コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

【コスメの誤解】育毛剤に配合されている成分に育毛効果はありません!

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「育毛剤に配合されている成分に育毛効果なし」

これは『真実』です。

ただし、詳しく言うと、育毛剤において、ほとんどの場合『メーカーが強くアピールする成分に、育毛効果はない』というのが正解です。

育毛剤なのに育毛効果が無いというのはどういうこと?とお思いかもしれませんが、これが育毛剤において、多くのユーザーが勘違いしている点です。

今回は、『育毛剤の勘違い・誤解』について、化粧品開発者の私が詳しくご説明します。

 

1.医薬部外品と化粧品

「医薬部外品」と「化粧品」の違いはご存知でしょうか?

この違いを説明するには、「医薬品」を含めてご説明した方がいいかもしれません。

「医薬品」は、何かしらの症状に対して、『治す(治療)』『改善する』ことを目的に用いられます。ですから、『効果』を得られる代償として、『副作用』が認められていますから、『安全性』という側面からは決して高いというわけではありません。

「医薬品」は、『効果>安全性』です。

一方「化粧品」は、『肌を健やかに保つ』ために用いられるモノであり、『効果が穏やかで、安全であること』が大前提です。

「医薬品」のように、効果の代償としての副作用は絶対に認められておりません。

「化粧品」は、『効果<<安全性』です。

「医薬部外品」は、「医薬品」と「化粧品」の間に位置します。「医薬品」のように、「治す・改善する」ことは出来ませんが、ある症状に対して『予防する』のために用いられます。

美白(医薬部外品)であれば、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぎます。

「医薬部外品」は『予防』を目的としており、「医薬品」レベルの効果は得られませんが、「化粧品」に比べれば、症状に対する『効果』は期待出来ます。

安全性重視に対する姿勢は「化粧品」同等であり、『効果<安全性』が「医薬部外品」です。

・医薬品 ⇒ 『効果>安全性』

・医薬部外品 ⇒ 『効果<安全性』

・化粧品 ⇒ 『効果<<安全性』

「化粧品」以上に『効果』が期待できる「医薬部外品」ですが、「医薬部外品」とするためには、国が効果と安全性を認めた成分を、決められた量、配合しなければなりません

この成分を『有効成分』と言います。我々、化粧品開発の現場では『主剤』と言ったりもしますが、一般ユーザーにとっては『有効成分』の方が馴染みがあると思います。

「医薬部外品」には必ず『有効成分』が配合されており、この『有効成分』が、今回の記事の大変重要なキーワードになります。

 

2.「有効成分」と「その他の成分」

育毛剤・リアップ・効果ある・効果ない

有効成分 : グリチルリチン酸ジカリウム、プラセンタエキス(1)

その他の全成分 : 精製水、1.3-ブチレングリコール、濃グリセリン、プロピレングリコール、1.2-ペンタンジオール、水溶性コラーゲン液、シコンエキス、サクラ葉抽出液、ヒアルロン酸ナトリウム(2)、アルニカエキス、シナノキエキス、スギナエキス、オトギリソウエキス、セージエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ゼニアオイエキス、カモミラエキス(1)、トウキンセンカエキス、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、カリボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体、水酸化カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、エタノール、青色1号、赤色106号、香料

これは、ある「医薬部外品」の『全成分表示』です。

全成分表示について少し補足すると、「化粧品」に全成分表示は義務付けられていますが、「医薬部外品」に関しては、全成分表示の必要はありません(指定成分の表示は必要)。

しかし、化粧品業界団体は、「医薬部外品」においても全成分表示を推奨しており、大部分の化粧品メーカーは、業界団体の指示に従って、「医薬部外品」にも全成分表示をしています。

中には全成分表示をしていない「医薬部外品」も存在します(違法ではありません)。

「医薬部外品」に全成分表示をしないメーカーとしては『DHC』が有名です。

話しを元に戻しますが、『育毛剤』と名がつくものは全て『医薬部外品』です。『育毛』という表現が「化粧品」には認められておらず、「医薬部外品」でしか使うことが出来ません。

ですから、世の「育毛剤」の多くが、先に示したような表示方法をしています。ご覧の通り、「医薬部外品」の全成分表示は、『有効成分』『その他の成分』に分けられています。

『有効成分』とは、前項でご説明した通り、国(厚生労働省)が『効果』『安全性』を認めた成分です。「育毛剤」の場合、国が『育毛効果』を認めた成分こそが『有効成分』なのです。

「美白」の場合、「アルブチン」や「ビタミンC誘導体」などが『有効成分』となり、この場合、『美白の有効成分』と言ったりもします。

「育毛剤」の場合は、『育毛の有効成分』となり、「センブリエキス」や「ニンジンエキス」などが該当します。

一方、『その他の成分』とは、『有効成分以外の成分』ということになり、これはつまり、その他の成分には育毛効果が認められていないということです。

今回の記事で一番重要なことが、まさにこれです。

育毛剤に配合されている「その他の成分」に対しては、国は育毛効果を認めていません!

『有効成分』・・・国(厚生労働省)から育毛効果が認められた成分

『その他の成分』・・・国(厚生労働省)から育毛効果が認められていない成分

この、「有効成分とその他の成分の違い」が、育毛剤(医薬部外品)にとっての『真実』であり、メーカーがあまり伝えようとしない事実です。

 

3.「その他の成分」に育毛効果を期待してはいけません!

『有効成分』は、国から「育毛効果」が認められている成分ですが、医薬部外品の有効成分となるためには、『規定の量』を配合しなければなりません。

つまり、育毛剤に配合されている有効成分は、国から育毛効果が認められている成分であり、且つ、育毛効果が期待できる十分な量が配合されているということです。

一方『その他の成分』には、育毛効果は認められておらず(国から)、保湿効果しか期待出来ません。仮に、育毛効果がある成分であっても、「その他の成分」である以上、育毛効果が期待できる十分な量が配合されているとは限りません

むしろ、非常に少量の配合のため、「その他の成分」に育毛効果を期待すべきでないと私は思います。

有名な育毛剤を例に挙げてみましょう。

 

3-1.柑気楼(かんきろう)

女優のかたせ梨乃さんでお馴染み『柑気楼』。積極的な宣伝戦略が功を奏し、今や大人気の育毛剤に成長しました。

「柑気楼」と言えば、「柑」の文字が示すように、『柑橘類』の成分にこだわっており、「青みかんエキス」・「だいだいエキス」・「青ゆずエキス」といった『3種の柑橘成分』を大々的に宣伝しています。

『8種のビタミン』も大きく宣伝していますね。

しかし、「柑気楼」の「有効成分」(=育毛効果が認められた成分)は、『グリチルリチン酸ジカリウム』『センブリエキス』『ニンジンエキス』の3種です。

大きく宣伝し、商品名からも連想される「3種の柑橘成分」や「8種のビタミン」には、育毛効果は認められていません。期待出来るのは『保湿効果だけ』です。

育毛効果がありそうと見せているだけの『演出』にすぎません。

勿論、育毛剤(医薬部外品)ですから、3種の有効成分に育毛効果は期待出来ます。

しかし、何度も言うようですが、大きく宣伝し、商品名からも連想される「3種の柑橘成分」や「8種のビタミン」は、『その他の成分』ですから、育毛効果は認められていませんし、期待も出来ません

 

3-2.ポリピュアEX

ネット広告やラジオCMでよく目にする機会が増えてきた『ポリピュアEX』

「モンドセレクション受賞」とか「世界各国で特許として認められた薬用育毛剤」とか、数々の魅力的な言葉が並んでいます。

これは事実でしょうか?

「モンドセレクション受賞」は事実ですが、私自身、コスメにとって、モンドセレクション受賞は関係ないと考えていますから割愛します。

「世界各国で特許として認められた薬用育毛剤」については、事実ですが、育毛効果とは全くの無関係です。ご注意ください。

「ポリピュアEX」には、『バイオポリリン酸』という、世界が注目している?成分が配合されています。この成分、専門研究員の17年以上の研究から生まれた、すごい成分らしいです。

ラジオCMでも、「バイオポリリン酸」のすごさを永遠と語っています。

でも、「バイオポリリン酸」、『その他の成分』ですよ。国から育毛効果を認められていませんよ。この事実を、一体どれだけのユーザーが知ってるのでしょうか?

どれだけすごい成分か知りませんが、17年以上の歳月もかけているのであれば、育毛の有効成分として、国に申請すべきです。そうすれば堂々と育毛効果を宣伝出来ますし、それであればすごい成分だと認めます。

「バイオポリリン酸」は有効成分でありませんから、育毛効果があると一切言うことは出来ません。ですから、「ポリピュアEX」の販売ページなどを見ても、「バイオポリリン酸=育毛成分」とは一切書いていません。巧みにかわしています。

小さく「バイオポリリン酸=保湿成分」と書いています。

当然です。「バイオポリリン酸」は有効成分ではなく、『その他の成分』ですから。

にもかかわらず、いかにも「バイオポリリン酸」に育毛効果があるように見せかけているラジオCM、販売ページは、『優良誤認』と言っても過言ではなく、真剣に薄毛に悩むユーザーに対して大変失礼です。

いいかげん、自社の利潤を最優先し、悩むユーザーを置き去りにする、このような宣伝戦略はやめてもらいたいですね。

 

4.おわりに

いかがでしょうか?

題名にある「育毛剤に配合されている成分に育毛効果は無い!」と言うのは、極論です。

『柑気楼』の柑橘成分や、『ポリピュアEX』のバイオポリリン酸のように、育毛剤において、大々的に宣伝する成分のほとんどが『その他の成分』であり、育毛効果が認められていないのに、あたかも育毛効果があると見せかけているだけということを、この記事を通して皆様に知って頂きたかったというのが真意です。

一部メーカーの誇大広告に騙されず、正しい知識で、最適な育毛剤をお選びください。

後日、別の記事で、おすすめの育毛剤を詳しくご紹介します。

▼ おすすめ育毛剤(男性)

ヘアリプロ

▼ おすすめ育毛剤(女性)

 

 

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません