「オイル」「リキッド」「クリーム」「バーム」と、クレンジングには、皆様の肌状態、メイクスタイルに合わせて様々なタイプがあります
この中で、「肌に優しいクレンジング」と言われるものがあります。
それが、水系ベースのクレンジング、『リキッドクレンジング』です。
リキッドクレンジングの名品と言えば、誰もが知る『オルビス クレンジングリキッド』。
今回は、化粧品開発者である私が、「オルビス クレンジングリキッド」を、プロの目で分析いたします。
オルビス クレンジングリキッド
ジャンル
クレンジング(化粧品)
メーカー
オルビス(ポーラグループ)
全成分表示
DPG、水、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジイソステアリン酸PEG-12、ステアリン酸PEG-45、グリセレス-12、イソステアリン酸PG、シクロペンタシロキサン、プロパンジオール、グリチルリチン酸2K、セリン、グリシン、アラニン、ヒアルロン酸Na、ローズマリーエキス、BG、クエン酸、クエン酸Na、トコフェロール
分析結果
リキッドクレンジングのパイオニア
世の中には様々なリキッドクレンジングが存在します。特にマツエクブームによって、「マツエクにはオイルクレンジングが使えない」・「リキッドクレンジングはマツエクOK」という間違った情報が、メーカー間のリキッドクレンジング開発競争に拍車をかけたかも知れません。
マツエクOKクレンジングについては以下をご覧ください。
世のリキッドクレンジングの多くは、オルビスを参考にした、オルビスを真似したモノであり、オルビスこそがリキッドクレンジングの『パイオニア』です。
パイオニアであるからこそ、オルビスの作るリキッドクレンジングの品質は、他社の1歩も2歩も先を行っています。
他社の先を行く革新的技術
リキッドクレンジングに対するオルビスの技術は、常に他社の先を行っていると言っても過言ではありません。
何故なら、リキッドクレンジングは『水系ベース』です。オルビスは、「美しい肌は水環境でこそ引き出せる」という考えのもと、30年以上にわたりオイルフリー(オイルカット)の研究開発を行っていますから、オルビスのオイルフリー技術、言い換えると、『水系ベース処方化技術』は業界随一です。
ですから、いくら他社がオルビスを参考に、オルビスの真似をしようとも、それは『模倣品』であって、決して『オリジナル』(オルビス)は超えられないと私は考えています。
特に、『クレンジング力』に対する技術が素晴らしいです。
まず、「リキッドクレンジングは肌に優しい」と考えられていますが、これは大きな間違いです。何故なら、リキッドクレンジングは『界面活性剤』でメイク汚れを落としますが、界面活性剤は、オイルクレンジングに配合のオイル(油)に比べ、『肌刺激性』が圧倒的に高く、配合量によっては肌トラブルを引き起こす可能性が高いからです。
技術力に乏しいメーカーは、リキッドクレンジングのクレンジング力をアップさせようと、界面活性剤の配合量を安易に増やす傾向にありますが、これは非常に危険です。
リキッドクレンジング開発の際は、リキッドクレンジングのデメリットである『クレンジング力不足』を、界面活性剤の増量以外の方法で解決する必要があり、これが出来るか出来ないかで、その商品の技術レベルが決まります。
オルビスの場合、肌刺激性を考慮して、必要最小限の界面活性剤量とし、不足するクレンジング力を、『多価アルコールの配合』と『バイコンティニュアス構造』という技術で補っています。
特に、両相がそれぞれに連続した層をなす『バイコンティニュアス構造』は、簡単に出来る技術ではなく、化粧品大手『ポーラ』の一員であるオルビスだからこそ実現出来たと言えるでしょう。
今一度、オルビスクレンジングリキッドと他社のモノと、全成分を比較してみましょう。
<オルビス>
DPG、水、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジイソステアリン酸PEG-12、ステアリン酸PEG-45、グリセレス-12、イソステアリン酸PG、シクロペンタシロキサン、プロパンジオール、グリチルリチン酸2K、セリン、グリシン、アラニン、ヒアルロン酸Na、ローズマリーエキス、BG、クエン酸、クエン酸Na、トコフェロール
<A社(某サイトでリキッドクレンジング部門NO.1)>
DPG、水、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、グリセリン、コメヌカエキス、コメ発酵液、加水分解コメエキス、BG、セテス-40、クエン酸Na、クエン酸、フェノキシエタノール
オルビスとA社のリキッドクレンジングを見てみると、全成分の上位が非常に似ています。間違いなくA社は、オルビスを参考にしていると言えるでしょう。
全成分の最上位に『DPG』があります。DPGとは、ジプロピレングリコールの略で、『多価アルコール』の一種です。
多価アルコールは、コスメでは『保湿剤』として配合されますが、DPGは多価アルコールの中でも『クレンジング力』があると言われており、DPGは、界面活性剤増量にてクレンジング力アップが出来ないリキッドクレンジングに、高配合されます。
多価アルコールにDPGを選択し、高配合している点は、オルビス、A社とも同じですが、その後の成分表示を見ると、A社は比較的単純ですが、オルビスは、様々な成分が配合されている事が分かります。
特に、「界面活性剤」と、「ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン」、「シクロペンタシロキサン」がポイントです。
この、「ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン」と「シクロペンタシロキサン」は『シリコーン系の油』です。「オイルフリーなのに油が配合されている?」と疑問に感じていると思いますが、オルビスの場合、シリコーンを油と考えていません。
これに関しては様々な意見があると思うので、ここでは割愛し、別の記事で論じたいと思います。
シリコーン油が配合されているからこそ、オルビス クレンジングリキッドは、リキッドクレンジングでありながら、圧倒的なクレンジング力を有するのです。
ただし、リキッドクレンジングへのシリコーン油の配合は簡単な事ではありません。
以上のように、リキッドクレンジング開発の際は、肌刺激性の懸念がある界面活性剤を増量せずに、クレンジング力をあぷさせる必要があり、その際、最も有効な策が、特殊技術による「油(オイル)の配合」だと私は思います。
ですから、リキッドクレンジングは、油(オイル)が配合されているかどうかが注目ポイントであり、オルビスのような、 特殊技術によって油が配合されているリキッドクレンジングが最も効果的です。
おわりに
いかがでしょうか?
オルビス クレンジングリキッドは、リキッドクレンジングの『パイオニア』であり、業界随一の技術で、他社の先を行っています。
オルビス クレンジングリキッドは、累計販売本数『4700万本』(1997年2月~2019年3月)を突破し、さらにオルビス内総売り上げ個数『17年連続1位』というとんでもない実績を誇っていますから、この数字からも、品質・技術の素晴らしさが伝わると思います。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません