キューサイ「コラリッチ」、新日本製薬「パーフェクトワン」は、オールインワンジェル市場を牽引する2大巨頭です。
これらオールインワンには、『共通した特長(機能)』があります。
それが『コラーゲンケア』。
コラーゲンは、誰もが知る美肌成分で認知度は抜群ですから、「コラリッチ」・「パーフェクトワン」ともに、『メイン成分』として配合しています。
しかし、「コラリッチ」・「パーフェクトワン」に配合のコラーゲンに、本当にユーザーが望む効果が期待出来るのでしょうか?
今回は、『コラーゲンケアの真実』と題しまして、化粧品開発者の私が、、正しいコラーゲンケアをご説明します。
肌とコラーゲン
コラーゲンはヒアルロン酸と並ぶ、コスメの『2大美肌成分』です。
何故、コラーゲンは肌にとって重要な成分なのでしょうか?
表皮の下に位置し、肌の本体とも言えるのが『真皮』です。
表皮を下から支える『真皮』は、多量の水分を含んだ厚い層で、『コラーゲンからなる膠原線維』と『エラスチンからなる弾力線維』、そして、これらの間を埋める『基質』から成っています。
※種々の細胞も存在します
「膠原線維(こうげんせんい)」の主成分が、今回の記事の主役、『コラーゲン』です。「コラーゲン」は、白いひも状のタンパク質で、非常に太い線維から成っており、真皮の重さの『約70%』を占めています。
つまり、真皮の大部分は『コラーゲン』であり、「コラーゲン」は、その中にたっぷりの水分を抱え、『お肌のハリ』を支えています。
「弾力線維(だんりょくせんい)」の主成分が『エラスチン』と言われる黄色いランダムコイル型のタンパク質で、コラーゲンの間に絡み合うように存在して、コラーゲン同士を支えて『お肌の弾力性』を保っています。
「基質」は、膠原線維と弾力線維の間を埋めて、『水分保持』の役割を果たしています。
その主成分は、酸性ムコ多糖類と言われる『ヒアルロン酸』や『コンドロイチン硫酸』などです。
これが真皮の簡単な構成ですが、真皮の大部分を占め、肌のハリを支える『コラーゲン』は、加齢とともに減少します。そして、線のように細くなり、肌の弾力は失われ、真皮全体の水分量は激減します。真皮の水分量低下は、すぐに表皮へと影響します。
このように、加齢によるコラーゲンの減少は、『シワ・たるみ・弾力』だけでなく『乾燥(水分量低下)』にも大きく関わっており、だからこそ、真皮の大部分を占める『コラーゲンケア』が重要なのです。
コラリッチのコラーゲン
コラーゲンを連想させる商品名の通り、「コラリッチ」は『コラーゲンに特化』しており、『5~7種類のコラーゲン』が配合されています。
弾力の「スプリングコラーゲン」、うるおいの「モイストコラーゲン」、しなやかさの「ストレッチコラーゲン」、ハリの「浸透型コラーゲン」、キメの「皮膜型コラーゲン」、集中保湿の「集中型コラーゲン」、パック効果の「モイストヴェールコラーゲン」。
それぞれのコラーゲンに、期待出来る効果に合わせて、上手に命名していますね。
効果に関しては後ほど説明しますが、もともと認知度の高いコラーゲンに、機能別にさらに分かりやすく名前を付けていますから、この商品設計は見事です。
この配合成分の分かりやすさと、IKKOさんのカリスマ性が、コラリッチ人気を支えているのでしょう。
パーフェクトワンのコラーゲン
「パーフェクトワン」もコラリッチ同様、『コラーゲンに特化』した成分設計で、『7種類のコラーゲン』を配合しています。
「カプセルコラーゲン」、「保護コラーゲン」、「集中保湿コラーゲン」、「オイルコラーゲン」、「ベビーコラーゲン」、「皮膜コラーゲン」、「浸透コラーゲン」。
これら異なる機能の7種コラーゲンの組み合わせを、『複合型リフティングコラーゲンEX』と名付けています。
中には、コラリッチに配合のコラーゲンと似た名前もありますし、訳が分からない名前のコラーゲンもありますが、機能別に〇〇コラーゲンと名付ける戦略は、コラリッチと同じです。
「パーフェクトワン」はコラーゲンの他にも、『50種類を超える』保湿成分を配合したり、シリーズ内に『美白のオールインワン』を取り揃えたり、何より、新日本製薬という『製薬会社品質』が支持され、今や日本NO.1のオールインワンジェルです。
コラリッチ・パーフェクトワンのコラーゲンに効果はない!?
ユーザーの皆様が、コラーゲンに特化した「コラリッチ」や「パーフェクトワン」に期待する効果、それは、『コラーゲンを肌に浸透させて、シワやたるみを改善する事』ではないでしょうか?
先程もご説明したように、コラーゲンは、肌のシワ・たるみに起因する成分です。
ですから、『コラーゲン=シワ・たるみ』と、多くのユーザーが考えているでしょうし、『コラーゲンケア=シワ・たるみケア』というのが、世の一般常識でしょう。
このような事情から、「コラリッチ」や「パーフェクトワン」のコラーゲンケアに興味をお持ちの方は、乾燥で悩むというより、『シワ・たるみ』で悩んでいる方が多いと思います。
しかし実際は、「コラリッチ」や「パーフェクトワン」に、皆さまが望む効果は期待できません。
コラーゲンは『真皮の主成分』であり、肌のシワ・たるみに起因していますが、そもそもコラーゲンは、真皮まで浸透しません。
コラーゲンがコスメに配合されはじめたのは、ヨーロッパにおいて、1970年代の初期頃からです。当時からしばらくの間は、コラーゲンは肌に浸透し、シワ・たるみの改善に役立つと言われてきましたが、現在では、この考えは明確に否定されています。
コラーゲンは、分子量が約10万のポリペプチドが3本三つ編み状に集まった棒状のもので、分子量が約30万という『巨大分子』です。
このような巨大分子が、肌に浸透するわけがありません。
加水分解によって、分子量を小さくしたコラーゲンは存在しますが、肌の奥、真皮まで浸透するとは考えられません。
※そもそも化粧品の浸透表現は「角質層まで」です
DHCが、真⽪層へ届く世界最小の「スーパーコラーゲン」を開発したと堂々と発表し、コスメに配合していますが、こんなものはコラーゲンではなく『ジペプチド』です。
これは本当にひどい話で、同じ業界人として憤りを覚えます。
詳細は以下記事をご覧ください。
<スーパーコラーゲンはコラーゲンではない!>
このように、コラーゲンは巨大分子ですから、「コラリッチ」・「パーフェクトワン」に、肌内部のコラーゲン量を増やし、シワ・たるみを改善する効果など期待できません。
コラーゲンは肌上に留まり、『保湿効果』は期待できますから、コラーゲンの保湿効果を求めるユーザーにはおすすめです。保湿を求めるのであれば、コラーゲンである必要はなく、他にも優秀な保湿成分は存在します。
私は「コラリッチ」と「パーフェクトワン」が好きではありません。これまでもご説明したように、巨大分子であるコラーゲンが、肌の奥まで浸透し、シミ・たるみを改善するかのように思わせる宣伝内容には疑問ですし、何より、コラーゲンケアを『メイン技術』にしている時点で、技術レベルが低すぎます。
肌の奥まで浸透しないコラーゲンであっても、保湿効果は期待できますから、コスメに配合することには賛成です。しかし、肌の奥まで浸透するという『誤った理論』で、コラーゲンケアを『メイン技術』にすることは、化粧品開発者として非常に情けなく思います。
何故なら、これは原料メーカーが開発した種々のコラーゲンを、ただ単にコスメに配合しただけであって、ここには技術と言えるものが何も無いからです。
コスメは『高付加価値商材』です。決して安い買い物ではありません。
高いお金を出してコスメを購入してくれるユーザーに対し、メーカ側は『技術』で応えるべきです。
「コラリッチ」と「パーフェクトワン」のコラーゲンケアには、価格に相応しい技術など搭載されていませんし、少なくとも化粧品開発者の私の目には疑問に映り、このような誤ったコラーゲンケアはおすすめ出来ません。
おすすめのコラーゲンケアコスメ
コラーゲンとして有名な「コラリッチ」と「パーフェクトワン」ですが、これらのコラーゲンケアは全くおすすめ出来ません。
ここでは、化粧品開発者の私がおすすめするコラーゲンケアコスメをご紹介します。
ディセンシア「アヤナス」
ディセンシアは、ポーラ・オルビスグループの『敏感肌ブランド』です。
私が最もおすすめする『敏感肌コスメ』でもありますから、このブログでも紹介してきました。
敏感肌コスメとしてのディセンシアは、かなり優秀ですから、是非以下記事をご覧ください。
<敏感肌コスメ「ディセンシア」>
今回は『コラーゲンケア』ですから、コラーゲンのお話をします。
先程も申し上げたように、コラーゲンは巨大分子ですから、肌の外側から肌の奥まで浸透させることは困難です。
ですから、「コラリッチ」や「パーフェクトワン」では、皆さまが望むコラーゲンケアの効果は期待出来ません。
巨大分子で、肌の外側から浸透させるのが困難であれば、『肌の中』からコラーゲン量を増やせばよいのです。
この、『肌の中からコラーゲンを増やす』が、私が考える『正しいコラーゲンケア』です。
そして、「ディセンシア アヤナス」に配合の『CV アルギネート』に、その効果が期待できます。
この成分は『ポーラ研究所オリジナル』であり、肌の中からコラーゲンを産み出し、肌内部のコラーゲン量を増やします。
コラーゲンは、肌のシワ・たるみに起因する重要成分です。しかも、加齢とともに減少していきますから、肌のコラーゲン量を増やすコラーゲンケアは必須です。
しかし、巨大分子であるコラーゲンを肌の奥まで浸透させることは困難です。この事実がありながらも、技術力がないコラリッチやパーフェクトワンでは、イメージが良く認知度が高いという理由だけで、コラーゲンを、とりあえず数種類配合しよう的な『レベルの低い発想』で商品化しています。
「ディセンシア」は違います。
「ディセンシア」には、巨大分子のコラーゲンを、肌の外側から浸透させるには無理があり、それならば、肌の中からコラーゲンを増やそうと考え、それを可能にする『CV アルギネート』を開発するだけの『技術力』があります。
コラリッチやパーフェクトワンとは、化粧品会社としての『格』も『技術レベル』も違いすぎます。
『シワやたるみ』にお悩みで、コラーゲンケアで、この悩みを解決したいと考えているユーザーには、コラリッチやパーフェクトワンではなく『ディセンシア アヤナス』をおすすめします。
「ディセンシア アヤナス」こそが、『正しく理想的なコラーゲンケア』です。
<「ディセンシア」はどんなブランド?>
おわりに
いかがでしょうか?
「コラリッチ」と「パーフェクトワン」は、『コラーゲンに特化』したオールインワンジェルとして有名ですが、実際は、コラーゲンは巨大分子ですから、これら2品の理論・技術では、皆さまが望む効果は期待できません。
巨大分子であるコラーゲンを増やすのであれば、肌の外側からコラーゲンを与えるのではなく、『肌の中からコラーゲンを産み出す』ことが理想的です。
ポーラグループの「ディセンシア アヤナス」であれば、それが可能です。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません