メビウス製薬のオールインワンジェル『ホワイトニング リフトケアジェル』はご存知でしょうか?
『シミウス』の愛称でユーザー支持を得ている、美白のオールインワンジェルとして最も有名な商品の一つです。
今回は、話題の美白オールインワンジェル『シミウス』を、化粧品開発者の私が分析します。
ホワイトニング リフトケアジェル(シミウス)
ジャンル
美白のオールインワンジェル(有効成分:グリチルリチン酸ジカリウム、プラセンタエキス(1))
メーカー
メビウス製薬
全成分表示
有効成分 : グリチルリチン酸ジカリウム、プラセンタエキス(1)
その他の全成分 : 精製水、1.3-ブチレングリコール、濃グリセリン、プロピレングリコール、1.2-ペンタンジオール、水溶性コラーゲン液、シコンエキス、サクラ葉抽出液、ヒアルロン酸ナトリウム(2)、アルニカエキス、シナノキエキス、スギナエキス、オトギリソウエキス、セージエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ゼニアオイエキス、カモミラエキス(1)、トウキンセンカエキス、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体、水酸化カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、エタノール、青色1号、赤色106号、香料
分析結果
美白のオールインワンジェル
『美白』のオールインワンジェルと言えば、『シミウス』か『パーフェクトワン』が有名です。
「パーフェクトワン 薬用ホワイトニングジェル」は、美白の有効成分に『アルブチン』、肌あれの有効成分に『トラネキサム酸』を配合した、美白&肌あれの医薬部外品です。
一方、「シミウス」は、美白の有効成分に『プラセンタエキス』、肌あれの有効成分に『グリチルリチン酸ジカリウム』を配合した、美白&肌あれの医薬部外品です。
双方とも、『美白&肌あれの医薬部外品(Wの医薬部外品)』という点は同じですが、有効成分が異なります。
どちらの有効成分が優れているかを論ずることは難しいですが、このブログでも記事にしていますが、私は「パーフェクトワン 薬用ホワイトニングジェル」の『宣伝内容』があまり好きではありません。
「トラネキサム酸」は『美白』の有効成分として有名ですが、配合量によっては『肌あれ』の有効成分にもなります。詳細は以下記事をご覧ください。
「パーフェクトワン」に配合のトラネキサム酸は、美白の有効成分ではなく、『肌荒れの有効成分』です。にもかかわらず、「パーフェクトワン」は、トラネキサム酸が美白の有効成分であるかのように宣伝しています。
アルブチンとトラネキサム酸を配合している「パーフェクトワン」を、「美白&美白の医薬部外品」と勘違いしているユーザーも多いのではないでしょうか?これは大きな間違いです。
正しくは、「パーフェクトワン」は『美白&肌荒れの医薬部外品』です。
このような理由から、私自身、『シミウス』を支持しますし、美白のオールインワンと言えば『シミウス』です。
「シミウス」に配合の美白有効成分『プラセンタエキス』には、濃くなったメラニン色素(シミ)を薄くする効果があります。
「プラセンタエキス」は古くからコスメに用いられている成分です。以前は『ウシ由来』がほとんどでしたが、2000年初頭のBSE問題をキッカケに、今では『ブタ由来』が主に用いられています。
「ブタ由来」であっても、含有成分にほとんど違いはなく、有用性(効果)に差がないことは確認されています。
「プラセンタエキス」の他にも様々な美白剤(美白の有効成分)が存在します。しかしオールインワンジェルの場合、①油がほとんど配合されない ②カルボキシビニルポリマー(カルボマー)でゲルにするという理由から、『プラセンタエキス』や『アルブチン』が選択されるケースがほとんどです。
油溶性の美白剤の場合、油が少ないオールインワンジェルには配合が困難ですし、水溶性のビタミンC誘導体(美白剤)の場合、カルボマーがゲル化しません。
「シミウス」に配合の「プラセンタエキス」は、特段珍しいわけではありませんが、美白のオールインワンジェル自体、それほど多くはありませんし、後ほど述べますが『マッサージ』も出来る「シミウス」は、『理想的な美白オールインワンジェル』と言えるでしょう。
マッサージも出来るオールインワンジェル
美白のためには、メラニン色素の生成を抑制することは勿論ですが、生成したメラニン色素を体外に排出させることが重要です。
メラニン色素を体外へ排出させるには、肌の新陳代謝を高める必要がありますが、そのための有効な方法が『マッサージ』です。
マッサージによって、新陳代謝をアップさせ、ターンオーバーを正常化し、メラニン色素を体外へ「アカ」とともに排出します。
そのような意味で、美白のオールインワンでマッサージをすることは、贅沢な感じがしますが、美白ケアとしては理にかなっていると思います。
「シミウス」は、マッサージしやすいように、『滑らかな伸び』と『クッション性のある化粧膜』を実現しています。
実際使ってみると、確かにクッション性がある膜でしたが、これはおそらく、「カルボキシビニルポリマー」と「アクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体」でジェル構造を作っているからだと考えられます。
これらはコスメに頻繁に配合される『増粘剤』ですが、キサンタンガムに代表される一般的な多糖類系の「増粘剤」と異なり、クッション性のあるジェル構造を作りますし、べたつきもなく、使用感に優れた「増粘剤」です。
水溶性ビタミンC誘導体のような『電解質』が配合出来ないのが唯一の欠点と言えますが、「シミウス」の美白有効成分は『プラセンタエキス』ですから関係ありません。
おわりに
いかがでしょうか?
「美白の医薬部外品でマッサージをする」というのは、非常に贅沢な感じはしますが、メラニン色素の生成と排出を考えると、『理にかなった美容法』と言えます。
『美白』のオールインワンですら珍しいのに、『マッサージ』も出来る「シミウス」は唯一無二の美白オールインワンと言えるのではないでしょうか?
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません