コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。数十年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

【コスメの誤解】 「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」は間違いです!

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世にあるコスメの情報の中には、いかにも正しそうですが、実は間違っている、『誤解』というものがたくさん存在します。

何故このような『誤解』というべき情報が存在するかというと、「あまりにも多くの情報があるがゆえの、(間違い)情報の混在」そして、「化粧品メーカーのイメージ戦略」が考えられます。

※これに関しては、後ほど詳しくご説明します

「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」というのも、代表的な『コスメの誤解』です。

今回は、この『誤解』に対し、『正しい情報』をお伝えします。

 

1.合成系・石油系界面活性剤はお肌に悪くありません!

合成系界面活性剤・石油系界面活性剤・肌に悪い

合成系界面活性剤、石油系界面活性剤はお肌に悪い『イメージ』がありますし、ネット上にもこのような情報が多く見られますが、これは典型的な『コスメの誤解』です。

「合成系・石油系界面活性剤は、お肌に悪い」というのは間違いです。

「資生堂」・「コーセー」・「ポーラ」・「花王(カネボウ)」といった、日本が世界に誇る化粧品メーカーも、合成系・石油系界面活性剤を使っています。

もし、本当に悪いのであれば、これら大手化粧品メーカーが使うでしょうか?

このブログでも再三申し上げていますが、化粧品は『安全であること』が大前提です。

「効果」・「価格」・「デザイン」よりも、化粧品にとって最優先にすべき要素は『安全性』です。

ですから、『安全』であることが大前提の化粧品に、『明らかにお肌に悪い成分』など、そもそも配合出来ませんし、ユーザーのお肌を第一に考える化粧品メーカーは、配合しません。

勿論、「悠香の茶のしずく石鹸」や「カネボウの白斑」といった、安全性に関わる重篤なトラブルがありましたが、これらの問題は別にあります。

▼ 茶のしずく石鹸と白斑については以下記事をご覧ください

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ただし、「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」という『誤解』は、100%誤解というわけではなく、一部正しい側面もあります

では、「合成系・石油系界面活性剤の正しい解釈」の前に、何故このような『コスメの誤解』が生まれたのか考えてみましょう。

 

2.『情報量の多さ』と一部メーカーの『イメージ戦略』が誤解を生む

 

2-1.情報量の多さゆえ、「正しい情報」と「間違いの情報」が混在

合成系界面活性剤・石油系界面活性剤・肌に悪い

『コスメの誤解』の背景には2つの理由があります。まずは『情報量の多さ』です。

これだけネットやSNSが普及した現代ですから、巷には様々な情報が溢れていますし、ユーザーは簡単にこれら情報を得ることが出来ます。

私が現在やっている『ブログ』もその一つで、世の中にはコスメに関するブログが非常にたくさん存在します。ユーザーにとっては、コスメを選ぶ『情報源』として、これらブログは有効ですが、「本当にその情報は正しいですか?」「科学的根拠はありますか?」といった疑問が残ります。

勿論、私も、様々なコスメブログを見ますし、参考にしたりもします。しかし、元化粧品開発者の私の目から見て、「これ本当?」、「これは誤解を生む」といった内容が多いのも事実です。

今回の記事内容で言えば、薄っぺらな知識で、「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」と結論付けているブログが多々あります。

それらを見たユーザーの皆さんは、「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」と勘違いしてしまいますね。この勘違いこそ、『誤解』が生まれる瞬間ではないかと思います。

私は元化粧品開発者としての知識と経験を活かし(実は、今なお現役です)、『コスメの真実』をお伝えしていますし、記事を書く際は(少し自信のない領域の場合)、様々な書籍を見て調べて書いたりもします。

世のコスメブログを否定するつもりは全くありません。中には、「すごい!」と思わず感心してしまう、非常に有益なブログも多数存在しますし、ユーザーにとって、情報量は多ければ多いほどいいです。また、様々なブロガーの、様々な意見があるべきです。

ただし、これだけ情報量が多い現代ですから、それを受け取るユーザー側も、『情報の取捨選択』が必要です。

私自身も、皆様に見捨てられないよう、『質が高く、正しい情報』をお届けするために頑張ります。引き続きよろしくお願いします。

 

2-2.化粧品メーカーの「イメージ戦略」

合成系界面活性剤・石油系界面活性剤・肌に悪い

『コスメの誤解』のもう一つの理由が、化粧品メーカーの『イメージ戦略』です。

世の中にはたくさんの化粧品メーカーが存在します。市場規模が無茶苦茶大きいわけではありませんが、『高利益率』のため、化粧品業界に参入するメーカーが後を絶たず、激しいシェア争いを繰り広げています。

先に挙げた、「資生堂」・「コーセー」・「ポーラ」・「花王(カネボウ)」が、業界の先頭を走る、大手化粧品メーカーですが、これら大手は『技術』で勝負します。

各社独自の『革新的技術』で、常に『新しいモノづくり』を実践しているのが大手化粧品メーカーです。昨今の、シワ領域における資生堂とポーラの技術を見れば明らかです。

▼ 資生堂 VS ポーラ シワ領域のトップに立つのは?

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『技術』で勝負する大手メーカーは、「肌にいいかも」という推測やイメージで、配合成分を選んだりしません。鉱物油であろうが、合成系・石油系界面活性剤であろうが、高い次元で安全性を評価し、問題ない種類のモノを、問題ない配合量で用いています。

しかし、その他の化粧品メーカーはどうでしょうか?

さすがに『技術』では、大手メーカーに敵いません。大手メーカーと差別化を図るために、『配合成分にこだわる戦略』をとるのです。

この戦略は、悪いイメージの成分を配合しないだけでいいので、比較的簡単です。勿論、製剤化の難しさはありますが、例えば、資生堂やポーラの『シワの有効成分の開発』などに比べれば、技術レベルは低いです。

それでいて、コスメは何より『イメージ』を大事にしますから、この配合成分の『イメージ戦略』は、『費用対効果』の観点からも非常に有効です。

その最たるが『ナチュラル系コスメ』ではないでしょうか。

ナチュラル系コスメには、たくさんの『誤解』が存在します。それに関しては、別の機会に記事にしようと思いますが、ナチュラル系コスメにとって、合成系・石油系界面活性剤は『悪』です。『悪』を攻撃することで、ナチュラル系コスメの良さをアピールするという『戦略』です。

ですから、「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」は、一部事実ではありますが、大半は間違いです。ナチュラル系コスメによる、ナチュラルの良さをアピールするための『イメージ戦略』です。

ナチュラル系コスメの『誤解』を一つ挙げると、ナチュラル系だからといって、肌にいい(安全、低刺激)というわけではありません

天然物の『漆(うるし)』はかぶれますよね?

ナチュラル系の原料は、どのような『夾雑物(きょうざつぶつ)』が混入しているか分かりません。夾雑物は、ナチュラル系原料にとっての『不純物』ですから、これら成分(夾雑物)がお肌に与える影響は不明です。ですから、ナチュラル系コスメだからといって、「安全だ」、「低刺激だ」というのは『誤解』であり間違いです。


以上のように、「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」は、『情報量の多さ』と、一部化粧品メーカーの『イメージ戦略』によって生まれた『誤解』なのです。

※一部、正しい側面もあります

では、記事の本題、『正しい解釈』をご説明します。

 

3.合成系・石油系界面活性剤の『正しい解釈』

「合成系・石油系界界面活性剤は肌に悪い」は、『誤解』であり、間違いです。

合成系・石油系界面活性剤は肌に悪くありません。

ただし、もっと『深い解釈』が必要であり、現在ネット上にある情報(誤解)と照らし合わせてご説明します。

 

3-1.界面活性剤の「イオン性」に着目

ネット上には、合成系・石油系界面活性剤は、皮膚に浸透し肌の『バリア機能』を破壊するため、乾燥や炎症を引き起こすとあります。

これは『事実』ですが、『= コスメ』と勘違いされていませんか?

これは『食器用洗剤』に言える事であり、コスメ、特に顔に使うスキンケア品には該当しません

「洗い物で手が荒れる」という主婦の方は多いはずです。手荒れの原因は、食器用洗剤に配合されている『界面活性剤』であり、さらに詳しく言うと、食器用洗剤に含まれる『陰イオン界面活性剤』なのです。

そもそも、「界面活性剤の肌への良し悪し」を議論する時に、「合成系・石油系」と「ナチュラル系・植物系」に分けることが『ナンセンス』であり、これは見事に、一部メーカーの『イメージ戦略』にやられています。

「肌への良し悪し」を議論するのであれば、界面活性剤は、「アニオン(陰イオン)」、「カチオン(陽イオン)」、「ノンイオン(ノニオン)」、「両性」と、『イオン性』で分けるべきなのです。

▼ 界面活性剤の詳細は以下記事をご覧ください

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「アニオン(陰イオン)」や「カチオン(陽イオン)」といった、『イオン性の界面活性剤』は、『乳化能』に優れ、汚れを良く落とします。ですから、食器用洗剤には、『陰イオン界面活性剤』が用いられます。

しかし、陰イオン界面活性剤は、イオン性のため『肌とのなじみが良く』、さらに、分子量が小さいため『肌へ浸透しやすい性質』を持ちます。そのため、肌へ浸透し、肌の内側から攻撃することで、『バリア機能を破壊』するのです。

ですから、陰イオン界面活性剤は、界面活性剤としての機能(乳化能、洗浄能)は非常に優秀ですが、『肌に対し刺激のある成分』なのです。

私の自宅にある「食器用洗剤」の成分を見ると、「陰イオン界面活性剤 38%配合」と記載されています。

「陰イオン界面活性剤38%」って、スキンケア品では考えられません。というか、後ほど詳細を述べますが、スキンケア品に、陰イオン界面活性剤なんて、基本、配合しません

食器用洗剤は、汚れを落とすことが目的であり、水ですすぐため、陰イオン界面活性剤が高配合されているのです。これを、メーカーの『イメージ戦略』に踊らされて、コスメ、特に、洗い流さない『基礎スキンケア品』に置き換えてはいけません!

スキンケアでは、クリームタイプの洗顔に、「陰イオン界面活性剤」が用いられます。クリームタイプの洗顔は、「陰イオン界面活性剤」の『集合体(塊)』と思って頂いて構いません。

「陰イオン界面活性」が配合されていても、洗顔のような『洗い流し品』だからこそ、大きな問題なく使えるのです。もし、クリーム洗顔を洗い流さず、スキンケアクリームのように塗布したら、確実に肌は荒れます。クリーム洗顔のpHが「8.0~10.0」というのもありますが、刺激性の強い「陰イオン界面活性剤」が、お肌の上にずっと居るんですから、肌が荒れるのは当然です。

あるブログには、

● スルホン酸ナトリウム

● キシレンスルホン酸アンモニウム

● パレスー3硫酸ナトリウム

● パレスー3硫酸アンモニウム

● ラウリル硫酸ナトリウム

● ラウレス硫酸ナトリウム

などが、『肌に悪いとされる石油系界面活性剤』であり、気を付けるように!と記載されていました。

これは、半分正解ですが、情報としては『不十分』です。確かに、これらは、刺激の懸念がある界面活性剤ですが、石油系だからではなく、『イオン性』だからです。

しかも、後ほど述べますが、これらイオン性界面活性剤は、基礎スキンケアには配合されません。配合させるケースはゼロではありませんが、そのようなコスメは、『技術力のない3流メーカーの証拠』ですから、使うべきではありません。

 

3-2.基礎スキンケア品には「ノニオン界面活性剤」を配合

『イオン性界面活性剤』は、お肌に対し『刺激のある成分』です。刺激がある成分でありながら、昔の基礎スキンケア品(洗い流さないもの)には、『陰イオン界面活性剤』が配合されていました。

何故かというと、『陰イオン界面活性剤』は、『乳化能』が素晴らしく、どのような油でも、簡単に乳化出来るからです。

しかし、「陰イオン界面活性剤」の『肌への刺激』が問題視され始め、基礎スキンケア品には、『ノンイオン(ノニオン)界面活性剤』が使われるようになりました。

ですから、現在の基礎スキンケア品は、イオン性を持たない、『ノニオン界面活性剤』が主流です。

「ノニオン界面活性剤」は、イオン性がなく、分子量も大きいため、「イオン性界面活性剤」に比べれば、圧倒的に『肌に優しい』です。

「ノニオン界面活性剤」の登場で、基礎スキンケア品にはあまり用いられなくなった「陰イオン界面活性剤」ですが、『乳化能』が素晴らしいため、今でも基礎スキンケア品に使っているメーカーは存在します。

ただし、それらは『3流コスメの証』であり、お肌のためにも避けた方が無難でしょう。

何故なら、乳化能が素晴らしいということは、言い換えると、『簡単に乳化出来る』ということです。

「陰イオン界面活性剤」から「ノニオン界面活性剤」に移行するとともに、化粧品メーカーは、『乳化法』を研究し、発展させました。

それが、「ノニオン界面活性剤」を用いた『転相』『D相』『液晶』といった『乳化法』です。これら乳化法は、『技術』がなければ出来ません。

化粧品メーカーは、乳化能は素晴しいが、刺激の懸念がある「陰イオン界面活性剤」から、高い安全性を誇る「ノニオン界面活性剤」に切り替え、「乳化法」という『技術』で補い、発展させてきたのです。

今なお、基礎スキンケア品に、「陰イオン界面活性剤」を配合するメーカーは、『技術(乳化法)を持っていない』ということになり、技術の進歩を止め、刺激の懸念がある成分を配合する姿勢は、褒められたものではありません。

「ノニオン界面活性剤」には、『合成系』『石油系』も存在します。化粧品メーカーは、「陰イオン界面活性剤」よりも、圧倒的に肌に優しい「ノニオン界面活性剤」であっても、しっかり『安全性』を確認し、問題ない範囲で配合しています。

以上のように、「合成系・石油系界面活性剤は肌に悪い」というのは『誤解』であり、間違いです。

『情報量の多さ』『メーカーのイメージ戦略』『誤解』を生んでいます。また、「食器用洗剤」の特徴を、コスメ(基礎スキンケア品)にあてはめているため、さらに誤解を生んでいるのが実情ではないでしょうか。

『イオン性界面活性剤は、肌に悪い(刺激がある)』

『洗い流さない基礎スキンケア品に、イオン性界面活性剤は配合すべきでない』

これが、界面活性剤に対する『正しい解釈』です。

 

4.おわりに

いかがでしょうか?

化粧品開発者というと、「製剤化」や「肌生理学」に着目されがちですが、『安全性を評価する研究員』の存在を忘れてはいけません。

彼らがいるからこそ、合成系や石油系に限らず、各種成分を、『安全な範囲』で配合出来るのです。

ですから、『イメージ』『不十分な情報』『悪い』と決めつけるのは、彼らの業務、研究成果を否定することであり、残念なことです。

『イメージ』『不確かな情報』に左右されず、皆様には、『正しい知識』でコスメを楽しんで頂きたいと思います。

ただし、「肌への良し悪し」ではなく、「お肌に使うコスメはナチュラルのモノがいい!」、「石油系成分をお肌につけたくない!」という、ご自身の『こだわり』『信念』をお持ちの方は、合成系・石油系界面活性剤フリーのコスメをお選びください。

また、過去、合成系・石油系界面活性剤で肌トラブルの経験がある方も同様です。

合成系・石油系界面活性剤に限らず、コスメがお肌に合わないケースはあります。何かしらの違和感をお感じになった際は、直ちに使用を止め、メーカーの指示に従ってください。

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