この記事で分かること
- 「ハトムギ化粧水やばい」の真相
大人気のハトムギ化粧水ですが、ネット上には「やばい」という口コミが多くみられます。
そこで、ハトムギ化粧水「やばい」の真相を、現役の化粧品開発者が、処方特徴とともに詳しく解説します!
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
ハトムギ化粧水やばい!6つの理由
数多くの口コミから読み取れる、「ハトムギ化粧水やばい」の理由には、良い意味と、悪い意味があります。
まとめると、以下のように6つの理由に集約されます。
良い意味での「やばい」
① 大容量で価格が安すぎる
② 全身にも髪の毛、頭皮にも使えて万能すぎる
悪い意味での「やばい」
③ 保湿力、うるおいが全然足らない
④ 肌なじみが良くない
⑤ ニキビができる・肌が荒れる
⑥ 効果がない
「なるほど!」という感じです。
何故なら、処方特徴を知れば、上記は全て説明ができるからです。
詳細を説明する前に情報として、人気のハトムギ化粧水の、それぞれの全成分と容量、価格を記します。
「ナチュリエ」
【全成分】水、DPG、BG、グリセリン、ハトムギエキス、グリチルリチン酸2K、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)コポリマー、クエン酸、クエン酸Na、メチルパラベン
【容量 / 価格】500mL / 627円(税込, AMAZON)
「麗白」
【全成分】水、グリセリン、DPG、メチルグルセス-10、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、BG、ヒアルロン酸Na、ハトムギ種子エキス、グリチルリチン酸2K、キサンタンガム、(スチレン/アクリレーツ)コポリマー、PEG-60水添ヒマシ油、クエン酸、クエン酸Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン
【容量 / 価格】1000mL / 598円(税込, AMAZON)
「プラチナレーベル」
【全成分】水、BG、グリセリン、加水分解ローヤルゼリータンパク、ハトムギ種子エキス、(スチレン/アクリレーツ)コポリマー、クエン酸Na、クエン酸、フェノキシエタノール、メチルパラベン
【容量 / 価格】1000mL / 619円(税込, AMAZON)
「情熱価格(ドンキ)」
【全成分】水、グリセリン、DPG、メチルグルセス-10、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、BG、ヒアルロン酸Na、ハトムギ種子エキス、ローズマリー葉エキス、ラベンダー花エキス、セージ葉エキス、タチジャコウソウ花/葉エキス、カニナバラ果実エキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウサンザシ果実エキス、ビルベリー葉エキス、キュウリ果実エキス、エタノール、キサンタンガム、(スチレン/アクリレーツ)コポリマー、PEG-60水添ヒマシ油、クエン酸、クエン酸Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン
【容量 / 価格】1000mL / 500円(税込)
では次項から、現役の化粧品開発者がプロの視点で、「やばい」といわれる6つの理由の真相を、詳しく解説します。
ハトムギ化粧水やばい!6つの理由の真相
価格が安すぎてやばい
まずは、良い意味での「価格が安すぎてやばい」について。
確かに、1000mLで500円~600円なので、やばすぎるくらい安いです。
ナチュリエ | 麗白 | プラチナ レーベル |
ドンキ | |
容量 | 500mL | 1000mL | 1000mL | 1000mL |
価格 | 627円 | 598円 | 619円 | 500円 |
1mLあたり | 1.254円 | 0.598円 | 0.619円 | 0.5円 |
コスパが良いとされる、大手通販メーカーの化粧水でさえ、1mLあたり、10円~15円。ドラッグストアの化粧水でも、1mLあたり、3円~5円くらいです。
そんな中、1mLあたり、0.5円~1.254円というハトムギ化粧水は凄すぎますね。
「価格が安すぎてやばい」という口コミが増えるのも納得です。
この容量と価格設定、勿論、企業努力があってこそですが、実は、安さには秘密があります。
こちらに関する詳細は、以下記事をご覧ください。
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価格が安すぎてやばい!
- 相当な企業努力のたまもの
- 安さには秘密がある!
全身にも髪の毛、頭皮にも使えて万能すぎてやばい
次も良い意味での「全身にも使えて万能すぎてやばい」。
これだけ大容量で低価格であれば、気にすることなく全身に使えます。
お肌に合うのであれば、身体への使用は問題ありませんが、髪の毛への使用は控えた方がいいです。
そもそも、髪の毛用と顔用では処方骨格が違います。
髪の毛用には必須の界面活性剤がありますが、この界面活性剤は、顔用には安全性の観点から基本、使われません。
こちらに関する詳細は以下をご覧ください。
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ハトムギ化粧水を髪の毛や頭皮に使っても何の効果もなく、間違った使用法なので、髪の毛には髪の毛用の、頭皮には頭皮用の化粧品をお使いください。
ですから、万能すぎてやばいの「万能」は、言い過ぎです!
全身にも使えて万能すぎてやばい!
- 身体には使えるが、髪の毛、頭皮への使用はやめるべき!
- 万能すぎての「万能」は言い過ぎ!
保湿力、うるおいが全然足らなくてやばい
次から、悪い意味でのやばいです。
「保湿力、うるおいが全然足らなくてやばい」ですが、化粧水で保湿力を出すには、グリセリン、BG、DPG等の多価アルコールが必須です。
ですが、これら成分は水に比べれば価格が高く、1000mLで500円~600円を実現するには、原料価格(原価)を抑える事が必須であり、結果、保湿成分である多価アルコール量を減らさざる得ません。
また、多価アルコールには、保湿成分として以上に、重要な役割があります。
それが、パラベン等の防腐剤量を減らすための抗菌成分としての役割です。
多価アルコールには抗菌力が備わっており、配合することで、パラベン等の防腐剤を減らしたり、フリーにすることができます。
ナチュリエ・麗白・プラチナレーベル・ドンキのハトムギ化粧水全てにパラベンが配合されており、多価アルコールの抗菌力はそれほど必要ありませんから、原価の低減も重なって、多価アルコールの配合量が少なくなり、結果、「保湿力が足らない!」となったのです。
保湿力が足らなくてやばい!
- 低価格実現のため、十分な量の保湿成分(多価アルコール類)が配合されていない可能性が高く、人によっては保湿感が物足らない
肌なじみが良くなくてやばい
次が「肌なじみが良くない」について。
人の肌表面は親油性、つまり、油の性質が強いです。
例えば、肌上に水を置くと、水をはじいて、丸の滴になると思います。一方、油を置くと、丸の滴にならず、広がると思います(肌になじむ)。
これが、人の肌表面が油の性質が強い証拠です。
化粧水の肌なじみを挙げるには、多価アルコールの配合か、界面活性剤の配合が不可欠です。
ですが、先ほども述べたように、ナチュリエ・麗白・プラチナレーベル・ドンキは低価格実現のため、多価アルコール量が少ないと予想されますし、ナチュリエとプラチナレーベルには界面活性剤が含まれていないため、肌なじみ悪いと感じるのは当然と言えば当然です。
界面活性剤を配合することで、原料価格は上がります。
また、製造においても少し手間になります。
肌への悪影響から、界面活性剤フリーを宣伝する商品は存在しますが、そもそも化粧水などの基礎スキンケアに配合される界面活性剤は、安全性が高いノニオン型なので、合う合わないはあるにしても、界面活性剤=肌に悪いと考えること自体、間違いです。
肌なじみが良くなくてやばい!
- 低価格実現のため、界面活性剤が配合されておらず、肌なじみが良くない(悪い)!
ニキビができる・肌が荒れてやばい
次に、「ニキビができる・肌が荒れる」について。
ニキビができたり肌が荒れる原因としては、以下の2つが考えられます。
ニキビができる・肌が荒れてやばい!
- ハトムギ化粧水に配合されている特定成分
- 乾燥肌
これに関しては、以下をご覧ください。
ハトムギ化粧水でニキビが悪化したり、肌荒れする原因を詳しく解説しています!
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効果がなくてやばい
最後、「効果がなくてやばい」について、効果に関しては個人差があります。
また、化粧品は、「安全であって、効果は緩和であること」が大前提です。
ですから、そもそも化粧品である以上、即時効果は期待できず、長く使い続けることで効果を得られます。
一方で、1000mLで500円~600円という圧倒的なコスパを実現させるには、極限まで無駄を省く必要があり、処方はよりシンプルにせざる得ません。
美容効果が期待できる複数のエキスは配合されていますが、原価を考えれば十分な量の配合は出来ないでしょう。
原価が高ければ高いほど、美容成分を贅沢に配合でき、効果への期待が高まるというのは、全てとは言わないまでも化粧品にはあることなので、価格を考えれば、「期待していたほどの効果がない」と感じられても仕方がないことかもしれません。
ただし、「ハトムギ化粧水はただの水」という口コミも見られましたが、さすがにこれは言い過ぎです。
効果の大小はあれ、ハトムギ化粧水は「水」ではなく「化粧水」です!
効果がなくてやばい!
- 低価格実現のため、極限までのシンプル処方となっており、人によっては効果を感じにくいことは十分あり得る
以上、「ハトムギ化粧水やばい」という良い意味と悪い意味での口コミに対して、技術的な視点で解説させていただきました。
ナチュリエ・麗白・プラチナレーベル・ドンキの大容量&低価格は圧倒的です。
低価格だから「効果がない!」とか「ダメ!」という訳ではありません。
これらのハトムギ化粧水は、驚くべき企業努力によって、大容量&低価格を実現し、幅広いユーザー層に受け入れられています。
一方で、大容量&低価格には必ず理由があり、ある程度の「安かろう悪かろう」は否定できません。
結果、効果を感じにくかったり、肌に合わなかったりすることは、十分考えられます。
(補足)世の中のハトムギ化粧水
今回は、ハトムギ化粧水として、ナチュリエ、麗白、プラチナレーベル、ドンキに対する口コミを、徹底的に調べました。
何故なら、この4つのハトムギ化粧水が、今のハトムギ人気を牽引しているからです。
しかし、ハトムギ化粧水について、本物と偽物があるのをご存じでしょうか?
本物、偽物というのは少し言い過ぎですが、ハトムギ化粧水にはオリジナル(本物)とオリジナルでないモノ(偽物)があります!
この記事で取り上げた、4つのハトムギ化粧水は、オリジナルでないモノに該当します。
この事実はあまり知られていないので、ご興味がある人は是非、以下を参考にしてください。
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ハトムギ化粧水やばい!は全てではない
ハトムギ化粧水やばいには、勿論、「いい意味」もありますが、保湿力が足らなくてやばい、ニキビができてやばい、効果がなくてやばいなど、どちらかというと、「悪い意味」が強いようです。
では、やばくないハトムギ化粧水はあるの?
勿論、あります!
全てのハトムギ化粧水がやばいのではなく、やばくないモノは存在します!
やばくないハトムギ化粧水は、以下記事内の、おすすめ第一位、第二位、第三位にあげている、オルビス クリアローション、エリクシール ホワイト、アルビオン スキコンです!
是非、ご覧ください。
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おわりに
いかがでしょうか?
この記事を通じて、ハトムギ化粧水の「やばい」という口コミの背後にある真実を深く掘り下げました。
良い意味での「やばい」、つまり、その驚くべきコストパフォーマンスと万能性について、そして一方で、保湿力や肌なじみの面での課題点についても詳細に解説しました。
この記事が、皆様の肌に合ったハトムギ化粧水を見つける一助となれば幸いです。
また、仮にハトムギ化粧水がお肌に合わなかったり、効果に満足がいっていないのであれば、以下をご参照ください。
ハトムギ化粧水ほどの低価格ではありませんが、現役の化粧品開発者の私が厳選した、一流メーカーが手掛けた、価格的にもお手頃な化粧水の名品ばかりです。
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※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません