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化粧品講座

<プロ解説>水中油と油中水の特徴と見分け方とは?感触に大きな影響を与える!

『水中油』『油中水』という言葉はご存知でしょうか?

これらは、感触や仕上がりが全く異なりますので、今回は、『水中油と油中水の見分け方』について説明いたします。

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水中油と油中水

水と油が配合されている大部分のコスメには、『水中油タイプ』『油中水タイプ』があります。

これらのタイプの違いにより、感触と仕上がりに大きな違いがあります。

<水中油と油中水の詳細は、以下の記事をご覧ください>

水中油は、細かな『油の液滴』が、『水の中』に分散した状態です。

一方、油中水はその逆で、細かな『水の液滴』が、『油の中』に分散した状態です。

このように、水中油は『外相が水』なので、水に近い特徴を、油中水は『外相が油』なので、油に近い特徴を有します。

これが、水中油と油中水で感触や仕上がりに違いが出来る原因です。

感触の違い

『水中油』・・・伸びが軽い。油の種類や配合量を変えることで、さっぱり~しっとりまで、幅広い感触に対応できる。

『油中水』・・・水中油に比べ、伸びが重い。配合できる油に限りがあるため、水中油ほどの感触幅はない。しっとり系の感触が多い。

どちらかと言えば、油中水の方がしっとりしています。食品なら、水中油が牛乳、油中水がバターになるので、感触の違いが想像出来るのではないでしょうか?

仕上がりの違い

『水中油』・・・化粧もちが悪い。外相が水なので、汗で簡単に落ちてしまう。ファンデーションであれば、崩れやすく、化粧直しが必須。

『油中水』・・・化粧もちに優れる。外相が油なので、簡単に落ちない。

一番の仕上がりの違いは、『化粧もち』でしょう。

油中水は化粧もちに優れますので、ウォータープルーフのファンデーションや日焼け止めは油中水です。

逆に、油中水でなければ、ウォータープルーフテストのクリアは難しいです。

このように、水中油と油中水では、感触、仕上がりに大きな違いがあります。

にもかかわらず、ユーザーにとって、水中油、油中水というのは、あまり重要視されていないのが現状です。

何故か?

それは、その化粧品の感触やブランドが気に入れば、水中油だろうが油中水だろうが、ユーザーには関係ないからです。

水中油、油中水というのは、ブランド及び商品コンセプトを具現化するための、化粧品会社側の手段にすぎません。

ユーザーに支持されれば、どちらのタイプでも問題ないのです。

ですから、デパートや訪問販売、ドラッグストアなどの化粧品販売員の方に、「この化粧品は水中油?油中水?」とお聞きしてもお答えできないでしょう。

最近は、ネットなど、情報も豊富になってきたので、ユーザー側のコスメに対する知識がすごいです。本当によく研究されていると思います。

その最たるは、『全成分表示』ではないでしょうか。

化粧品には、配合成分の全成分が記載されていますので、これを見て、「この化粧品が自分の欲しいもの」か、「自分の肌に合っている」かをよく考えて購入されます。

水中油と油中水も同じことが言えると思います。

これらタイプによって、感触や仕上がりが大きく違うのは事実です。ですから、ユーザー側も、自分の使っている化粧品が、どちらのタイプかを知った方がいいと思いますし、メーカー側も教えるべきと考えています。

しかし、商品周りに、水中油か油中水かの記載はありません。

ユーザー側がどちらのタイプかを確実に知る術はないのです。

唯一の手掛かりが『全成分表示』です。成分を見れば、非常に高い確率でどちらのタイプかを見分けることが出来ます。

水中油と油中水の見分け方

水中油・油中水・見分け方

水中油は外相が水なので、電気を通します。一方、油中水は外相が油なので、電気を通しません。

この性質を利用して、『テスター』の電極を化粧品に刺して、電気を通せば水中油、電気を通さなければ油中水と、見分けることが出来ます。

この方法は100%判別可能、且つ、簡単なので、化粧品開発者は、ほとんどがこの方法をとります。

ですが、一般のユーザーはテスターなど持っていません。化粧品販売店でテスターで調べていたら、完全に不審者です。

100%とは言えませんが、非常に高い確率で、全成分から見分けることが出来るので、下記を参考にしてください。

全成分の上位に(1位~3位)に『シクロペンタシロキサン』の表記あり

『油中水』は、外相が油なので、どうしてもべたついてしまいます。このべたつきの課題を克服するために、油中水には『シクロペンタシロキサン』というシリコーン油を主に配合します。

このシリコーン油は、油ではありますが、『揮発性』のため、お肌に残ることはありません。ですから、油特有の、後肌のべたつきはありません。

シクロペンタシロキサンが『1番目~3番目』に表示されていれば、『油中水』の可能性が高いです。

全成分に『ジステアルジモニウムヘクトライト』の表記あり

『ジステアルジモニウムヘクトライト』は粘土鉱物で、油を増粘させることが出来ます。

代表的な油中水の安定化成分なので、これが配合されていれば、ほぼ間違いなく『油中水』です。

全成分に『硫酸Mg』の表記あり

『硫酸Mg』『油中水』を安定化する代表的な成分です。

振って使うもの

日焼け止めやファンデーションで、使用前に軽く振るものがありますよね?

『2層タイプ』『2層分離タイプ』と言いますが、このように、振って使うものは『油中水』です。

商品周りに『ウォータープルーフ』表記あり

油中水は水中油に比べ、圧倒的に化粧もちに優れます。

SPF, PA表記のある商品で(日焼け止め、ファンデーションなど)、『ウォータープルーフ』表記がされているものがあると思います。

このウォータープルーフ表記は、「水に濡れても紫外線防御機能に大きな変化がない(水に濡れても化粧崩れしないため)」ことを意味しています。

これについては、多少、誤解があるので、『真実編』で改めて説明しています。

ウォータープルーフ表記をするためには、非常に過酷な『水に対する試験』をクリアせねばならず、水中油では到底クリア出来ません。ですから、この表記があるものは、『油中水』と考えて問題ありません。

ただし、製剤化技術が進歩して、水中油でも化粧もちが優れるもの、ウォータープルーフテストをクリアするものが、市場にはわずかでありますが存在します。

ですから、①・②・③・④の内容も合わせてご判断ください。

おわりに

いかがでしょうか?

テスターを用いれば、100%判別は可能ですが、全成分表示からでも、非常に高い確率で判別できます。

特に、日焼け止めやファンデーションで、化粧崩れが気になる方は、これらアイテムは油中水タイプを選択してください。

是非、ご自分がお使いのコスメを手に取って、全成分表示をご覧になり、水中油か油中水かを判断してみてください!

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