『美白コスメ』(正確には美白の医薬部外品)には様々な種類が存在します。
美白コスメには、国が美白効果ありと認めた『有効成分』が配合されています。
世の美白コスメの中で一番多いのが、美白の有効成分を1つ配合したモノですが、中には美白の有効成分を2つ配合した『ダブル美白のコスメ』も存在します。
今回は、化粧品開発者の私が、おすすめの『ダブル美白コスメ』をランキング形式でご紹介します。
ダブルの美白コスメ
『美白の有効成分』には様々な種類があります。これらは、美白メカニズムが異なります。詳細は以下記事をご覧ください。
<美白の有効成分は種類によってメカニズムが異なる>
今回の記事は『ダブル美白コスメ』についてです。
「ダブル(W)美白コスメ」とは、その名の通り、美白の有効成分が2つ配合されているコスメ(医薬部外品)のことを言います。
2つの注意点があります。
本当に「Wの有効成分」?
美白コスメ(医薬部外品)にするためには、国が効果を認めた『有効成分』を配合しなければならないのは、先ほどご説明した通りですが、もう一つ必須条件があります。
それは「有効成分」を、効果が期待出来る決められた量(『規定量』)配合することです。
つまり、『有効成分』を『規定量』配合して、はじめて美白コスメ(医薬部外品)になります。
ですから、「Wの美白コスメ」にするためには、『有効成分2種類』を、それぞれ『規定量』配合しなければなりませんが、ここで一つ注意点があります。
『アスコルビン酸2グルコシド』によくあるパターンですが、この成分は、水溶性ビタミンC誘導体で、『美白の有効成分』です。しかし、『2%』配合しなければ美白の有効成分と成り得ず、この成分を2%以下の微量配合し、あたかも美白の有効成分っぽく演出しているコスメはたくさん存在します。
見分け方は簡単。一部商品を除き、美白コスメ(医薬部外品)の大部分が、『有効成分』と『その他の成分』に分けて全成分表記しています。
ですから、『有効成分欄』に、美白成分が2種類記載されていれば、それは間違いなく『Wの有効成分』であり、Wの美白コスメです。
本当に「Wの美白」?
世の中には、『複数』の肌悩みに対応した『有効成分』が存在します。
『トラネキサム酸』が有名な例で、「トラネキサム酸」は配合量によって、『美白の有効成分』にも、『肌荒れの有効成分』にもなります。
オールインワンジェルとして有名な「パーフェクトワン 薬用ホワイトニングジェル」は、有効成分に『アルブチン』と『トラネキサム酸』を配合した『Wの有効成分コスメ』(医薬部外品)です。
しかし、「パーフェクトワン」に配合のトラネキサム酸は、美白の有効成分ではなく、『肌荒れの有効成分』ですから、この商品は、美白&美白(W美白)ではなく、『美白&肌荒れ』の美白コスメとなります。
この場合、有効成分欄の記載を見ても、「アルブチン」と「トラネキサム酸」が記載されていますから、見分けることは難しいです。
見分け方としては、商品ページをしっかり読んで、配合の有効成分がどのような種類(肌悩み)のモノかをご自身で確認する必要があります。
今回の記事の「W美白コスメ」とは、「パーフェクトワン」のようなコスメではなく、正真正銘、『2種類の美白有効成分が配合されたコスメ』(医薬部外品)です。
では次項で、化粧品開発者の私がおすすめする『W美白コスメ』をランキング形式でご紹介します
プロが選ぶおすすめの「W美白コスメ」ランキング!
第一位:資生堂「HAKU メラノフォーカス3D」
「W美白コスメ」おすすめ第一位は、資生堂『HAKU メラノフォーカス3D』です。
HAKUは、誰もが認める美白の超メジャーブランドで、美白市場に君臨しています。
HAKUは、基本、美白有効成分『4MSK』を配合した、シングルの有効成分の美白コスメですが、『HAKU メラノフォーカス3D』は、美白有効成分に『4MSK』と『トラネキサム酸』を配合した『W美白コスメ』です。
『4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)』は、資生堂が独自に開発した『美白の有効成分』で、チロシナーゼの活性を抑制することで、メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぎます。
『トラネキサム酸』は、先程もご説明したように、配合量によって「美白」と「肌荒れ」双方の有効成分になりますが、「HAKU メラノフォーカス3D」は、『美白の有効成分』としてトラネキサム酸を配合しています。
トラネキサム酸は、第一三共が開発したオリジナル成分ですが、資生堂がはじめて『医薬部外品の有効成分』として国から認可を得ました。
ですから、トラネキサム酸配合の美白コスメ(医薬部外品)であれば、「資生堂」と「第一三共」というのは業界では常識ですし、私もトラネキサム酸配合コスメで、この2社以外を選ぶ理由が見当たりません。
資生堂の独自成分「4MSK」と、資生堂の強み成分「トラネキサム酸」の『W美白コスメ』ですから、これは資生堂でしか実現できない技術であり、今の美白コスメの最高峰技術とも言えます。
ですから、この商品が発売された時は、化粧品開発者として「すごい!」と、率直に思いましたし、直ぐに購入しました。
『HAKU メラノフォーカス3D』は、おすすめ第一位の『W美白コスメ』にふさわしい、コスメ史上に残る名品です。
第二位:ロート製薬「白潤 プレミアム W美白美容液」
「W美白コスメ」おすすめ第二位は、ロート製薬『白潤 プレミアム W美白美容液』です。
『肌ラボ』ブランドから販売されています。
「肌ラボ」は、ユーザーニーズに合わせ、多種多様の商品を揃えており、『セルフ市場』を主としていますから、お手頃価格と相まって、多くのユーザーを抱えているブランドです。
実際、セルフ市場でのロート製薬(肌ラボ)の勢いはすさまじく、今では『セルフ市場NO.1ブランド』ではないか、と私は考えています。
『白潤 プレミアム W美白美容液』は、「直接型ビタミンC誘導体(3-O-エチルアスコルビン酸)」と「アルブチン」を、それぞれ『美白の有効成分』として配合した『W美白コスメ』です。
この美白有効成分の組み合わせは『日本初』であり、ロート製薬の技術力の高さを物語る一品です。
第三位:ちふれ「美白化粧水 W」
「W美白コスメ」おすすめ第三位は、ちふれ化粧品の『美白化粧水 W』です。
「アルブチン」と「還元型ビタミンC誘導体(アスコルビン酸2グルコシド)」をそれぞれ『美白の有効成分』として配合した『W美白コスメ』です。
この成分の組み合わせは、「第一位のHAKU」、「第二位の白潤」に比べて、特段珍しくはありません。
この商品のすごさは、圧倒的なコスパ、『価格』です。
W美白コスメでありながら『180mL, 1,100円(税抜)』という、信じられない驚きの価格です。
ご説明したように、W美白コスメ(医薬部外品)にするためには、『有効成分2種』をそれぞれ『規定量』配合しなければなりません。
還元型ビタミンC誘導体の場合『2%』、アルブチンの場合『3%』と、配合量が決められています。
有効成分をこれだけの量、配合しなければなりませんから、必然的に『原材料費』が高騰します。ですから、W美白でありながら、この価格で提供するのは、コスメの価格体系を知っている私からすれば信じられません。
この価格であれば、贅沢にたっぷりと使用できます。『コスパ』という点では、間違いなくNO.1のW美白コスメでしょう。
おわりに
いかがでしょうか?
『W美白コスメ』を選ぶうえで、まず、「本当にWの有効成分か?」を全成分表示から見抜く必要があります。
そして、「本当に美白&美白のW美白か?」を、商品説明から把握する必要があります。
この重要な要素を、化粧品メーカー側はあまり詳しく説明しませんから、中には勘違いして「美白コスメ」をお使いのユーザーがいらっしゃるかもしれません。
正しい知識で『W美白コスメ』をお選びください。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません