市場回収

【ポーラ】 「オードフルール」シリーズ 自主回収

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先週、ポーラが『自主回収』を発表しました。

対象品目は『オードフルールシリーズ』で、10品目とサンプル3品目の自主回収です。

大手の自主回収と言えば、昨年は『資生堂』が目立ちましたが、今回は『ポーラ』です。自主回収は企業イメージを損ねますから、特に、しわ改善コスメで絶好調のポーラにとって、今回の自主回収はかなりの痛手となるでしょう。

そこで本記事では、化粧品開発者の私が、今回の『ポーラの自主回収』について説明いたします。

ポーラ オードフルール シリーズ 自主回収

ポーラの、ボディ洗浄料・浴用化粧料である『オードフルール』シリーズの商品のうち、製造委託をしているタイの協力工場で製造した商品の一部において、製造時に『微細な異物』の混入が判明したようです。

異物は、最大0.1mm以下の『金属粉』および最大1mm以下の『ガラス粒』で、確認されている異物のほとんどは0.001mm以下の微粒子であり、ポーラ研究所の評価の結果、使用中に肌表面にダメージを生じさせる可能性は極めて低いことが確認されています。

また、現時点では健康被害の報告はありませんが、万一を考慮し、同一ラインで製造された『2014年11月以降販売』の商品を自主回収することになりました。

対象品目は、10品目とサンプル3品目で、詳細は以下をご覧ください。

www.pola.co.jp

何故、自主回収は起こったのか?

では一体、何故、『異物』が混入したのでしょうか?

混入したと思われる異物が、「金属粉」及び「ガラス粒」であることに驚きました。

私の認識だと、異物混入の恐れがあるため、通常、製造時(工場内)はガラス類の使用を禁止しているメーカーが多いはずです。

万一、製造時、ガラス器具が破損し製品に混入したら大変です。コスメは主に、女性の顔に使うモノですから、傷がつく恐れのあるガラスの混入など、もってのほかです。あり得ない事ですし、絶対にあってはならない事です。

しかし今回、このあってはならない事が現実のものとなりました。ポーラ研究所は、「使用中に肌表面にダメージを生じさせる可能性は極めて低い」・「健康被害の報告は無い」とコメントしていますが、これはコメント以上に深刻な問題でしょう。

「ガラス粒」の混入経路は不明ですが、「金属粉」は、『製造・充填設備の破損』が考えられます。

製造・充填設備の一部が破損すると、破損物(金属粉)が製品に混入してしまいます。勿論、全ての商品に金属粉が混入する訳ではありませんが、金属粉混入の恐れがある、破損後に製造・充填した全ての商品が自主回収の対象となるでしょう。

破損時期が不明な場合は、さらに大変です。破損したと思われる時期以降に、製造・充填した全ての商品が自主回収の対象となりますから、その数・被害額は天文学的な数字になる場合もあります。

今回の自主回収の対象品は、『2014年11月以降販売品』です。2014年と、4年も前に遡って回収するので、ポーラ自身も正確な混入経路、混入時期を把握できていないかもしれません。

コスメの事業を展開するうえで、最もやってはいけない事の一つが『異物混入』です。

通常化粧品メーカーは『異物混入リスク』を減らすために、様々な取り組みをしています。

その一つが、製造・充填設備の確認とメンテナンス。

製造・充填設備は、長く使えば劣化しますし、破損もします。ですから、製造・充填前に、必ず状況(破損していないか?)を確認するものですし、不具合が見つかれば直ちに対応します。

仮に、今回の異物混入経路が、製造・充填設備の破損であったなら、メンテナンスの実施により、起こらなかった可能性が高いですし、万一起こったとしても、異物混入時期がある程度特定できますから、「2014年11月以降販売品が自主回収対象品」のように、4年も遡る必要はなかったでしょう。

また、異物混入は『原料』から起こる可能性もあります。

いくら製造・充填設備のメンテナンスを確実に実施しても、原料メーカーから購入する『原料』に異物が混入していたら、異物混入は防げません。

そのために化粧品メーカーでは、様々な『検査』を実施しています。

原料メーカーから原料が納入された際の『受け入れ検査』、製造後・充填前の『バルク検査』、充填後・出荷前の『製品検査』

これらの検査をして、異物混入品などの『不良品』を市場に流通させるのを防いでいます。

ポーラ程のメーカーであれば、これら検査が不十分とは考えられませんが、実際、不良品を市場に流通させ、自主回収騒動を起こしてしまいました。

健康被害の報告が無い事が不幸中の幸いですが、今後一層、『製造管理体制を強化』し、このようなことが二度とないようにして頂きたいです。

最近のポーラは、『裁判』の件など、ネガティブな話題が続いていますから、少し残念です。

しかし私は、例えば『日焼け止めコスメ』であれば、名品である「資生堂 アネッサ」・「カネボウ アリィー」よりも『ポーラ』をおすすめするように、ポーラの技術力は超一級品ですから、最近のネガティブイメージを払拭し、素晴らしいコスメを開発し続けて欲しいと思います。

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