コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の研究開発を行ってきました。その知識と経験を活かし、皆様に、『コスメの真実』をお伝えします。普段のお化粧に、是非参考にしてください!

プロはどちらを選ぶ? アネッサ VS アリィー 日焼け止め対決! 【コスメの名品対決!!】

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コスメには、コスメ史に名を残すであろう『名品』と呼ばれるモノが存在します。

明確な定義はありませんが、広いユーザー支持を、長く得続けているコスメ『名品』と言うのでしょう。

「資生堂 アネッサ」と「カネボウ アリィー」は、間違いなく『日焼け止めコスメの名品』です。

名品の宿命、両品は必ず比較されますが、一体どちらの日焼け止めがおすすめでしょうか?

今回は、『名品対決!!』と題しまして、化粧品開発者の私が、日焼け止めコスメの名品、『アネッサ』『 アリィー』(2018年度版)を徹底比較いたします。

 

1.アネッサ VS アリィー

アネッサ・アリィー・おすすめ・日焼け止め

昨年からの比較で見ると、銀のアネッサがなくなったり、ラインナップで見るとアネッサにはスプレーがあったりと、両者は様々な点で異なります。

しかし、日焼け止めコスメの場合、ブランド内の『最強スペック品』に、最新の技術を搭載してきますし、最強スペック品は、ブランドを象徴するアイテムになるのが常ですから、各ブランドの最強スペック品、『アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク』『アリィー エクストラUV パーフェクト』を比較します。

 

2.アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク

・分類、タイプ

化粧品 、W/O型 2層分離タイプ

 

・紫外線防御スペック

SPF 50+ PA++++ スーパーウォータープルーフ

 

・全成分

ジメチコン, 水, 酸化亜鉛, エタノール, メトキシケイヒ酸エチルヘキシル, タルク, ミリスチン酸イソプロピル, メタクリル酸メチルクロスポリマー, シクロペンタシロキサン, イソドデカン, オクトクリレン, 酸化チタン, PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン, ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル, グリセリン, セバシン酸ジイソプロピル, (ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー, シリカ, パルミチン酸デキストリン, キシリトール, トリメチルシロキシケイ酸, ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン, PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル, 塩化Na, チャエキス, サクラ葉エキス, カニナバラ果実エキス, アセチルヒアルロン酸Na, トルメンチラ根エキス, アロエベラ葉エキス, 水溶性コラーゲン, PPG-17, トリエトキシカプリリルシラン, イソステアリン酸, ジステアリルジモニウムクロリド, ジステアルジモニウムヘクトライト, 水酸化Al, ステアリン酸, EDTA-3Na, BHT, トコフェロール, イソプロパノール, BG, ピロ亜硫酸Na, フェノキシエタノール, 香料

 

・UVフィルター(UVカット成分)

酸化亜鉛(散乱剤)、酸化チタン(散乱剤)、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(吸収剤)、オクトクリレン(吸収剤)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(吸収剤)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(吸収剤)

 

・特長

  • スキンケア成分50%配合
  • 耐久型「アクアブースターEX」 技術
  • スーパーウォータープルーフ
  • 石鹸で落ちる
  • サンドプルーフ(砂がつきにくい)
  • 無着色、アレルギーテスト済み

 

・総評

2018年度の『アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク』で、最も注目すべき点は2つあります。

『スキンケア成分50%配合』『耐久型アクアブースターEX』です。

まず『スキンケア成分50%配合』について。

2018年度のアネッサの一番のポイントが、この「スキンケア成分50%配合」でしょう。

大きく、スキンケアする最強UVミルクと宣伝しています。

昨年までは『銀のアネッサ』がありましたから、最強の紫外線防御スペックが「金のアネッサ」スキンケア成分豊富で肌に優しい「銀のアネッサ」とすみ分けていました。

今年から、銀のアネッサが無くなって、金のアネッサが銀のアネッサの機能を取り込む形で1本化されました。

「金のアネッサ」と「銀のアネッサ」は、言葉としても定着していましたから、銀のアネッサが無くなったことは、驚きとともに、少し残念に思います。

資生堂は、「新規紫外線吸収剤の開発」や「吸収剤の併用による幅広い紫外線領域のカット」、「光安定性に優れた吸収剤の開発」、「汗や水に強い化粧膜」など、これまで、『紫外線カット』という点で圧倒的な技術力を誇り、業界を牽引してきましたから、今回のアネッサで『スキンケア効果』を最大の訴求ポイントにするとは予想外でした。

着眼点としては問題ないと思います。日焼け止めは長時間肌上に塗布されるモノですから、スキンケア効果を求めるのは、ごく自然な流れでしょう。

しかし個人的には、今回の資生堂の「スキンケア効果」にはがっかりです

『スキンケア成分50%配合』と大きく宣伝していますが、この50%には『水』が含まれています。

アネッサは、2層分離 W/O(油中水)の「SPF 50+ PA++++」ですから、シリコーンや散乱剤、吸収剤などの『オイル成分』(オイルとなじみがいい成分)で約40%~50%を占めるでしょう。

そして残りが、水や多価アルコール、エキス類などの『水性成分』(水となじみがいい成分)となり、これを『スキンケア成分』と表現しています。

アネッサのスペックであれば、普通に処方化すれば、「スキンケア成分50%」になります。

つまり、「スキンケア成分50%配合」するための確固たる技術はなく、たまたま処方化したら「スキンケア成分50%だった」というレベルのお話です。

アネッサのスペックを考慮すると、水を含んでいたとしても「スキンケア成分70%配合」であれば、『高度な技術』を搭載していると容易に想像できますが、「50%配合」では、技術などありません。偶然の産物です。

サブ訴求ならまだしも、これをメイン訴求にしていますから、「どうしたの?資生堂」と落胆しています。

も一つの注目点、『耐久型アクアブースターEX』ですが、従来の「アクアブースター技術」が進化して『EX』になりました。

従来のアクアブースター技術とは、汗や水に触れると均一になって強くなるUVブロック膜で、『化粧もち向上』に寄与しています。

夏の時期は、汗をかきますから、化粧膜の環境は過酷です。化粧膜は汗に弱く、大量の汗とともに崩れてしまいますから、紫外線から肌を守らなければならない日焼け止めにとって、『化粧崩れ』は致命的です。

日焼け止めコスメの化粧崩れは、紫外線から肌を守れないことを意味しますから、日焼け止めコスメにとって『汗や水への強さ』は非常に重要な要素でしょう。

このような意味で、資生堂の「アクアブースター技術」は、技術的にも、着眼点も素晴らしく、さらに今回、新たに『こすれへの強さ』が追加されて、『アクアブースターEX』へと進化しました。

化粧膜は、汗に弱いですが、『こすれ』(摩擦)にも弱いです。人は無意識のうちに肌(化粧面)を触ってしまいますし、タオルなどが触れたりと、『こすれ』によって日焼け止めは容易に落ちます。

そこで資生堂は、『独自粉体』を配合し、『均一で滑りやすい膜』を形成させることで、こすっても取れにくい技術を開発しました。

この『アクアブースターEX』は高く評価出来ます。

日焼け止めコスメは、肌上で『化粧膜』を形成してはじめて効果を発揮しますから、いくら、「汗」や「こすれ」に強い成分を配合しても意味がありません。

肌上に形成された『化粧膜』が、「汗」や「こすれ」に対し強いかが重要であって、資生堂の『化粧膜形成技術』は称賛に値します。

今回のアネッサでは、「スキンケア成分」ではなく、「進化したアクアブースター」にもっと焦点をあてた方がいいと思わせるくらい、高度で他社では真似できない素晴らしい技術です。

その他、『吸収剤の組み合わせ』は、さすが資生堂。幅広い紫外線領域をカット出来ますし、光安定性も考慮していますから、今考えらえる『最も理想的な組み合わせ』だと私は思います。

『サンドプルーフ』という、砂がつきにくいという機能がありますが、これは大した技術ではありません。

2層分離タイプW/Oであれば、「シリコーン」の配合が多くなりますから、自ずと、べたつかず、砂がつきにくい化粧膜になります。

今回の「資生堂 アネッサ」は、『耐久型アクアブースターEX』が象徴するように、改めて「化粧膜形成技術の高さ」に感心しましたが、それ以上に、「何故スキンケア成分?」という疑問が残る一品でした。

 

3.アリィー エクストラUV パーフェクト

・分類、タイプ

化粧品 、W/O型 2層分離タイプ

 

・紫外線防御スペック

SPF 50+ PA++++ スーパーウォータープルーフ

 

・全成分

メチルトリメチコン、酸化亜鉛、水、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、エタノール、シクロペンタシロキサン、酸化チタン、トリエトキシカプリリルシラン、BG、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ポリメチルシルセスキオキサン、PEG-8トリフルオロプロピルジメチコンコポリマー、ジメチコン、水酸化Al、トリフルオロプロピルジメチコノール、シリカ、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、ナイロン-12、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、BHT、ヒアルロン酸Na、加水分解コラーゲン

 

・UVフィルター(UVカット成分)

酸化亜鉛(散乱剤)、酸化チタン(散乱剤)、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(吸収剤)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(吸収剤)

 

・特長

  • 摩擦やこすれに強い「フリクションプルーフ」
  • スーパーウォータープルーフ
  • 普通のクレンジングで落とせる
  • 深層部ダメージUVバリア技術ADVAN
  • 香料フリー、パラベンフリー
 

・総評

2018年度の『アリィー エクストラUV パーフェクト』で、最も注目すべき点は、『フリクションプルーフ』です。

フリクション、つまり『摩擦』への耐性を向上させた機能であり、日焼け止めコスメが摩擦によって肌からとれてしまうのを抑制する効果が期待出来ます。

現在の日焼け止めでは、特に、高スペック品では標準装備になりつつある、汗・水に強い『(スーパー)ウォータープルーフ』がありますが、カネボウは、汗・水に加えて、『摩擦(こすれ)』に強い『フリクションプルーフ』を開発することで、「ウォータープルーフ」との『ダブルプルーフ』を実現しました。

先程説明した「資生堂 アネッサ」も、摩擦(こすれ)による耐性をアップさせ『耐久型アクアブースターEX』に進化させました。

これまでの日焼け止めの歴史を見ると、化粧品メーカーの努力もあって、汗・水に対する「ウォータープルーフ機能」の進化はすさまじいです。

しかし一向に、「しっかり塗っていたはずなのに焼けてしまった・・・」という声が無くなることはありませんでした。

そこでカネボウは、『摩擦による影響では?』と考え研究を進めました。実は以前から、摩擦が原因ではないかと推測していたものの、評価する方法が無かったため、積極的に研究しなかったみたいですね。

転機となったのが、『花王』が開発した、紫外線カメラで撮影した画像を解析することで、日焼け止めの『化粧膜』の状態を評価する技術です。

カネボウは、この技術と、大学との共同研究により、日焼け止めコスメの化粧膜が、摩擦によってとれることを科学的に解明し、これを抑制する技術(フリクションプルーフ)の開発に成功しました。

これまでの日焼け止めコスメの化粧膜は、ただ単に、肌の上にのっている状態であり、衣服やカバンなどの『摩擦』でとれやすいものでした。

カネボウの研究によると、水着を着た女性の背中に日焼け止めを塗布して、わずか『10分間』動いただけで、ほとんど汗をかいていないにもかかわらず、水着の紐がこすれた部分だけ、日焼け止めがとれてしまいました。

「フリクションプルーフ」が搭載された化粧膜は、『弾性』をもっており、仮に摩擦を受けても、化粧膜の形状を維持するためにとれにくくなっています。

摩擦によって化粧膜は変化します。これまでは『剛直な膜』のため、摩擦によって壊れてしまうところ、今回は『柔軟な膜(弾性膜)』のため、変化はしますが壊れず、最終的に元の形状に戻る(形状維持)というわけです。

この発想は、資生堂 アネッサの「アクアブースターEX」と近いですね。

『フリクションプルーフ』は、「花王の技術力」と「カネボウの経験値」の融合によって誕生した素晴らしい技術です。

もう一つ、深層部ダメージUVバリア技術『ADVAN』を搭載しています。

これは、『花王』の商品にも搭載されていますから、知っている方も多いのではないでしょうか?

「ADVAN」とは、「Anti-Damaging UV-A Network」の略で、『深層部ダメージUVバリア技術』と言われています。

深層部ダメージ、つまり『UV-Aカット』に対する技術で、『表面処理薄板状酸化亜鉛』という素材(散乱剤)を新たに開発しました。

散乱剤は、肌上に並ぶことで紫外線が肌に届くのを防ぎますが、この並び方にムラがあると、隙間から紫外線が肌に届いてしまいます。

今回開発された酸化亜鉛(散乱剤)は、ムラなく肌の上に並ぶため、効率よく紫外線(UV-A)を防ぐことが出来ます。また、『薄板化』によって、透明性も大幅に向上し、塗布後に肌が白くなりにくく(白浮きしにくい)、使い心地にも優れます。

この『ADVAN』は、以前からある技術ですから、特段珍しいわけではありませんが、技術自体は本物であり、高レベルです。

「カネボウ アリィー」は、新しく開発した『フリクションプルーフ』、そして従来の『ADVAN』と、『紫外線カットに特化』した内容で、着眼点も技術レベルも素晴らしいです。

 

4.アネッサ VS アリィー おすすめは?

「資生堂 アネッサ」・「カネボウ アリィー」、2018年は両者とも、『摩擦(こすれ)への耐性』という着眼点は同じでした。

日焼け止めコスメの名品が同じ着眼点ですから、今後、汗・水だけでなく、『摩擦(こすれ)への耐性技術』を搭載した日焼け止めコスメが増えるでしょう。

アネッサもアリィーも名品であることに違いはありませんが、2018年の内容を見る限り、化粧品開発者の私は『カネボウ アリィー』を支持します。

正直、昔からアネッサが好きで、アネッサ推しでしたが、2018年の搭載技術は『カネボウ アリィー』が数段上です。

『摩擦への耐性』という着眼点は同じでも、カネボウは、評価法を開発し、摩擦でとれることを科学的に明らかにして、フリクションプルーフの素材を新規開発していますから、資生堂よりも『エビデンス』がしっかりしています。

また、先ほども述べましたが、資生堂の「スキンケア成分をメイン訴求にしている点」は、『何故?』と強く疑問に思いますし、技術レベルも、資生堂らしからぬ『低レベル』なものですから、2018年版は、アリィーの圧勝だと私は思います。

以前記事にしましたが、資生堂は、『新規UV-B吸収剤』を開発していますから、来年くらいには、この新素材(吸収剤)を配合したアネッサが誕生するかもしれません。

この新規UV-B吸収剤は、『光安定性』に優れていますから、従来の吸収剤の欠点、「光(紫外線)による分解」を克服した、全く新しい日焼け止めコスメへの期待が高まります。

これが実現すれば、アリィーとの差はすぐに埋まると思うので、今後益々、日焼け止めコスメの『名品対決』に目が離せません。

<資生堂が新規紫外線吸収剤を開発!>
今、注目の日焼け止めトピックスは? 【UVBは「光安定性」、UVAは「DEEP紫外線」に注目です】 - コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~


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また、「摩擦への耐性技術」が搭載され、日焼け止めコスメはどんどん高機能化しています。紫外線カットという点においては良い事ですが、一方で、クレンジングで落ちにくくなっています

ですから、これら日焼け止めコスメ使用後は、『圧倒的なクレンジング力』を誇り、@コスメベストアワードクレンジング部門で、『2年連続の第一位』(2016年&2017年)に輝いた、今最もユーザー支持を集めている『アテニア スキンクリア クレンズオイル』がおすすめです。

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<アテニア スキンクリア クレンズオイル>

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※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません