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まつ毛美容液に効果なし!?伸びない!?違法スレスレ!?まつ毛美容液の真実

この記事を書いている人

コスメデイン

  • 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
  • 今も現役の化粧品開発者
  • 美容雑誌の監修経験あり
  • 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!

美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)

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先日、まつ毛美容液の『健康被害』が問題になりました。

目のかゆみや腫れ、中には、角膜が傷つき手術をしたという重篤なケースもあったようです。詳細は以下記事をご覧ください。

 

あわせて読みたい<プロ解説>まつ毛美容液で目が腫れる!大きな社会問題に発展!!

まつ毛美容液の使用によって「目が腫れた」などの『健康被害』の報告が相次いでいます。 化粧品開発者の我々からすれば、これは、起こるべくして起きた問題であり、今の化粧品業界の抱える問題点を浮き彫りにさせた ...

 

まつ毛美容液は、まともな化粧品開発者や化粧品メーカーから見れば、非常に怪しいアイテムです。

そこで今回は、化粧品開発者の私が、『まつ毛美容液』の真実と題しまして、世の中のまつ毛美容液の配合成分・宣伝方法について、プロの目で分析いたします。

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まつ毛美容液とは?

まつ毛美容液とは、まつ毛のハリ・コシをアップさせたり、今のまつ毛の状態をいつまでもキープさせるために用いるアイテムです。

しかし、中には、まつ毛が伸びる効果(育毛)を宣伝したり、まつ毛用には配合出来ない成分を配合したりする『悪質なケース』が多く、これが、健康被害へとつながりました。

 

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上記記事中でも論じていますが、そもそも、まつ毛に育毛効果を宣伝することは出来ません。育毛とは、『頭皮用の医薬部外品にのみ』認められた表現で、まつ毛には認められていません。

また、悪質なまつ毛美容液の中には、育毛効果を宣伝するために、頭皮用の育毛有効成分を配合していたケースがあるようですが、育毛の有効成分は頭皮用以外には配合が認められていません。

以上のルールは、まともな化粧品開発者やメーカーであれば常識ですが、これらを知らなかったり、知っていても売り上げのためにルールを守らない商品が存在したため、今回のような『健康被害』につながってしまいました。

ですから、「ハリ・コシアップ」や「今の状態のキープ」の宣伝範囲内であれば、まつ毛美容液は認められますが、この範囲を逸脱して、まつ毛が伸びる(育毛)的な表現を用いている商品は『違法』です。

さらに、化粧品の安全性は、国の統一基準ではなく、化粧品メーカーの『自主基準』です。目の周りなどの粘膜は、皮膚が薄く刺激になりやすいため、通常、化粧水やクリームなどの基礎スキンケア品とは安全性基準が異なります。

安全性の自主基準の設定のためには、安全性を評価する『高度な技術』が必要です。粘膜周りに使うモノとそうでないモノには、別の基準を設ける必要がありますから、これらを評価出来るメーカーは限られます。

ですから、もし、まつ毛美容液を選ぶのであれば、その商品の宣伝内容に惑わされず、まずは安全性を評価出来る高度な技術を要する『大手メーカー品』を選ぶべきです。

先程も申し上げたように、「ハリ・コシアップ」や「今の状態のキープ」であれば、まつ毛美容液の宣伝内容として問題はありませんが、本当に世のまつ毛美容液にこのような効果があるのでしょうか?

次項では、まつ毛美容液5年連続売り上げNO.1、アンファーの「スカルプD ボーテ ピュアフリーアイラッシュセラム」を例に、その配合成分と宣伝内容から、本当に宣伝通りの効果が期待できるのか、化粧品開発者の目で分析いたします。

 

スカルプD ボーテ ピュアフリーアイラッシュセラム

メーカー

アンファー

 

価格 / 容量

1,730円 / 6ml

 

全成分

水、BG、ペンチレングリコール、グリセリン、ビオチノイルトリペプチド‐1、オリゴペプチド‐20、アセチルデカペプチド‐3、オクタペプチド‐2、ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド、シスチン、オタネニンジン根エキス、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸2K、サリチル酸シランジオール、パンテノール、水溶性ケラチン(羊毛)、加水分解シルク、グルコシルセラミド、加水分解コラーゲン、グルタミン酸、白金、α‐グルカン、アクリレーツコポリマー、カルボマー、炭酸水素Na、酸化銀、ホウケイ酸(Ca/Na)、水酸化K、フェノキシエタノール

 

宣伝内容

  • 「8つ」のまつ毛ケア成分配合(アセチルデカペプチド‐3、サリチル酸シランジオール、オタネニンジン根エキス、ビオチノイルトリペプチド‐1、ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド、シスチン、オリゴペプチド‐20、オクタペプチド‐2)
  • まつ毛にハリコシを与えて、今あるまつ毛をしっかりキープ
  • 「3つ」の成分をナノ化して浸透度アップ(ピロリジニルジアミノピリミジンオキシドビオチノイルトリペプチド‐1シスチン
  • 「7つ」の成分不使用(パラベン、オイル、アルコール、界面活性剤、シリコン、合成香料、合成着色料)

スカルプD ボーテ ピュアフリーアイラッシュセラム解析

8つのまつ毛ケア成分

まず目を引くのが、アセチルデカペプチド‐3、サリチル酸シランジオール、オタネニンジン根エキス、ビオチノイルトリペプチド‐1、ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド、シスチン、オリゴペプチド‐20、オクタペプチド‐2、の『8つのまつ毛ケア成分』

これら成分は、まつ毛に対し、本当に効果があるのでしょうか?

まずは、「8つのまつ毛ケア成分」の特長を見てみましょう。

アセチルデカペプチド-3は、線維芽細胞増殖因子の一種』で、真皮に存在する線維芽細胞に働きかけ、成長増殖を促し、コラーゲンを真皮に保持してハリ弾力のある肌に導きます。

サリチル酸シランジオールは、『抗炎症効果』がありながら、サリチル酸の刺激作用がなく安全性が高い成分です。

オタネニンジン根エキスには、抗炎症や血流促進など、様々な効果があり、育毛剤にも配合されます。

ビオチノイルトリペプチド‐1は、『ヘアコンディショニング剤』として、まつ毛美容液、マスカラ、リキッドアイライナーなど、まつ毛用コスメに配合される成分です。

ピロリジニルジアミノピリミジンオキシドは、育毛成分として有名な「ミノキシジル」に似た構造を持つ成分で、ミノキシジルに比べ安全性が高い成分です。血流を促進し細胞を活性化する効果があるため、育毛剤やまつ毛美容液によく配合されています。

シスチンは、アミノ酸1種、システインが二つ合わさった成分です。チロシナーゼ活性抑制効果があると言われています。

オリゴペプチド‐20には、細胞の再生を促し、真皮内のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を増やす効果が期待出来ます。

オクタペプチド‐2には、毛包幹細胞や色素幹細胞を活性化させる効果が期待できるため、育毛剤や白髪予防などに用いられます。

以上のように、メーカー側が宣伝する「8つのまつ毛ケア成分」の特長を見てみましたが、『髪』に対して有用であるため、育毛剤(頭皮用)に配合される成分が複数配合されています。

また、『皮膚』に対しても、有用な成分も配合されています。

しかし、髪や皮膚に対し有用であっても、本当に『まつ毛』に対し同様の効果が得られるのかは疑問です。

この商品は、商品ページを見る限り、まつ毛が伸びる的な表現は一切使っていません。ですからスカプルDは、問題となった悪質なまつ毛美容液ではありませんが、ユーザー側の『イメージ』に頼った商品と言えるでしょう。

何故なら、スカルプDの宣伝範囲は、「まつ毛にハリコシを与えて、今あるまつ毛をしっかりキープ」ですが、成分選択や商品ページのつくりが、『まつ毛が伸びる効果(育毛)』を想起させてしまうからです。

『育毛剤』に配合される成分(有効成分以外)を選択している点、まつ毛に対する『エビデンス』がない点が、まさに『イメージ商品』を物語っています。

特に、例えば髪であれば「薄毛の予防」、顔であれば「美白」「水分量」「弾力」など、その化粧品を使う事でどのように改善されたという『エビデンス』が、まつ毛美容液には無いので、一体、この商品を使う事でまつ毛がどう変化するのか?本当に効果的か?という疑問はいつまでも残ります。

ただし、どうイメージするかは、ユーザー側の勝手です。ですから、このような手法は立派な『販売戦略』であり、スカルプDに限らず、どのメーカー・商品でも行っているため、非難される事ではありません。

重要な事は、商品を選ぶ側(ユーザー)が、『まつ毛美容液の真実』を知ったうえで、商品ページをご覧になって、納得して商品を選ぶ事です。

 

安心・安全に使えるか?

問題のまつ毛美容液を使用する事で、目のかゆみ、腫れなどの健康被害が起こりました。

これは、化粧品の『安全性基準』を軽んじた結果です。

ポイントは2つ。

① 自社の安全性基準を設けているか?

② 育毛剤の有効成分は配合していないか?

まず1つ目の『安全性基準』について。

化粧品の安全性基準は各メーカーの『自社基準』ですから、これはそのメーカーの人間でなければ分かりません。

ただし、私がそうであったように、大手化粧品会社であれば、自主基準は設けています。アンファー程の会社であれば、自社基準を設けているはずですし、『アレルギーテスト』も実施していますから、基準に則り、安全性に配慮した商品開発を行っていると考えられます。

2つ目の育毛剤の『有効成分』について。

この商品には、育毛剤に配合される『成分』は配合されていますが、『有効成分』は配合されていません。

また、他の配合成分を見ても、安全性上懸念となるようなモノはありません。

あくまで推測に過ぎませんが、粘膜使用のまつ毛美容液を考慮し、安全性に配慮した商品設計と言えます。

問題のまつ毛美容液には、育毛剤の有効成分が配合されていました。そもそも、こんなことをするメーカーには、安全性を評価する技術はありませんから、自社基準など設けていないでしょう。

そのような意味で、アンファーのスカルプDは、問題があったようなまつ毛美容液とは一線を画す、安全性を考慮し、ルールをしっかり守っている商品と言えます。

ただし、安全に絶対はありません。もしご使用中に違和感などを感じた際は、直ちに使用をお止め下さい。

 

結論

まつ毛美容液に効果はあるのか?

結論として、効果はありません。

無論、まつ毛が伸びる効果などあり得ません。

何故なら、どのような効果があるのか『不明確』ですし、商品を使い続ける事でまつ毛がどのように改善されるかの『エビデンス』が無いからです。

配合成分や商品ページのつくりで、ユーザー側に勝手に効果を想起させているだけです。

化粧品開発者の立場からすればおすすめは出来ませんが、髪や肌に有用な成分が配合されている事は事実ですから、使い続ける事で、何かしらの効果は期待出来るかもしれません。

 

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません

   
大手化粧品メーカーで15年以上、今なお現役の化粧品開発者の私が、これまでの経験をもとに、コスメを厳選してご紹介します!
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