

この記事で分かること
- BBクリームと日焼け止めの正しい使い方(併用法)
「BBクリームを使うときって、日焼け止めも塗るべき?」「併用すると効果が高まるの?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
SNSや美容サイトでは「重ねるのが正解」といった情報も多く見かけますが、実際のところ、BBクリームと日焼け止めの併用は本当に必要なのでしょうか?
この記事では、現役の化粧品開発者である私が、プロの視点から“併用の是非”を徹底解説します。
結論を先にお伝えすると、基本的に、BBクリームだけでUV対策は十分です。
ただし、使用するシーンや肌質によっては、併用が有効なケースもあります。
「知らずに損していた…」「やらなくていいことをやっていたかも?」とならないよう、科学的根拠と具体例を交えて丁寧にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください!
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
BBクリームと日焼け止め、併用は本当に必要?プロが解説!
BBクリームと日焼け止めの併用は本当に必要なのか?化粧品開発者の視点から解説していきます。
① BBクリームだけでUV対策は十分な理由
② 併用によるデメリットと肌への負担
③ 実は多い!間違った併用パターン
④ BBクリームと日焼け止め、製剤の相性とトラブル例
それでは、1つずつ解説していきます。
BBクリームだけでUV対策は十分な理由
まず結論から言いますと、多くのBBクリームは、日常生活での紫外線対策には十分対応できます。
例えば、市販のBBクリームの多くにはSPF30〜50、PA+++以上の表記があり、これは、UV-BとUV-Aの両方に対して高い防御力を持っていることを意味します。
通勤、買い物、室内作業といった“生活紫外線”に対しては、この程度のUVカット効果で問題ありません。
特に、日本人女性の平均的な屋外行動時間(1〜2時間未満程度)であれば、BBクリーム単体でも十分です。
また、BBクリームはファンデーション機能も兼ねているため、顔のトーンアップや凹凸カバーも同時にこなしてくれます。
開発者の視点で言えば、今のBBクリームは“オールインワン処方”として非常に完成度が高く、わざわざ日焼け止めを重ねる必要は本質的には少ないのです。
時短にもなり、肌への負担も減らせる。
だからこそ、まずは「BBクリームだけで済ませる」という選択肢を知ってほしいですね。
ポイント
- 日常生活での紫外線対策であれば、日焼け止めとの併用は必要なく、BBクリームだけで十分
- 日焼け止めと併用することで、手間になったり、肌への負担が増えるなど、逆効果になることも
併用によるデメリットと肌への負担
とはいえ、日焼け止めを重ねるのが悪いというわけではありません。
問題は、必要のない場面でも毎回併用していることなんです。
日焼け止め+BBクリームという“二重構造”は、塗布量が過剰になり、皮膚呼吸を妨げたり、毛穴詰まり、皮脂崩れなどの原因になる可能性があります。
特に夏場は、汗や皮脂で化粧が浮きやすくなり、二層に重ねたベースメイクがヨレやすくなることも。
また、日焼け止めには紫外線吸収剤などの刺激成分が入っていることも多く、重ね塗りにより肌への刺激リスクが高まることもあります。
こういった背景からも、「毎回の併用=正解」とは言えないことがよくお分かりになると思います。
実は多い!間違った併用パターン
併用する方にありがちなのが、下記のようなパターンです
- 日焼け止めの上にBBを厚塗りしてしまう
- どちらも高SPFなのに重ねてムダにしている
- 混ぜて使って効果が落ちている
実は、日焼け止めとBBクリームを混ぜて使う人も少なくありませんが、これはかなり非推奨です。
それぞれの処方成分が安定して効果を発揮するように設計されているため、混ぜることで界面の不安定化などを引き起こし、UV効果の低下や皮膚刺激の原因になり得ます。
つまり、正しく併用できていないケースが多いというのが現状なのです。
BBクリームと日焼け止め、製剤の相性とトラブル例
ここが開発者として最もお伝えしたいポイントですが、BBクリームと日焼け止めには処方の相性という大切な観点があります。
BBクリームが油性ベースで、日焼け止めが水性ジェルタイプだった場合、両者がうまくなじまずにムラ・崩れの原因になります。
また、仕上がりに白浮きやダマが生じることもあります。
つまり、併用する場合は成分の相性を見極めた上での正しい順序と使い方が不可欠なのです。
ですが、一般の方がその相性を見極めるのは難しいですよね。
だからこそ、まずはBBクリーム単体で様子を見るという判断が、実は安全で合理的なのです。
正しい理解をもとに、“足す”のではなく“引く”選択肢を持つ。
これが本質的なスキンケアのあり方かもしれません。
日焼け止めとBBクリーム、どう使い分ける?シーン別ガイド
日焼け止めとBBクリームは、シーンごとに使い分けるのが賢い選択です。
① 日常生活(通勤・買い物)での正解
② レジャーや屋外長時間での使い方
③ 在宅勤務や室内中心の日の対策
④ 敏感肌や乾燥肌向けの注意点
それでは、シーン別に詳しく解説していきます。
日常生活(通勤・買い物)での正解
通勤や買い物、子どもの送り迎えなど、1〜2時間以内の屋外移動が中心の日常生活では、BBクリーム単体で十分対応可能です。
多くのBBクリームはSPF30〜50、PA+++以上の紫外線防御力を持っており、短時間の紫外線暴露には問題ありません。
特に紫外線のピーク時間(10時〜14時)を外せるなら、さらに負担も少なくなります。
この場合、BBクリームのUV効果に頼りつつ、仕上げに軽くフェイスパウダーをのせると持続性が向上します。
「朝から晩まで紫外線を浴びっぱなし」というケースでなければ、BBクリームだけのシンプルケアがむしろ肌にやさしいんですよ。
レジャーや屋外長時間での使い方
一方で、屋外で3時間以上過ごす場合や、レジャー・スポーツ・アウトドアとなると話は別です。
このようなシーンでは、紫外線量も時間も多くなるため、日焼け止め+BBクリームの併用が有効です。
具体的には、以下のような使い方がおすすめです:
- SPF50+ / PA++++ のウォータープルーフ日焼け止めを顔全体にしっかり塗る
- その上にBBクリームを「薄く」重ねて自然なカバーをする
- 仕上げに崩れ防止のパウダーを重ねる
このときの注意点は「塗りすぎない」「混ぜない」「重ねる順番を守る」の3つです。
また、汗をかいたら2〜3時間おきに日焼け止めの塗り直しが必要になるので、スプレータイプやパウダータイプを活用するのが現実的ですね。
「絶対焼きたくない派」でも、厚塗りすぎると肌トラブルになりがちなので、プロとしては適度な併用がベストと考えています。
在宅勤務や室内中心の日の対策
在宅ワークや家で過ごす日でも、「紫外線対策は不要」ではありません。
なぜなら、窓から入る紫外線(特にUVA)は肌の奥に届くため、長時間浴び続けるとシワやたるみの原因になるからです。
とはいえ、レジャー用の高SPF日焼け止めを毎日使うのはオーバースペックですし、肌負担にもなりがち。
そこでおすすめなのが、SPF20〜30程度の軽いBBクリームを“室内用”として使う方法です。
とくに最近はブルーライトカット処方のBBクリームも出てきており、PC作業が多い人にも最適。
ナチュラルな仕上がりで肌負担も軽いので、“ノーメイクより肌にいい”という現代の選択肢としてぜひ活用してほしいですね。
敏感肌や乾燥肌向けの注意点
敏感肌や乾燥肌の方は、日焼け止めとBBクリームの併用で「ピリピリ」「赤み」「かゆみ」が出るケースも少なくありません。
その多くは、紫外線吸収剤、アルコール、防腐剤、香料などが原因です。
そこで、プロとしておすすめしたいのは以下の対策です:
- BBクリームを「ノンケミカル(紫外線散乱剤)」タイプにする
- 日焼け止めも「無香料・アルコールフリー・敏感肌用」から選ぶ
- 一度に塗る量を最小限にし、仕上げにパウダーで補強する
「併用=悪」ではありませんが、肌状態によっては“足さない選択”の方が賢いこともあるという視点を忘れずにいたいですね。
肌は日々変化するので、「今日はこれだけでOK」という感覚も大切にしてほしいです。
プロが教える!併用の正しい順番と塗り方5ステップ
日焼け止めとBBクリームを併用する場合は、正しい順番と塗り方が効果の鍵を握ります。
① スキンケア後のベース準備
② 日焼け止めの塗布量と塗りムラ対策
③ BBクリームの塗り方と順番のコツ
④ 崩れにくくするための仕上げテク
⑤ 化粧直しのポイントと注意点
それでは、ステップごとに詳しく説明していきます。
スキンケア後のベース準備
まず大前提として、日焼け止めもBBクリームもスキンケアの延長ではなくメイクアイテムです。
そのため、塗る前にはしっかり保湿された肌状態を作っておくことが重要です。
化粧水・美容液・乳液まで終わったら、肌に少し“もっちり感”が残る程度が理想。
その上で、塗布前に1〜2分間、なじませて浸透させることで、ベースメイクとのフィット感がグッと高まります。
急いで重ねるとヨレやすくなるので、ここは焦らず丁寧に準備してくださいね。
日焼け止めの塗布量と塗りムラ対策
次に、日焼け止めです。
SPFやPA値を発揮するためには、「1cm²あたり2mg」の塗布量が必要です。
顔全体に換算すると、およそ、パール粒2個分〜1円玉サイズが目安。
一気に塗ろうとするとムラになるので、おでこ、両頬、鼻、あごの5点置きをして、少しずつ広げましょう。
仕上げに手のひらでプレスすると、密着度が上がってヨレにくくなりますよ。
日焼け止めの量と推奨SPF値別の塗布目安
用途 | 推奨SPF/PA | 目安量 |
---|---|---|
日常生活 | SPF30 / PA+++ | パール粒1.5個分 |
屋外活動 | SPF50+ / PA++++ | パール粒2〜2.5個分 |
BBクリームの塗り方と順番のコツ
日焼け止めを塗ってから1〜2分ほど置いてからBBクリームを重ねるのがベストです。
BBクリームは厚塗りしないことが最も大事。
顔の中心(額・鼻・頬・あご)に少量ずつ置いて、内側から外側へ向けて薄く伸ばしていきましょう。
目元や小鼻などは重ね塗りしやすいので、スポンジや指で叩き込むように馴染ませるとムラが出ません。
仕上がりを均一にすることで、メイク崩れや日焼けムラを防ぐことができます。
崩れにくくするための仕上げテク
BBクリームまで塗ったら、フェイスパウダーを重ねることで持ちが大きく変わります。
特に皮脂が出やすいTゾーンや頬の高い位置はテカリやすい部分なので、ブラシでサラッと乗せるのがおすすめ。
反対に乾燥しやすい目元や口周りはパウダーを控えめに。
この“部位別の仕上げ”を意識するだけで、メイクの崩れにくさが大きく違ってきますよ。
化粧直しのポイントと注意点
外出先でのUVケア&メイク直しには、パウダータイプの日焼け止めが便利です。
日焼け止めの効果は時間とともに落ちていくため、2〜3時間おきの塗り直しが推奨されています。
ですが、液状タイプをBBクリームの上から再塗布すると、ヨレやすく不自然な仕上がりになってしまいます。
そこで、スプレー or パウダータイプの日焼け止めを活用すれば、メイクを崩さずにUV効果を補えます。
このひと手間が、「知らない間に日焼けしていた!」を防ぐ大切なポイントになります。
成分のプロが教える!併用時の相性とおすすめの組み合わせ
BBクリームと日焼け止めを併用する際には、成分の相性が非常に重要です。
① 油性・水性ベースの相性を見極めよう
② プロが選ぶ!相性のよいBBクリームと日焼け止め3選
それでは、専門家の視点から詳しく解説していきます。
油性・水性ベースの相性を見極めよう
BBクリームと日焼け止めの“ベース処方”には注意が必要です。
油性ベース(オイルインやしっとり系)のBBに、水性ベースのジェルタイプの日焼け止めを重ねると、弾いてムラになりやすいです。
また、油性×油性だと今度はテカリやすく、メイク崩れの原因になることも。
ポイントは、以下のような「相性の良い組み合わせ」を選ぶことです:
BBクリームタイプ | 相性の良い日焼け止め |
---|---|
しっとり・油性ベース | ミルク or エマルジョンタイプ |
軽め・水性ベース | ジェル or ウォーターベース |
ノンケミカル系 | 散乱剤ベースの低刺激日焼け止め |
成分表示に「シクロペンタシロキサン」「ジメチコン」などが入っていれば、油性寄り、「水」「エタノール」が先頭なら水性寄りと判断できます。
この見極めができるようになると、格段に仕上がりが良くなります。
プロが選ぶ!相性のよいBBクリームと日焼け止め3選
最後に、併用しやすい製品の組み合わせをいくつかご紹介します。
BBクリーム | 日焼け止め | 相性ポイント |
---|---|---|
ミシャ パーフェクトカバーBB(SPF42/PA+++) | ラロッシュポゼ UVイデアXL(SPF50+) | 両方とも油性寄りでムラになりにくい |
キュレル BBミルク(SPF28/PA++)おすすめ! | キュレル UVエッセンス(SPF30/PA+++)おすすめ! | 低刺激設計で敏感肌でも併用しやすい |
セザンヌ BBクリーム(SPF23/PA++) | スキンアクア トーンアップUV(SPF50+) | 水性ベース同士でナチュラル仕上げ |
気になる方は、お試しサイズやサンプルでテストしてから購入するのがおすすめですね。
おわりに
いかがでしょうか?
BBクリームと日焼け止めの併用について、詳しく解説してきました。
改めて結論をまとめると、日常生活であれば、BBクリーム単体で十分なUV対策が可能です。
むやみに日焼け止めを重ねることで、肌に負担がかかったり、メイクが崩れやすくなることもあるため、必要性を見極めて使い分けることが大切です。
とはいえ、長時間の屋外活動やレジャーシーンでは、適切な日焼け止めとの併用が効果的なケースもあります。
肌質や生活スタイルに合わせて、無理なく快適に使えるベースメイクを選んでいきましょう。
「なんとなく」で続けていた習慣も、視点を変えるともっとシンプルに、もっと肌にやさしくできるはずです。
開発者としての経験からも、「足し算」ではなく「引き算」のケアが、肌にとって本当にやさしい選択になると感じています。
ぜひ今日から、あなたのメイクルーティンを見直してみてください!
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません