

この記事で分かること
- ホットクレンジングの肌への影響
「じんわり温かくて気持ちいい」「毛穴が開く気がする」
そんな理由でホットクレンジングを愛用している方、多いですよね。
でもその温感、実は、落とし穴かもしれません。
本記事では、現役の化粧品開発者が「ホットクレンジングは本当に肌に良いのか?」について、成分・メカニズム・物理刺激の観点から徹底解説します。
この記事を読めば…
- ホットクレンジングの温感の正体
- 肌に悪いと言われる“本当の理由”
- 正しい使い方と代替クレンジングの選び方
が、すべて分かります!
「クレンジング選びが肌を変える」
ぜひ最後まで読んで、あなたの肌に合った正しい選択をしてください。
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
ホットクレンジングは肌に悪い?
ホットクレンジングは肌に悪いのか?
結論から言うと、ホットクレンジングは肌に悪いです。
ただし、ホットクレンジングの成分が肌に悪いのではなく、クレンジング力が低いためゴシゴシやりがちで、この物理的な力が肌に悪いのです。
次項以降、ホットクレンジングのメカニズムとともに、クレンジング力が低い原因と、肌への悪さについて、詳しく解説いたします。
結論
- ホットクレンジングは、物理的な力が加わりやすいため肌に悪い!
ホットクレンジングのメカニズムとは?
■ 温かさの正体
ホットクレンジングを肌にのせると、じんわりと温かさを感じますよね。
その正体は、グリセリンという保湿成分の“ある作用”によるものなのです。
ポイント
- ホットクレンジングの温感は、グリセリンの「水和熱」によるもの!
■ 水和熱とは?
グリセリンは肌の水分と反応して発熱する性質を持っています。
このとき発生する熱が「水和熱(すいわねつ)」です。
肌に塗布されたグリセリンが水分と出会うことで、じんわりとした温感が生まれるというわけです。
ただし、水和熱は一度だけの反応であり、同じ箇所に繰り返し温感が続くことはありません。
■ 温感の感じ方には個人差あり
水和熱は肌に含まれる水分量によって反応の度合いが変わります。
そのため、ホットクレンジングの温かさには個人差があるのです。
■ なぜ他の化粧品では温かくならない?
グリセリンは化粧水や乳液にもよく使われますが、温かさを感じることはありません。
なぜなら、これらの製品には水がすでに配合されていて、製造時に水和反応が終わっているからです。
■ ホットクレンジングの構成条件
ホットクレンジングとして温感を感じるには、以下の2つの条件が必要です:
条件 | 理由 |
---|---|
1. グリセリンが主成分 | 水分と反応して発熱するため |
2. 水が配合されていない | 反応を塗布時に起こすため |
なお、成分表に「水」と記載されていても、それがエキス由来の微量な水分であれば、温感には影響しません。
■ グリセリンの注意点
グリセリンは保湿成分として優秀ですが、乾燥肌や敏感肌の方には注意が必要です。
注意
- 肌の水分が少ない状態だと、肌内部の水分まで奪われることがある
- 結果的に乾燥が進行し、バリア機能が低下する恐れ
- 乾燥肌・敏感肌の人は、使用前にパッチテストがおすすめ
■ まとめ
- ホットクレンジングの温かさはグリセリンの水和熱によるもの
- グリセリン+無水処方が温感のカギ
- 乾燥肌の方は肌水分の奪いすぎに注意が必要
温感で癒やされるホットクレンジング。
そのメカニズムを知って、自分の肌に合うかどうかをしっかり見極めましょう。
ホットクレンジングのデメリットとは?
■ メイクが落ちにくい
ホットクレンジングの最大のデメリットは、なんといってもメイクの落ちにくさです。
最重要ポイント
- ホットクレンジングは他のタイプに比べてクレンジング力が低いため、メイクが落ちにくい!
なぜメイクが落ちにくいのか?
クレンジングのメイク落とし成分は主に以下の2つです:
- 油(オイル):オイルクレンジングやバーム、クリームタイプに多く配合
- 界面活性剤:リキッドクレンジングに多く配合
しかし、ホットクレンジングでは「油」や「界面活性剤」の配合量を制限せざるを得ません。
なぜなら、ホットクレンジングの温感はグリセリンによるもの。
クレンジング力を高めようと油や界面活性剤を増やすと、温感が失われてしまうのです。
ポイント
- 「温感」を重視すると「クレンジング力」が落ちる
- 「クレンジング力」を重視すると「温感」が下がる
さらにクレンジング力を阻む2つの壁
① 美容液成分の高配合
最近は「美容液成分90%以上」などをうたうホットクレンジングが多くあります。
しかし、界面活性剤は美容液成分に含まれません。
つまり、美容液成分が多い=界面活性剤が少ない=メイクが落ちにくいということになります。
② 安定性の問題
ホットクレンジングの大部分は親水性のグリセリン。
そこに界面活性剤を増やすと、一時的にはメイク落ちは良くなりますが、処方が不安定になり、分離や劣化が発生するリスクがあります。
コスメは製造から3年間の品質安定性が求められるため、過剰な配合は難しいのです。
界面活性剤を増やすと…
- 温感が下がる
- 美容液成分が減る
- 処方の安定性が崩れる
こうした理由から、ホットクレンジングはオイル・バーム・高内相クリームなどに比べて、クレンジング力が劣る傾向があります。
特に、ウォータープルーフやポイントメイクは、他のクレンジングタイプの方が確実です。
■ 肌の乾燥リスク
ホットクレンジングのもう一つの落とし穴が乾燥です。
グリセリンは優秀な保湿成分として知られていますが、ホットクレンジングでは、肌の水分と反応して温感を発生させるため、肌内部の水分を奪ってしまう可能性があるのです。
最重要ポイント
- 「保湿成分が入っているのに乾燥する」という逆転現象が、ホットクレンジングでは起こり得る
乾燥が進行すると、肌のバリア機能が低下し、赤み・かゆみ・ごわつきなどの肌トラブルにもつながりかねません。
■ まとめ
- 温感を出すために、クレンジング力はどうしても控えめ
- 美容液成分・安定性の都合上、界面活性剤は増やせない
- 保湿成分が肌の水分を奪い、逆に乾燥を招くことも
ホットクレンジングはリラックス感のある使い心地が魅力ですが、「しっかり落ちる」「乾燥しにくい」を求めるなら、オイル・バーム・高内相クリームタイプの方が安心です。
クレンジングは“落とす力”が命!肌悩みに合った選択を!
物理的な刺激は肌に悪い!
繰り返しになりますが、ホットクレンジングが肌に悪いと言われる最大の理由は、クレンジング中に加わる“物理的な刺激”です。
最重要ポイント
- ホットクレンジング使用時の「こする動作」=物理的な刺激が、肌に負担をかけている!
■ なぜ刺激が加わるのか?
ホットクレンジングは、他のクレンジング(オイルやバーム)に比べて、メイクが落ちにくいという特徴があります。
その理由は以下の通りです:
- 温感レベルを優先すると、油(オイル)の配合量が減る
- 美容液成分を重視すると、界面活性剤の量も制限される
- 処方の安定性を保つためにも成分配合に制限がある
つまり、洗浄成分(油・界面活性剤)が少ない=本来はメイクが落ちにくいのです。
■ でも実際は“よく落ちる”と感じる理由
使ってみると意外と「よく落ちる」と感じる人も多いですが、それは“粘りのあるジェル”の物理的効果によるもの。
ホットクレンジングの多くは、ジェルタイプです。
これは、グリセリンが高配合されているため、水のように流れてしまわないよう、カルボマーなどの増粘剤でジェル状に固めているからです。
その結果、ジェルに“ねちょっ”とした粘性が出て、肌に密着してメイクを絡め取るような感触になります。
この「ねちょっ」が落ちる仕組み
ホットクレンジングジェルは以下のようにメイクを落とします:
タイプ | メイク落としの仕組み |
---|---|
オイル・バーム | オイルや界面活性剤でメイクを浮かせて落とす |
ホットクレンジングジェル | 粘度の高いジェルがメイクを物理的に絡めとる |
この「粘着して落とす」仕組みは、ゴシゴシと肌をこすりやすくなる原因になります。
結果的にどうなる?
「こする → 物理的な摩擦 → 肌へのダメージ」、これが「ホットクレンジングは肌に悪い」と言われる本質です!
■ ただし、使い方次第で変わる!
ホットクレンジングは、うまく使えば肌をほぐしてくれるメリットもあります。
重要なのは正しい使い方と摩擦を避けるテクニックです。
次の章では、ホットクレンジングのメリットとおすすめの使用法についてご紹介します。
やさしく落とせば、肌はもっと応えてくれる!
ホットクレンジングのメリット
■ 3大効果
ホットクレンジングの最大の魅力は、毛穴の開きと肌の柔軟性向上が期待できることです。
温感による3大効果
- 毛穴がゆるむ ⇒ 汚れが落ちやすい
- 肌がやわらかくなる ⇒ 化粧品が浸透しやすい
- 血行促進 ⇒ 肌のくすみが改善しやすい
■ 特に冬におすすめ!
冷えた肌は毛穴が閉じがち。そんなとき、ホットクレンジングの温感効果で毛穴が自然とゆるみ、汚れが落ちやすくなります。
「ホットタオルを使うのは面倒…」という方にも、手軽に毛穴ケアできるアイテムとしてぴったりです。
■ 保湿効果も期待できる
ホットクレンジングは水系ベースのため、以下のような保湿成分が豊富に含まれていることが多いです。
成分名 | 主な効果 |
---|---|
ヒアルロン酸 | 水分を抱え込んで潤いを保つ |
コラーゲン | ハリ・弾力をサポート |
セラミド | バリア機能を高め、乾燥を防ぐ |
植物由来成分 | 肌を穏やかに整える |
これらの成分が、洗顔後のつっぱり感を抑え、しっとりなめらかな肌へ導いてくれます。
ホットクレンジングの適切な使用方法
ホットクレンジングは、肌にやさしく使うことが何より大切です。
「使用頻度」と「肌タイプ」に応じて使い方を変えることで、肌トラブルを防ぎ、メリットを最大限に活かせます。
■ 使用頻度の目安
肌タイプ | おすすめ頻度 | 注意点 |
---|---|---|
敏感肌 / 乾燥肌 | 週2~3回 | 温感による刺激に注意 |
普通肌 / 脂性肌 | 毎日OK | 赤みが出たら頻度を下げる |
■ 肌タイプ別スキンケアアドバイス
- 乾燥肌:クレンジング後はたっぷり保湿を。ヒアルロン酸やセラミド配合の化粧水・乳液が◎。
- 脂性肌:皮脂コントロール系の化粧水や美容液で水分と油分のバランスを調整。
いずれの肌タイプでも、肌の調子を見ながら使うことが大切。
刺激や違和感を感じたら、すぐに使用を中止しましょう。
■ まとめ:ホットクレンジングは「使い方次第」
- 毛穴の開きや肌の柔軟性UPに効果的
- 保湿成分も豊富で洗い上がりしっとり
- 頻度や使い方を間違えると刺激になる
正しく使えば、ホットクレンジングは「癒しとケア」を同時に叶えてくれる優秀アイテムです!
\ NO.1 ホットクレンジング /
まとめ:ホットクレンジングは“敵”ではなく、正しく使う“味方”
いかがでしょうか?
ホットクレンジングは、使い方次第で肌を健やかに保つ手助けにもなりますが、間違った使い方は逆効果。
- 温感の正体は「グリセリンの水和熱」
- クレンジング力はオイルやバームに劣る
- 物理的なこすりすぎは肌ダメージの原因
- 肌タイプに合わせた頻度と使い分けが重要
「メイクはしっかり落とす、でも肌は傷つけない」
このバランスを守るために、製品の特性を理解し、正しい方法で使用しましょう。
あなたの肌に合ったクレンジングを選べば、洗顔後の肌はもっとやさしく、もっとごきげんになります。
クレンジングで肌運命が変わる。
是非、ご自身に合ったモノをお選びください!
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