コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。数十年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

「濡れた手でも使えます」の真実 【騙されている?クレンジングは濡れた手で使っても大丈夫か?】

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『濡れた手でも使えます』、クレンジング、特にオイルクレンジングでこの表示をよく見ませんか?

でも、実はこれ、ユーザーの皆様は少し誤解しているかもしれません。

今回は『濡れた手でも使えますの真実』と題しまして、クレンジングタイプ別に詳しくご説明します。

 

1.タイプ別!「濡れた手でも使える」の真の意味

濡れた手でも使える・オイルクレンジング

クレンジングには、『オイル』『リキッド』『温感(ホット)』『クリーム(乳化)』と様々なタイプがあります。

その中で、製剤化の段階で、濡れた手でも使えるよう工夫しているモノ『オイルタイプ』だけです。

つまり、濡れた手でも使えるよう『特別な技術』を搭載しているのが、オイルタイプである、言い換えれば、濡れた手で使えますという表示に意味があるのは、『オイルクレンジングだけ』なのです。

タイプ別に詳しくご説明します。 

 

1-1.オイルクレンジング

濡れた手で使うための技術とは?

まず、オイルクレンジングを濡れた手で使うとどうなるかをご説明しましょう。

オイルクレンジングのメイン成分は『油』『界面活性剤』です。それぞれの役割をもう一度おさらいしてみましょう。

【油】
メイク汚れと馴染み、浮き上がらせ、お肌からメイク汚れを落とします。『洗浄剤(クレンジング剤)』として重要な役割を果たしています。

【界面活性剤】
油同様、『洗浄剤』としての機能もありますが、その他に重要な役割があります。オイルクレンジングの場合、洗い上がりが悪いモノがありますね。洗い上がりが悪く、後肌がべたべたヌメヌメするケースがあります。

洗い上がりを改善し、後肌スッキリにするためにはどうすべきか?

すすぎの際、すすぎの水で、油とメイク汚れが、『綺麗に洗い流される』必要があります。

綺麗に洗い流される、つまり洗い上がりをよくするために、界面活性剤が必要なのです。綺麗に洗い流される=すすぎの水で『乳化』されるということで、界面活性剤が存在するからこそ、すすぎの水で油とメイク汚れが乳化されて、綺麗に洗い流されます。

このように界面活性剤は、『洗浄剤』及び、油とメイク汚れをすすぎの水で乳化させる『洗い上がり改善剤(乳化剤)』という重要な役割を果たしています。


では、オイルクレンジングを濡れた手で使うとどうなるか?

手についている水が、オイルクレンジングに『乳化されて白濁』します。白濁したものは、極端にクレンジング力が悪くなり、クレンジングとしての機能を発揮しません。

ですから本来、オイルクレンジングは、濡れた手で使うべきアイテムではありません。

しかし、ユーザーの使用場面を想定した時に、『お風呂場で濡れた手で使うこと』は十分考えられます。

そこでメーカーは、『濡れた手でも使える技術』を開発しました。

それが『可溶化技術』です。

可溶化とは、その名の通り、お互いに混ざり合わない液体の一方を、界面活性剤によって、他方に『溶解させること』を言います。

一番ポピュラーなのは『化粧水』ですね。香料配合の化粧水をお使いの方は多いと思いますが、基本、香料は『油(油溶性)』ですから、化粧水に配合するときは、界面活性剤で『可溶化』させます。

濡れた手でも使えるオイルクレンジングの場合、手についた水が『乳化される』のではなく、『可溶化される』ように、界面活性剤の種類、量を検討します。

ですから、オイルクレンジングに配合されている界面活性剤は、先ほど述べた、洗浄剤洗い上がり改善剤だけでなく、『可溶化剤』としても重要な役割を果たしています。

※濡れた手でも使えるオイルクレンジングの場合

オイルクレンジングには複数の界面活性剤が配合されているはずです。当然ですね。洗浄剤洗い上がり改善剤可溶化剤と様々な役割を担っていますから。

『可溶化技術』、これが濡れた手でも使えるオイルクレンジングに搭載されている技術です。

 

濡れた手で使うとどうなるのか?

「濡れた手でも使えます」と表示されているオイルクレンジングであれば、『可溶化技術』が搭載されていますので、濡れた手で使っても大きな問題はありません。

ただし、オイルクレンジングに配合されている界面活性剤は可溶化剤だけでなく、洗浄剤としても機能しています。可溶化剤として界面活性剤が使われてしまうと、洗浄剤としての界面活性剤量が減ってしまい、洗浄力(クレンジング力)に支障がでる場合があります。

また、可溶化できる水の量はわずかです。一定量を超える多量の水の場合、可溶化できず乳化され白濁し、洗浄力(クレンジング力)を大きく損なう恐れがありますのでご注意ください。

▼濡れた手でも使える今話題のオイルクレンジングです

 

1-2.温感クレンジング(ホットクレンジング)

濡れた手で使うための技術とは?

毛穴汚れまでしっかり落とすことを目的に、使うとぽかぽかと温かくなるクレンジングがありますね。これが『温感クレンジング(ホットクレンジング)』です。

何故温かくなるのか?

これは、クレンジングに配合されている『グリセリン』と、お肌表面の『水分』が接触する際に発生する『水和熱』を利用しています。

水和熱は、水分と接触した際に発生する熱なので、長続きはしません。また、クレンジング中に水が配合されていると、クレンジング製造の際に水和してしまうので、ユーザーが使用する際には温度は全く感じられません。

ですから、温感クレンジングは、グリセリンの配合量が非常に多く、水は一切配合されていません。全成分に水と表記がある場合は、エキス由来の水ですので、その配合量はごくわずかです。

このような特徴をもつ温感クレンジングですから、濡れた手で使うと、クレンジングする前に水和してしまい、クレンジング時、ぽかぽかしません。

温感クレンジングの場合は、濡れた手で使える技術はありませんので、濡れた手でも使える温感クレンジングは存在しません。

 

濡れた手で使うとどうなるのか?

温感クレンジングとしての機能はゼロです。絶対に濡れた手で使ってはいけません。

▼話題の温感クレンジング
ホットクレンジングゲル

 

1-3.リキッドクレンジング

濡れた手で使うための技術とは?

濡れた手でも使えるという『リキッドクレンジング』は数多く存在します。ですが、リキッドクレンジングは、『水ベース』ですから、濡れた手で使えて当然です。

リキッドクレンジングの場合、特殊な技術を搭載しなくても濡れた手で使えるので、「この表示があるリキッドクレンジングはすばらしい!」と勘違いなさらないでください。

 

濡れた手で使うとどうなるのか?

リキッドクレンジングは水ベースですから、濡れた手で使っても大きな問題はありません。あまりに多量な水の場合、オイルクレンジングのように「乳化⇒白濁」という現象は起きませんが、リキッドクレンジング自体が水で薄まってしまうので、クレンジング機能に支障がでる恐れがあります。

▼話題のリキッドクレンジング

クレンジングリキッド

 

1-4.クリームクレンジング

濡れた手で使うための技術とは?

クリームタイプのクレンジングは、専門的に言うと『高内相水中油型』です。剤型自体は水中油型ですが、非常に多くの油が配合されています。

▼水中油型については以下記事をご覧ください

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高内相水中油型の場合、濡れた手で使うことを想定していません。後ほど述べますが、高内相水中油型は濡れた手で使うと、『クレンジングとしての機能を著しく損なう』ので、基本、メーカーは乾いた手で使うことを推奨しています。

 

濡れた手で使うとどうなるのか?

高内相水中油型のクレンジングは、使用感が素晴らしいので、高価格帯のクレンジングに多いタイプです。

このタイプは、メイク汚れと軽く馴染ませると、じゅわっと油が出てきます。これを『反転』と言いますが、この油がメイク汚れを浮き上がらせ、落とします。

高内相水中油型の一番のキモは、この『反転』です。しかし、濡れた手で使うと反転に大きな影響が出てしまいます。場合によっては反転しません。ですから、クリームタイプを濡れた手で使うと、反転に大きな影響が出る、これはつまり、『使用感・クレンジング力に大きな支障が出る』ため、乾いた手でお使いになるようにしてください。

▼クリームクレンジング(高内相水中油型)


コスメデコルテ AQ ミリオリティ リペア クレンジング クリーム 150g

 

クリームタイプのクレンジングには、『高内相タイプ』の他に、スキンケアクリームと同程度の油を配合した『通常タイプ』というモノが存在します。

『通常タイプ』の場合、「濡れた手で使うための技術」や「濡れた手で使うとどうなるか?」は、『リキッドクレンジング』と同様です。

▼ 「高内相タイプ」と「通常タイプ」については以下記事をご覧くださいwww.cosmedein.com

 

2.おわりに

今回の記事でお伝えしたかった点は2つあります。

ます一つ目が、「濡れた手で使うために技術が必要なクレンジングは、オイルタイプだけであり、濡れた手で使えますの表示に意味があるのは、オイルクレンジングだけである」ということ。

もう一つは、「濡れた手で使えます」というのは、「濡れた手で使ってもクレンジング力に変化がありません」というわけではありません。「クレンジング力が著しく低下しない」ということであって、程度の差はあれ、濡れた手で使うことで、クレンジング力や洗い上がりに何かしらの影響を与えます。

せっかくお金を出して購入した商品なので、その機能を最大限発揮できる使用法を実践していただきたいです。

そのために、極力、『乾いた手でクレンジングをお使いになること』をおすすめいたします。


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