最近、ナイアシンアミド配合コスメが増えてきました。
増えた大きな要因が、ナイアシンアミドに『しわ改善』の効果が認められたことですが、果たしてナイアシンアミド配合コスメはおすすめなのでしょうか?
今回は化粧品開発者の私が、『ナイアシンの真実』と題しまして、ナイアシンアミド配合コスメについてご説明いたします。
ナイアシンアミドとは?
ナイアシンアミドは、ニコチン酸アミドとも呼ばれ、『水溶性ビタミン』の一つです。
コスメにおいては、2007年に『美白の有効成分』として、2018年には『しわ改善の有効成分』として承認されました。
ナイアシンアミド配合コスメが増えた理由は?
ナイアシンアミドは、『化粧品』にも配合可能ですが、ここまでコスメ分野で活用されるのは、2018年のしわ改善の有効成分としての承認が一番の理由でしょう。
長らく日本では、しわに対する効果効能表現が認められておらず、『しわに効く』とか『しわが目立たなくなる』といった表現をコスメにすることは出来ませんでした。
しかし、しわに対して改善効果のあるコスメは、ユーザーニーズが高く、現に、欧米ではしわ改善効果をコスメに表示し、販売することが認められています。
このような背景から、業界団体(日本化粧品工業連合会)が、かねてより厚生労働省に要望し、2011年、『乾燥による小じわを目立たなくする』という表現を、コスメに表示し販売することが可能になりました。
そして、化粧品大手ポーラから、しわ改善に効果がある有効成分『ニールワン』が開発され、2017年1月、日本初のしわを改善する医薬部外品『リンクルショット メディカル セラム』が発売されました。
その後、資生堂から『(純粋)レチノール』を、そしてコーセーから、『ナイアシンアミド』を、それぞれしわ改善有効成分として配合したコスメ(医薬部外品)が発売されました。
※資生堂とコーセーの場合は、しわ改善という『新規効果効能』であり、新規物質であるニールワンとは異なります。
ここに、「ニールワン」「(純粋)レチノール」「ナイアシンアミド」という『3種類のしわ改善有効成分』が誕生しましたが、ナイアシンアミドは、ニールワンとレチノールとは異なります。
ニールワンはポーラの『独自成分』ですから、ポーラしか扱う事が出来ません。
そして、レチノールは資生堂の独自成分ではありませんが、レチノールは非常に不安定なため、安定化のためには『特殊技術』が必須であり、資生堂しか製品化出来ないというのが現状です。
一方、ナイアシンアミドは、条件さえ満たせばどのメーカーでも扱う事が出来ます。また、レチノールほど不安定ではなく、安定性が高いので、処方化も比較的容易です。
ですから、申請上の難しさはありますが、ナイアシンアミドをしわ改善の有効成分とした医薬部外品開発は、どのメーカーでも、どのブランドでも可能ですから、この『敷居の低さ』『扱いやすさ』が、ナイアシンアミド配合コスメが増えた要因の一つです。
さらに、ナイアシンアミドをしわ改善の有効成分として配合した『医薬部外品』でない限り、しわ改善の訴求は出来ませんが、『ナイアシン=しわ改善』というイメージが広く浸透したため、ナイアシンを『化粧品』として配合したコスメが増えたことも要因と言えるでしょう。
現に、私自身も現在、「化粧品にナイアシンアミドを配合する」という企画を複数持っています。化粧品ですから、しわ改善と一切表現する事は出来ませんが、しわ改善のイメージが広く浸透したナイアシンアミドは、『訴求力が一段と増した』と言えます。
ナイアシンアミド配合コスメなら医薬部外品を選ぶべき
先ほど、「化粧品にナイアシンアミドを配合する」という企画を複数持っていると言いましたが、本音を言えば、このような仕事はしたくありません。
何故なら、ナイアシンアミドを配合した『化粧品』の場合、ナイアシンアミドの配合量は驚くほど少量であり、効果は期待出来ないからです。
しかし、『医薬部外品』の場合は違います。
医薬部外品とするためには、ナイアシンアミドを、しわ改善の効果が期待出来る決められた量(『規定量』)配合しなければなりません。
この規定量、秘密保持の関係上ここでは申し上げられませんが、通常、化粧品に配合するナイアシンアミドの量に比べ、驚くほど多いです。
私自身、この規定量を初めて知った時は、あまりの配合量に非常に驚きました。
しかも、ナイアシンアミドの場合、この規定量を配合し、『医薬部外品』の承認を得られれば、『しわ改善』だけでなく『美白』も期待出来るという優れものです。
ですから、ナイアシンアミド配合コスメであれば、絶対に『医薬部外品』を選ぶべきです。
ナイアシンアミド配合コスメはおすすめ?
数あるナイアシンアミド配合コスメの中で、ここでは一つの商品をご紹介しようと思います。
それが『ディセンシア アヤナス リンクル O/L コンセントレート』です。
「ディセンシア アヤナス リンクル O/L コンセントレート」はナイアシンアミドを有効成分とした、しわ改善の『医薬部外品』です。
しわ改善の医薬部外品ですから、当然の事ながら、加齢・紫外線・乾燥など、『総合的なしわ』に対して改善効果が期待できます。
また、本品は『オイル状美容液』となっていますが、水ベースですから、通常の化粧水や美容液のようなテクスチャーです。
『顔全体に抵抗感なく塗布が可能』ですから、今お使いの化粧水or美容液から、何の違和感なくスイッチ可能な点も評価できます。
さらにディセンシアは、ニールワンを開発したポーラのグループ会社です。そのディセンシアが、ニールワンではなくナイアシンアミドを選択したという点は、グループ間の販売戦略など様々な理由があると思いますが、ディセンシアの技術ベースが、日本初のしわ改善有効成分を開発したポーラだという点も注目です。
ナイアシンアミドを有効成分としたしわ改善の医薬部外品は、ナイアシン配合の化粧品に比べ価格がやや高価ですが、その分、堂々と『しわ改善』を訴求出来ますし、国が効果を認めたという事ですから、『価格に見合う価値』はあると思います。
おわりに
いかがでしょうか?
ナイアシンアミド配合コスメが増えたのは、2018年の、しわ改善の有効成分としての認可が要因の一つとして考えられます。
しかしこれによって、ナイアシンアミドを微量添加して、効果が全く期待できないイメージ先行型の『化粧品』が増えたのも事実。
ナイアシンアミド配合コスメで、しわ改善が期待出来て、堂々としわ改善効果を訴求出来るのは、ナイアシンアミドを有効成分として配合した『医薬部外品』だけです。
<しわ改善 ナイアシンアミド配合医薬部外品>
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません