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ウォータープルーフ(耐水性)の真実を化粧品開発者が解説

この記事を書いている人

コスメデイン

  • 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
  • 今も現役の化粧品開発者
  • 美容雑誌の監修経験あり
  • 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!

美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)

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※本記事は2024年に再編集しています

「ウォータープルーフ」(耐水性)と聞いて、どのようなイメージをお持ちですか?

多くの方が「汗に強い」と解釈されがちですが、実はその真実は少し異なります。本記事では、化粧品開発者の視点からウォータープルーフ表示の本当の意味を解き明かし、日焼け止めやマスカラなど、様々なコスメにおける耐水性の評価方法とその誤解について詳しくご紹介します。

また、実際に「ウォータープルーフ」と表示された商品がどのようにしてその名を得るのか、そして消費者が知っておくべき正しい使用法についても触れています。

この記事を通じて、ウォータープルーフコスメの選び方と、より効果的な紫外線対策についての理解を深めていただければ幸いです。

 

本記事の内容

  • ウォータープルーフ(耐水性)に対する誤解を、現役の化粧品開発者が詳しく解説

 

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ウォータープルーフ表示について

ウォータープルーフ・日焼け止め・SPF・汗・水に強い

ウォータープルーフとは『耐水性』とも言い、水への抵抗がある、水に対して強いことを意味します。化粧品の場合、日焼け止めやファンデーションなどの『SPF表示商品』と、マスカラなどの『SPF非表示商品』とで、この表示の意味する内容が全く異なります。

 

SPF表示商品(日焼け止め、BBクリーム、ファンデなど)

ウォータープルーフ・日焼け止め・SPF・汗・水に強い

日焼け止めやBBクリーム、ファンデーションなど、『SPF表示』されているアイテムに、ウォータープルーフ表示はよく見られます。

ウォータープルーフとは『耐水性』の意味で、ウォータープルーフ試験(耐水性試験)を実施し、耐水性が確認された商品にのみ、ウォータープルーフ表示が出来ます。

ウォータープルーフ試験では、40分間もしくは、80分間(40分間×2セット)水の中で軽い運動(水浴)をします。その後、SPF値を測定し、水浴による『SPF値の変化』を確認します。水浴によるSPF値の変化が小さければ小さいほど、『耐水性がある』ということです。

具体例でご説明します。

① 水浴前:「SPF=45」、水浴後:「SPF=40」の場合

表示は『SPF45』 or 『SPF40 ウォータープルーフ』となります。

「SPF45 ウォータープルーフ」という表示は出来ません。何故なら、水浴後のSPFが40で、45を超えていないからです。

② 水浴前:「SPF=45」、水浴後:「SPF=35」の場合

表示は『SPF45』 or 『SPF35 ウォータープルーフ』となります。

この場合も、「SPF45 ウォータープルーフ」という表示は出来ません。水浴後のSPFが35で、45を超えていないからです。

「SPF45 ウォータープルーフ」と表示するためには、水浴前は勿論、水浴後のSPFも45以上でなければなりません。

ウォータープルーフは単独での表示は出来ません。必ず、『SPF値と併記』しなければなりません。この例からもお分かりだと思いますが、ウォータープルーフ表示をする場合、水浴後のSPF値が、表示されているSPF値を超えていなければなりません

よく、『SPF50+ ウォータープルーフ』という表示をご覧になると思いますが、この場合は、水浴後のSPF値も『50+』あるということです。

また、ウォータープルーフは『SPFだけに関係する』のであって、PAには全く関係ありません

さらに、先ほども述べましたが、水浴テストには2種類あります。

『40分間』『80分間(40分間×2セット)』です。

40分間の水浴テストをクリアした場合が『ウォーターレジスタント』、80分間の水浴テストをクリアした場合が『ウォータープルーフ』という表示方法が正しいと思っていましたが、最近の日焼け止め商品を見ると、40分間の水浴テストが『ウォータープルーフ』、80分間の水浴テストは『スーパーウォータープルーフ』と表示されているモノが多くあります。

表示方法が統一されていないようなので、ご注意ください。

SPFに関わるウォータープルーフは、基本、『全ての化粧品会社』が上記のような方法で運用しています。業界団体から、「この方法でウォータープルーフ試験を実施しなさい」、「この方法で表示をしなさい」と明確なルールが決められているからです。

ですから、業界団体に属する化粧品メーカーであれば、全て同じ方法で、同じ表示方法で、ウォータープルーフは運用されています。

 

SPF非表示商品(マスカラなど)

ウォータープルーフ・マスカラ・汗・水に強い

日焼け止めの他に、ウォータープルーフ表示があるアイテムと言えば、『マスカラ』です。『ウォータープルーフタイプのマスカラ』という言葉もよく聞きます。

日焼け止めやBBクリームなどのSPF表示商品の場合、ウォータープルーフ試験は、業界団体が明確なルールを決めていますから、全てのメーカーが同じ試験方法、同じ表示方法で運用しています。しかし、マスカラのようなSPF非表示商品の場合、業界団体が定める統一ルールはなく、ウォータープルーフ試験は各メーカーの『自社基準』で運用されています。

どのような方法で試験を実施し、どのような方法で表示をしているかは、各社様々で、各メーカーに問い合わせない限り分かりません。

ですから、ウォータープルーフタイプのマスカラで、メーカーが違う場合、どちらのマスカラの方が水に強いかは分かりません。各メーカーの自社基準故、同じ方法で測定していませんから。

マスカラのようなSPF非表示商品の場合は、同じ方法ではなく、各社ばらばら、各々の自社基準で運用しているということを忘れないでください。

 

ウォータープルーフ表示の罠

ウォータープルーフとは『耐水性』です。しかし、ウォータープルーフ表示している商品には「水、汗に強い」というように、水だけでなく『汗』、場合によっては『海水』への強さを大々的に宣伝しています。

これは誤りです。これこそが『ウォータープルーフ表示の罠』だと私は考えています。

何度も言いますが、ウォータープルーフとは『耐水性』です。40分、もしくは80分間もの水浴テストをクリアしているわけですから、水に対する耐性は相当なものでしょう。しかし、耐水性であって、『耐汗性』『耐海水性』ではありません。

汗や海水に対しても、同じような試験を実施していると思いきや、汗や海水に対する試験は、基本、実施していません

耐水性試験(水浴試験)のみで、水への耐性(耐水性)を、『汗、海水にまで拡大解釈することは大いに問題』です。

水に対する耐性がある場合、汗、海水に対しても同じレベルの耐性があるならば、まだいいですが、そうではないのです。

確かに、汗や海水の主成分は『水』です。しかし、汗には『ミネラル』『乳酸塩』『尿素』なども含まれていますし、海水には『塩化ナトリウム(NaCl, 塩)』が多量に含まれています。また、『pH』も水とは違います。

化粧品のような『化粧膜』は、例え『水』に強くても、塩化ナトリウムなどの『電解質』や、『pH』に弱いです。

ですから、ウォータープルーフが表示されているからといって、汗や海水にも強いと思ってはいけません。ウォータープルーフは汗や海水に対してではなく、『水に対する耐性(耐水性)』です。

電解質が多量に含まれる「汗」や「海水」で崩れない化粧品(日焼け止め)など存在しません

私が一番心配していることは、ユーザーの皆様が、多量の汗をかいた後や、海に入った後、ウォータープルーフタイプだからといって、ご自身が塗った日焼け止めが崩れていないと勘違いされることです。これは日焼けに直結します。日焼けしてしまったら、後には戻れません。

汗や海水で崩れない、SPF値が変化しない日焼け止めなど存在しません。多量の汗をかいた後や、海に入った後は、ウォータープルーフの日焼け止めを使っていたとしても、必ず『塗り直す』ようにしてください。

SPF表示商品で最も重要なことは、「SPF値、PA値が高いモノを選ぶ」ではなく、「水に強いウォータープルーフタイプを選ぶ」のでもなく、たっぷりの量をまんべんなく塗って、時間が経過したら、こまめに塗り直すことです。

ウォータープルーフ表示の真の意味を知って、正しい方法でSPF商品を使用し、万全な紫外線対策をしてください。

 

汗に強い日焼け止めは?

私自身、これまで述べたように、汗で崩れない日焼け止めなど存在しないと思っています。唯一、汗でも崩れにくい技術と認めているのが、資生堂の『ウェット フォース テクノロジー』です。

実は、日焼け止めを塗った後の化粧膜はミクロな目で見ると、非常に『不均一』です。これは当然と言えば当然です。ヒトの指で塗っているわけですから、でこぼこと凹凸があります(ミクロなレベル)。

化粧膜は不均一であればあるほど、崩れやすくなります。不均一な膜の弱い部分から壊れてしまうからです。

「ウェット フォース テクノロジー」とは、日焼け止めに搭載された「イオニック ミネラルセンサー」が、汗や水に含まれる『ミネラル(電解質)』と結合して『膜を形成』する技術です。この時に、膜の『均一性』が高まって(不均一な膜から均一な膜へ変化する)、崩れにくくなるというものです。

さすが資生堂です。この理論であれば、汗にも強い日焼け止めは可能でしょう。

ただし、汗で崩れにくいだけであって、崩れないというわけではないので、多量の汗をかいた後は、必ず塗り直すようにしてください。

▼ウェット フォース テクノロジー搭載の日焼け止め

 

おわりに

いかがでしょうか?

ウォータープルーフ表示がされた日焼け止めやマスカラなどのコスメ製品について、その真の意味と適切な使用法についてご紹介しました。

ウォータープルーフとは、単に「水に強い」という意味であり、汗や海水に対する強さを保証するものではありません。特に日焼け止め製品においては、ウォータープルーフ表示があっても、長時間の水浴後や激しい運動による汗で流れる可能性があります。

重要なのは、製品を正しく理解し、適切なタイミングで塗り直すことです。また、ウォータープルーフ製品は落としにくい性質も持ち合わせていますので、専用のクレンジング方法を取り入れることが肌への負担を減らします。

この記事が、皆様の紫外線対策やメイクアップにおいて、より賢明な選択をする一助となれば幸いです。美しい肌を守るために、正しい知識で適切なコスメを選び、正しい方法で使用しましょう。

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※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません

   
大手化粧品メーカーで15年以上、今なお現役の化粧品開発者の私が、これまでの経験をもとに、コスメを厳選してご紹介します!
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