この度『ポーラ』が、国から約10年ぶりに『新規美白有効成分』の承認を受け、2019年5月24日に、この新規美白有効成分を配合した製品を発売します。
詳細は以下をご覧ください。
ポーラ・オルビスグループの株式会社ポーラ(本社:東京都品川区、社長:横手喜一)は2018年12月「メラニン の蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ」効能・効果を有する新規美白有効成分PCE-DPの承認を受けて、 本成分を配合した商品の発売を決定しました。同社美白ブランド『ホワイトショット』より『ホワイトショット LX (ロー ション)』『ホワイトショット MX (ミルク)』として2019年5月24日より発売します。 PCE-DPは、成分探索の段階から安全性を重視し、10年もの歳月をかけて開発されたものです。その間、 厚生労働省によって、医薬部外品の承認申請において、より厳格化される方向で審査基準ガイドライン(医薬部 外品に関する臨床評価ガイドライン)がまとめられました。その新審査基準のもと、初めて承認を取得したのが PCE-DPで、市場でおよそ10年ぶりとなる新規美白有効成分となります。高い有効性と安全性を認められた 本成分配合商品の発売で、高いニーズのある美白市場のさらなる活性化を目指します。
引用:https://www.pola.co.jp/company/pressrelease/pdf/2019/po20190326.pdf
新規美白有効成分PCE-DPとは?
PCE-DP(ピース ディーピー)とは、ポーラが新規開発した『美白の有効成分』です。
『有効成分』とは、国が特定の効果を認めた成分の事で、医薬部外品の場合、有効成分を効果が期待できる量、配合しなければなりません。
有効成分には美白・しわ・肌荒れのように、効果によって様々な種類があり、今回ポーラは、『美白』の有効成分を新たに開発し、国に効果が認められた(承認を得た)という事です。
有効成分と言えば、2017年にポーラと資生堂、2018年にはコーセーから開発された『しわの有効成分』が皆様の記憶に新しいのではないでしょうか?
ポーラは、2017年、日本初のしわ有効成分、『ニールワン』を配合した商品を発売しました(リンクルショット)。
それから2年足らずで、今度は、『美白の有効成分』を新たに開発し、国から承認を得たわけですから、素晴らしい研究開発力と言えるでしょう。
※10年もの歳月をかけて開発に成功
美白メカニズムに関して言えば、チロシナーゼの活性を抑えたり(アスコルビン酸2グルコシド、アルブチン、4MSKなど)、メラノサイトへの情報を遮断したり(カモミラ、トラネキサム酸など)、メラノサイトの拡散を防止する(ナイアシンアミドなど)というのが従来の美白有効成分のメカニズムです。
ところが、今回ポーラが新規開発したPCE-DPは、従来とは全く異なる美白メカニズムです。
それは『エネルギー美白』と言うもので、表皮細胞にエネルギーを与えることで、メラニンの量が減り、透明感を高めるというものです。
詳細は以下をご参照ください。
PCE-DPの何がすごいの?
PCE-DPは何がすごいのか?
PCE-DPがすごいというより、『ポーラの技術力』がすごいです。
美白と言えば、まだ記憶に新しい『カネボウの白斑問題』があります。白斑の原因物質、「ロドデノール」もまた、国から効果を認められた『美白の有効成分』でした。
国が認めたにもかかわらず、あのような重篤なトラブルを起こしてしまいましたから、この問題以降、国の審査もより厳しくなっています。
この厳しい中、国から承認を得たという事実は、驚嘆に値します。ポーラにとっては、しわ有効成分に続く快挙と言えるでしょう。
カネボウ白斑に関しては以下記事をご参照ください。
快挙だが・・・
今回の件は、改めてポーラの技術力の高さを知らしめる、素晴らしい快挙ではありますが、疑問に思う点があります。
それが、『ユーザー視点』・『ユーザーニーズ』です。
本当にユーザーは、市場は、新規美白有効成分を求めているのでしょうか?
私は現役の化粧品開発者です。若い頃は、「市場に無いモノを開発しよう」、「他社を凌駕する研究をしよう」という思いで、化粧品の研究開発に没頭していました。
そこには『ユーザー視点』という要素はなく、『他社への競争心』が私の研究開発のモチベーションでした。
しかし、ある程度の経験を積んだ現在は、「ユーザーが求めているモノ、コトは何か?」と、あくまで『ユーザー視点』で研究開発を行っています。
勿論、企業ですから、他社よりも優れた研究をする事、他社よりも売れる商品を開発する事は非常に重要です。他社への競争心を失った企業に、存在する意味はありません。
しかし、一番重要な事は『ユーザー視点』・『ユーザーニーズ』であって、これらを忘れた研究・商品は、研究員の独りよがりのモノになってしまいます。
私が疑問に思ってるのは、PCE-DPが『美白の有効成分』という事。
美白の有効成分には、「アルブチン」や「アスコルビン酸2グルコシド」、「トラネキサム酸」、「プラセンタエキス」など、様々な成分が存在します。
これら成分は、古くから用いられていますから、十分な実績があり、これはすなわち、『安全に使用出来る』という事です。
カネボウの白斑問題以降、国の審査基準は厳格化され、それをクリアしたPCE-DPは、十分な安全性が担保されているとも言えるでしょう。
しかし、市場実績は全くありません。市場には十分な実績がある美白有効成分がたくさん存在しますし、ポーラにはポーラ自身が古くから用いている美白有効成分『ルシノール』があります。
ルシノールは特許が切れ、現在はポーラ独占成分ではなくなり、市場競争性がやや失われている現状は理解できますが、今このタイミングで、新規美白有効成分が必要か?というのが私の疑問です。
しかも、有効成分の場合、成分同士の効果比較は公には出来ませんから、ポーラは「10年ぶりの承認」・「新規メカニズム」、この2点を強く訴求するでしょう。
しかし私は、美白の有効成分であれば、ポーラのPCE-DPよりも、市場実績が十分にあり、効果も期待できる『トラネキサム酸』をおすすめします。
美白領域は、カネボウの白斑問題がありましたから、いくらPCE-DPの美白メカニズムが白斑ではないと言っても、『安全性=実績』を重視してしまいます。
ただし、ポーラの技術力の高さは本物です。今後の化粧品業界を引っ張っていく存在になることは間違いありません。
トラネキサム酸を美白の有効成分として配合した商品であれば、第一三共ヘルスケアの『ブライトエイジ』がおすすめです。
プロ厳選!おすすめコスメ
第一三共ヘルスケア「ブライトエイジ」
ブライトエイジは、トラネキサム酸を『美白有効成分』として配合した医薬部外品でありながら、シリーズ内の「乳液状美容液」(リフトホワイト パーフェクション)は、効果効能試験を実施し、『乾燥による小じわを目立たなくする』ことに有用であることが確認されています。
ですから、美白ブランドというより、美白は基本機能として備わっている、全方位型の『エイジングケアブランド』が、第一三共の『ブライトエイジ』です。
コスパは勿論ですが、『技術』が素晴らしいです。
トラネキサム酸は、今でこそ美白コスメには欠かせませんが、トラネキサム酸はもともと、第一三共が開発したオリジナル成分です。
第一三共は、肝斑改善の鍵となるトラネキサム酸を『医薬品』として開発・販売してきました。そして2005年、資生堂によって、トラネキサム酸は医薬部外品の『美白有効成分』として厚生労働省から認可され、今に至ります。
このようにトラネキサム酸は、第一三共と資生堂という、それぞれ、製薬分野・化粧品分野の超一流メーカーが実績を作ってきた成分ですから、『効果』は勿論、『安全性』も信頼できる成分です。
トラネキサム酸は第一三共が開発した成分ですから、第一三共は、トラネキサム酸を知り尽くしたメーカーです。「トラネキサム酸の研究」・「トラネキサム酸配合コスメ」で、第一三共ヘルスケアの右に出るメーカーはいないでしょう。
それは『処方化技術』にもあらわれていて、トラネキサム酸を美白の有効成分として配合するには様々な課題があり、『高い技術』が必須です。例を挙げると、「トラネキサム酸」は結晶性が強く、経時で析出する恐れがあります。医薬部外品ですから、析出したらアウト、市場回収です。
この析出を抑えるため、ある程度の使用感を犠牲にするのが一般的ですが、ブライトエイジは使用感に優れますので、『一流の処方化技術』と言えます。
また、商品ページを見て頂ければお分かりになりますが、美容成分を肌の奥まで届ける技術(ナノフィーユミセル)や、うるおいを閉じ込める技術(3Dストレッチネット)は、大手化粧品会社にも引けを取らない『高度な技術』です。
さらに、徹底した衛生管理の製造環境や、肌の水分量・弾力などの有用性試験も実施していて、さすが『製薬会社』とも言うべき見事な対応です。
この『高い技術力』が認められ、幅広いユーザー支持を獲得していますし、化粧品開発者の私も、『ブライトエイジ』をおすすめしています。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません