『美白』の有効成分として有名な『トラネキサム酸』ですが、実は、配合量によって『肌あれ』の有効成分にもなります。
ですから、「トラネキサム酸=美白」というのは、正確には間違い(誤解)です。詳細は以下記事をご覧ください。
今回は、化粧品開発者の私が、注目の『トラネキサム酸配合コスメ』をご紹介します。
また、本記事中のコスメは全品、トラネキサム酸を有効成分とした『医薬部外品』です。
トラネキサム酸とは?
トラネキサム酸は、『第一三共』が開発した成分で、古くから医薬品に用いられてきました。2005年資生堂によって、「トラネキサム酸」は医薬部外品の『美白有効成分』として厚生労働省から認可され、今では、医薬部外品に広く用いられています。
紫外線を浴びると、メラノサイトへ「メラニンを作りなさい!」という情報(シグナル)が伝達されます。これが『しみ情報』です。
この『しみ情報』を受け取ると、メラノサイトはしみの元である『メラニン』を作り始めますが、「トラネキサム酸」は、「しみ情報」の中のプロスタグランジンなどをブロックすることでメラニンの生成を抑制します。
これが「トラネキサム酸」の『美白メカニズム』です。
トラネキサム酸の美白メカニズムは、『しみ情報のブロック』です。
また、肌内部では、紫外線や摩擦・乾燥などの、日常生活で生じる刺激によって、微弱な『炎症』が慢性的に起こっています。
その時に発生する物質が、トリプターゼやサイトカインといわれる『炎症性物質』で、長期にわたってこれらの影響を受けると、ターンオーバーの乱れ・メラニンの産生促進・コラーゲンの破壊など、様々な肌トラブルが起こり、放置し続けると、「しみ」・「ハリの低下」・「くすみ」・「乾燥」などを引き起こします。
「トラネキサム酸」には、炎症性物質(トリプターゼ)をブロックする効果がありますから、「美白」だけでなく、『肌あれの有効成分』としても認められています。
このように「トラネキサム酸」は、『美白』と『肌あれ』の有効成分であり、2つの肌悩みに対し効果が期待できる、大変優れた成分です。
ただし、「美白」もしくは「肌あれ」の有効成分とするためには、『規定量の配合』が義務付けられています。この規定量を配合しないと、「美白」もしくは「肌あれ」の効果は期待できませんし、これら効果があると宣伝することは出来ません。これを逆手に、ユーザーにとってあまり好ましくない宣伝をするメーカーが存在しますからご注意ください。
ですから、『トラネキサム酸配合コスメ』を選ぶ際は、配合されているトラネキサム酸が、「美白」or「肌あれ」、どちらの有効成分かをしっかり確認し、ご自身の肌悩みに合わせてお選びください。
プロ厳選!注目のトラネキサム酸コスメ
資生堂「HAKU メラノフォーカスZ」
資生堂「HAKU」は、誰もが知る美白ブランドであり、美白市場に君臨するメガブランドです。
資生堂のシミ研究の集大成として2005年に誕生し、発売以来16年連続で『美白美容液売上No.1』を誇ります。
※インテージSRI美白美容液市場 2005年1月~2020年12月 金額シェア
資生堂の『シミ研究の最先端技術』を搭載したのが「HAKU」であり、資生堂の最先端=日本の最先端と言っても過言ではありません。
他社の追随を許さない『圧倒的技術』だからこそ、長年に渡り、美白市場のトップに君臨し続けるのでしょう。
『HAKU メラノフォーカスZ』の最大の特長は、「4MSK(美白)」と「トラネキサム酸(美白)」の『W美白有効成分の医薬部外品』という点です。
※4MSK・・・4-メトキシサリチル酸カリウム塩
「4MSK」は資生堂独自の美白有効成分、「トラネキサム酸」は資生堂が美白有効成分として、日本で初めて国から承認を得た成分ですから、この両成分の組み合わせは『資生堂オリジナル』で、資生堂しかできない組み合わせです。
W美白有効成分の組み合わせは複数ありますが、「HAKU メラノフォーカスZ」の『4MSK+トラネキサム酸』の組み合わせはかなりすごい。
「4MSK」と「トラネキサム酸」は、美白有効成分の中でも『スター成分』ですから、これ以上の美白有効成分の組み合わせは、少なくとも私には考えられません。
さすが資生堂。他社の追随を許さない『圧倒的技術』です。
美白ブランドNo.1にふさわしく、資生堂の『シミ研究の最先端技術』を搭載した、他社を圧倒するブランドが『HAKU』です。
しかも、これまでは4MSKとトラネキサム酸という『美白有効成分の組み合わせ』だけに注目されがちでしたが、今回のメラノフォーカスZは、『液晶技術』を用いることで、美白有効成分を肌奥深くまで届かせる工夫をしています。
液晶と言う言葉は、コスメの世界では一般的ですが、技術的ハードルが高く、資生堂の高い技術力があってこそと言えるでしょう。
さらに今回は、「美容医療か。美白美容液か。」と、美容医療にも負けない事を暗に意味するような挑戦的な表現を用いています。
これは、資生堂のメラノフォーカスZに対する自信の表れでしょう。
間違いなく、今考えられる最高峰の美白美容液に相応しいと言えます。
ロート製薬「肌ラボ 白潤プレミアム」
製薬会社として有名なロート製薬ですが、コスメ業界においても、その活躍は目覚ましいです。
ロート製薬には様々なブランドがありますが、その中でも『肌ラボ』に注目です。
肌ラボは、ドラッグストアで気軽に購入できますし、何より、大変お求めやすい価格なので、セルフ市場において今最も勢いがあると言っても過言ではありません。
特に、今でこそ製薬会社が作るコスメ、通称、『製薬コスメ』は一般的ですが、ロート製薬は肌ラボを通して、製薬コスメを広く浸透させました。この功績は素晴らしいと思います。
また、製薬会社には製薬・創薬で培った技術がありますし、イメージも良いので、かなりの付加価値があります。
これはつまり、ある程度の価格帯でも売れる(価値がある)という事になりますが、肌ラボの価格帯を見ると、これだけの品質のモノをこの低価格で良く提供できるなと、感心します。
肌ラボの白潤プレミアムにはトラネキサム酸が、『美白の有効成分』として配合されています。
先ほども申し上げましたが、トラネキサム酸は配合量によって『肌荒れの有効成分』にもなります。
ですから、肌荒れの有効成分として配合したトラネキサム酸を、あたかも美白有効成分のように宣伝するコスメが存在するのです。
このような誤解を避けるため、トラネキサム酸を美白有効成分として配合した場合、資生堂は『m-トラネキサム酸』と表現していますし、ロート製薬の場合は『ホワイトトラネキサム酸』と表記しています。
また、白潤プレミアムは、トラネキサム酸(美白)とグリチルリチン酸2K(肌荒れ)の『Wの有効成分』です。
さらに、もともと肌ラボは『保湿』を得意とするブランドですから、美白、肌荒れ、保湿と3拍子揃っています。
それでいて、プチプラコスメ並みの価格ですから、驚きを隠せません。
まだまだ肌ラボの勢いは止まりませんね。
おわりに
いかがでしょうか?
トラネキサム酸は配合量によって、『美白の有効成分』にも『肌あれの有効成分』にもなります。
ですから、コスメに配合されているトラネキサム酸が、『美白 or 肌あれのどちらか』をしっかりと確認して、ご自身の肌悩みにあわせてお選びください。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません