コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の研究開発を行ってきました。その知識と経験を活かし、皆様に、『コスメの真実』をお伝えします。普段のお化粧に、是非参考にしてください!

何故、「トラネキサム酸」は安全・安心な成分なのか?化粧品開発者が考えるその理由とは?

f:id:cosmedein:20161127113251p:plain

『トラネキサム酸』は、美白、および肌荒れの『有効成分』として、医薬部外品に配合されています。

昨今、『美白剤の安全性(肌トラブル)』に不安を感じている人も多いと思いますが、その中でも「トラネキサム酸」は、比較的安全・安心な美白剤の一つとして挙げられます。

何故、「トラネキサム酸」は安全・安心な成分なのか?

私見ではありますが、化粧品開発者の私がご説明します。

 

1.美白剤は怖い?危険?

トラネキサム酸・安全・安心

「美白剤は怖い?危険?」と考えられるようになったのは、やはり『カネボウ 白斑問題』がきっかけではないでしょうか?

カネボウが開発した独自の美白有効成分『ロドデノール』配合の美白化粧品(医薬部外品)に、皮膚が白くまだら模様になる『白斑』の症状が確認されました。

これが、化粧品業界に大きな衝撃を与えた『カネボウ 白斑問題』です。

カネボウ白斑問題では、最初の白斑被害発覚から、商品回収までに『1年半』もかかってしまいました。

最初の被害報告は、2011年10月。そして、商品の自社回収が2013年7月。これほど長い間、いわば、『放置』していたわけですから、被害の拡大を招いてしまいました。

2017年11月30日時点で、白斑様症状を発症された人が「19,588 人」。そのうち、カネボウと和解された人が「17,716 人」。いまだ対応中の人が『1,872 人』

被害の大きさが良くお分かりになると思います。

この白斑問題以降、「美白剤」・「(美白の)医薬部外品」に対し、「怖い?危険?」との風潮が強まりました。実際、白斑問題直後は、化粧品メーカーからの医薬部外品の発売延期・中止がかなりあったと聞きます。

白斑の原因物質「ロドデノール」は、チロシナーゼの活性を抑制する『美白剤(美白の有効成分)』ですが、美白剤(美白の有効成分)には様々な物質があります。『トラネキサム酸』もその一つです。

「トラネキサム酸」は、比較的安全・安心な成分として認識されていますが(少なくとも私はそのように考えています)、何故、安全・安心な成分なのか?

その理由を、化粧品開発者の私が解説します。その前に、「トラネキサム酸」がどんな成分なのかをご説明します。

 

2.トラネキサム酸とは?

トラネキサム酸は、『第一三共』が開発した成分で、古くから医薬品に用いられてきました。2005年資生堂によって、「トラネキサム酸」は医薬部外品の『美白有効成分』として厚生労働省から認可され、今では、医薬部外品にも広く用いられています。

美白には様々なメカニズムがあります。「ロドデノール」の『チロシナーゼ活性抑制』が最も一般的な美白メカニズムですが、トラネキサム酸のメカニズムは違います。

紫外線を浴びると、メラノサイトへ「メラニンを作りなさい!」という情報(シグナル)が伝達されます。これが『しみ情報』です。

この『しみ情報』を受け取ると、メラノサイトはしみの元である『メラニン』を作り始めますが、「トラネキサム酸」は、「しみ情報」の中のプロスタグランジンなどをブロックすることでメラニンの生成を抑制します。

つまり、「トラネキサム酸」の美白メカニズムは、「チロシナーゼ活性抑制」ではなく、『メラノサイトへのシグナル遮断』です。

また、肌内部では、紫外線や摩擦・乾燥などの、日常生活で生じる刺激によって、微弱な『炎症』が慢性的に起こっています。

その時に発生する物質が、トリプターゼやサイトカインといわれる『炎症性物質』で、長期にわたってこれらの影響を受けると、ターンオーバーの乱れ・メラニンの産生促進・コラーゲンの破壊など、様々な肌トラブルが起こり、放置し続けると、「シミ」・「ハリの低下」・「くすみ」・「乾燥」などを引き起こします。

「トラネキサム酸」には、炎症性物質(トリプターゼ)をブロックする効果もあり、炎症による肌あれに対し有効ですから、『肌あれの有効成分』としても認められています。

このように「トラネキサム酸」は、『美白』『肌あれ』の有効成分であり、2つの肌悩みに対し効果が期待できる、大変優れた成分です。

ただし、「美白」もしくは「肌あれ」の有効成分とするためには、『規定量の配合』が義務付けられています。この規定量を配合しないと、「美白」もしくは「肌あれ」の効果は期待できません。これを逆手にとって、ユーザーにとってあまり好ましくない宣伝をするメーカーが存在しますからご注意ください。詳細は以下記事をご覧ください。

<トラネキサム酸は美白の有効成分?>
【コスメの誤解】 話題の成分、トラネキサム酸を「美白の有効成分」と勘違いしていませんか? - コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

 

3.何故、トラネキサム酸は安全・安心な成分か?

トラネキサム酸が安全・安心な成分と考えられているのには、『2つ』の大きな理由があります。 

3-1.美白メカニズムが異なる

「ロドデノール」は、酸化酵素であるチロシナーゼの活性を抑制することで美白効果を発揮します。しかし一方で、ロドデノールがチロシナーゼの基質となり、その結果生じたキノン体がメラノサイトに対して細胞毒性を示したことが白斑の原因とも考えられていますし、ロドデノールのチロシナーゼ活性抑制が、選択的で非常に強いことも原因の一つとして挙げられます。

ですから、美白の有効成分(美白剤)の安全性に配慮するのであれば、「チロシナーゼ活性抑制だけ」ではなく、メラニン生成の各過程に作用する成分の選択・組み合わせによって、段階的にメラニン生成を抑制することが有効と考えられます。

Fragrance Journal, 42(12), 26-30(2014)

「トラネキサム酸」の美白メカニズムは、「チロシナーゼ活性抑制」ではなく、「しみ情報」の中のプロスタグランジンなどをブロックする『メラノサイトへのシグナル遮断』ですから、「ロドデノール」のような白斑症状が起こるとは考えにくいです。

「メラノサイトへのシグナル遮断」という『美白メカニズム』が、「トラネキサム酸」を安全・安心な成分と考える一つ目の理由です。

 

3-2.十分な市場実績

カネボウ白斑問題の「ロドデノール」は、カネボウ独自の成分であり、カネボウの商品しか配合されていません。カネボウの商品しか配合されていませんから、「ロドデノール」の『市場実績は低い』と言えます(配合商品が少ない)。

市場実績が低い成分、もしくは市場実績がない成分は、いくら研究開発段階で様々な確認をしても、市場に出し(世に売り出し)、多くのユーザーが使った場合、『想定外のトラブル』が起きる可能性があります。

市場実績というのは、長い間多くのユーザーに、重篤な肌トラブルなく安全・安心にお使い頂いた結果ですから、『市場実績がある成分』は安心できます。

化粧品開発者は、美白成分に限らず、原料メーカーから原料(成分)の紹介があった際は、上記に示した理由で、市場実績(コスメとしての販売実績)を確認します。

ですから『市場実績』は、成分の安全性(肌刺激性)を議論するうえで非常に重要なのです。

「トラネキサム酸」の市場実績はどうでしょうか?

「トラネキサム酸」は古くから『医薬品』に用いられてきた成分です。『実績は十分』ですし、『様々な知見』も蓄積されているはずです。

さらに、「トラネキサム酸」を開発したのが『第一三共』、医薬部外品の承認を得たのが『資生堂』と、それぞれ、「製薬」・「化粧品」の分野で超一流を誇り、その会社が実績を作ってきましたから、これ以上の安心材料はありません。

『豊富な市場実績』と、その実績を作った『会社の信頼度』が、「トラネキサム酸」を安全・安心な成分と考える二つ目の理由です。

 

4.おわりに(注意点)

いかがでしょうか?

トラネキサム酸の『美白メカニズム』『豊富な市場実績』、そしてその実績を作ってきた「第一三共」と「資生堂」の『信頼度』が、トラネキサム酸が安全・安心な成分と考えられる理由です。

トラネキサム酸配合コスメであれば、「第一三共ヘルスケア」と「資生堂」です。この2社以外を選ぶ理由が見当たりません

おすすめは、トラネキサム酸を開発した『第一三共』。第一三共が開発したトラネキサム酸配合コスメ(医薬部外品)が『ブライトエイジ』です。

『ブライトエイジ』は、私自身のおすすめNO.1の『製薬会社コスメ』です。記事と合わせてご確認ください。


<製薬会社コスメランキング第一位:ブライトエイジ>

おすすめの製薬会社コスメは? 製薬会社コスメランキング! - コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

<ブライトエイジ ~処方面~>
製薬会社コスメ「ブライトエイジ(第一三共ヘルスケア)」をおすすめする理由 ~処方面~ - コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

<ブライトエイジ ~効果面~>
製薬会社コスメ「ブライトエイジ(第一三共ヘルスケア)」をおすすめする理由 ~効果面~ - コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

<ブライトエイジ ~安全性面~>
製薬会社コスメ「ブライトエイジ(第一三共ヘルスケア)」をおすすめする理由 ~安全性面~ - コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

 

化粧品開発者として、伝えないといけないことがあります。医薬部外品を含むコスメは、『安全であること』が大前提ですし、トラネキサム酸も、記事のとおり、比較的『安全・安心な成分』です。

しかし、安全性に絶対はあり得ません。人によっては何かしらの肌トラブルにつながる恐れはありますし、お肌に合わない人だっていらっしゃいます。

ですから、トラネキサム酸配合コスメに限らず、コスメ使用中に、何かしらの違和感や刺激を感じた際は、直ちに使用をやめ、メーカーの指示に従うようにしてください。



※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません