コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の研究開発を行ってきました。その知識と経験を活かし、皆様に、『コスメの真実』をお伝えします。普段のお化粧に、是非参考にしてください!

菌コスメ(整菌コスメ)って何?プロが選ぶおすすめの「菌コスメ」は?「菌コスメ」ランキング!!

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『菌コスメ』ってご存知でしょうか?

「菌に着目したコスメ」で、『整菌コスメ』と言われています。

現在は健康志向で、『腸内菌(腸内フローラ)』について関心が高まっていますから、コスメの分野でも、もっとブームになるのでは?と予測しています。

今回は、「菌コスメ(整菌コスメ)」の詳細と、化粧品開発者の私がおすすめする「菌コスメ」をご紹介します。

 

1.菌コスメ(整菌コスメ)とは?

菌コスメ・整菌コスメ・皮膚常在菌・肌フローラ

 我々はたくさんの『菌』のチカラを借りて生きています。

『乳酸菌』は有名ですね。ヨーグルトなどに含まれる「乳酸菌」は、悪玉菌の増殖の場所を減少させたり、善玉菌が退治した悪玉菌を吸着し、外へ排出するなど、『腸内環境の改善』のために重要な役割を果たしています。

最近では、テレビの健康番組で『腸内環境』『腸内フローラ』という言葉が良く出てきますから、ご存知の方も多いと思いますし、腸内環境を整えるために食生活に注意している方も多いと思います。

しかし、『菌』のチカラは、何も体内(腸)だけではありません。

人の皮膚には1兆匹以上の菌(皮膚常在菌)がいると言われています。この多種多様な菌の集合体を『肌フローラ(皮膚上フローラ)』と言います。

腸内と同様、肌フローラにも『善玉菌』『悪玉菌』が存在し、当然のことながら、善玉菌を増やすことが肌にとって有益です。

善玉菌を増やし悪玉菌を減らす、つまり、『肌フローラバランスの改善』(皮膚常在菌バランスの改善)が肌にとって重要であり、この効果が期待できるコスメを『菌コスメ(整菌コスメ)』と言います。

 

2.肌には肌フローラのバランス改善が重要!

 肌フローラは、体調の変化やストレス、洗顔など、日常生活の中で常に変化しています。

何かしらの原因で、悪玉菌(肌に悪さをする菌)が増えると、『ニキビ』『炎症』などの肌トラブルを起こします。

ですから、『善玉菌』(肌に良い働きをする菌)を増やすことが重要です。

肌上に存在する「善玉菌」の一つに『表皮ブドウ球菌』があります。この菌は、肌によって非常に有用であることから、『美肌菌』『うるおい菌』とも言われています。

「表皮ブドウ球菌」は高塩濃度(汗)環境に生息し、『皮脂』が大好物です。

「表皮ブドウ球菌」は、大好物の「皮脂」をエネルギー源に、『酸性物質』『グリセリン』を産み出します。

結果、肌は『弱酸性』に保たれバリア機能が維持されますし、グリセリンによって『うるおい』が保たれます。

このように、肌フローラのバランスを改善することは、美肌菌である『表皮ブドウ球菌』(善玉菌)を増やすことにつながり、『バリア機能・保湿』が期待できますから、肌にとって非常に有効なのです。

これらの裏付けとして、夏の時期は、冬などの乾燥する時期に比べ、肌状態(水分・弾力など)が非常に良いです。ですから、化粧品開発において、開発品(新商品)を使うことで、肌の水分量や弾力がどのように改善された、という『有効性試験』を実施するケースがありますが、夏場の試験は避けます。

夏場は肌状態が最高に良いですから、有効性試験を実施しても、良い結果が得られないからです。

夏場の肌状態が良い原因の一つに、『皮膚常在菌』が関係しているでしょう。

夏場は、汗や皮脂が多い季節ですから、汗や皮脂を好む『表皮ブドウ球菌』の働きが活発になり、肌状態が改善されると考えられます。

 

3.菌コスメ(整菌コスメ)の特長

 菌コスメ(整菌コスメ)とは、肌フローラのバランスを改善するコスメであり、肌フローラのバランスを改善すると、何故、お肌に良いかをご説明しました。

実際の菌コスメには、美肌菌である『表皮ブドウ球菌』が配合されているわけではありません。「表皮ブドウ球菌」が好んで食べ、「表皮ブドウ球菌」を育てる成分が配合されているのが、実際の菌コスメです。

有名な成分に『α-グルカンオリゴサッカリド』があります。

これは、ショ糖(砂糖の主成分)と麦芽糖(水飴の主成分)の2つの糖から酵素を利用して生み出された『オリゴ糖』で、「オリゴ糖」は表皮ブドウ球菌が好んで食べる成分であり、表皮ブドウ球菌を育てる効果がありますから、これを配合したコスメには肌フローラを改善する効果が期待できます。

また、ヒト由来乳酸菌の1種である『エンテロコッカスフェカリス』という成分にも、表皮ブドウ球菌を育て、肌フローラバランスを改善する効果が確認されています。

コスメの世界ではよく、「肌本来が持つチカラを高める」とか「肌本来の能力を高める」とか言われますが、『菌コスメ』こそ、『肌本来の能力を高めるコスメ』だと思います。

何故なら、もともと菌は皮膚上に存在しますし、人工的なチカラで肌を健やかに保とうとしている訳でなく、『皮膚常在菌』という、当たり前のように存在している菌のチカラを借りて、健やかな肌に導こうという考え方ですから、「肌本来の能力を高める」・「肌本来が持つチカラを高める」という表現がふさわしいのではないでしょうか?

個人的には、コスメとは「肌本来のチカラ」という『自活力を引き出すモノ』と考えていますから、この考えにふさわしい『菌コスメ』は好きです。

しかし実際は、まだ、有力メーカーが商品発売していない領域なので、ユーザー支持を得て、市場拡大していくには時間がかかりそうですが、『腸内フローラ』『腸内環境』がかなり取り上げられていますから、いずれ菌コスメのブームは来ると思います。

次項では、化粧品開発者の私がおすすめする『菌コスメ(整菌コスメ)』をご紹介します。

 

4.プロが選ぶおすすめ「菌コスメ」

・ヤクルト「イキテル ローション」

一番におすすめする「菌コスメ」は、ヤクルトの『イキテル ローション』です。

『イキテル ローション』には『乳酸菌』が配合されています。

菌と言えば乳酸菌、乳酸菌と言えば『ヤクルト』ですから、ヤクルトは菌コスメの代表格で、菌コスメのリーディングカンパニーと言えるでしょう。

ヤクルトは、「乳酸菌のチカラを、素肌のチカラに」をスローガンに、化粧品の研究開発を続けてきました。その歴史は古く、1955年、スキンケアのための乳酸菌培養液「乳酸菌発酵エキス(保湿成分)」を開発しています。

その後も、乳酸菌由来の「高分子ヒアルロン酸(保湿成分)」などのオリジナル成分を開発しており、自社の強みである『乳酸菌に特化』した戦略です。

大手化粧品メーカーであっても、『菌』という領域では、『乳酸菌』を有するヤクルトには敵わないでしょう。

それだけ、菌コスメの領域でヤクルトの技術力は圧倒的です。

一方で、菌コスメの難しいところは、商品への『表記』です。「肌フローラバランスの改善」は、コスメの効果の範疇ではないので、「肌フローラバランス改善コスメ」とは宣伝(表記)出来ません。

また、「肌フローラバランス改善効果のある成分」というのは、ホームページやカタログではギリギリOK(グレー)ですが、商品周りでは、肌フローラの「フ」の字も書くことは出来ず、効果は『保湿』になります。

ですから、先ほどご説明した、肌フローラバランスの改善効果が期待できる『α-グルカンオリゴサッカリド』『エンテロコッカスフェカリス』を配合しても、『保湿』としか言うことは出来ません。

『イキテル ローション』の商品ページを見ても、配合されている『乳酸菌』に期待できる効果は「保湿」であって、どこにも「肌フローラ(皮膚常在菌)」という表現は出てきません。

これは、「肌フローラバランスを改善する効果がない」からではなく、ヤクルトが表現のルールを真面目に守っているからだと推測します。

商品周りではない、ホームページやカタログなどにおいて、化粧品の効果効能範囲を超えるような表現が多々見られます。これは、全くのNGではなく、グレーな領域であり、各化粧品会社によって判断が分かれます。

「グレーでもしっかり対応すべき」という考え方は素晴らしいですが、『他社との競争』という点において、あまりにも過剰に対応すべきではないとも思います。

一番注意すべきは、その広告内容によって、ユーザーが不利益を被ることはないか、ということであり、商品ページであれば、その効果が認められたことを前提に(エビデンスがあれば)、肌フローラに関する表記があっても良いと個人的には思います。

『乳酸菌』ですから、腸内の働きを見る限り、肌においても「肌フローラバランスの改善」は期待出来ると思いますし、万一、期待出来なくても、『乳酸菌の肌への効果』は確かなものです。

「ヤクルトがまだ瓶で売られていた時代、回収された瓶を洗っていると、手が荒れやすい水仕事なのに、肌がすべすべしていた」という、商品ページにも紹介されている有名な話があります。

これがヤクルトにおける乳酸菌の化粧品展開の原点であり、『イキテル ローション』につながっています。

ヤクルトには、他にも乳酸菌配合コスメはありますが、化粧水1品であれば、置き換えて使いやすいと思いますし、お手頃価格でお試しいただけるので、菌コスメにご興味があれば、『イキテル ローション』を一番におすすめします。

菌のチカラは絶大です。

 

・「ヒューマンフローラ」 

整菌コスメと聞いて、真っ先に名前があがるのが『ヒューマンフローラ』です。

それもそのはず、先ほどの「ヤクルト」とは対照的で、『整菌』『美肌菌』『善玉菌』という表現が、至る所に並んでいます。

こちらの商品には、先ほどご説明した、「α-グルカンオリゴサッカリド」や「エンテロコッカスフェカリス」などの、「整菌」のための成分が配合されていません。

「成分の配合の仕方にこだわりがあるから」らしいですが、これは、化粧品開発者である私が一番嫌いな表現で、「こだわり」だけでは効果は得られず、そこには「こだわり」ではなく『技術』『エビデンス』が必要不可欠です。

ですから、怪しいコスメだなと一瞬思いましたが、徳島大学の先生が「ヒューマンフローラと肌の菌バランス」について『学会発表』されたようですし、『NHKあさイチ』でも紹介されたみたいです。

テレビ局は、自分たちの信頼性にも関わってきますから、怪しいコスメは紹介しません。ましてNHKですから、信頼性は高いです。

コスメにおける『菌』の領域では「ヤクルト」の優位は変わりませんが、「ヒューマンフローラ」の『エビデンス』『信頼性』は高く評価出来ます。

価格の高さが気になりますが、今ならお試しセットがお手頃価格で手に入りますから、興味がある方は是非お試しください。

 

5.おわりに

いかがでしょうか?

『菌コスメ』自体、まだ、それほど数は多くないので、今後の展開に期待ですが、『乳酸菌のヤクルト』の存在が大きく、大手化粧品会社であってもなかなか参入出来ないかもしれません。

「腸内環境」・「腸内フローラ」が、これだけ普及しましたから、「肌フローラ」に着目した『菌コスメ』のブームがくるのではないでしょうか?



※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません