コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。数十年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

水素水にダイエット「根拠なし」、消費者庁が処分 【〇〇水ってお肌にいいの?】

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『水素水』について、ダイエット効果を謳っていた(宣伝していた)メーカーが、消費者庁に処分されました。

今回は、化粧品における『宣伝内容』『〇〇水のお肌への影響』について述べたいと思います。

 

1.水素の力でダイエット?

水素水・ダイエット・化粧品

メーカーが商品の特徴を説明すること、例えば、「〇〇に効きます!」とか「〇〇を配合しています!」というのを、『謳う(うたう)』とか『訴求する(そきゅうする)』とか『宣伝する』と言います。

一番わかりやすいのは、「宣伝する」という表記ですが、本ブログでは、「謳う」とか「訴求する」という表現も出てきますので、これらは「宣伝する」と同じ意味であるとご理解ください。

今回、『水素の力でダイエット』『水素の効果で肩こりが軽減』と、水素水や水素サプリを、ホームページ上で宣伝していたメーカーに対し、『景品表示法違反(優良誤認)』に当たるとして、消費者庁が処分を下しました。

本当にダイエットや肩こり軽減の効果があるのか?、消費者庁がその根拠となる資料、データの提出を求めたようですが、科学的に立証できる十分な根拠を示せなかったみたいですね。

芸能人やスポーツ選手がブログで紹介したこともあって、数年前からブームになっている『水素水』『水素サプリ』ですが、ブームも終わりでしょう。

今回、『景品表示法違反(優良誤認)』と判断されましたね。

商品に効果がないのに、宣伝内容をみたユーザーが、この商品を使うことで、自分のお肌、身体に良い効果をもたらすと、ユーザーが良い方向へ勘違いしてしまう、これを『優良誤認』と言います。

ユーザーに不利益を与える優良誤認は、当然のことながら禁止されています。

今回のケースでは、科学的根拠がないのに、水素はダイエットに効くと宣伝し、水素水を飲むことでダイエットできると、ユーザーに勘違いさせたわけですから、典型的な優良誤認ですね。

今回は『飲料水』でしたが、優良誤認とならないよう『化粧品』にも宣伝内容の決まりがあるのです。

 

2.化粧品の宣伝内容

化粧品の宣伝内容について、代表的なものをご紹介します。


① 「お肌の奥深くまで浸透します」表現

この宣伝内容はよく見ませんか?
ユーザー側は、当然、お肌の奥まで成分を届けたいですから、このような表現が多くなるんですね。

しかし、お肌の『真皮』まで届ける、という表現は禁止されています。

「お肌の奥深くまで浸透します」という表現によって、ユーザーに、「お肌の真皮まで届ける」と、誤解を与えてはならないのです(優良誤認)。

ですから、必ず、『お肌の奥深くまで浸透します(角質層まで)』というように、『角質層まで』と、注釈がつきます。

化粧品では、浸透を表現する場合、角質層までと決まっており、真皮までの浸透、及び真皮までの浸透を思わせるような表現は禁止されているのです。


▼ 真皮、表皮角質層など、お肌の詳しい構造については以下をご参照ください

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② 「シワ」に対する表現

長い間、『シワ』に対しては、「シワに効く」とか「シワが消える」といった積極的な表現が禁止されていました。

数年前、効果効能試験を実施し、シワ改善が認められた化粧品に限り、『乾燥による小じわを目立たなくする』という表現が可能となりました。

 乾燥による小じわ対応なら

 

ただし、あくまで『乾燥による』であり、『加齢による』『紫外線による』シワに対しては、改善を謳うことは出来ませんでした。

しかし、2017年1月、日本で初めて、シワに対して効果がある有効成分を配合した『医薬部外品』が発売されました。

これにより、この有効成分を配合した医薬部外品に限り、シワを改善するなど、シワに対する積極的な表現が可能になったのです。

▼ 日本初!シワ対応医薬部外品については、以下をご参照ください

cosmet.hatenablog.com

 

 

③ 「植物エキス」の効果効能表現

植物エキスには、「ヒアルロン酸産生促進」や「コラーゲン産生促進」など、様々な効果効能があります。

しかし、宣伝するうえでは、基本、『保湿』しか言えません。

『アロエエキス』を例にとってご説明しましょう。

アロエエキスには、「美白効果」「チロシナーゼ活性阻害効果」「収れん効果」など、様々な効果があります。

しかし、商品周りで宣伝する際は、これらの効果は一切言うことが出来ず、『アロエエキス(保湿効果)』という表現しかできないのです。

カタログやホームページ上では、『美白作用(チロシナーゼ活性阻害)のある保湿成分』と、一歩突っ込んだ表現をするケースはありますが(商品周りではNG)、これはグレーゾーンです。


このアロエエキスの例に限らず、カタログやホームページ上では、他社との差別性を明確にするため、ユーザーに自社製品の良さを伝えるために、行政から指導が来てもおかしくないような表現をするケースは多々あります。

商品周りでの表記は絶対NGですが、カタログやホームページ上であれば、ある意味グレーゾーンなので、化粧品メーカーも勝負をしてくるわけですね。

ですから、あまりにも誇大表現だと思われる場合は、注意した方がいいかもしれませんね。

 

3.〇〇水ってお肌にいいの?

今回の件で、『水素水』が注目されましたが、世の中には他にもたくさんの〇〇水がありますね。

還元水、温泉水、酸素水、酵素水、クラスター水・・・。

化粧品にもこれら特殊な水を配合しているものがあります。

▼ 温泉水なら



▼ 還元水なら

 

これら特殊な水は、お肌にいいんでしょうか?

現在では、これら水がお肌にいいという科学的根拠、データ(エビデンスと言います)がないため、お肌にいいと言うことは出来ません

ですから、上記の温泉水配合のハニープラセンタ美容液を見ても、温泉水配合と宣伝はしていますが、その効果について詳細は書かれていません。

温泉水であれば、ミネラルが豊富なので、何かしらの良い効果が期待できそうですが、残念ですね。

化粧品の大部分は水です。

クリームであれば『40%~60%』、乳液であれば『60%~80%』、化粧水に至っては『80%以上』が水なのです。

ですから、もし、ある特殊な水に、美肌効果が確認されれば、こんなにすごいことはないと思いませんか?

そのような意味で、現在では、水のお肌への効果に対する明確なエビデンスはありませんが、今後、技術が進歩して、美肌効果のある水が開発されにその効果が認められ、さらにお求めやすい価格で提供されれば、ユーザーにとってこれ以上うれしいことはありませんから、そうなることを強く期待しております。

 

4.おわりに

いかがでしょうか?

化粧品に対する効果効能表現、宣伝について、少しはお分かりになって頂けたでしょうか?

化粧品メーカーは、優良誤認とならないことを大前提に、自社の商品の良さ、特徴を、明確にユーザーに伝えるための表現方法を、常に考えているのです。


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