コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。十数年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

衝撃コスメ!!私はこのコスメに衝撃を受けました 【SKII ステムパワー クリーム コンパクト ファンデーション】

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私は十数年、大手化粧品会社で、化粧品開発者として働いていました。ですから、仕事柄、様々なメーカーの、様々なコスメを触り、研究していました。

その中で、「これはすごい!!」と『衝撃を受けたコスメ』が多数あります。

化粧品業界に入った1990年代後半から現在までに、私が衝撃を受けたコスメを紹介いたします。

今回は『SKII ステムパワー クリーム コンパクト ファンデーション』です!!


1.ステムパワー クリーム コンパクト ファンデーション

●分類・スペック

化粧品、ファンデーション、SPF20、PA++

 

●全成分

シクロメチコン、水、酸化チタン、タルク、BG、ガラクトミセス培養液(ギュウニュウ)、ナイアシンアミド、イソノナン酸イソトリデシル、キャンデリラロウ、セレシン、ジメチコン、シリカ、イソステアリン酸ソルビタン(コムギ)、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、酢酸トコフェロール、水酸化Al、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/メチコン)コポリマー、パンテノール、メチルパラベン、ステアリン酸、プロピルパラベン、EDTA−2Na、メチコン、オリーブ油PEG−7カルボン酸Na、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、トコフェロール、カルボマー、エゾウコギ根エキス、アーチチョーク葉エキス 、DNA(+/−)酸化鉄、マイカ、アルミナ、ステアロイルグルタミン酸2Na、カルミン

 

2.衝撃を受けました

衝撃コスメ・SKIIステムパワークリームコンパクトファンデーション

初めて私がこの形態を見たのは『SKII エッセンス-イン ファンデーション』でした。エッセンス-インは、肌色と白色の2色だったと思いますが、これ何?とびっくりしたのをよく覚えています。

そして、その2年後くらいに市場に登場したのが『SKII ステムパワー クリーム コンパクト ファンデーション』です。今度は、肌色、白色、ピンクの『3色』に進化していたので、さらなる衝撃でしたね。

 

2-1.どうやって充填しているの?

衝撃ポイント1は、『どうやって充填しているの?』ですね。この商品を見た時、真っ先に思いました。これは硬い剤型なので、普通に充填するのも大変です。

それを『多色』で、しかも『幾何学模様』まで・・・。さらに、表面だけの模様ではありませんから。すごすぎる。

次の項でご説明しますが、この商品には、シクロメチコンと水といった『揮発性成分』が多量に配合されています。それでいて、WAX類で固めていますから、充填するには『温度が必要』です(加温充填)。

しかし、充填温度が高すぎると、揮発性成分が蒸発してしまうし、充填温度が低すぎると、この模様が出来ないでしょう。

「加温充填ではないのか?」「加温でなければ、どうやって充填しているのだろうか?」「揮発性成分を蒸発させずに、多色で幾何学模様・・・そんなこと出来るの?」。

いまだに充填の謎は解けていません。すごいの一言です。

 

2-2.どうやって製剤化したの?

まず、見た目で衝撃を受けましたが、全成分を見て、商品を使ってみて、さらにびっくりです。

衝撃ポイント2は、『どうやって製剤化したの?』です。

この商品、全成分と使用感から、『油中水型』で、外相の油をキャンデリラロウやセレシンといった『WAX類』でガチっと固めたのだろうと思います。

まず、油中水型にWAX類を配合して固めること自体、『安定性の観点』から非常にハードルが高いです。それを製剤化に成功していますから、技術力が高すぎます。

さらに、『シクロメチコン』『水』が多量に配合されています。油中水型ですし、使用感を考えると、当然と言えば当然ですが、これには驚きましたね。

シクロメチコンと水は『揮発性』の成分です。コンパクト剤型の場合、空気との接触面が大きいですから、簡単に揮発してしまうんですね。

揮発してしまったら、それはもうファンデーションとしての機能を果たしませんから、絶対にダメです。ですから、コンパクト剤型に揮発性成分を配合することは容易ではありません。私なら配合しません。

成分の揮発性は、成分の沸点に起因しますから、どれだけ頑張っても、製剤化技術では揮発を抑制することは出来ません。この商品は、『コンパクトの密閉性』を改善することで、揮発を抑制しています。

製剤化で不可能であれば容器で対応する。『容器設計技術』も素晴らしいですね。

▼油中水型については以下記事をご覧ください

www.cosmedein.com

 

3.おわりに

『製剤化技術』『容器設計技術』『充填技術』、それぞれが高いレベルで相互作用を発揮して誕生した商品が『SKII ステムパワー クリーム コンパクト ファンデーション』です。

さすがSKII。私の衝撃コスメです。