現在、『マイクロニードルコスメ』が話題です。
マイクロニードルは、ヒアルロン酸など肌に必要でありながらも分子量が大きすぎて肌に入らない美容成分を、肌に浸透させる唯一の方法として注目されています。
ですから現在では、様々なメーカーからマイクロニードルコスメが発売されていますが、一体、どのメーカーのモノがおすすめなのでしょうか?
そこで今回は、化粧品開発者の私が、今注目しているマイクロニードルコスメをご紹介します。
マイクロニードルコスメとは?
マイクロニードルとは、『マイクロサイズ』(1000分の1ミリメートル)の『ニードル』(針)を敷きつめたシール状のパッチコスメです。
ニードルが肌に刺さるため、直接、美容成分を肌内部に届けることが出来ます。
従来は注射でしか届けることが出来なかった成分を、ほぼ無痛で肌内部に取り込むことができ、さらには自宅で自分で施術が可能ですから、コスメ・医療分野の新技術として大変注目されています。
冒頭でも述べましたが、『ヒアルロン酸』はコスメにおける最も有名な美容成分です。
ヒアルロン酸には高い『保湿能』がありますから、肌内部に取り込むことで、みずみずしくふっくらとしたお肌に導きます。
しかし、みずみずしくふっくらとしたお肌になるためには、ヒアルロン酸をお肌の中に浸透させることが必要ですが、ヒアルロン酸は『高分子』ですから、コスメを塗布するだけでは肌に浸透しません。
世の中には、あたかも、高分子ヒアルロン酸が肌内部に浸透するよう演出しているコスメが多くみられますが、高分子のヒアルロン酸は、肌に浸透せず、肌表面に留まるだけです。
つまり、コスメで高分子ヒアルロン酸を肌内部に届ける手法は、現状、『マイクロニードル』だけです。
ですからマイクロニードルは、高分子ヒアルロン酸などの、従来、塗布では肌に浸透しなかった美容成分を、肌に浸透させる事が出来る『唯一無二の方法』ですから、大変おすすめと言えるでしょう。
では次項では、化粧品開発者の私が、ニードルの本数などの『技術面』、開発・発売元の『実績面』等の観点から、今現在注目しているマイクロニードルコスメをご紹介します。
注目のマイクロニードルコスメ
ハーリス モイストパッチ
ハーリス モイストパッチは、ヒアルロン酸を凌ぐ保水効果を持つ『プロテオグリカン』のマイクロニードルです。
プロテオグリカンは、たんぱく質の「プロテイン」と、多糖類の「グリカン」の複合体です。たんぱく質に多数の糖(グリカン)が結合した構造をしており、糖と糖の間に水分を保持する働きがありますから、『保水性』に優れます。
その効果は、『ヒアルロン酸やコラーゲンを凌ぐ』と言われていますが、プロテオグリカンは、ヒアルロン酸やコラーゲンほど有名な美容成分ではありません。
何故なら当時、プロテオグリカンは、『1g 3000万円』と言われるほど高価な成分で、なかなか研究が進まず、コスメへの配合は困難だったからです。
現在では、製造技術が確立され、価格が落ち着いてきたため、コスメへの配合が可能になりました。と言っても、非常に高価な成分に変わりありませんから、プロテオグリカン配合コスメはまだ少ないのが現状です。
そんな中で、『ハーリス モイストパッチ』は、プロテオグリカン配合のマイクロニードルとして注目を集めています。
さらに、「ヒアルロン酸」「ユビキノン(Q10)」「加水分解乱卵殻膜」「プラセンタ」「コラーゲン」「フラーレン」「ビタミン類」「セラミド」「EGF」など、プロテオグリカン以外の美容成分も豊富に配合されています。
ルジョー ニードルセラム
最近、『海綿配合コスメ』が増えてきました。
海綿とは、無脊椎動物の一種で、多細胞からなる海の生物です。 その繊維は、絹のたんぱく質と同様の性質を持ち、 人間の肌と同じアミノ酸から出来ているため、 肌に負担をかける事はありません。
その性質から、海綿を加工し、身体を洗う『スポンジ』として用いられてきました。
そして、その海綿から精製した天然の微細針を『スピキュール』と言い、このスピキュールを配合したコスメを通称、『海綿コスメ』と呼ぶようです。
海綿から精製された微細針である「スピキュール」は、古くから医学や美容分野で用いられています。
スピキュールは針と言っても、マイクロニードルとは異なります。マイクロニードルはニードル(針)自身が『美容成分』で出来ていますが、スピキュールは100%、『天然の微細な針』ですから、美容成分の浸透というより、『針の刺激』による効果です。
マイクロニードルはパッチ製剤ですから、基本、目元など気になる箇所への『部分使用』です。ですが海綿コスメ(スピキュールコスメ)の多くはファンデーションなど、『顔全体』に使用しますから、人によっては、マイクロニードル以上の痛みや違和感があります。
ですから、海綿コスメ(スピキュールコスメ)であれば、『部分使用』にすべきです。
ルジョーの『ニードルセラム』であれば、目元・口元の『部分使用』を推奨しています。
また、『次世代エイジングケア針美容液』と言うだけあって、配合されている美容成分が贅沢です。
「ヒト幹細胞培養液エキス」「EGF」「フラーレン」「セラミド」「レチノール誘導体」など、実に『25種類』もの美容成分が配合されています。
マイクロニードルは、ニードル(針)自体が美容成分ですから、配合出来る成分にある程度の制限があります。その点、海綿コスメ(スピキュールコスメ)は、通常のコスメに天然針(スピキュール)を配合するので、美容成分に制限がありません。
『コスパ』も良い。
あくまで『部分使用』という事で、海綿コスメ(スピキュールコスメ)をお楽しみください。
イーチケアシート
からだラボラトリー㈱の『イーチケアシート』には、ニードルに『EGF』が配合されています。
EGFとは『上皮細胞成長因子』の事で、『肌のターンオーバーを促す成分』です。肌におけるEGF分泌量は加齢とともに減少し、これは『肌の老化』(ターンオーバーの乱れ)の原因の一つとも言われています。
EGFの発見によってノーベル賞が与えられていますから、美容の世界ではEGFの事を『ノーベル賞受賞成分』と言ったりもしますが、この成分をニードルの主成分にしている点が「イーチケアシート」の最大の差別ポイントと言えるでしょう。
おわりに
いかがでしょうか?
本来、コスメの塗布では肌に入らないヒアルロン酸などの美容成分を、肌に浸透させる唯一の方法が『マイクロニードル』です。
また、マイクロニードルとは厳密には異なりますが、『スピキュールコスメ』も人気があるようです。
ただし、スピキュールの場合は『部分使用』される事を強く推奨いたします。
<ヒアルロン酸以上の保水効果「プロテオグリカン」>
<海綿コスメ(スピキュール)>
<EGFの効果を得たいのなら「イーチケアシート」>
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません