
- 日焼け止めを塗ると、白いカスが出ることがあるけど、これは何?
- 白いカスが出にくい日焼け止めってあるの?

この記事で分かること
- 日焼け止めを使う時に出る「白いカス」の正体
- 「白いカス」が出にくい日焼け止めの選び方
日焼け止めを使用して美しい肌を保ちたいと思っても、塗布後に「白いカス」が現れることによる悩みを持つ方は少なくありません。
実は、この「白いカス」、非常に危険なんです!
そこでこの記事では、大手化粧品メーカーで15年以上、今も現役の化粧品開発者として活躍し、さらに大手美容雑誌の監修経験も豊富なプロフェッショナルの私が、白いカスの正体と、白いカスが出にくい日焼け止めの選び方について、詳しく解説します!
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
【結論】白いカスが出ない日焼け止め
日焼け止めを使っている最中、ポロポロと白いカスが出ることありませんか?
白いカスが出やす日焼け止めには共通の特徴があって、これを知ることで、白いカスが出にくい日焼け止めを選ぶことができるんです。
白いカスが出る日焼け止めの共通の特徴、それは、「紫外線散乱剤高配合の日焼け止め」であること!
ですから、白いカスが出ない日焼け止めの選び方の答えは、
紫外線散乱剤フリーの日焼け止めを選ぶ
ですが、これでは50%の正解です。
何故なら、紫外線散乱剤高配合の日焼け止め全てが、白いカスが出るわけではなく、様々な要因が重なって白いカスが発生するからです。
白いカスが出ない日焼け止め選びの100%正解の答えは以下です。
白いカスが出ない日焼け止め
- 紫外線散乱剤と紫外線吸収剤を併用した日焼け止めを選ぶ!
- ジェルではなく、クリームかシャカシャカ振るタイプの日焼け止めを選ぶ!
次項以降、白いカスが出る原因を明らかにするとともに、この結論に至った理由を詳しく解説いたします。
そして、現役の化粧品開発者がプロの視点で選んだ、白いカスが出にくいおすすめの日焼け止めをご紹介します。
白いカスが出る原因とは?
日焼け止めを使ったあとに白いポロポロとしたカスが出る…。そんな経験ありませんか?
この「白いカス」、見た目も悪くて気になりますし、「効果あるの?」と不安になる方も多いと思います。
でもご安心を。実はこの現象には明確な原因があるんです!
■ 原因①:成分同士の“相性の悪さ”による凝集
白いカスの正体は、日焼け止めに含まれる一部の成分が、肌の上で固まってしまうことで発生します。
主に問題になるのが、以下のような組み合わせです。
要因 | 説明 |
---|---|
水溶性ポリマー(例:カルボマー) | テクスチャーを出すために使われる。肌表面で固まりやすい。 |
紫外線散乱剤(例:酸化チタン) | 紫外線をブロックするが、粒子同士が凝集しやすい。 |
この2つが一緒になることで、肌の上で白いカスが発生するんです。
■ 原因②:カルボマーなど“増粘剤”の種類による違い
カルボマー(カルボキシビニルポリマー)は、水溶性ポリマーの代表成分。化粧品のとろみを出すためによく使われます。
でも実は、この成分が高濃度で使われると、肌の上で固まりやすく白いカスの原因になってしまいます。
とはいえ、すべての増粘剤が悪いわけではありません。
- 出にくい : 多糖類系(キサンタンガム・ジェランガム)
- 出やすい : 水溶性ポリマー(カルボマー・アクリル酸系ポリマー)
特に、「オールインワンジェル」でポロポロ出るカスも、この水溶性ポリマーが原因のことが多いです。
ただし、オールインワンで出るのは「透明〜半透明のカス」。
日焼け止めで出る「白いカス」とは、別物です。
■ 原因③:紫外線散乱剤との“禁忌の組み合わせ”
白いカスの最大の原因、それは…
カルボマー(増粘剤) × 酸化チタン(紫外線散乱剤)
この2つは、化粧品処方上で「相性が悪い」ことで有名。
酸化チタンは肌に白浮きせずに紫外線を防げる反面、水溶性ポリマーと混ざると“白い粉状の粒子”になって表面に現れることがあるんです。
現在は技術が進み、表面処理された酸化チタンも使われていますが、一定濃度を超えるとやはりカスが出る傾向は残っています。
■ 白いカスの発生メカニズムまとめ
現象 | 原因成分 | 説明 |
---|---|---|
半透明のカス | カルボマーなど水溶性ポリマー | 保湿ジェルや美容液でよく見られる現象 |
白いカス | カルボマー+酸化チタン | 肌の上で粒子が凝集し、白く目立つ |
■ 最重要ポイントまとめ
- 白いカスの正体は、「水溶性ポリマー × 酸化チタン」
- カルボマー系のポリマーが配合されている日焼け止めは要注意
- 成分表示で「カルボマー」「アクリレーツ系ポリマー」などに注目
つまり、白いカスを避けたいなら、水溶性ポリマーと紫外線散乱剤の配合バランスをチェックするのがカギなんです!
次に日焼け止めを選ぶときは、成分表をチェックするクセをつけてみてください。
白いカスは危険!絶対にNGな理由
「白いカスが出ても見た目が悪いだけで、痛くないし大丈夫」──そう思っていませんか?
それは大きな間違いです!
白いカスは非常に危険なサインであり、肌に悪影響を与える可能性があります。
ここでは、白いカスが出る仕組みと、そのリスクについて解説します。
■ 白いカスが出る主なケースは2つ
まず、白いカスの正体は、水溶性ポリマー(カルボマーなど)と酸化チタン(紫外線散乱剤)が肌上で混ざり合うことで起こります。
でも、実は酸化チタン単体ではカスは出ません。
白いカスが出る条件は「酸化チタン × 水溶性ポリマー」の組み合わせ
ケース①:同じ製品内に両成分が含まれている場合
ひとつの製品に、カルボマーなどの水溶性ポリマーと酸化チタンが両方含まれていると、塗布時の摩擦で両者が結合し、白いカスが発生しやすくなります。
この現象を避けるために、日焼け止めは次のように塗るのがコツです:
- ゴシゴシ擦らず、優しく手のひらで押さえるようになじませる
- 肌全体に均一に広げ、刺激を与えない
ケース②:スキンケア製品との組み合わせによる発生
もうひとつのパターンは、日焼け止めの前に水溶性ポリマー配合の化粧品を使った場合。
たとえば、オールインワンジェルや保湿ジェルなどがこれに該当します。
これらが肌に残っている状態で酸化チタン入り日焼け止めを塗ると、肌の上で混ざり合い、白いカスが発生してしまいます。
■ 白いカス=化粧膜の崩壊 → 非常に危険!
白いカスの発生が問題なのは、見た目の悪さだけではありません。
もっと深刻なのは、酸化チタンから作られた「紫外線防御膜」が崩れてしまうこと。
つまり、白いカスが出るということは…
- UVカット膜(=化粧膜)が崩壊
- 紫外線から肌を守れない
- シミ・くすみ・老化の原因に!
つまり、白いカスが出ている=日焼け止めの防御力が失われている状態です。
そのまま外出すると、紫外線の影響をモロに受けてしまうのです。
■ 今すぐチェック!白いカス対策リスト
チェックポイント | 対策 |
---|---|
使用中のスキンケアに水溶性ポリマーは? | 成分表示で「カルボマー」「アクリレーツ」などを確認 |
日焼け止めの前に塗っているアイテムは? | 水溶性ポリマー不使用のものに変更する |
日焼け止めの塗り方 | 擦らず優しく押さえてなじませる |
■ 白いカスが出たら、すぐにアイテムを見直そう!
- 白いカスは「化粧膜の崩壊」=日焼け止めが効いていないサイン
- 前に使うスキンケア製品にも注意を!
- カスが出る製品はなるべく避けて、相性の良い処方を選ぼう
白いカスを防ぐための日焼け止めの選び方
「白いカス」が出ない日焼け止めを選ぶためには、2つの大きなポイントがあります。
- 紫外線散乱剤と紫外線吸収剤を併用した日焼け止めを選ぶ
- クリームまたはシャカシャカ振るタイプを選ぶ
ここでは、それぞれの理由と選び方を詳しく補足します。
■ 水溶性ポリマーが少ない処方を選ぶ
「白いカス」の原因は、水溶性ポリマーと酸化チタンの混合です。
だからこそ、水溶性ポリマーが少ない製品を選べば、カスの発生を大きく抑えられます。
ただし、水溶性ポリマーは通常「1%未満」で配合されるため、成分表を見ても配合量の多い少ないは判断しづらいという落とし穴があります。
そこで重要になるのが、次のポイントです。
✔ 紫外線散乱剤+吸収剤の併用タイプを選ぼう!
これらを併用している処方では、水溶性ポリマーの使用量が自然と少なくなり、「白いカス」が出にくくなります。
■ クリーム or シャカシャカ振るタイプを選ぶ
ジェルタイプの日焼け止めは使い心地が良く、白浮きしないことが魅力ですが、実は注意が必要です。
ジェルタイプには、テクスチャーを出すためにカルボマーなどの水溶性ポリマーが高配合されているケースが多いのです。
この水溶性ポリマーが肌表面に残り、他の成分と混ざることで「カス」が発生する原因になります。
注意
ジェルタイプでは、「白いカス」ではなくても、ポリマー由来のカス(透明や半透明)が出ることがあります。これもUVカット膜が壊れている証拠です。
一方で、クリームタイプやシャカシャカ振るタイプは、水溶性ポリマーの配合が極めて少ないため、カスの発生をほとんど心配せずに使うことができます。
もし、現在ジェルタイプを使っていてカスが気になるようであれば、以下のように見直してみてください。
現在のタイプ | 見直しおすすめタイプ |
---|---|
ジェルタイプ(カス出る) | クリーム or シャカシャカ振るタイプ |
クリーム or シャカシャカ振るタイプは、「カス」リスクが極めて低いので、見た目・効果・肌負担のバランスを重視するなら、断然おすすめです。
■ 白いカスを防ぐ日焼け止めの選び方
- 紫外線散乱剤と吸収剤を併用した処方を選ぶ
- クリームまたは振って使うミルクタイプを選ぶ
- 水溶性ポリマーが極力少ない製品を意識する
これらのポイントをおさえることで、肌に優しく、しかも「白いカス」が出ない、快適な日焼け止めライフが送れるようになります!
白いカスが出にくいおすすめの日焼け止め
日焼け止めを使ったあとに現れる「白いカス」は、ただ見た目が悪いだけでなく、実は、紫外線を防ぐ化粧膜が崩壊している証拠でもあります。
つまり、カスが出るということは、日焼け止めの本来の役割である「肌を守る」機能が十分に発揮されていないという危険な状態なのです。
そこで今回は、「白いカス」が出にくく、なおかつ肌にしっかりフィットして紫外線から守ってくれる、化粧品開発者の目線で選んだおすすめの日焼け止めを2つご紹介します。
■ 白いカスが出にくい日焼け止めの条件
下記の2つの条件を満たす日焼け止めは、白いカスが出にくい傾向があります。
- 紫外線散乱剤と紫外線吸収剤を併用している
- クリームタイプまたはシャカシャカ振るタイプで、水溶性ポリマーが少ない
この条件を満たす日焼け止めは意外と多く存在しますが、今回は、技術力の高い大手ブランドに絞って選定しました。
■ おすすめ①:アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク N(資生堂)
引用:資生堂公式
全成分
ジメチコン, 水, 酸化亜鉛, エタノール, セバシン酸ジイソプロピル, イソドデカン, オクトクリレン, サリチル酸エチルヘキシル, 安息香酸アルキル(C12-15), PEG/PPG-9/2ジメチルエーテル, コーンスターチ, タルク, シリカ, ミリスチン酸イソプロピル, ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル, 酸化チタン, PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン, パルミチン酸デキストリン, グリセリン, ホモサレート, ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン, 塩化Na, PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル, トリメチルシロキシケイ酸, グリチルリチン酸2K, チャ葉エキス, トルメンチラ根エキス, ウンシュウミカン果皮エキス, アセチルヒアルロン酸Na, ラウリルベタイン, 水溶性コラーゲン, エチルヘキシルトリアゾン, ジステアルジモニウムヘクトライト, PEG-10ジメチコン, イソステアリン酸, トリエトキシカプリリルシラン, ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6, 水酸化Al, ステアリン酸, EDTA-3Na, PEG-6, トコフェロール, BHT, BG, ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3, ピロ亜硫酸Na, フェノキシエタノール, 安息香酸Na, 香料, 合成金雲母
青字:散乱剤
赤字:吸収剤
「白いカス」が出にくいおすすめの日焼け止めで、真先に名前が挙がるのが、資生堂 アネッサ パーフェクトUVです。
散乱剤と吸収剤との併用で、さらに、シャカシャカ振るタイプで、水溶性ポリマーは配合されておりません。
真先に名が挙がる理由として、「白いカス」が出にくい以前に、日焼け止めとして超優秀だからです。
製品特徴
- 散乱剤と吸収剤併用系
- SPF 50+ PA++++
- オートリペア技術(表情などの動きで崩れるUVブロック膜を自動で修復)
- オートブースター技術(汗・水・熱でUVブロック膜が強化)
- スキンケア成分50%配合
おすすめ理由
日焼け止めのトップブランド!「白いカス」にお悩みであればコレで一発解決!!
■ おすすめ②:ホワイトショット スキンプロテクター DX(ポーラ)
全成分
<有効成分>トラネキサム酸、グリチルリチン酸2K
<その他の成分>水、BG、パラメトキシケイ皮酸オクチル、メチルフェニルポリシロキサン、トリエチルヘキサン酸グリセリル、シクロペンタシロキサン、ベヘニルアルコール、ソルビット液、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、サリチル酸エチルヘキシル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、水添大豆リン脂質、サンザシエキス、チョレイエキス、ビワ葉エキス、トウキンセンカエキス、ローズマリーエキス、ヒキオコシエキス-1、レンゲソウエキス、マヨラナエキス、海藻エキス-1、大豆リン脂質、クララエキス-1、ヨモギエキス、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアロイル乳酸Na、エタノール、オレイン酸ポリグリセリル、カルボキシビニルポリマー、水酸化K、濃グリセリン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ビタミンE、グリセリン、無水エタノール、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルカリゲネス産生多糖体、酸化チタン、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、トリスエチルヘキシルオキシカルボニルアニリノトリアジン、微粒子酸化チタン、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸Na、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、水酸化Al、無水ケイ酸、酸化亜鉛、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン
青字:散乱剤
赤字:吸収剤
こちらも「白いカス」が出ない日焼け止めとして超おすすめです。
ポーラ ホワイトショット スキンプロテクター DXは、散乱剤と吸収剤併用系で、水溶性ポリマーは配合されていますが、クリームタイプのため配合量が少なく、「白いカス」が出にくい設計となっています。
注目すべきは、日焼け止めでありながら、トラネキサム酸を有効成分とした美白の医薬部外品であること。
ホワイトショット スキンプロテクター DXであれば、「白いカス」を防げることは勿論、美白ケアとUVケアが一度に行えます!
製品特徴
- 散乱剤と吸収剤併用系
- SPF 50+ PA++++
- 美白の医薬部外品(トラネキサム酸)
- マイクロダスト(チリ、ホコリ、花粉など)から肌を守る
- イオン応答粉体配合(汗で強くなるUVブロック膜)
おすすめ理由
トラネキサム酸配合の美白の医薬部外品!「白いカス」を防ぐだけでなく、美白ケアとUVケアを同時に!!
おわりに
いかがでしょうか?
「白いカス」は見た目の美しさだけでなく、日焼け止めの効果に対する大きな不安を感じさせる要因となっています。
この悩みを解決するため、私は化粧品開発者としての経験を活かし、「白いカス」が出る科学的な理由とそれを避けるための具体的な選び方、使用法を詳しくご紹介しました。
この記事を通じて、皆様が日焼け止め選びにおいて新たな視点を持ち、毎日のスキンケアに役立てていただければ幸いです。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません