コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の研究開発を行ってきました。その知識と経験を活かし、皆様に、『コスメの真実』をお伝えします。普段のお化粧に、是非参考にしてください!

【プロが解説】ジェルタイプの日焼け止めは使うべきではない!「いつの間にか日焼け」を引き起こし取り返しのつかない事態に・・・

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日焼け止めコスメには、クリーム・2層式・ミルクなど、様々なタイプがありますが、その中でも、『ジェルタイプ』が大人気です。

ジェルタイプは、みずみずしく、べたつきもなく、『使用感』に大変優れており、これが多くのユーザー支持を得ていると思います。

しかし、化粧品開発者の私は、家族や身近な人には、ジェルタイプの日焼け止め(サンスクリーンジェル)は絶対におすすめしません

化粧品開発者という職業柄、『サンスクリーンジェルの致命的弱点』を知っているからです。

そこで今回は、化粧品開発者の私が、サンスクリーンジェルを使うべきでない理由をご説明します。

 

1.サンスクリーンジェルとは?

サンスクリーンジェルとは、『ジェルタイプ』の日焼け止めで、ニベア(花王)が有名です。

 

ニベア以外にも様々なメーカーからサンスクリーンジェルが発売されています。

サンスクリーンジェルは『水系ベース』の日焼け止めですから、みずみずしく、後肌のべたつきもありません。また、紫外線散乱剤を含まないモノがほとんどですから、日焼け止め特有の白浮きもなく、『使用感』『仕上がり』が評価されて、日焼け止め剤型の中でも一番ともいえる程の人気を誇っています。

価格的にも大変お手頃です。

もう少し詳しく、サンスクリーンジェルの特長をご説明します。

サンスクリーンジェルは『水系ベース』の日焼け止めで、専門的には『水中油(O/W)』というタイプです。

紫外線をカットする成分に、「紫外線吸収剤(吸収剤)」と「紫外線散乱剤(散乱剤)」がありますが、サンスクリーンジェルは、基本、散乱剤は配合しません。散乱剤を配合しないというより、散乱剤の配合が出来ないのです。

ですから、サンスクリーンジェルには『吸収剤』が配合されています。

吸収剤は基本、油ですから、サンスクリーンジェルは油(吸収剤)を『乳化』させる必要があります。

通常、油を乳化させるには、『界面活性剤』が必要です。界面活性剤は大変有用な成分ですが、後肌がべたつくというデメリットがあります。

サンスクリーンのように、身体にも使うコスメにとって、「べたつき」は好まれませんから、サンスクリーンジェルの場合、『アルキル変性カルボマー』という高分子を用いて乳化します。

アルキル変性カルボマーは、『乳化』『増粘』の役割を果たしますから、サンスクリーンジェルは、ジェルっぽく、みずみずしくべたつかない使用感になるのです。

先程、サンスクリーンジェルには「散乱剤」が配合出来ないと言いましたが、これはアルキル変性カルボマーに原因があります。

乳化と増粘を同時に叶えるアルキル変性カルボマーは大変優秀な成分ではありますが、酸化チタンや酸化亜鉛などの「散乱剤」と共存できません

アルキル変性カルボマーに散乱剤を配合すると、散乱剤が『凝集』したり、ジェルにならなかったりと(『ゲル構造の崩壊』)、品質に大きな影響が出てしまいます。

サンスクリーンジェルには、みずみずしい使用感実現のため、アルキル変性カルボマーが必須になりますから、結果的に、散乱剤の配合が困難となり、吸収剤のみの配合になるわけです

ちなみに、アルキル変性カルボマーは、サンスクリーンジェルだけでなく、乳液や美容液、クリームなど、数多くのコスメに配合されています。

以上が、サンスクリーンジェルの特長になります。

 

2.サンスクリーンジェルは使うべきではない!

ニベア・日焼け止め・おすすめ・ジェル

サンスクリーンジェルの使用感は素晴しく、価格的にもお手頃で、世の中のユーザーに日焼け止めコスメの存在を知らしめ、日焼け止めコスメを身近な存在にした功績は大変素晴らしいです。

しかし化粧品開発者の私は、冒頭でも述べたように、家族や身近な人にはサンスクリーンジェルは絶対におすすめしません

何故なら、サンスクリーンジェルは、驚くほど化粧持ちが悪く、容易に化粧崩れを起こしてしまうからです。

特に夏の時期は、汗をかきますから、肌の環境は過酷です。サンスクリーンジェルを塗布した化粧膜は、汗や皮脂に弱く、大量の汗とともに簡単に崩れてしまいます。

また、化粧膜は、『こすれ(摩擦)』にも非常に弱いです。人は無意識のうちに肌(化粧面)を触ってしまいますし、タオルなどが触れたりと、『こすれ』によって簡単に落ちます。

サンスクリーンジェルを塗布した化粧膜が、汗や皮脂、こすれによって簡単に崩れて落ちてしまったらどうなるでしょうか?

日焼け止めにとっての化粧崩れは、紫外線から肌を守れないことを意味します。そして、「日焼け止めを塗ったのに焼けてしまった!」という『いつの間にか日焼け』を引き起こすのです。

ですから、紫外線から肌を守らなければならない日焼け止めにとって、『汗・皮脂・こすれへの強さ』は、一番と言っていいほど重要な要素なのです。

このような考えで開発された技術が、資生堂の『アクアブースターEX』であり、カネボウの『フリクションプルーフ』です。

アクアブースターEXとは?フリクションプルーフとは?

しかし、水系ベースのサンスクリーンジェルは、汗・皮脂・こすれに対し圧倒的にもろく、当然の事ながら、スーパーウォータープルーフ機能もありません。

ユーザーメリットを考えた場合、使用感に優れたコスメを提供することは重要な事ですが、日焼け止めに関しては、使用感よりも、いかに紫外線から肌を守るのか?、『汗・皮脂・こすれへの耐性』が最も優先すべき事だと私は考えます。

家族や身近な人には、『いつの間にか日焼け』をしてほしくありませんから、私は、自分の周りの人に対しては絶対にサンスクリーンジェルはおすすめしません。

実は、サンスクリーンジェルの崩れやすさは、メーカー側も良く分かっています。ですから、商品周りに、「こまめに塗り直すこと」的な表現が書かれているはずです。

こうすることで、仮にユーザーから「日焼け止めを塗ったのに日焼けしてしまった!」とクレームが来た時、「商品に正しい使用法が記載されています」と反論できるわけです。いわば、『自己防衛(自社防衛)』のための表示と言えるでしょう。

このような表示を『デメリット表示』と言ったりもしますが、有名なところでは、「透明な液体が出ることがありますが品質に問題ありません」とか、「しばらく使わない場合、ポンプの先から白い固まりが出ることがありますが品質に問題ありません」などがあります。

私はメーカー側の人間ですから、メーカー側の、デメリット表示をしたい気持ちは十分理解できますが、そもそも字が小さすぎますし、一体、どの位のユーザーが、商品周りの表示全てに目を通しているのでしょうか?

いくら、万一の時のため(自社防衛)であっても、『いつの間にか日焼け』という、ユーザーにとって明らかに不利益かつ重篤な現象を引き起こしてしまう事に対し、デメリット表示対応というのは、ユーザー利益に大きく反します。

デメリット表示ではなく、日焼け止めは、汗・皮脂・こすれに対し強い剤型にする努力をメーカー側はするべきだと私は考えており、私がもし、日焼け止めの開発担当であれば、絶対にジェルタイプは選択しません。

様々な剤型タイプがある中で、夏の過酷な肌環境下においても崩れにくい、「(スーパー)ウォータープルーフ機能」を有する、『水・汗に対する耐性がある剤型』を選択します。

 

3.おすすめの日焼け止めは?

化粧品開発者の私がおすすめする日焼け止めは、『ポーラ ホワイティシモ UVブロック ミルキーフルイド』です。クリームタイプの日焼け止めで、『ウォーターレジスタンス機能』を有します。

ホワイティシモUV ブロック シールドホワイト


ウォーターレジスタンス機能とは、40分間、水の中で軽く運動した後であっても、紫外線カット効果が変化せず持続することを示します。

以前は、40分間が「ウォーターレジスタンス」、倍の80分間が「ウォータープルーフ」でしたが、現在では、40分間が「ウォータープルーフ」、80分間が「スーパーウォータープルーフ」と言ったりもするようです。

水や汗に耐性がある代表的な剤型に、アネッサやアリィーの、振って使用する『2層式』があります。「2層式」は、高SPF, 高PAや耐性など、『機能的』には非常に素晴らしいですが、環状シリコーン(シクロペンタシロキサン)特有の『使用感(感触)』が私は苦手なので、クリームタイプの『ポーラ ホワイティシモ UVブロック ミルキーフルイド』をおすすめします。

ホワイティシモ UVブロック ミルキーフルイドは、『紫外線吸収剤フリー』でもあります。

吸収剤は決して危険な成分ではありませんが、吸収剤フリーを求めるユーザーにとって、ポーラは『紫外線散乱剤技術』に定評がありますから、大変おすすめです。

また、この商品、『アレルギーテスト』だけではなく、『2歳以上を対象とした幼児プラクティカルテスト』も実施していますから、お子様でも安心してお使い頂けると思います。

※全ての方にアレルギーが起きないというわけではありません

※すべての幼児の肌に合うというわけではありません

 

ホワイティシモUV ブロック シールドホワイト


また、より高スペックを求めるのであれば、2層式ではありますが、『ホワイティシモ 薬用UVブロック シールドホワイトプラス』がおすすめです。

SPF50, PA++++, ウォータープルーフ(80分間の水浴テスト)ですから、『最高の紫外線カットスペック』『耐性』を両立しています。

さらに、『美白の医薬部外品』でもありますから、紫外線カットだけでなく、『美白』『保湿』が同時に行えます。

私は、サンスクリーンジェルは使用感が素晴らしいが、日焼け止めに一番に求める要素は使用感ではないと述べました。

例えば、オーストラリアなど、紫外線ダメージが深刻な国では、日焼け止めは化粧品ではなく、日本でいう『医薬品』の扱いになります。

そこでは、いかに肌を紫外線ダメージから守るかが重要であり、使用感は優先順位がかなり低いです。

べたべたして、真っ白で、日本では考えられないような使用感・仕上がりのモノが、紫外線による重篤な健康被害を抱える国では多いです。

しかし、化粧品は毎日使うモノですから、あまりにひどい使用感のモノでは、ユーザーは、使うこと自体をためらってしまうでしょう。

ですから、『快適に使うことが出来る使用感』も重要な要素ではありますが、日焼け止めに関しては、耐性という『機能』を犠牲にしてまで使用感を追求すべきではありません。

サンスクリーンジェルは、機能を犠牲にして使用感を追求しすぎです。

ポーラの日焼け止めは、機能を追求しながらも、使用感が良いです。これは、日本を代表する総合化粧品メーカーのポーラが有する『処方開発力』によるところが大きいと思いますが、ポーラの日焼け止めであれば、十分な機能と快適な使用感を得ることが出来ると思います。

ただし、いくら耐性に優れる日焼け止めを使ったとしても、「こまめに塗り直す事」は日焼け止めの基本ですから、塗りっぱなしにならないよう、必ず塗り直してお使いください。

ホワイティシモUV ブロック シールドホワイト




※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません