化粧水は本当に意味がないのでしょうか?
多くのユーザーが抱えるこの疑問に、現役の化粧品開発者が明確にお答えします。
この記事では、化粧水に関する一般的な誤解、特に「化粧水はほぼ水」という見方を徹底的に検証し、その真実を明らかにします。さらに、化粧水の保湿成分の重要性や、その効果を実感するまでの期間についても詳しく解説します。
また、化粧水の正しい使い方、適量の重要性、そしてコットンと手のどちらを使うべきかといった実用的な情報も提供します。
化粧水使用時のNG行為とその理由、さらには化粧水の成分とその効果、肌質別の適応についても触れています。
この記事を読むことで、化粧水の真の価値を理解し、皆様のスキンケアに役立てることができると確信しています。
本記事の内容
- SNSで話題の「化粧水は意味ない」の真実が分かる!
化粧水は「ほぼ水」で意味がない?
SNS上には、「化粧水の構成成分の大部分が水のため、使っても意味がない!」という声が多くみられますが、これは事実なのでしょうか?
結論から言うと、化粧水の大部分、80%近くが水で構成されていることは事実ですが、意味がないというのは大きな間違いです。
化粧水は意味のあるアイテム!
次項以降、その理由を詳しく解説いたします。
結論
- 化粧水の構成成分の大部分(80%近く)が水であることは事実
- 化粧水は意味あるアイテムであり、意味なしというのは大きな間違い!
「化粧水はほぼ水で意味なし」が間違いの理由
「化粧水はほぼ水」という誤解
多くの方が抱く「化粧水はほぼ水である」という見解は、実は大きな誤解です。
確かに化粧水の主成分は水ですが、それだけではありません。
化粧水には、肌の保湿や栄養を補給するための様々な成分が含まれています。これらの成分は、肌に水分を与えるだけでなく、肌のバリア機能を強化し、健康な肌状態を維持するのに役立ちます。より具体的にご説明します。
以下はある化粧水の全成分です。
全成分
水、BG、ペンチレングリコール、ジグリセリン、DPG、エトキシジグリコール、エリスリトール、グリセレス-26、ベタイン、メチルグルセス-10、ムラサキシキブ果実エキス、ワイルドタイムエキス、加水分解イネ葉エキス、キサンタンガム、ポリクオタニウム-61、カルボマー、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、ユズ果実エキス、ダマスクバラ花エキス、エチルヘキシルグリセリン、チューベロース多糖体、グリセリン、メチルグルセス-20、クエン酸Na、クエン酸、ペンテト酸5Na、フェノキシエタノール
化粧水中の大部分を占める成分は水であることは事実です。
上記商品の主成分、おそらく80%以上は水でしょう。
しかし、BG、ペンチレングリコール、ジグリセリン、DPGは、多価アルコールという成分で、コスメでは肌に水分を与える保湿成分として当たり前のように配合される超重要成分です。
また、その中でも、BG、ペンチレングリコールは2価のアルコールと言います。これらは、保湿剤として重要な役割を果たす一方で、抗菌力が備わっており、パラベン等の防腐剤量を減らす目的で化粧品に配合されます。
エトキシジグリコール、エリスリトール、グリセレスー26、ベタイン、メチルグルセスー10も優秀な保湿成分です。
その他、エチルヘキシルグリセリンは抗菌成分(防腐剤ではない)、クエン酸Na, クエン酸はpH調整剤、ペンテト酸5Naはキレート剤、フェノキシエタノールは防腐剤と、化粧品にとって必要不可欠の成分です。
このように、化粧水の大部分は水である事に間違いはありませんが、水以外の成分が非常に重要でお肌に有用なのです。
保湿成分は、肌の健康と美しさを保ちます。
これら成分は、肌に水分を供給し、長時間保持することで、肌の乾燥を防ぎます。また、肌の水分バランスを整え、肌の柔軟性と弾力を保つ効果もあります。
pH調整剤や防腐剤は、お肌に不要とお考えの方はいるかもしれません。
しかし、これら成分は品質保持の役割があります。これら成分のおかげでユーザーの皆様は、長期間、安心して、保湿剤配合の化粧品を、効果的なpH(弱酸性)でお肌に取り入れる事ができるのです。
これは、ただの水ではできない事です。
最重要ポイント
化粧水はただの水で意味なしは大きな誤解!水以外の成分が非常に重要で、お肌に有用
化粧水の効果を実感するまでの期間
化粧水の効果をなかなか感じられないから、「化粧水はほぼ水」という大きな誤解が生まれたのかもしれません。
化粧水の効果を実感するまでの期間は、使用する化粧水の種類や個人の肌質によって異なります。
一般的には、化粧水の効果を感じるためには、最低でも2週間から1ヶ月程度の使用が必要とされています。
これは、肌のターンオーバー、つまり肌細胞の生まれ変わりの周期に基づいており、肌の細胞は約28日の周期で更新されるため、新しい化粧水を使い始めてから肌の変化を実感するには、少なくとも1サイクルは必要とされています。
特に、美白やエイジングケアなどの特定の効果を目指す場合、効果を実感するまでにはさらに時間がかかることがあります。
したがって、化粧水の効果を判断する際には、少なくとも1ヶ月程度は根気よく使用を続けることが大切です。
化粧水の正しい使い方
効果的な化粧水の塗り方
化粧水を効果的に使用するためには、適切な塗り方を理解することが重要と言えるでしょう。
まず、清潔な手で顔を優しく洗い、肌を清潔に保ちます。
その後、化粧水を手のひらに取り、両手で顔全体に優しくプレスするように塗布します。この時、肌を強くこすらず、軽くたたくようにして化粧水を肌になじませることがポイントです。
また、特に乾燥が気になる部分には、少し多めに化粧水を塗り、十分に保湿することが効果的です。この方法により、化粧水の成分が肌に均一に行き渡り、最大限の保湿効果を得ることができます。
化粧水の適量とその重要性
化粧水の適量は、肌の状態や季節によって異なりますが、一般的には500円玉大程度が目安です。
適量を守ることは、肌への効果を最大化するために非常に重要です。適量より少なすぎると、肌のすべての部分に十分に化粧水が行き渡らず、乾燥を防ぐことができません。
一方で、これは意外かもしれませんが、多すぎると肌に化粧水が浸透しきれず、肌表面に残った化粧水が蒸発する際に肌の水分も一緒に奪ってしまう(乾燥)可能性があります。
そのため、肌の状態を見ながら、適量を調整することが大切です。
注意
化粧水の塗布量は多すぎると、逆に乾燥する恐れがある
コットンと手のどちらを使うべきか
化粧水を塗る際、コットンを使用するか手で直接塗るか、お悩みの方は多いと思います。
コットンを使用する場合、化粧水が肌に均一に広がりやすく、また、コットン使用後に、肌に優しくプレスすることで、化粧水が肌の奥まで浸透しやすくなります。
一方、手で直接塗る場合は、肌への刺激が少なく、化粧水の温度が手の温度に近づくため、肌になじみやすいです。
どちらの方法もそれぞれにメリットがありますので、肌の状態や好みに応じて選択することが推奨されます。
ポイント
敏感肌の方や刺激を避けたい方であれば、手で優しく塗る方法がおすすめ
化粧水使用時のNG行為とその理由
大量に塗りすぎることの弊害
先ほども述べましたが、化粧水は大量に塗布すべきではないというお話です。
「化粧水はジャバジャバ大量に使う」という表現をお聞きになった方はいらっしゃると思いますが、これは間違いです。
化粧水を過剰に使用することは、肌にとって逆効果になることがあります。
化粧水は、肌の角質層に水分を供給し、保湿する役割を果たしますが、角質層が受け入れることができる水分量には限界があります。
適量を超えて化粧水を塗りすぎると、肌表面に化粧水が残り、その結果として水分が蒸発する際に肌自体の水分も一緒に奪われてしまう可能性があるのです。
これにより、肌の乾燥を引き起こし、肌トラブルの原因となることがあります。したがって、化粧水は適量を守り、肌に均一になじませることが重要です。
コットンでの擦りすぎによる肌への影響
化粧水をコットンで塗る際には、肌へのやさしいタッチが求められます。
コットンを使って化粧水を塗る方法は、肌に均一に化粧水を広げるのに非常に効果的ですが、強く擦りすぎると肌にダメージを与えることがあります。
特に、敏感肌の方や肌が弱い方は、コットンの摩擦によって肌が刺激されやすく、赤みやかゆみなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。
そのため、コットンを使用する場合は、肌に優しく押し当てるようにして、摩擦を最小限に抑えることが大切です。
化粧水だけの使用とそのリスク
化粧水だけを使用し、他のスキンケア製品を省略することは、肌の健康を維持する上でリスクが伴います。
化粧水は肌に水分を供給し、保湿する役割を果たしますが、それだけでは肌の水分を閉じ込めて保持することはできません。
乳液やクリームなどの油分を含む製品は、化粧水で補給した水分が蒸発するのを防ぎ、肌の保湿バランスを保つのに役立ちます。
化粧水のみを使用すると、肌の水分が十分に保たれず、乾燥や肌荒れの原因となることがあります。
したがって、化粧水の後には乳液やクリームを適切に使用し、肌の保湿ケアを行うことが重要なのです。
化粧水の選び方のアドバイス
化粧水は最もよく使うアイテムの一つですから、その選び方は非常に重要です。現役の化粧品開発者の私からのアドバイスはただ一つ!
最重要ポイント
化粧水は大手化粧品メーカーのモノを選ぶこと!
その納得の理由とおすすめ化粧水は以下をご参照ください。