コスメには、コスメ史に名を残すであろう『名品』と呼ばれるモノが存在します。
明確な定義はありませんが、幅広いユーザー支持を、長く得続けているコスメを『名品』と言うのでしょう。
「花王 キュレル」と「ポーラ ディセンシア」は、間違いなく『敏感肌コスメの名品』です。
名品の宿命、両者は必ず比較されますが、一体どちらの敏感肌コスメがおすすめでしょうか?
今回は、『名品対決!!』と題しまして、化粧品開発者の私が、敏感肌コスメの名品、『キュレル』と『ディセンシア』を徹底比較いたします。
キュレル VS ディセンシア
『キュレル』は花王の敏感肌ブランド(正確には乾燥性敏感肌)です。
1999年に「キュレル スキンケアシリーズ」が誕生し、敏感肌分野のトップブランドとして市場を牽引し続け、誰もが認める『敏感肌コスメの名品』にまで成長しました。
一方、『ディセンシア』はポーラの敏感肌ブランドです。
2006年に誕生して以来、驚異的な勢いでユーザー支持を集めています。
歴史と市場規模という点では、「資生堂 dプログラム」や「全薬工業 アルージェ」がありますから、名品と言うにはまだ早いかもしれませんが、私自身が「ディセンシア」のブランドコンセプトに共感を覚えていますから、この記事では『敏感肌コスメの名品』とさせて頂きます。
花王 キュレル
「乾燥性敏感肌」という言葉がまだなかった時代から、花王は研究を続け、乾燥性敏感肌の原因が『セラミド不足』にあることを見出しました。
1980年代後半には、『セラミド機能成分』の開発に成功。そして、1999年、セラミド機能成分を配合した、「キュレル スキンケアシリーズ」が誕生しました。
今では、「乾燥性敏感肌」を広く『敏感肌』と扱うブランドが多く、敏感肌には『セラミドケア』が一般的となりましたが、これら全ての始まりが『キュレル』と言っても過言ではありません。
ですから、世の敏感肌コスメは、そのほとんどが『キュレル』を参考にしており、「キュレル」の他ブランド(業界)に与えた影響は計り知れません。
「キュレル」には、花王が独自に開発した『セラミド機能成分』が配合されており、これは『合成セラミド』と言われるモノです。
一般的にセラミドは、『4種類』に分類されます。
「キュレル」のセラミド機能成分のように、セラミドに近い構造となるよう合成された『合成セラミド』。
人のセラミドとほぼ同じ構造になるよう合成された『ヒト型セラミド』。
馬など、動物由来の『天然セラミド』。
そして、コメ・ゆず・大豆・トウモロコシなど、植物由来の『植物性セラミド』。
この中で、『ヒト型セラミド』と『天然セラミド』は非常に高価です。今でこそ、原料メーカーの技術革新と需要の拡大によって、ある程度、価格は抑えられていますが、「キュレル」発売当時は、かなりの高価格だったと思います。
高価な原料の配合は『原価アップ』につながり、コスメの販売価格に反映されます。
「キュレル」は、少しでもお求めやすい価格にするために、あえて「ヒト型セラミド」・「天然セラミド」ではなく、自社で開発した『合成セラミド』、「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」や「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」を配合しています。
乾燥性敏感肌に対する斬新なアプローチは勿論ですが、自社の努力によって、これだけの高品質コスメを、お手頃価格で実現したことが、「キュレル」を敏感肌コスメNO.1ブランドに成長させた一番の要因でしょう。
今では、「皮脂トラブルケアシリーズ」、「美白ケアシリーズ」、「エイジングケアシリーズ」、さらに「ベースメイクシリーズ」と、『豊富なラインナップ』で様々な肌悩みに対応しています。
ポーラ ディセンシア
「ディセンシア」には『ヒト型セラミド』が配合されていますが、一番の特長は、『ヴァイタサイクルヴェール』です。
ヴァイタサイクルヴェールとは、ベントナイトによる「バリア」と、セラミドなどの「保湿」を兼ね備えた、『ディセンシア独自の膜』です。この膜は、敏感肌の一原因である、ハウスダスト・雑菌・花粉・黄砂という『外部刺激』をブロックしながら、紫外線ダメージなどで乱れた『角層の代わり』となって、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)をサポートします。
この膜そのものが、角層の役割を担って、乱れたターンオーバーを取り戻し、肌荒れを繰り返さないお肌に導きます(バリア機能向上)。
この効果は『論文』でも発表されていて、『エビデンス(科学的根拠)』はしっかりしています。
世の中には「本当に敏感肌に有効?」と疑問に思う敏感肌コスメはたくさんあります。
その象徴が『〇〇フリーコスメ』です。
敏感肌用を訴求するコスメに多く見られるのが、「パラベンフリー」や「エタノールフリー」など、肌に刺激がありそうな『イメージ』の成分を配合しない『〇〇フリーコスメ』です。
確かに「パラベン」は『旧表示指定成分』ですから、人によってはアレルギーなどの肌トラブルを抱える可能性があります。しかしだからと言って、「敏感肌コスメはパラベンフリーにすべき」というのは大きな間違いです。
例え、旧表示指定成分のパラベンであっても、化粧品メーカーは『安全性』をしっかり確認して商品化していますから、特定の成分に対し肌が弱い方を除き、大きなトラブルになるとは考えにくいです。
私から言わせれば、パラベンフリーを大きく訴求する敏感肌コスメは、敏感肌コスメに相応しい『技術』を開発できない三流コスメです。
キュレルの「セラミド機能成分」や、ディセンシアの「ヴァイタサイクルヴェール」ほどの技術があれば、パラベンフリー訴求なんて必要ありませんから。
このように「ディセンシア」は、「パラベンフリー」などの『イメージ先行型』が多い敏感肌コスメ分野に、「ヴァイタサイクルヴェール」という『確固たるエビデンス』を持ち込んだ敏感肌コスメブランドです。
キュレル VS ディセンシア おすすめは?
「キュレル」・「ディセンシア」とも、敏感肌コスメの名品ですが、化粧品開発者の私は『ディセンシア』をおすすめします。
先程も述べたように、「キュレル」のセラミドケアへの着目と、敏感肌分野への貢献は素晴しいです。「キュレル」が無ければ、今の敏感肌分野の発展はあり得ませんし、敏感肌に悩む多くのユーザーを救えなかったかもしれません。
そのような意味で「キュレル」は、圧倒的にすごいブランドです。
しかし、敏感肌に対する『コスメの技術』は日々進化しており、セラミド機能成分以外の「キュレル」の特長である、「無香料」・「無着色」・「アルコールフリー」・「弱酸性」・「アレルギーテスト済み」・「敏感肌の方のパッチテスト済み」は、今の敏感肌コスメであれば、決して珍しいものではありません。
今であれば、ごくごく当たり前であり、だからこそ、「キュレル」に搭載されている技術は、少し色あせていると感じてしまうのです。
一方「ディセンシア」は、技術開発を続けており、まだまだ進化するブランドです。
当初は、『セラミド』と『ヴァイタサイクルヴェール』だけでしたが、『タイトジャンクション(TJ)』や『ストレス』など、次々に新しい技術を開発し、敏感肌ユーザーの様々な悩みに対応しています。
そして、私が最も「ディセンシア」をおすすめする理由は、その『ブランドコンセプト』にあります。
『敏感肌はどこまでも美しくなれる』、これが「ディセンシア」のブランドコンセプトです。
敏感肌の方は、肌トラブルが起きやすい状態にあり、コスメに配合の成分に対しても、何かしらの反応を示す可能性があります。ですから、より安全で、より低刺激な成分設計をするコスメが多く、今の敏感肌コスメは、いかに肌を守るか、『守り(ディフェンス)のケア』と言えるでしょう。
しかし「ディセンシア」は、「ヴァイタサイクルヴェール」や「セラミド」で『守りのケア』を実践しながら、「敏感肌でエイジング」・「敏感肌で美白」という『敏感肌はどこまでも美しくなれる』のコンセプト通りの、さらに美しくなる『攻めのケア』を実現しています。
敏感肌には、セラミドなどの『守りのケア』が必須ですが、敏感肌だからといって、その他のケアをあきらめる必要はありません。
「敏感肌はどこまでも美しくなれる」をコンセプトに掲げるディセンシアであれば、『敏感肌+エイジング』・『敏感肌+美白』が可能です。
「キュレル」は誰もが認める敏感肌コスメの名品ですが、『技術』・『技術開発に対する姿勢』・『コンセプト』、いずれの点においても「ディセンシア」が上だと私は考えています。
「ディセンシア」であれば、『敏感肌+エイジング』の『アヤナス』がおすすめです。「ディセンシア」の最新技術が搭載されたシリーズです。
<敏感肌+エイジング「アヤナス」>
「ディセンシア」内のシリーズ選びに迷ったら以下記事をご覧ください。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません