コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

「効果効能ではない!」 化粧品にとって一番重要なことは? 【悠香 茶のしずく, カネボウ白斑問題から考えてみた】

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先月、資生堂が銀のアネッサを含む3品の『自社回収』を発表しました。

化粧品開発者にとって、自社回収は無視できない事態ですから、これに関する記事を書こうと思いましたが、その前に、一番大切なことを皆様にお伝えしていないことに気づきました。

そこで今回は、私が考える、『化粧品にとって一番重要なことは何か』について、述べたいと思います。

 

1.化粧品にとって一番重要なことは?

化粧品・コスメ・安全・茶のしずく・白斑

『化粧品にとって、一番重要なことは何か?』

人は何故、化粧品を使うのでしょうか?

「今の美しいお肌を維持するため」、「若々しく健やかなお肌を取り戻すため」など、『美しくなるため』に人は化粧品を使います。ですから、化粧品を提供する化粧品メーカーには、化粧品を通して、『人々を美しくする義務がある』と言っても過言ではありません。

乾燥の改善、美白、シワ改善など、化粧品の『効果効能』に重きを置くのは当然です。化粧品会社は、少しでも効果の高い化粧品を開発しようと、日々、研究を続けています。

また、『価格』も化粧品にとって重要な要素です。

化粧品は毎日使うものですから、少しでもお値打ち価格で、と思うのが当然です。

「安かろう悪かろう」とならないように、高品質でありながら低価格な、『コスパに優れたコスメ』が理想ですね。

『アテニア化粧品』は、まさに自他認める『高品質、低価格コスメ』ですから、私はこのブログでもおすすめしています。

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そして、『デザイン性』『ブランド力』

シャネルやディオールなど、海外ブランドがいい例ですね。私は、シャネル、ディオールの、化粧品としての品質を、それほど高く評価していません。やはり、資生堂や花王、ポーラ、ファンケルの方が上だと思っています。

しかし、シャネルやディオールは、容器デザインがおしゃれで、高級感があって、さらにブランド力が超一級ですから、これらコスメを持っているだけで、周りの人の目を引く力があります。使っている人はちょっとした優越感に浸れますね。

ですから、『デザイン性』『ブランド力』も化粧品とって重要でしょう。

『効果効能』『価格』『デザイン性』『ブランド力』、これらは化粧品にとって重要な要素です。しかし、一番かと言われれば、そうではありません。

化粧品にとって一番重要なこと、それは、『安全性』です。

化粧品(医薬部外品含む)は医薬品とは違います。医薬品には効果の代償に副作用が認められていますが、化粧品に副作用など、絶対にあってはなりません

化粧品は毎日使うものですから、『安全』であることが大前提であり、「効果効能」、「価格」、「デザイン性」、「ブランド力」はその次にくる要素です。

化粧品の本質は、『人々を美しくする』ですが、『人々を美しくして笑顔にするアイテム』こそ化粧品なのです。

後ほど述べますが、安全性トラブルは、人々から『笑顔』を奪ってしまいます。『安全性』こそ化粧品にとって一番重要なことであり、これを忘れ、その他の要素に重きを置くメーカーは、化粧品を販売する資格はありません。

しかし、化粧品の『安全性』は目に見えるものではなく、効果効能やデザイン性に目を奪われがちなことも事実です。

次項では、私が化粧品開発者だった頃に起きた、化粧品の安全性に関わる2大事件を振り返り、『安全性の重要性』を訴えたいと思います。

 

2.化粧品における重篤な安全性トラブル(肌トラブル)

2-1.株式会社悠香 茶のしずく石鹸

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悠香が販売していた『茶のしずく石鹸』に、小麦アレルギーを発症する事例が報告されました。この石鹸には、小麦の加水分解物である、『加水分解コムギ』が配合されおり、この成分が、小麦アレルギーの原因と断定されました。

2011年、悠香は、以前に製造された「茶のしずく石鹸」の自主回収を開始します。この「茶のしずく石鹸」、有名な女優さんを起用してテレビCMを活発にしていましたから、当時は大人気で、2004年からの約7年間で、『約4650万個』を、のべ『約466万人』に販売したと言われています。そして、当時、厚労省が公表した被害者数だけでも『1786人』と、数字を見ても、社会に、そして業界に、大きな衝撃を与えたことはご理解頂けるのではないでしょうか。

加水分解コムギは、古くから化粧品に用いられている成分で、それまでは大きな問題なく使われていました。「茶のしずく石鹸」に配合されていた加水分解コムギ、「グルパール19S」を使用していたのは、悠香が製造を委託していたOEMメーカーのみであり、他社の製造した製品では同様の症例は報告されていません。

小麦アレルギーの懸念があるのは、「グルパール19S」だけですが、全ての加水分解コムギに小麦アレルギーの恐れがあると『イメージ』がつきました。

化粧品は、『付加価値が高い商材』であり、最も『イメージ』を大切にしますから、一度、『危険』のイメージがついたものは売れません。ですから、私の所属していた化粧品会社でも、全ての加水分解コムギを、別の成分に代替しました。勿論、配合していた加水分解コムギは「グルパール19S」ではありませんでしたが・・・。

また、小麦にアレルギーの懸念があったので、同じ穀物である『大豆』も将来的に危険が及ぶのでは?と、科学的根拠は全くありませんが、あくまで『イメージ』を最優先にする化粧品ですから、大豆由来の原料の使用も禁止となりました。

※あくまで私が所属していた化粧品会社のお話です

アレルギーに関するトラブルですから、人によっては症状が重症化するケースがあります。現に、被害者の中には、「茶のしずく石鹸」の小麦アレルギーによって、パンやパスタなど、小麦食品が食べられなくなった人や、アナフィラキシーを起こして、一時、意識不明になった方もいらっしゃいます。

「茶のしずく石鹸」は現在でも販売されており、問題となった加水分解コムギは配合されていませんが、株式会社 悠香には、最後まで責任をもって誠実な姿勢で対応し、ユーザーの期待を裏切らない、ユーザーに笑顔を与えるモノづくりに取り組んで頂きたいです。

 

2-2.カネボウ 白斑

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カネボウが開発した独自の美白有効成分『ロドデノール』配合の美白化粧品(医薬部外品)に、皮膚が白くまだら模様になる『白斑』の症状が確認されました。

これが、化粧品業界に大きな衝撃を与えた、『カネボウの白斑問題』です。

白斑問題は、医薬部外品における国の承認制度にも問題があったと言われています。

医薬部外品の有効成分として、国から認可を得るために必要な試験では、「白斑を予見できなかった」と言われていますが、一方で、ロドデノール開発段階での種々データを見る限り、「白斑の予見は可能」という意見もあり、ましてカネボウ程の技術力を有するメーカーであれば、少しでも危険性が疑われるのであれば、「国が定める試験以上の確認をすべき」との考え方があるのも事実です。

ただし、これはあくまで結果論ですから、どちらが正しいとは言えません。

白斑での一番の問題は、最初の白斑被害発覚から、商品回収までに『1年半』かかったことです。

最初の被害報告は、201110月。そして、商品の自社回収が20137月。

これほど長い間、いわば『放置』していたわけですから、被害の拡大を招いてしまいました。

カネボウの場合は、花王との関係もありますし、ブランドイメージを大きく傷つける事態ですから、回収を躊躇する気持ちは分かりますが、ユーザーの生活を豊かにし、社会に貢献する企業のすべきことではありません。ましてや、カネボウのような超一流企業であれば、ユーザー数も非常に多いと思うので、絶対に許されるべきことではありません。

カネボウには、被害にあわれた方々と真摯に向き合い、誠実な対応をするとともに、2度とこのようなことが起きないよう、企業体質を改善し、今まで以上に素晴しい商品を世に出して頂きたいと思います。

白斑に関する詳細は以下記事をご覧ください。

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3.化粧品にとって一番重要なことは『安全性』

化粧品にとって一番重要なことは、「効果効能」でも「価格」でも「デザイン性」、「ブランド力」でもなく、『安全性』です。

「悠香の茶のしずく石鹸」や「カネボウの白斑」の被害にあわれた方は、「綺麗になりたい」と思って化粧品を使ったのに、まさか、その化粧品によって、自分が傷つき、苦しむとは、露程も思っていなかったはずです。

悠香やカネボウは、この方達から、笑顔を奪い、長きにわたって苦しめてしまった責任を重く受け止めなければなりません。

悠香の「茶のしずく石鹸」では、アレルギー症状の根源である「グルパール19S」の、安全性試験が実施されていなかったことが一番の問題であったと言われています。

全成分表示制度が導入される以前は(2001年以前)、国が定める『化粧品原料基準』で定められた規格の範囲に合致した原料のみ、化粧品に配合出来ました。当時は、新原料を配合するには『9項目試験』と呼ばれる安全性試験をクリアする必要がありました。全成分表示制度の導入とともに、化粧品に関わる責任はメーカーに委ねられましたので、『9項目』の必要性はなくなりました。

しかし、必要性はなくなったと言っても、『安全性』を最も重視する化粧品メーカーは、原料メーカーに『9項目』の提出を求めますし、9項目が揃わない原料は『配合しない』という姿勢の化粧品メーカーもあります。また、化粧品メーカーが自社で、不足部分のデータを取得するケースもあります。

しかし、9項目の取得には『費用』が掛かりますし、何より、これらデータを取得するには『技術力』が必須です。

メーカーの技術力と言うと、「効果が高い成分」とか、「感触に優れた製剤」といった、成分・製剤の技術力に着目しがちですが、安全性を評価するためにも『高い技術力』が必要である事を忘れてはいけません。

大手原料メーカーが供給する原料であれば、9項目の安全性を確認済みのケースがほとんどです。また、大手化粧品メーカーであれば、9項目が揃わない原料は配合しませんし、場合によっては自社で確認します。

※例外はあります

私も化粧品開発者であった頃、数多くの原料を紹介されましたが、必ず、『9項目の安全性試験データの有無』を確認していました。

特に現在では、『脱動物試験』の流れですから、以前に比べ、より一層、安全性データの取得が困難になっています。一方で、業界全体として動物試験に代わる、『代替法』の検討がなされており、この代替法で安全性を確認するには、技術力が必須で、技術力がない規模の小さなメーカーでは無理でしょう

私はこのブログで、 『コスメの真実』をお伝えしながら、「アテニア」、「資生堂」、「オルビス」、「ファンケル」、「ディセンシア」などの化粧品メーカーを紹介し、おすすめしています。

これらは、誰もが知る大手化粧品メーカーであり、『安全性を評価する技術力』を有しているからこそ、おすすめしているのです。

全成分表示制度の導入以降、化粧品の安全性に関する責任は、国から化粧品メーカーへと移りました。国は安全性基準の大枠を定めるものの、詳細は、化粧品メーカーの『自社基準』に委ねられています。

先程申し上げた、「9項目の安全性データを必須とする」ことも、「9項目の安全性データがない原料は配合しない」ということも、「不足部分は自社で取得する」ことも、これら全ては義務ではなく、『化粧品メーカーの自社基準・判断』です。

中小のメーカーは、費用の高さと技術力の無さから、安全性に関して軽視しがちです。

※全ての中小メーカーがそうではありませんが・・・

化粧品メーカー独自の自社基準である『安全性』に関しては、製品から判断することは出来ず、そのメーカーを信用するしかありません。

その信用を、私は、メーカーの『規模』『技術力』で判断しています。

私が好きな『アテニア化粧品』は、「ファンケル」のグループ会社であり、研究母体もファンケルですから、安心してお使い頂けるメーカーの一つです。

▼アテニア化粧品

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ただし、アテニアだからと言って、絶対に安全、安心と言うわけではありません。安全であることが大前提の化粧品で、アテニアという技術力の高いメーカーの製品であっても、化粧品がお肌に合わないケースはあり得ます。

現在はどのメーカーも、比較的お値打ちな価格でシリーズをお使い頂ける、『トライアルセット』が充実していますから、まずは、トライアルでお試しになって、お肌との相性を確認した後、本製品をお使い頂くことをおすすめいたします。

いずれにしても、「悠香 茶のしずく石鹸」と、「カネボウの白斑」の教訓を忘れず、化粧品メーカーには、『安全性第一』で化粧品開発に取り組んでもらいたいですし、ユーザーの皆さんには、効果やデザインと言った派手な部分ばかりに目を奪われず、『安全性』という視点からもコスメを選んで頂きたいと思います。


▼ エイジングケアなら『アテニア ドレスリフト』

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