コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

メイクがよく落ちるクリームクレンジングの見分け方とは?

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先日、読者の方からご質問を頂きました。その方には別途ご回答差し上げましたが、その質問がなるほど!と思わせるような内容でしたので、今回、記事にさせて頂きます。

ご質問は『クリームタイプ』のクレンジングについてで、よく落ちるクリームクレンジングは何ですかという内容でした。

そこで今回は、クリームタイプの剤型及び、メイクが良く落ちるクリームクレンジングの見分け方についてご説明いたします。

1.クリームタイプのクレンジングとは?

クリームクレンジング・よく落ちる

クレンジングには様々なタイプがあります。オイルタイプ、リキッドタイプ、ジェルタイプ、ソリッドタイプ、そして『クリームタイプ』です。

一般的にクリームタイプのクレンジング(クリームクレンジング)は、水と油が配合されており、それらを界面活性剤で乳化させています。つまり、クリームクレンジングは『乳化タイプ』なんですね。

乳化タイプ故に、クリームクレンジングには、『油中水剤型』『水中油剤型』など、様々なモノが存在します。次の項では、その詳細をご説明します。

 

2.「油中水型」クリームクレンジング

クリームクレンジングは水と油が配合された『乳化タイプ』です。乳化タイプ故に、『油中水型』『水中油型』が存在します。

▼油中水、水中油については以下記事をご覧ください

www.cosmedein.com

しかし、結論から言うと、クリームクレンジングで油中水型は存在しません。万一、存在するかもしれませんが、少なくとも私は見たことがありません。

何故なら、クレンジングに『油中水型が不向き』だからです。もし、クリームクレンジングを油中水型にした場合、クレンジング力は優秀ですが、ものすごく洗い上がりが悪くなるでしょう。クレンジングにはクレンジング力は勿論、洗い上がりの良さも求められるのに・・・。

では、何故、油中水型のクリームクレンジングは洗い上がりが悪いのでしょうか?

クリームクレンジング・よく落ちる

上図は、メイク汚れを落とすメカニズムの概略図です。洗い上がりの良さのためには、上図のうち、『④クレンジング使用後期』が一番重要になります。

 つまり、洗い上がり向上のためには、すすぎの水が来た時に、メイク汚れが乳化される必要があるのです。そして、乳化されるためには、『親水性の界面活性剤』の存在が必要不可欠なんです。

界面活性剤は水と油、双方の性質を有していますが、『親水性の界面活性剤』とは、より水の性質が強いモノを言います。また、より油の性質が強い『親油性(疎水性)の界面活性剤』も存在します。

▼界面活性剤については以下記事をご覧ください

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クレンジングにおいては、洗い上がりを向上させるために、親水性の界面活性剤が必要不可欠です。オイルで落とすオイルクレンジングにも、洗い上がり向上のため、親水性の界面活性剤が配合されています。

さらに、水中油型には、『親水性の界面活性剤』が用いられ、油中水型には『親油性の界面活性剤』が用いられます。言い換えると、油中水型には親水性の界面活性剤が配合出来ませんので、油中水型のクリームクレンジングは、『親水性の界面活性剤無配合=洗い上がりが悪い』となるのです。

これが、クリームクレンジングにおいて、油中水型が不向きな理由です。ですから、世の中のクリームクレンジングのほぼ全ては、水中油型なのです。

 

3.「水中油型」クリームクレンジング

世の中のクリームクレンジングのほぼ全ては『水中型』です。そして、さらに、①ラメラタイプ ②通常タイプ ③高内相タイプの3つに分かれます。

この中で、一番クレンジング力に優れるクリームクレンジングは『高内相タイプ』です。

 

3-1.ラメラタイプ

『ラメラ』は、皆様あまり馴染みがないかもしれません。また、厳密にいうと、水中油型とは少し違うかもしれませんが、水中油型の中でも特殊なタイプとご理解ください。

クリームクレンジング・よく落ちる

上図がラメラタイプ(ラメラ構造)の概略図です。これまでもご説明した、水中油や油中水は、相の中に別の相が『粒子状』になって存在しています。

『水』の中に『油』が粒子状になって存在するものが『水中油型(O/W)』
『油』の中に『水』が粒子状になって存在するものが『油中水型(W/O)』です。

ラメラ構造の場合、図のように、水と油が粒子状ではなく、『層状』に存在しています。このラメラ構造を有するものが、ラメラタイプのクリームクレンジングです。

ラメラタイプの一番の利点は、水と油が層状に存在していますから、『水と油、双方の性質を有している点』です。

油の性質が、クレンジング力に、水の性質が、洗い上がり向上に寄与しています。ですから、ラメラタイプは、『クレンジング力と洗い上がりのバランスが最良』のクレンジングと言えるでしょう。

ただし、ラメラ構造をクレンジングに組み込むためには、かなりの技術力が必要です。ですから、世の中にはあまり存在しないタイプであり、かなり貴重な存在であると言えるでしょう。

ラメラタイプのクレンジングで有名なものは、当ブログでもおすすめしている『ラミナーゼ クレンジングバーム』ですね。

▼ラメラタイプのクリームクレンジング

ラミナーゼ クレンジングバーム

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3-2.通常タイプ

クリームクレンジングは、『油』『界面活性剤』でメイク汚れを落としますが、界面活性剤よりも圧倒的に『油』の役割が大きいです。つまり、クリームクレンジングは、『油』でメイク汚れを落とすため、配合されている油の種類、量がクレンジング力に大きく関係してきます

通常タイプというのは、通常のスキンケアクリーム(水中油型)と同程度の油の配合量という意味です。通常のスキンケアクリームの油の配合量は、『10%~30%程度』と考えられますから、通常タイプのクリームクレンジングの油の配合量は『10%~30%』です。

同じく油でメイク汚れを落とすオイルクレンジングの場合、ほぼ全てが油ですから、圧倒的なクレンジング力を有します。しかし、通常タイプのクリームクレンジングは、10%~30%程度の油ですから、オイルクレンジング程のクレンジング力は期待できません

優しく、マイルドにメイク汚れを落とすことには優れていますから、クレンジング力は高くなくとも、『お肌への優しさ』という点においては、非常に優秀だと言えるでしょう。

通常タイプのクリームクレンジングには、ちふれの『綾花 クレンジング クリーム』やビオレの『こくリッチメイクオフクリーム』があります。どちらも有名なクリームクレンジングですね(通常タイプ)。 

 

3-3.高内相タイプ

高内相タイプとは、通常タイプとは異なり、油の配合量が非常に多いモノを言います。具体的には、油が『50%~80%』配合された水中油型を、『高内相タイプ』、もしくは『高内相水中油型』と言います。

水中油型の場合、水の中に油が粒子状になって分散しています。その時、粒子状となって分散している油を『内相』、分散させている水を『外相』と言います。油(内相)が非常に多く配合されていますから、『高内相』と言うのです。

高内相タイプは、クレンジング力の要である『油』が非常に多量に配合されていますから、通常タイプとは比べ物にならないクレンジング力です。さらに、クリームタイプであるにも関わらず、オイルクレンジング並みのクレンジング力を有します。

また、高内相タイプは水中油型ですから、洗い上がりにも優れます。最高峰のクレンジング力と、洗い上がりの良さを両立した高内相タイプのクレンジングクリームこそ、『クレンジングの理想形』だと私は考えています。

私の最も好きなクレンジングタイプではありますが、ただ1つだけ欠点があります。高内相タイプは、原価が高く、また、技術レベルも非常に高い剤型の1つです。ですから販売価格が、非常に高価です。クレンジングの中で、一番高価格なタイプではないでしょうか。

クレンジングは毎日使うものですから、あまりに高価なものはお財布に優しくありません。勿論、その価格に見合うだけの価値はありますが、もう少しお求めやすい価格帯であれば言うこと無しです。

高内相タイプのクレンジングクリームであれば、当ブログのクレンジングランキングで6位に輝いた、『コスメデコルテ AQ ミリオリティ リペア クレンジングクリーム』が超有名ですね。名品です。

 

ただし、150gで10000円と、かなりの価格なので、比較的お求めやすい高内相タイプであれば、こちらも同率6位の『ポーラ RED B.A クレンジングクリーム』がおすすめです。

POLA

 

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4.クリームクレンジングの見分け方

ご説明した通り、クリームクレンジングには、3つのタイプがあります。①ラメラタイプ ②通常タイプ ③高内相タイプ

この中で、メイクが一番落ちるクレンジングは、『高内相タイプ』です。

しかし、「高内相タイプが欲しいのに、通常タイプを購入してしまった・・・」とか、「ご自身がお使いのクリームクレンジングが、高内相タイプだと思いきや、実際は、通常タイプだった・・・」という可能性はあります。商品周りには通常タイプか、高内相タイプかという記載はありませんので。

では、どのように見分ければいいのでしょうか?

これは非常に簡単です。『全成分表示』を見ればすぐに分かります。

『ラメラタイプ』の場合は、全成分表示からの判断は難しいです。しかし、ラメラタイプは、ある意味特殊なタイプなので、商品カタログやホームページでラメラタイプだと、必ず宣伝しています。ですから、その『宣伝内容』を見れば容易に判断可能です。

『通常タイプ』『高内相タイプ』は、全成分表示の『水』の表示位置を見れば判断出来ます。通常タイプであれば、水は『全成分表示の一番初め』に記載されています。水の配合量が一番多いですから。

一方、高内相タイプの場合、油の配合量が一番多くなりますから、『水の前に油が表示』されます。

水が一番初めに表示されている ⇒ 『通常タイプ』

水の前に油が表示されている ⇒ 『高内相タイプ』

このように、『水と油の表示位置』を確認すれば、容易に判断できます。

▼通常タイプ : ビオレ こくリッチメイクオフクリームの全成分表示

、ミネラルオイル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、PEG-75、DPG、ステアリン酸PEG-5グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、ステアリン酸PEG-150、セタノール、ステアリルアルコール、ラウリル硫酸Na、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、トコフェロール、シア脂、カロチン、コーン油、香料


▼高内相タイプ : コスメデコルテ AQ ミリオリティ リペア クレンジングクリーム

ミネラルオイル、BG、グリセリン、セテアリルアルコール、ワセリン、アボカド油、エゾウコギ根エキス、オウレン根エキス、オオウメガサソウ葉エキス、コメヌカエキス、シラカバ樹皮エキス、シラカンバ樹液、セイヨウハッカ葉エキス、センキュウ水、ダイズタンパク、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、トコフェロール、パルミトイルペンタペプチドー4、マカデミアナッツ油、マルトース、ライチー種子エキス、温泉水、加水分解コラーゲン、BHT、EDTA-2Na、エタノール、オレイルアルコール、オレイン酸ソルビタン、オレイン酸フィトステリル、カルボマー、キャンデリラロウ、クエン酸、クエン酸Na、コメヌカロウ、コレステロール、ジメチコン、スクワラン、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸、ステアロイルメチルタウリンNa、セスキオレイン酸ソルビタン、トリ(パーム油脂肪酸/パーム核油脂肪酸/オリーブ油脂肪酸/マカデミアナッツ油脂肪酸/アブラナ種子油脂肪酸)グリセリル、トリラウレスー4リン酸、パラフィン、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ベヘニルアルコール、ポリソルベート20、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、水酸化Na、水添レシチン、フェノキシエタノール、メチルパラベン、香料、酸化チタン


▼高内相タイプ : ポーラ RED B.A クレンジングクリーム

ミネラルオイル、パルミチン酸エチルヘキシル、テトラオレイン酸ポリグリセリル-2、、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、イソステアリン酸PEG-12、BG、ステアリン酸PEG-25、ミツロウ、ベヘニルアルコール、グリチルリチン酸2K、コメヌカスフィンゴ糖脂質、イガイグリコーゲン、アルニカエキス、ヘチマエキス、ハス胚芽エキス、加水分解コンキオリン、クララ根エキス、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、ステアリン酸グリセリル(SE)、ジエチルへキサン酸グリコール、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルサルコシンイソプロピル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、トコフェロール、エタノール、シリカ、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、香料

 

5.おわりに

いかがでしょうか?

クリームクレンジングと言っても、複数のタイプがあります。

メイクが一番落ちるクリームクレンジングは『高内相タイプ』です。価格は比較的高価ですが、それに見合った価値はあります。ご自身がクリームタイプがお好みで、クレンジング力にも洗い上がりの良さにも妥協したくない!という方は是非、高内相タイプのクリームクレンジングをお使いください。

よりマイルドに、優しく落としたいのであれば、ラミナーゼのような『ラメラタイプ』か、『通常タイプ』をおすすめします。

▼ラメラタイプのクリームクレンジング

ラミナーゼ クレンジングバーム

▼NO.1との呼び声高いオイルクレンジングです