジェルです。
資生堂が有する高度な技術により具現化されたアネッサであれば、日焼け止めジェル「効果なし」が見事に「効果あり」に変わります。
是非一度、本物の日焼け止めジェルをお試しください。
正しい使用法を徹底する
日焼け止めジェルの効果を最大限に引き出すためには、正しい使用法が不可欠です。
まず、適切な量を塗布することが重要です。一般的に顔に使用する場合、パール大の量が推奨されますが、ジェルタイプの場合はやや多めに塗布することが望ましいです。
全身に使用する際も、惜しみなくたっぷりと使用することがポイントです。
次に、塗り直しの重要性です。
日焼け止めジェルの効果を一日中維持するためには、適切なタイミングでの塗り直しが必須です。
一般的に、2〜3時間ごとの塗り直しが推奨されていますが、水に濡れたり、汗をかいたりした後は、それよりも早めに塗り直す必要があります。
塗り直しの際には、まず肌表面の汗や水分を優しく拭き取ります。その後、初めに塗布したときと同じ量の日焼け止めジェルを手に取り、肌に均等に広げていきます。
特に露出が多い顔や首、腕などの部位は念入りに塗り直しましょう。
また、屋外での活動中は、塗り直しを忘れがちになることがあるため、タイマーを設定するなどして、定期的な塗り直しを心がけると良いでしょう。
日焼け止めジェルの正しい使用法を守ることで、紫外線による肌へのダメージを効果的に防ぎ、健やかな肌を保つことができます。
日焼け止めジェルの落とし方
日焼け止めジェルは、その軽やかな使用感とスムーズな肌なじみで多くの方に愛用されています。
しかし、その落とし方には注意が必要です。
ここでは、通常の日焼け止めジェルの落とし方と、ウォータープルーフタイプ及び散乱剤との併用タイプの落とし方について解説します。
通常の日焼け止めジェル
紫外線吸収剤メインの通常の日焼け止めジェルであれば、ダブル洗顔は不要で、洗顔のみで落とすことが可能です。
適切な洗顔方法を行うことで、肌への負担を最小限に抑えつつ、日焼け止めをきれいに落とすことができます。
まず、ぬるま湯で顔を濡らした後、手のひらで洗顔料をよく泡立てます。
日焼け止めジェルは水になじみやすい性質を持っているため、泡立ちの良い洗顔料を使用することがポイントです。
次に、作った泡を顔全体に優しく広げ、特に日焼け止めを多く塗った部分や皮脂が多いTゾーンには、丁寧に泡をのせて洗いましょう。
洗顔時には、肌をこすらずに泡のクッションを使って優しくマッサージするように心がけます。
最後に、しっかりとすすぎ、冷水で引き締めることで、清潔で健やかな肌へと導きます。
ウォータープルーフタイプ及び散乱剤併用タイプ
ウォータープルーフタイプの日焼け止めジェルは、水や汗に強い設計がされているため、通常の洗顔だけでは落としきれないことがあります。このタイプの日焼け止めを使用した日は、クレンジングを使うことを強くおすすめします。
また、散乱剤併用タイプも同様に、クレンジングの使用をおすすめします。
散乱剤は非常に細かい粉体ですから、肌に密着しやすく、簡単には落ちません。
クレンジングを適量手に取り、乾いた肌に直接塗布します。
その後、指の腹を使って優しくマッサージすることで、日焼け止めとクレンジング剤がなじみ、効果的に落とすことができます。このとき、目の周りなどデリケートな部分は特に優しく扱うようにしましょう。
マッサージした後は、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。
最後に、洗顔料で一度洗顔を行うことで、肌に残ったクレンジング剤もしっかりと落とし、肌を清潔に保ちましょう。
クレンジング選びは肌にとって非常に重要です。
以下では現役の化粧品開発者の私が厳選してクレンジングを紹介しているので、是非、参考にしてください。
おわりに
いかがでしょうか?
日焼け止めジェルに対する一般的な疑念を解消し、その使用における正しい理解を深めることが、この記事の目的でした。
解説したように、日焼け止めジェルは確かに便利で快適な使用感を提供しますが、その効果を最大限に引き出すためには、適切な選択と使用方法が不可欠です。
紫外線防御効果の持続性の欠如、長波長UVAへの対策不足、化粧持ちの問題など、ジェルタイプ特有の課題に目を向け、これらを克服するための具体的な解決策を提案しました。
散乱剤併用タイプの選択や、正しい使用法の徹底は、日焼け止めジェルをより効果的に使うための鍵です。
この記事を通じて、読者の皆様が日焼け止めジェルに関する誤解を解き、賢い選択ができるようになることを願っています。
日焼け止めジェルであれば、圧倒的技術を誇る資生堂 アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェル NAが最もおすすめですから、是非、お試しください。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません