コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の研究開発を行ってきました。その知識と経験を活かし、皆様に、『コスメの真実』をお伝えします。普段のお化粧に、是非参考にしてください!

紫外線吸収剤 VS 紫外線散乱剤 どちらがおすすめ? 【コスメの名成分対決!】

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コスメには、コスメ史に名を残すであろう『名品』と呼ばれるモノが存在します。

私はこれまで、コスメの名品同士を比較し、論じてきました。

<コスメの名品対決!>

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コスメの名品が存在するように、「この”成分”が存在しなければ、このコスメは成り立たない!」という『コスメの名成分』があります。

『紫外線吸収剤』『紫外線散乱剤』は、まさにコスメの名成分で、これら成分がなければ、日焼け止めコスメは存在せず、人々のお肌を紫外線ダメージから守ることは出来ません。

一方で、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらがおすすめなのか?という質問をよく受けます。

そこで今回は化粧品開発者の私が、コスメの名成分対決と題しまして、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤どちらがおすすめなのかをご説明いたします。

 

1.紫外線吸収剤

紫外線吸収剤とは、紫外線を『吸収』して、お肌に紫外線が届くのを防ぎます。

吸収剤のメリットは『価格の安さ』『仕上がり・使用感の向上』です。

一方デメリットは、『光安定性の悪さ』『肌刺激性の懸念』です。詳細は以下記事をご覧ください。

<紫外線吸収剤のメリット・デメリット>
【日焼け止めの疑問④】 吸収剤配合の日焼け止めを選ぶべき? 吸収剤のメリット・デメリット

上の記事でも述べていますが、吸収剤の『デメリット』を再度ご説明します。

吸収剤は紫外線を吸収し、吸収したエネルギーを構造変化や熱など、『別のエネルギー』に変換すると同時に、元の吸収剤に戻ります。

つまり、「吸収剤 ⇒ エネルギー放出(構造変化・熱など) ⇒ 元の吸収剤」のような『サイクル』を繰り返しています。

このサイクルが永遠に続けば、吸収剤の『紫外線吸収能力』は衰えることはありませんが、サイクルが永遠に続くことはあり得ません

「吸収剤 ⇒ エネルギー放出(構造変化・熱など) ⇒ 別の物質」と、本来『元の吸収剤』に戻らないといけないところ、『別の物質』に変化してしまいます。

これが、吸収剤の『光(紫外線)による分解』です。分解すると、紫外線吸収能は無くなります。

吸収剤は光(紫外線)によって分解しやすく、この『光安定性の悪さ』が吸収剤のデメリットの1つです。

また、吸収剤は基本、『低分子の有機化合物』です。

※高分子の吸収剤もあります

低分子ゆえ、肌に浸透しやすく、『肌刺激性の懸念』があります。

「子供向け」や「敏感肌用」の日焼け止めに『吸収剤フリー』が多いのはこのためです。

 

2.紫外線散乱剤

紫外線散乱剤とは、紫外線を『散乱』して、お肌に紫外線を届くのを防ぎます。

ただし正確には、紫外線散乱剤も紫外線を『吸収』します。詳細は以下記事をご覧ください。

<紫外線散乱剤は紫外線を吸収する!>
【日焼け止めの疑問②】 日焼け止めの酸化チタン・酸化亜鉛は「紫外線散乱剤」ではない!?

散乱剤のメリットは『肌への優しさ』『光安定性の高さ』です。

一方デメリットは、『価格の高さ』『仕上がり・使用感の悪さ』です。詳細は以下記事をご覧ください。

<紫外線散乱剤のメリット・デメリット>
【日焼け止めの疑問⑤】 散乱剤配合の日焼け止めを選ぶべき? 散乱剤のメリット・デメリット

散乱剤は非常に優秀な成分ですが、吸収剤と比べて『原料価格の高さ』がデメリットの1つと言えます。

散乱剤の場合、紫外線散乱能を高めるためには、『粒径コントロール』『表面処理』などの高度な技術が必須です。ですから、この技術料が原料価格に反映されていると言えるでしょう。

ただし、吸収剤と比べての話ですし、吸収剤が安価すぎるという側面もあります。

また、散乱剤は、(微粒子)酸化チタンや(微粒子)酸化亜鉛などの『粉体』ですから、多量配合により『乾燥』『白浮き』が起きやすく、吸収剤と比較した場合、『仕上がり・使用感の悪さ』もデメリットの1つです。

※白浮き・・・塗布後、粉体由来の白さが目立つこと

 

3.紫外線吸収剤 VS 紫外線散乱剤 おすすめは?

吸収剤・散乱剤・おすすめ・危険

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらがおすすめか?

先程ご説明したように、吸収剤にも散乱剤にもメリット・デメリットがあります。

ですから一番の理想は、吸収剤と散乱剤を『併用』して、それぞれのデメリットを補い合うことです。

しかし、「どちらがおすすめ?」と聞かれれば、化粧品開発者の私は『紫外線散乱剤』をおすすめします。

何故なら、紫外線散乱剤は、紫外線吸収剤に比べて『肌に優しい』からです。

吸収剤は基本、『低分子の有機化合物』ですから、肌に浸透しやすく、肌刺激の懸念がありますが、決して肌に悪い成分ではありません。

国の配合基準を遵守し、化粧品メーカーが安全性(肌刺激性)をしっかり確認すれば安心してお使い頂ける成分です。

ただし、国の配合基準は、各吸収剤の配合上限値であって、『総吸収剤量』に基準はありません。

ですから極論を言えば、各吸収剤の配合基準を遵守すれば、トータル量でいくらでも吸収剤は配合出来ます

当然、高SPF, PAになればなるほど吸収剤の総量が多くなり、肌刺激性のリスクは高まりますし、商品の全成分表示からは、配合している吸収剤の種類は分かりますが、『総量』は判断できません。

紫外線ダメージからお肌を守る吸収剤は、大変優れた成分であることは間違いありませんが、化粧品開発者の私は、吸収剤の『肌刺激性の懸念』から『散乱剤』をおすすめします。

散乱剤は、酸化チタンや酸化亜鉛などの『無機化合物』です。これらは『高い安全性』を有しており、「お子様」でも「敏感肌の方」でも安心してお使い頂けます。

散乱剤を嫌う人・おすすめしない人は、その理由に、『仕上がり・使用感の悪さ』を挙げるケースがほとんどです。

確かに散乱剤は『粉体』ですから、乾燥・白浮きしやすく、吸収剤に比べて仕上がり・使用感は悪いです。

しかし、散乱剤の『技術進歩』はめざましいです。

散乱剤は白浮きしやすいですが、これは散乱剤のサイズ(粒径)が大きいためです。粒径を小さくすれば白浮きは軽減され、そのためには『粒径コントロール技術』が必要不可欠です。

また、散乱剤は『凝集』しやすく(凝集とは、細かい散乱剤の粒子同士がくっつくこと)、凝集すればするほど『白浮き』しますし、紫外線散乱能が低下することで、より多くの散乱剤を配合する必要がありますから、散乱剤過多により『乾燥』しやすくなります。

ですから散乱剤において、『いかに凝集を防ぐか』が最も重要な要素であり、そのためには、散乱剤表面を特殊な技術・成分で『表面処理』する必要があります。

現代は、『粒径コントロール技術』『表面処理技術』が大きく進歩しています。現代の散乱剤の品質は素晴しく、「散乱剤=乾燥・白浮き」というのは一昔前の話です。

仮に、散乱剤技術が大したことがなければ吸収剤をおすすめしますが、今の散乱剤の品質はすさまじく高いですから、私は、肌にも優しい散乱剤をおすすめします

さらに散乱剤は、『抜群の光安定性』を有していますから、吸収剤のように光(紫外線)によって分解することはありません。

散乱剤技術と言えば『ポーラ』が有名です。ポーラは『粉体技術』に定評があり、散乱剤の他にも、これまで様々な機能性粉体を開発しています。

『ポーラ ホワイティシモ UVブロッグ ミルキーフルイド』 、私が『最もおすすめする』日焼け止めです。

『ポーラ ホワイティシモ UVブロッグ ミルキーフルイド』『吸収剤フリー』『SPF 30 PA +++』です。

通常このクラスのSPFで吸収剤フリーであれば、『白浮き』は避けられませんが、ポーラの高い『粉体技術』によって、吸収剤フリーでありながら、高いSPF, PAと、良好な仕上がり・使用感を実現しています。

さすがの品質と言えるでしょう。

また本品は、『アレルギーテスト』は勿論ですが、2歳以上を対象とした『幼児プラクティカルテスト』を実施しています。

2歳以上の幼児に日焼け止めを使ってもらい、肌トラブルが無いかの確認試験を実施しているということです。

コスメ開発において、人を対象にした試験は、試験対象者(被験者)の安全に最大の配慮が必要ですから、非常に大変です。

それを『幼児(2歳以上)』が被験者になりますから、試験計画を立て、試験実施するにはかなりの経験と技術が必要です。ポーラのような、『最高峰の技術』を有するメーカでなければ、実現は難しいでしょう。

勿論、この試験を実施しているからと言って、全ての幼児の肌に合うというわけではありませんが、特に「お子様用」や「敏感肌用」の日焼け止めをお探しの方には、かなり『有用な指標』になることは間違いありません。

『幼児プラクティカルテスト実施』のコスメにはなかなかお目にかかれませんから、かなり貴重です。

是非一度、『ポーラ ホワイティシモ UVブロッグ ミルキーフルイド』をお試しください。

ホワイティシモUV ブロック シールドホワイト

 

4.おわりに

いかがでしょうか?

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤、どちらがおすすめか?

私は、ご説明したように『紫外線散乱剤』をおすすめしますが、様々な考え方がありますから、あくまで私個人の見解である旨、ご了承ください。

ただし、安易に散乱剤を否定する人は、現代の散乱剤技術・吸収剤に潜むリスクを知らないだけなので、ご注意ください。

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※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません