コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の研究開発を行ってきました。その知識と経験を活かし、皆様に、『コスメの真実』をお伝えします。普段のお化粧に、是非参考にしてください!

プロが考える本物のナチュラル・オーガニックコスメブランドは?

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このブログでも再三申し上げていますが、ナチュラルコスメ・オーガニックコスメには、「何をもってナチュラル・オーガニックか?」という『統一基準』がなく、化粧品会社の『自社基準』で運用されています。

長年このような状況が続いていましたが、この度、日本化粧品工業連合会(JCIA, 日本の化粧品業界団体)が、ナチュラルコスメ・オーガニックコスメの基準を国際レベルで統一しようと、『新基準(統一基準)』の策定に動き出しました。

私も早速記事にしました。

<ナチュラルコスメ・オーガニックコスメの新基準>
【最新版】 ナチュラルコスメ・オーガニックコスメの新基準!こう変わる!! - コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

記事でも述べていますが、この新基準が浸透するかどうかは分かりませんし、仮に浸透したとしても、まだまだ時間がかかります。

そこで今回は、化粧品開発者の私が考える、今現在の運用の元での『本物のナチュラル・オーガニックコスメブランド』をご紹介します。

 

1.認証コスメはおすすめ?

ナチュラルコスメ・オーガニックコスメ・おすすめ・認証コスメ

ナチュラルコスメ・オーガニックコスメの中に、『認証コスメ』があります。

認証団体が、コスメに対し「オーガニックである!」と認めるモノで、この認証団体は化粧品会社ではない第三者(第三機関)ですから、『説得力』はあります。

今現在の運用の元では、この認証コスメを「本物のナチュラル・オーガニックコスメ」と考える方も多いでしょう。

私自身もこの考えに近いですが、「認証コスメ」に対し、『2つ』の疑問点を持っています。

 

【疑問点①】100%ナチュラル・オーガニック原料ではない

まず1つ目の疑問点は『100%ナチュラル・オーガニック原料ではない』という事。

ユーザー視点で考えた場合、ナチュラルコスメ・オーガニックコスメと言うと、コスメに配合の原料の全てがナチュラル・オーガニック原料という認識ではないでしょうか?

でも実際は、認証コスメでは、少量ではありますが『合成原料』の使用が認められています。

世の中には、大部分が合成原料なのに、ごく少量のナチュラル・オーガニック原料を配合しているという理由で、ナチュラル・オーガニックコスメと宣伝している怪しいコスメが多数ありますから、これらに比べれば、認証コスメの配合基準は厳格で素晴らしいです。

また、100%をナチュラル・オーガニック原料で構成したコスメは、使用感が劣ります。毎日使うことで効果を発揮するコスメにとって、毎日使って頂くための『快適な使用感』は必須要素ですから、これらを考慮して、少量の合成原料を認めているのでしょう。

しかし、『ユーザー視点』でナチュラル・オーガニックコスメを考えた場合、全てがナチュラル・オーガニック原料で構成される必要があると思いますし、何より、ある一定以上のナチュラル・オーガニック原料の配合率であれば、それらに違いを見出すことは困難です。

例えば、「ナチュラル・オーガニック原料96%、合成原料4%」と「ナチュラル・オーガニック原料90%、合成原料10%」で、何か違いがあるでしょうか?

でも実際は、前者の『96%』であれば、認証コスメになりますし、後者の『90%』では認証コスメにはなりません。

私自身、「96%」と「90%」に、『ナチュラル・オーガニックコスメとしての違い』があるとは思えません。

確かに、認証コスメの基準は厳しいです。化粧品開発者として、この基準をクリアしてコスメを作り上げることは、並大抵のことではありません。

しかし、一番重要なことは、世の中のユーザーがナチュラル・オーガニックコスメと聞いて、「何を思うのか?」「何を期待するのか?」ということであって、いくら第三者が認証するといっても、少量の合成原料を許可している時点で、『ユーザー視点が欠けている』と思います。

 

【疑問点②】コストがかかる

これは、ユーザーにはあまり知られていない事実だと思いますが、認証コスメの取得には、かなりの費用がかかります。

認証コスメで一番有名な『エコサート認証』を例にとると、認証には『原料』『コスメ』の2つがあります。

「原料」というのは、エコサートが認めたモノで、通称『エコサート認証原料』と言われています。原料メーカーのパンフレットには、様々な種類の原料が記載されていて、一つ一つに詳細な特長が記載されていますが、『エコサート認証かどうか』も記載されるほど、今では日本の化粧品業界に、エコサート認証は浸透しています。

「コスメ」とはその名の通り、コスメ自身のことで、エコサートが定める配合基準を満たしたコスメ『エコサート認証コスメ』になります。

ここで重要なことは、いくら「エコサート認証原料」を配合しても、コスメとしてエコサート認証を取得しない限り、商品周りの一切に、「エコサート認証原料配合」と記載することは出来ないという点です。

ここからが2つ目の疑問点ですが、コスメとしてエコサート認証(エコサート認証コスメ)を得るには、『多大なコスト』がかかります。

何故なら、「エコサート認証コスメ」には、『製造環境の基準』も存在し、エコサートが定める製造環境を満たさなければ、いくら配合基準を満たしたとしても、「エコサート認証コスメ」とはなりません。

また、しっかり守られているかを確認するため、定期的な『監査』もあります。

エコサートが定める製造環境にするための『イニシャルコスト』、監査に備えるため、その環境を維持していくための『ランニングコスト』と、第三機関と言いながら、「エコサート認証コスメ」を実現するにはかなりのコストが必要です。

日本で認証コスメが注目され始めたのが、2010年頃からだと記憶しています。

当時はかなりブームで、コスメの展示会に行っても、『認証原料』ばかりでした。あれから8年近く経ちましたが、確かに、認証コスメ市場は伸びていますが、あの頃のブームからしたら、期待以上の伸びではありません。

私の見解ではありますが、認証コスメ市場が期待以上の伸びを見せていないのは、大手化粧品メーカーが参入しなかったことが一番の理由でしょう。

大手化粧品メーカーは、これまで、『合成原料』を主にコスメ開発・製造を行ってきました。この流れに今も変わりはありませんが、合成原料を主にコスメ製造をしてきたメーカーが、エコサートが定める製造環境にするには、かなりの『コスト』『労力』が必要です。

しかも、合成原料を主にしたコスメも並行して製造し続けるわけですから、その製造環境を維持していくのも大変なことです。

これだけのことをしても、エコサート認証コスメにする『メリット』があまりないと考え、大手化粧品メーカーが参入を控えた結果、そこまでの伸び(市場拡大)が無かったと私は考えています。

何をするにしてもコストがかかるのは仕方ありません。しかし、このコストは、そのままコスメの販売価格に反映されますから、最終的にはユーザーの負担になります。

もともと認証コスメができた背景には、ユーザーのことを考えて、『ユーザーのため』という理念があったはずなのに、イニシャルコスト・ランニングコストがかかり、それが販売価格に反映される現実に、私は疑問を持っています。

 

2.本物のナチュラル・オーガニックコスメとは?

『ユーザー視点』で考えた場合、ナチュラル・オーガニックコスメは、『全ての配合原料』がナチュラル・オーガニックで構成されるべきです。

例え少量であっても合成原料が配合された時点で、ナチュラル・オーガニックコスメとして扱うのは、化粧品メーカー・認証機関側の都合であって、そこには『ユーザー視点』という最も重要な要素が欠けていると思います。

しかし一方で、100%の配合原料をナチュラル・オーガニックにすると、使用感が大きく劣ります。コスメは長く使って頂くモノですから、そのためには『快適な使用感』は必須要素です。

そもそも、ナチュラル・オーガニックコスメには、「肌に優しい(低刺激)」とか「安全」という『イメージ』がありますが、これはあくまで「イメージ」であって『科学的根拠』はありません。

よく例に挙がるのは、『漆(うるし)』はナチュラルなものですが、かぶれますから、決して肌にとって優しいモノではありません。

ですから私は、化粧品開発者として、科学的根拠がない『イメージ先行型』のナチュラル・オーガニックコスメにはやや否定的ですし、配合原料の全てをナチュラル・オーガニック原料で構成するコスメには反対です。

イメージだけで科学的根拠が全くないのに、何故、無理やり100%のナチュラル・オーガニック原料にして、コスメにとって重要な『使用感』を犠牲にする必要があるのでしょうか?

ただし世の中には、ご自身の信念で、「合成のモノは使いたくない!」「肌に塗るモノはナチュラル・オーガニックがいい」と考える方はいらっしゃいます。

このような方にとっては、ナチュラル・オーガニックコスメは必要な存在であり、このような場合に限り、私はナチュラル・オーガニックコスメを支持します。

「ご自身の信念」ということは、『ユーザー自身』がナチュラル・オーガニックコスメを判断する必要があると私は考えます。

そのためには、化粧品メーカーが、自社のナチュラル・オーガニックに対する基準を定め、それを分かりやすい形でユーザーに公開する必要があります。

そして、この基準に対し『ユーザー自身』が、共感できるかを判断し、共感できる場合に限り、そのコスメを使用すればいいのではないでしょうか?

今現在、ご自身がお使いのナチュラル・オーガニックコスメが、実は、「自身の考えるナチュラル・オーガニックとは全くの別物」という事態だけは避けるべきです。

ですから、私が考える本物のナチュラル・オーガニックコスメブランドは、ユーザーに対して、自社のナチュラル・オーガニックに対する考えを『公開・発信』している事が大前提であって、それに該当するのが『HANA オーガニック』『THREE』です。

 

3.本物のナチュラル・オーガニックコスメ

3-1.HANA オーガニック

『HANA オーガニック』は、ホームページで、コンセプトを詳しく発信しています。ちょっと字が多く、やや読みにくいですが、私はそのコンセプトに共感しています。

また、特筆すべきは、コスメに配合原料の全ての『由来』『原産国』を公開している点です。

ここまで公開するメーカーはなかなかありません。

さすが、『国産オーガニックコスメNO.1』(通販部門)の実力です。

配合原料のナチュラル・オーガニックに対する『考え方』『情報公開』、いずれも高く評価できる、数少ない『本物のナチュラル・オーガニックコスメ』です。

HANA オーガニックが発信している情報をもとに、『共感』できるかは、ユーザーの皆様がご判断ください。

 

3-2.THREE

『THREE』は、ポーラ・オルビスグループの、ナチュラル・オーガニックブランドです。

ポーラ研究所が研究母体ですから、『品質の高さ』に疑いの余地はありません。

「THREE」は、ホームページで、ナチュラル・オーガニックに対する考えを発信し、『天然由来成分〇〇%』という独自の表記を採用しています。

これは、「THREE」が考える『天然由来の成分』を、処方上『何%』配合しているかを表しており、ナチュラル・オーガニックを判断する重要な指標になります。

「HANA オーガニック」と比べると、やや「天然由来の成分」に対する自社基準が緩い傾向にありますが、これは『使用感』『アイテム』を重視した結果でしょう。

「THREE」であれば、『バランシング クレンジング オイル』がおすすめです。

これまでのポーラ研究所の、「合成成分」で培った『処方化技術』と「天然由来成分」という『素材の力』が融合された、見事な一品です。

 

4.おわりに

いかがでしょうか?

ナチュラル・オーガニックコスメで一番重要なことは、ユーザーの皆様が、化粧品メーカーが発信する考え方に『共感』できるかどうかです。

私は、『HANA オーガニック』『THREE』の考え方に共感を覚えましたから、おすすめブランドとして紹介させて頂きましたが、人によっては「共感できない」と考える方もいらっしゃると思います。

メーカーが発信する「ナチュラル・オーガニックに対する考え方」をしっかり確認して、『共感できるコスメ』をお選びください。




※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません