先日、読者の方から質問を頂きました。
林先生が驚く初耳学!(TBS系列、日曜、よる10時~)で『クレンジングが原因で目が小さくなると言っていたので、おすすめのクレンジングはありますか?』という内容でした。
今回は、目が小さくならないために、『クレンジングの正しい選択と使用方法』についてご説明します。
クレンジングが原因で目が小さくなる!
2017年4月23日放送の「林先生が驚く初耳学!」で、衝撃の事実が明らかになりました。それは、何と、『ヒトの目は20代からの15年で20%も小さくなる』というものでした。
しかも、その原因の一つが『クレンジング』にあるのです。
目の周辺には『眼瞼挙筋(がんけんきょきん)』と呼ばれる筋肉があります。この眼瞼挙筋は、『まぶたの開閉』に使われる筋肉で、年とともに老化していきます。さらに、目の周りの皮膚は他の箇所に比べ、3分の1の厚さしかなく、『物理的刺激に弱い』。
ですから、アイメイクを落とす際、ゴシゴシ擦ってクレンジングすると、眼瞼挙筋にダメージを与え、目が小さくなってしまうのです。
また、『つけまつげ』も目が小さくなる要因の一つで、つけまつげの重みによって、まぶたの裏側にある筋肉(ミューラー筋)が伸びてしまい、まぶたが上がりにくい状態になってしまうということです。
目の周りの皮膚は薄いので、ゴシゴシ擦ってクレンジングしてはいけないというのは当然知っていましたが、まさか、それが原因で、目が小さくなってしまうというのは驚きでした。まさに初耳!
でも、よく考えてみてください。つけまつげは、現代では欠かせないおしゃれアイテムの一つです。15年後の自分の目の大きさを気にして、つけまつげをしない!というのは、本当に正しい選択でしょうか?
確かに、若い時にお肌を酷使すると、将来、後悔する可能性は高いでしょう。ですから、いつまでも、何歳になっても若々しいお肌を維持するために、日頃のお手入れは必要です。しかし、つけまつげのように、若いその時しかできないおしゃれを、15年後、目が小さくなるかもしれないからやめるべきと、私は言うことは出来ません。その時々の、その年代のおしゃれを楽しむという要素も、コスメにはあると考えているからです。
しかし、クレンジングの使用方法は違います。目が小さくなるのを防ぐためというより、そもそもクレンジングはゴシゴシ物理的力で落とすものではありません。油や界面活性剤でメイク汚れを浮き上がらせ、『優しく包み込むように落とす』ものです。
次項では、「目が小さくなるのを防ぐため」、「お肌へのダメージを防ぐため」に、『クレンジングの正しい選択と使用方法』についてご説明いたします。
クレンジングの正しい使用方法
ゴシゴシ擦らない!優しく包み込むように!!
目が小さくならないように、と言うよりも、クレンジングの基本として、ゴシゴシ擦ってはいけません。クレンジングは毎日使うものです。毎日ゴシゴシ擦っていたら、物理的刺激によって、目が小さくなる危険があるばかりか、重篤な『肌トラブルの原因』となります。
メイク汚れは、『浮き上がらせて、優しく落とす』ものです。クレンジングに配合されている油や界面活性剤をメイク汚れに馴染ませ、汚れを浮き上がらせるわけです。通常のクレンジングでれば、ゴシゴシ擦らなくても落ちます。逆に言えば、ゴシゴシ擦らないといけないクレンジングは、使うべきではありません。
クレンジングの基本は、『メイク汚れを浮かせ包み込み、優しく落とす』です。
クレンジングのタイプ別性質を知りましょう
クレンジングには様々なタイプがあります。タイプによって、性質(特徴)が大きく異なります。このブログでもご紹介していますが、ここでは、一般的なクレンジングタイプである、オイルクレンジング、リキッドクレンジング、クリームクレンジングについて簡単にご説明します。
オイルクレンジング
オイル(油)が90%以上配合されたクレンジングです。メイク汚れを落とす『油』が90%以上も配合されていますから、数あるクレンジングの中で、一番クレンジング力が高いタイプです。ウォータープルーフのメイク料ですら簡単に落とすことが可能です。その高いクレンジング力故、お肌に必要な皮脂まで落としてしまうため、お肌に対する優しさという点が唯一の欠点ではないでしょうか?
『アテニア スキンクリア クレンズ オイル』が、ユーザー支持の高いオイルクレンジングです。
リキッドクレンジング
水ベースのクレンジング、これがリキッドクレンジングです。
界面活性剤で、メイク汚れを浮かせ包み込み落とします。リキッドクレンジングと言えば、『オルビス クレンジングリキッド』でしょう。リキッドクレンジングのパイオニア的存在です。
リキッドクレンジングは界面活性剤でメイク汚れを落とします。
しかし、界面活性剤はお肌への刺激の問題から、多量配合できません。ですから、オイルクレンジングに比べれば、クレンジング力は劣ります。
ウォータープルーフのメイク料を落とすことは困難でしょう。ですが、水ベースのため、お肌には優しく、オイルクレンジングがお肌に合わないという方におすすめです。
クリームクレンジング(高内相タイプ)
クリームクレンジングには、大きく分けて『高内相タイプ』と『通常タイプ』があります。これらタイプについての詳細は、以下記事をご覧ください。
高内相タイプはメイク汚れを落とす『油』が多量に配合されていますから(50%~80%)、オイルクレンジングに匹敵するほどのクレンジング力です。
また、水ベース(水中油型)であり、種々保湿成分や美肌成分(エキス類)の配合が可能なので、お肌にも優しいです。
クレンジング力とお肌への優しさを両立したクレンジングであり、私が最も好きなタイプです。
クリームクレンジング(通常タイプ)
通常タイプは、メイク汚れを落とす『油』が、通常のクリームと同程度の配合量なので(10%~30%)、クレンジング力は期待できません。
ですが、お肌には優しいので、お肌が弱い方や薄付きメイクの方であればおすすめです。
このタイプには、『ビオレ こくリッチメイクオフクリーム』などがあります。
お使いのメイク料の性質と、ご自身のメイクスタイルを理解しましょう
次に、ご自身がお使いの『メイク料の性質』と、ご自身の『メイクスタイル』をご理解ください。
ご自身がお使いのBBクリームや日焼け止めは、「水に強い油中水タイプですか?」「しっかりメイクをされますか?」「ポイントメイクはお使いですか?」「お使いのマスカラはウォータープルーフタイプ」ですか?
例えば、比較的アクティブに活動される方で、水や汗に強い『油中水型』のBBクリームや日焼け止めで、『しっかりメイクされる方』であれば、クレンジング力の低いクリームクレンジング(通常タイプ)を選ぶべきではありません。これではなかなか落ちないので、ゴシゴシ強く擦ってしまいます。クレンジング力に優れたオイルクレンジングやクリームクレンジング(高内相タイプ)を選ぶべきです。
また、『薄付きメイクをお好みの方』であれば、リキッドクレンジングやクリームクレンジング(通常タイプ)で十分です。オイルクレンジング程のクレンジング力は必要ありません。
このように、ご自身がお使いのメイク料の性質やご自身のメイクスタイルをしっかり理解し(水や汗に強い?しっかりメイクする派?)、それらに合ったクレンジングをお選びください。
おすすめのクレンジングは?
「クレンジング力」「洗い上がり」「お肌への優しさ(刺激のなさ)」など、クレンジングに求められる機能は多様化しています。
しかし、クレンジングの本質は『メイク汚れを落とす』です。お肌への優しさを重視して、クレンジング力が低いクレンジングを使うと、メイク汚れが残りますし、無理やり落とそうと、ゴシゴシ擦ったりもしますよね。これでは本末転倒です。
私は『クレンジング力』を、最もクレンジングに求めます。ですから、オイルクレンジングやクリームクレンジング(高内相タイプ)をおすすめしています。
オイルクレンジングが必要な皮脂まで落としてしまうのであれば、クレンジング後、化粧水と乳液でしっかりとケアしてあげればいいんです。コスメにはアイテム毎に与えられている役割があります。クレンジングにはメイク汚れを確実に落とす役割がありますし、クレンジングによって失われた潤いや油分を補うのが化粧水と乳液の役割なのです。
クレンジングの本質はメイク汚れを落とすこと、最も優先すべきはクレンジング力、これが私のクレンジングに対する考え方です。
ただし、それ以前に、ご自身のメイク料、メイクスタイル、お肌に合わせた選択を、というのが大前提です。薄付きメイクをお好みの方であれば、クレンジング力を重視する必要はありません。
また、お肌が弱い方であれば、お肌への優しさを優先すべきでしょう。ただしその際は、ご自身のメイク料(成分的に刺激が強くないか?)、メイクスタイル(お肌に負担のかかるメイクをしていないか?)の見直しも必要ですね。
おわりに
いかがでしょうか?
クレンジングが目の大きさに影響を与えるという事実は、多くの方にとって意外な発見かもしれません。
本記事では、クレンジングの誤った使用方法が目を小さくする原因の一つであることを解説しました。特に、目の周りは非常にデリケートなため、ゴシゴシと強く擦ることなく、優しくメイクを落とすことの重要性を強調しました。また、クレンジングの選び方や使用方法についても触れ、正しいスキンケアの知識が美しい肌を保つ鍵であることをお伝えしました。
最終的には、皆様が自身の肌質やメイクスタイルに合ったクレンジングを選び、正しい方法で使用することで、健康的な肌を維持し、目の美しさを長く保つことができるよう願っています。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません