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コスメ分析

<プロ分析>アルビオン 薬用スキンコンディショナー(スキコン)の評価・評判は?

この記事を書いている人

コスメデイン

  • 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
  • 今も現役の化粧品開発者
  • 美容雑誌の監修経験あり
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美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)

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これまで様々な化粧品メーカーから、数多くの化粧品が発売されてきましたが、そんな数あるコスメの中で、最も有名なコスメの一つと言えるのが、今回の記事で分析する商品です。

それが、「アルビオン 薬用スキンコンディショナー エッセンシャル」、通称『スキコン』です。

この商品は、多くの皆様がご存じだと思いますし、我々化粧品開発者の間でも、知らない人はいないというくらい有名です。

そこで今回は、化粧品開発者である私が、「アルビオン 薬用スキンコンディショナー エッセンシャル」(スキコン)を、プロの目で分析いたします。

 

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アルビオン 薬用スキンコンディショナー エッセンシャル

ジャンル

化粧水(医薬部外品)

メーカー

株式会社アルビオン

全成分表示

有効成分:グリチルリチン酸ジカリウム

その他の成分:精製水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、グルタチオン、ハマメリスエキス、マロニエエキス、ヨクイニンエキス、I-メントール、カラギーナン、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、無水エタノール、エチルパラベン、プロピルパラベン、メチルパラベン、香料

分析結果

名品中の名品

アルビオンのスキコンはコスメの名品中の名品です。スキコンが発売されたのが、1974年、今から45年前』です。にもかかわらず、いまだ売れ続けるその実力は、コスメの名品中の名品と言っても過言ではありません。

実際、20191月度の百貨店でのスキコンの売れ行きを見ると、高島屋(新宿店)では、全アルビオン製品中『第一位』、大丸(京都店)・大丸(神戸店)・西武(池袋店)・西武(渋谷店)・松坂屋(名古屋店)では『第二位』と、40年以上前の商品とは思えないほどの売れ行きです。

これほど歴史があって、今なお多くのユーザーから絶大な支持を得ているコスメは無いんじゃないかと思わせるほどの一品です。

 

今なお色あせない技術

スキコンの一番の特長、それが『白濁化粧水』です。

この白濁技術は、大変素晴らしく、今なお色あせない高度な技術です。

後程述べますが、世の中にはこのアルビオン スキコンを真似たハトムギ化粧水が多々存在します。その多くは、アルビオン スキコンを真似て白濁化しています。

しかしこれらは、『白濁化剤』(不透明化剤)と言われるものを配合しているだけで、技術的にはアルビオンのそれとは雲泥の差があります。

世の中のハトムギ化粧水を発売しているメーカーは、アルビオンほどの技術を有していませんから、アルビオンのような方法で白濁化することは難しかったのでしょう。 

アルビオン スキコンの白濁化の正体は、「セスキオレイン酸ソルビタン」と「ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油」という『界面活性剤』です。

セスキオレイン酸ソルビタンとは、HLB 4.0の親油性のノニオン界面活性剤です。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油も同じくノニオン界面活性剤です。ポリオキシエチレンの重合度によってHLBは変化しますが、おそらく、低重合度の親油性の界面活性剤だと思います。 

アルビオン スキコンは、これら界面活性剤を、水系成分中に安定的に分散させる技術を開発し、これが白濁化の正体です。 

界面活性剤を水系成分中に安定的に分散させることは非常に困難です。何故なら、この製品は化粧水であり、粘性がほぼありません(低粘度)。

界面活性剤などの分散物の安定性は、『粘度』に大きく左右されます。スキコンほどの低粘度中に、界面活性剤を安定分散させるなんて、よほどの技術力が無ければ実現は不可能です。

この技術は、40年以上経過した今でも色あせない、素晴らしい技術と言えるでしょう。我々化粧品開発者の憧れであり、目標とする技術の一つです。

 

ハトムギ化粧水のパイオニア

アルビオン スキコンのメイン成分の一つが『ハトムギエキス』です。現在、ハトムギ化粧水が多くのメーカーから発売されていますが、そのほとんどがアルビオン スキコンの真似であって、アルビオン スキコンこそが、今も続くハトムギ化粧水の『パイオニア』です。 

ハトムギエキスは、化粧品の場合の成分名が『ハトムギ種子エキス』、医薬部外品では『ヨクイニンエキス』になります。アルビオン スキコンは、医薬部外品ですから、全成分上、ハトムギという言葉は出てきませんが、ヨクイニンエキスというのがハトムギエキスの事です。 

ハトムギエキスとは、ハトムギの種皮を除いた種子より得られたエキスです。種皮を除いた種子を乾燥したものをヨクイニンとよび、漢方では強壮や利尿、浮腫、肌の荒れ、鎮痛などに用いられます。 

ハトムギエキスに一番期待される効果は『保湿』です。 

肌荒れの肌では保水成分が流失し、角質層の水分量が低下します。ハトムギエキス配合ローションを塗布することによって、角質水分量が増加し、肌荒れが改善されます。さらに、塗布を中止してもその後1週間は高い水分量を維持しており、これはつまり、『保湿力の持続性』も期待できるという事です。 

また、ハトムギエキスには、『チロシナーゼ活性阻害』(美白効果)が認められています。美白の有効成分ではありませんから、ハトムギ=美白とは表現できませんが、保湿以外に様々な美肌効果が期待できる成分がハトムギエキスです。

 

化粧品開発者がお手本にすべきコスメ

先ほども述べたように、アルビオン スキコンは、40年以上ユーザーに愛され続けている名品中の名品コスメです。

また、低粘度化粧水中に、界面活性剤を安定的に分散させる技術は、40年以上経過した今でも色あせない非常に高度な技術です。

我々化粧品開発者は技術に誇りを持っていますから、自身の手掛けるコスメには高度な技術を投入しがちです。しかし、技術が優れるからと言って、そのコスメが売れるとは限りません。

この場合、それは、お客様を置き去りにした、化粧品開発者の自己満足型コスメです。お客様の『ニーズ』を、『高度な技術』で具現化して初めて、長年愛され続けるヒット商品(名品)に成長するのでしょう。

そのような意味で、アルビオン スキコンは、我々化粧品開発者がお手本にすべき、数少ないコスメではないかと思います。

 

おわりに

これだけ長い間ユーザーに愛され続け、今なお色あせることのない技術が投入されたアルビオン スキコンは、コスメの名品中の名品ですし、現在のハトムギ化粧水市場を見ると、他のメーカーに与えた影響も計り知れません。

アルビオン スキコンには「敏感肌用」と表記されていますが、敏感肌用にも関わらず、エタノールやメントール、パラベン類が配合されており、現在の敏感肌コスメと若干考え方に差がある点はありますが、それ以上に、スキコンの『商品力』がズバ抜けています。

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません
   
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