コスメの真実 ~元化粧品開発者によるブログ~

アクセスありがとうございます。cosmedeinと申します。数十年、大手化粧品会社で化粧品の開発を行ってきました。その経験を活かし、化粧品をお使いのすべての人々に、『化粧品の真実』をお伝えしたいと思います。普段のお化粧に、是非参考になって頂ければと思います!

弱酸性の真実 【化粧品は弱酸性であるべきか?】

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洗顔や、スキンケア基礎品で『弱酸性』を謳う商品がたくさんありますが、化粧品は弱酸性であるべきなのでしょうか?

今回は、『弱酸性の真実』と題しまして、化粧品と弱酸性について説明いたします。

 

1.弱酸性とは?

 一般的に、pHの値によって、以下のように区別されています。

1.0~3.0・・・強酸性

3.0~6.5・・・弱酸性

6.5~7.5・・・中性

7.5~11.0・・・弱アルカリ性
11.0
~14.0・・・強アルカリ性

化粧品で弱酸性という場合、メーカーにもよりますが、『pH 5.0~6.5』に設定することが多いようです。

2.何故、化粧品は弱酸性?

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ヒトのお肌は、健康な場合、『pH 4.5~6.0の弱酸性』です。
赤ちゃんでも大人でも、みんな同じです。

お肌のpHとは、厳密には、皮膚そのもののpHではなく、お肌を覆っている『皮脂膜』のpHを指します。


▼ 皮脂膜については以下をご参照ください

cosmet.hatenablog.com


皮脂膜は、汗と皮脂の混合物です。皮脂中の脂肪酸や、汗中の乳酸やアミノ酸の影響で弱酸性を示すのです。

つまり、皮脂膜は、お肌のうるおいとなめらかさを保つだけでなく、お肌を弱酸性にすることで、外部からの刺激や雑菌の繁殖を抑える働きもあります。


お肌のpHは個人差が大きく、皮脂分泌が盛んな『脂性肌』は酸性に、『乾性肌』はアルカリ性に傾きます。

『加齢』とともにアルカリ性に傾き、さらに、湿疹やアトピーなどの『皮膚疾患』の場合も、アルカリ性に傾きます。

このように、赤ちゃんや大人など、健康的なヒトのお肌のpHが弱酸性なので、ヒトのお肌に塗る化粧品も、弱酸性が良いと言われています。

 

3.ボディソープは弱酸性であるべき?

弱酸性のボディソープと言えば、『ビオレ』が有名ですね。
弱酸性の先駆け的存在で、知らない方はいないと思います。

ボディソープは弱酸性でなければならないのか?

答えは『No』です。弱酸性であればなおいいですが、必ずしも弱酸性である必要はありません。

通常、ボディソープのような洗浄品は、アニオン界面活性剤を用いるため、『アルカリ性』を示します。
アルカリのもので身体を洗った場合、一時的にお肌はアルカリ性になりますが、ヒトには『アルカリ中和能』という機能が備わっているため、短時間で、弱酸性に戻ります。


『アルカリ中和能』について、もう少し詳しく説明します。

お肌の最上層である角質層は、ケラチンというタンパク質で出来ていて、酸に対しては強いですが、アルカリに対しては比較的弱いです。そのため、アルカリ性の物質が長時間お肌に触れると、角質層は溶けて、お肌は肌荒れの状態となります。

しかし、毎日使用している洗浄剤(洗顔、ボディソープ)はアルカリ性ですが、かぶれなどの症状を起こすことはありません。
なぜなら、健康的なお肌は弱酸性なので、お肌の表面にアルカリ性物質が触れても、短時間で中和して本来の弱酸性に戻す機能が、ヒトには備わっているからです。

これが、アルカリ中和能です。
お肌のpHが一時的にアルカリ性になったとしても、アルカリ中和能が働いて、お肌は弱酸性に戻ります。

ですから、ボディソープは弱酸性である必要はなく、アルカリ性でも問題ありません。

ただ、湿疹やアトピーなどの皮膚疾患でお悩みの方は、病巣部がアルカリ性なので、弱酸性のボディソープをお使いになった方が良いです。

弱酸性にすると、洗浄剤の『泡質(泡量、泡の細かさ)』『洗浄力』に大きな影響を与えます。これら機能がアルカリ性のものと比べると大きく劣ります。

しかし、ビオレは、泡質と洗浄力はそのままで弱酸性を実現させた商品です。
これは、花王の優れた技術力の賜物です。簡単に真似が出来る技術ではありません。

ですから、ビオレのように、洗浄の基本機能(泡質、洗浄力)が維持されていれば、弱酸性をおすすめします。
しかし、ただ弱酸性を訴求したくて、洗浄機能をおろそかにしているようであれば、通常の商品(アルカリ性)をお使いください。

洗浄品の基本は、『豊かな泡で汚れを完全に落とす』です。弱酸性というのは、次に優先される『付加価値』です。

 

4.顔に塗るスキンケア基礎品は弱酸性であるべき?

化粧水や乳液、クリームといった基礎品は弱酸性であるべきか?

これは『Yes』です。

ボディソープのような洗浄品の場合は、アルカリ中和能によって弱酸性に戻るため、弱酸性の必要はありません。
ただし、これは、『洗い流し品』である洗浄品であるから言えることです。

長時間ヒトの顔と触れる化粧水などの基礎品の場合、アルカリだとお肌へかなりの刺激を与えますので、『弱酸性~中性』である必要があります。

最近は、弱酸性を訴求するスキンケア品が増えてきましたが、実は、スキンケア品はもともと弱酸性~中性です。
ビオレのおかげで弱酸性が世の中に広まったので、弱酸性を訴求するようになりました。いわば後付けですね。

普通に作っても、スキンケア品は弱酸性~中性になります。
ですから、ボディソープの弱酸性化は、かなりの技術が必要ですが、スキンケア基礎品の弱酸性化は、全く難しいことではありません。

スキンケア基礎品でアルカリ性のものなどあり得ません。


① 安全性の観点

アルカリ性の基礎品は、メーカーの安全性試験をクリア出来ません。ですから市販されることはありません。

② 成分の観点

基礎品には、『カルボマー(カルボキシビニルポリマー)』という増粘剤がよく配合されますが、この増粘剤は、弱酸性~中性領域で効果を発揮します。アルカリ性では効果(増粘効果)を発揮しません。
また、化粧品に配合される多くの成分は、弱酸性~中性なので、当然、化粧品もこの範囲におさまります。

③ 劣化の観点

化粧品は時間とともに劣化していきます。
劣化と言っても、短期間ではないですし、お肌に影響を与えるほどではないので、ご安心ください。


▼ 化粧品の使用期限については以下をご参照ください

cosmet.hatenablog.com


劣化とは『品質の変化』です。その中には、pH変化も含まれます。
特に乳液やクリームなどの乳化物に言えることですが、これらは、時間の経過とともに、酸性側へ傾きます(時間の経過とともにpHが下がる)。
これは、乳化物に配合されているノニオン界面活性剤の劣化が主な原因ですが、化粧品の場合、例え時間が経過して劣化したとしても、アルカリ性に傾くケースはほとんどありません。


以上のように、基礎品は弱酸性であるべきですが、メーカー側が、ものすごく苦労して弱酸性にしているというわけでもありません。
基本、弱酸性~中性になりやすく、中性に傾いた場合は、『クエン酸』の配合量調整で、弱酸性にすることはよくあります。

 

5.敏感肌化粧品は弱酸性?

赤ちゃんや健康的なお肌のpHが弱酸性なので、弱酸性はお肌に優しく、『敏感肌化粧品=弱酸性』とのイメージが強いです。

勿論、アルカリ性より弱酸性の方が圧倒的にお肌に優しいですし、敏感肌化粧品の大部分が弱酸性であることは事実です。

ただし、1点注意すべきことがあります。

pHは、化粧水のような『水系ベース』及び『水中油型』しか測定できません。

ですから、『油中水型』の乳化タイプの化粧品に、弱酸性という概念はありません。

※油中水型の場合、外相が油なのでpH測定が出来ません

敏感肌化粧品として有名なブランドに『ディセンシア』があります。

ディセンシアのクリームは弱酸性ではありません。何故なら、ディセンシアのクリームは、『油中水型』のため、そもそもpHという概念がないからです。

ディセンシア クリームは、『ヴァイタサイクルヴェール』という技術で、外部刺激からお肌を守ります。しっかりとした科学的根拠がある技術ですから、弱酸性だから敏感肌用、と謳うモノより、ずっと敏感肌に対応した化粧品と言えるでしょう。

弱酸性という指標は、『水ベース』及び『水中油型』にしか該当しませんので、ご注意ください。


▼ 敏感肌化粧品 ディセンシア, 記事と合わせてご覧ください

cosmet.hatenablog.com

 
▼ 水中油型、油中水型については以下記事をご覧ください

cosmet.hatenablog.com

  

6.おわりに

いかがでしょうか?

弱酸性を訴求していない商品であっても、化粧品である以上、アルカリ性に大きく傾くことなどあり得ませんから(洗浄品を除く)、弱酸性かどうかは、それほど気になさらなくても良いです。

それよりも、各アイテムの基本機能に重きを置いて、商品をお選びください。

 

▼おすすめの弱酸性化粧水はこちら

www.cosmedein.com 

 

ビューステージベガスプレミアム

 

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