前回は、表皮のしくみについてでしたので、今回は『真皮』についてご説明します。
真皮
お肌のハリや弾力、シワの源で、『お肌の本体』とも言える部位です。
表皮の下に位置し、表皮の最下層、基底層と接合しています。
表皮へ栄養分を送っている他、真皮は多量の水分を含んでいますので、水分も供給しています。
その厚さは『約2mm』で、表皮の何十倍にもなります。
表皮を下から支える真皮は、水分を含んだ厚い層で、『コラーゲンからなる膠原線維』と『エラスチンからなる弾力線維』、これらの間を埋める『基質』が占めていて、細胞はその間に浮いたように存在しています。
つまり、真皮の大部分は『膠原線維』と『弾力線維』であり、これらがお肌のハリや弾力、シワの源なんです。
膠原線維(こうげんせんい)
膠原線維の主成分は『コラーゲン』と言われる白いひも状のタンパク質です。
コラーゲンはよく聞きますね?
このコラーゲン、非常に丈夫な太い線維で、真皮の重さの『約70%』を占めています。
つまり、真皮の大部分はコラーゲンなんですね。
コラーゲンは、その中にたっぷりと水分を抱え、『お肌のハリ』を支えています。
弾力線維(だんりょくせんい)
弾力線維の主成分は『エラスチン』と言われる黄色いランダムコイル型のタンパク質です。
エラスチンも最近はよくお聞きになっているのではないでしょうか?
エラスチンは真皮重量の『3~4%』で、ゴムのような『弾力性』があります。
コラーゲンの間に絡み合うように存在して、コラーゲン同士を支えているのがエラスチンで、『お肌の弾力性』を保っているのです。
基質
基質は、膠原線維や弾力線維、種々細胞(線維芽細胞、肥満細胞など)の間を埋めて、『水分保持』の役割を果たしています。
その主成分は、酸性ムコ多糖類と言われる『ヒアルロン酸』や『コンドロイチン硫酸』などです。
ヒアルロン酸は有名ですよね。
そのため、たっぷりと水分を含んでいるのです。
真皮には細胞類も存在していますが、その中でも『線維芽細胞』は非常に重要なので、これについてふれておきます。
線維芽細胞(せんいがさいぼう)
先ほど説明した、膠原線維、弾力線維、基質は、真皮の中に存在している『線維芽細胞』で作られています。
ですから、線維細胞の働きが重要で、この働きが順調で、これらの物質が正常に作られていることが、お肌のハリや弾力を維持するために大切なのです。
真皮と加齢
真皮は『膠原線維(コラーゲン)』と『弾力線維(エラスチン)』が規則的に並んでいて、『ヒアルロン酸』や『コンドロイチン硫酸』などのムコ多糖類がその間を満たして、お肌に弾力性と柔軟性を与えています。
加齢とともに・・・
・真皮のコラーゲンとエラスチンの全体量が減少します
・肌の弾力を保つコラーゲンが線のように細くなります
・クッションのような役割を果たすエラスチンが切れてしまいます
・強力な保湿成分のヒアルロン酸が減ります
加齢によって、これらの成分が減少することで、お肌の弾力は失われ、真皮全体の水分量は激減します。真皮の水分量低下は、すぐに表皮へと影響します。
このように、加齢による真皮の成分変化は、『シワ』だけでなく『お肌の乾燥』にも大きく関わってくるのです。
おわりに
いかがでしょうか?
ちなみに、化粧品が効果の対象とするのは、『表皮の角層まで』であって、『真皮』への効果効能を謳うことは出来ません。
ですから、『真皮まで成分を届ける』という表現はNGです。
代わりに、『お肌の奥まで成分を届ける(角層まで)』という表現をよく見ますね。
あと、よく『弾性繊維』、『繊維芽細胞』と間違えやすいので注意してください。(正しくは、弾性線維、線維芽細胞)
