乾燥性敏感肌ブランドと言えば、花王キュレル。コスメの名品です。
キュレルには様々なアイテムがラインナップされていますが、その中に、クリームとフェイスクリームがあります。
SNS上には、
クリームとフェイスクリームは何が違うの?
と言った声が多くみられます。
そこでこの記事では、現役の化粧品開発者が、乾燥性敏感肌向けコスメの名品として知られるキュレルのクリームとフェイスクリームの違いに焦点を当て、それぞれの製品がどのように異なるのか、そしてどちらがあなたの肌に最適なのかを解説します。
成分の違いから価格、使用感まで、詳細な比較を通じて、あなたの肌に合った最適な選択肢を見つけるための有益な情報を提供します。
本記事の内容
- キュレルクリームとフェイスクリームの違いを、現役の化粧品開発者が解説
キュレルクリームとフェイスクリームは何が違う?
乾燥性敏感肌コスメの名品 キュレルには、クリームとフェイスクリームがラインナップされていますが、「何が違うの?」と言う声が多いようです。
結論から言うと、処方的には両者に大きな違いはないです。
どっちがおすすめですか?と聞かれれば、処方に大きな違いがないのですから、圧倒的にコスパに優れるクリームをおすすめします。
ただし、クリームのコスパが良すぎるのであって、フェイスクリームのコスパも素晴らしいです。
次項以降でも詳しく説明しますが、クリームとフェイスクリームの価格差は、「セラミド機能成分の配合量」と考える人もいるようですが、両者は医薬部外品ですから、医薬部外品の性質を考えると、それは考えにくいです。
配合量に多少の違いはあるかもしれませんが、価格差を埋めるだけの配合量の違いはないと思います。
では、この価格差は何か?
次項以降、キュレルクリームとフェイスクリームに大きな違いがない根拠と、価格差及びクリームをおすすめする理由を、現役の化粧品開発者の視点からご説明します。
結論
- キュレルクリームとフェイスクリームに処方面での大きな違いはなし
- どちらも素晴らしいが、クリームがおすすめ
キュレルクリームとフェイスクリーム
キュレルクリーム(おすすめ!)
引用:花王公式
全成分
<有効成分>アラントイン
<その他の成分>水、グリセリン、ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、ジメチコン、トリシロキサン、シュガースクワラン、イソステアリルグリセリルエーテル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソステアリン酸コレステリル、ユーカリエキス、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、硫酸Mg、POE水添ヒマシ油、BG、コハク酸、POE・ジメチコン共重合体、パルミチン酸デキストリン、水添ポリブテン、水酸化ナトリウム液、安息香酸塩、フェノキシエタノール
価格・容量
1,650円(税込み) / 90g
キュレルフェイスクリーム
引用:花王公式
全成分
<有効成分>アラントイン
<その他の成分>水、グリセリン、ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、トリシロキサン、ジメチコン、α-オレフィンオリゴマー、POE・ジメチコン共重合体、ユーカリエキス、硫酸Mg、BG、イソステアリルグリセリルエーテル、コハク酸、水酸化ナトリウム液、パラベン
価格・容量
2,970円(税込み) / 40g
製品概要とそれぞれの目的
キュレルのスキンケア製品は、乾燥性敏感肌を持つ方々から高い支持を受けています。
このブランドからは、顔だけでなく全身に使用できる「クリーム」と、顔専用に開発された「フェイスクリーム」の2種類が提供されています。
クリームは、特にひじやひざ、かかとなどの乾燥が気になる部位に対する保湿ケアに適しており、しっとりとした使用感が特徴です。
一方でフェイスクリームは、軽やかなテクスチャーで、顔の保湿に特化しており、メイク前の使用にも適しています。
どちらの製品も、乾燥による肌荒れを防ぎながら、敏感肌をやさしくケアすることを目的としています。
また、両品とも、アラントイン(抗炎症)を有効成分とした医薬部外品です。
成分と効果、価格の詳細比較
主要成分の違いと肌への効果
キュレルのクリームとフェイスクリームは、どちらも敏感肌や乾燥肌の方に適した設計がされており、細かな違いはあれど、処方骨格は同じです。
共通点としては、
アラントイン(抗炎症)を有効成分とした医薬部外品
セラミド機能成分(ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド)を配合
一方、異なる点としては、クリームは、ジメチコン・トリシロキサン・シュガースクワラン・ジカプリン酸ネオペンチルグリコールなど多くの油剤種を配合しているのに対し、フェイスクリームは、トリシロキサン、ジメチコン、α-オレフィンオリゴマーなど、油剤の種類はクリームよりも少なくよりシンプルです。
この油剤の種類と配合量の違いが、クリームとフェイスクリームのテクスチャー差につながっていますが、処方骨格自体に大きな差はないです。
セラミド含有量と肌の保湿力
セラミドは肌の保湿とバリア機能を支える重要な成分であり、キュレルの製品においても中心的な役割を担っています。
クリームとフェイスクリームの両方に含まれるセラミド機能成分は、肌内部の水分を保持し、乾燥による肌荒れを防ぐ効果が期待できます。
冒頭でも述べましたが、クリームとフェイスクリームの価格差(コスパの差)は、セラミド機能成分の配合量にある。
つまり、価格が高いフェイスクリームの方がセラミド機能成分が多く配合されているため、価格は高いがフェイスクリームがおすすめ、とお考えではありませんか?
クリームとフェイスクリームは医薬部外品です。医薬部外品の場合、「その他の成分」の配合には色々と制約があるのです。
その一つが、「その他の成分」に特定の効果があってはダメという制約で、これはつまり、「その他の成分」は、特定の効果が期待できる量を配合しないことが望ましいということです。
クリームとフェイスクリームに配合されているセラミド機能成分(ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド)は、「有効成分」ではなく「その他の成分」です。
ですから、常識的に考えて、「その他の成分」であるセラミド機能成分を高配合するとは考えにくく、多少の配合量に差はあるかもしれませんが、価格差を埋めるだけの差はないと考えられます。
あくまでクリームとフェイスクリームは、アラントインを有効成分とした医薬部外品なので、主役はアラントインであり、期待できる効果は抗炎症です。
敏感肌への優しさ
キュレルのクリームとフェイスクリームは、敏感肌の方にも安心して使用していただけるよう、無添加にもこだわっています。
どちらの製品も、弱酸性で無香料、無着色、アルコールフリーです。
このような無添加処方は、肌への優しさを最優先に考えるキュレルの姿勢を反映しています。
ただし、「肌への優しさ=無添加」と考えるのであれば、ファンケルの方が数段上です。実は、無添加というのは非常に奥が深いです。詳細は以下をご覧ください。
価格と容量の直接比較
クリーム | フェイスクリーム | |
価格 | 1,650円 | 2,970円 |
容量 | 90g | 40g |
1gあたりの価格 | 18.33円 | 74.25円 |
キュレルのクリームは、90g入りで1,650円という価格設定で、全身用としての使用を想定しているため、コストパフォーマンスに優れています。1gあたり約18円という計算になり、広範囲に惜しみなく使用できるのが魅力です。
一方、フェイスクリームは40gで2,970円となっており、1gあたり約74円となります。フェイスクリームは容量が少なめですが、顔専用に特化した製品としての価値を考慮する必要があります。
これら情報を踏まえると、全身に使用したい方や、特に乾燥が気になる部位のケアを重視する人用にクリームが、顔の保湿を最優先し、メイク前のケアも考慮する人用にフェイスクリームが設計されています。
「クリーム」がおすすめ!
クリーム、フェイスクリームとも、素晴らしい商品ですが、処方骨格に大きな差がないことを考慮に入れると、圧倒的コスパのクリームをおすすめします。
そもそも、フェイスクリームは40gで3,000円弱ですから、コスパは良いです。クリームの90g / 1,650円がコスパ良すぎなのです。
フェイスクリームが「顔専用」、クリームが「からだ専用」とお考えかもしれませんが、クリームは「顔」でも「からだ」でも使える設計になっています。
先ほど、価格差を埋めるだけのセラミド機能成分の配合量に差はないと言いましたが、では、「この価格差は何?」となりますが、これは先ほども触れたとおり、フェイスクリームには顔専用に特化した製品としての価値がのるため、価格が高いと考えられます。
化粧品は高付加価値商材ですから、フェイスの場合、顔専用に特化した価値をつける必要があります。実際、フェイスは、アレルギーテストと乾燥性敏感肌の方によるパッチテストを実施し、より敏感肌に特化した設計となっています。
クリームではこれらテストを実施していません。
これが、フェイスクリームとクリームの価値の差になり、価格差になるのです。
ただし、
アレルギーテストとパッチテストを実施しないと敏感肌コスメと言えない、という訳ではない!
テストを実施しても問題ない結果は得られるが、敢えてテストを実施しない、という商品はたくさん存在します。
テストには費用と時間がかかるためです。
クリームはこれらテストを実施してはいませんが、キュレルブランドから発売されているクリームです。
フェイスクリームと処方骨格に大きな差もありませんから、テストは実施してなくともクリームは、敏感肌の方に最大限留意した処方設計となっているはずです。
ですから、テストを実施していないからと言って、クリームの価値が下がるわけではないため、私は、圧倒的コスパの良さを誇るクリームをおすすめします。
あなたの肌に最適な選択は?
前述したように、フェイスクリームとクリームの処方骨格に大きな差はありませんし、クリームは「からだ用」ではなくて、「顔」にも「からだ」にも使える設計にもなっていますから、圧倒系なコスパの良さを誇るクリームがおすすめです。
クリーム1品で十分なケアができます。
ただし、フェイスクリームも素晴らしい品質なので、当然、フェイスクリームも選択肢に入れるのはありです。その際の、ベストな使用シナリオをご紹介します。
各製品のベストな使用シナリオ
キュレルのクリームとフェイスクリーム、それぞれが持つ特性を理解し、自分の肌の状態や生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。
クリームは、全身用として開発されており、特に乾燥が気になるひじ、ひざ、かかとなどの部位に最適です。90gで1,650円という価格設定は、たっぷりと使用できるため、全身の乾燥対策にはコストパフォーマンスが非常に高いです。
しっとりとしたテクスチャーが好みで、全身に深い潤いを求める方には、クリームがおすすめ
一方、フェイスクリームは、顔専用に設計されており、ホイップクリームのような軽やかなテクスチャーが特徴です。40gで2,970円と、クリームに比べて価格は高めですが、顔の肌に特化した保湿とケアを提供します。
メイク前の使用にも適しており、ベタつかずに肌を整えることができます。
顔の乾燥が特に気になる方や、軽い使用感を好む方におすすめ
おわりに
いかがでしょうか?
本記事では、キュレルのクリームとフェイスクリームの違いについて、成分、効果、価格など様々な角度から比較し、それぞれの特性を詳しく解説しました。
結論として、どちらの製品も敏感肌や乾燥肌に対する深い理解とケアを基に開発されており、使用感や目的に応じて選ぶことが重要であることがわかります。
クリームは全身用としてコストパフォーマンスに優れ、フェイスクリームは顔専用に特化した保湿とケアを提供します。
私自身はクリームがおすすめですが、最終的に、あなたの肌の状態や生活スタイル、スキンケアへの期待に最も合致する製品を選ぶことが、健やかな肌を保つ鍵となります。
この記事が、あなたの肌に合ったキュレル製品を見極め、より良いスキンケアライフを送る一助となれば幸いです。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません