しみを薄くしたり、しみを予防するために使うコスメが『美白コスメ』。
多くのユーザーの皆さんが、「美白コスメ」をお使いだと思います。
しかし、十分な効果を得られず、効果(美白効果)に満足していない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、化粧品開発者の私が、美白コスメの効果に満足しない時にやるべき『ただ一つの事』について、ご説明します。
※記事中の美白コスメとは、美白の医薬部外品の事です
美白コスメ
「美白コスメ」と言いますが、正確には『美白の医薬部外品』です。「美白」というのは、医薬部外品にしか許可されていない表現であり、「コスメ=化粧品」と考えるならば、「美白コスメ」という表現は正しくありません。
私はこのブログでも、この記事でも『美白コスメ』という表現を使っていますが、それは「美白の医薬部外品」を示しており、私がご紹介する「美白コスメ」は全て、「美白の医薬部外品」です。
世の中には、化粧品であるにもかかわらず、「美白コスメ」として紹介するブログやブロガーがたくさん存在するのでご注意ください。
「美白コスメ」は美白の医薬部外品ですから、国が美白効果を認めた『有効成分』を、効果が期待できる量(『指定量』)配合しなければなりません。
ですから、世の「美白コスメ」には、必ず、アルブチンやビタミンC誘導体などの『有効成分』が『指定量』配合されていますから、効果が期待できるはずです。
何故なら、先に述べたように、「美白コスメ」の効果は、メーカー側が「効果あり!」と勝手に主張しているわけではなく、メーカーのデータをもとに、第3者である国が効果を認めているからです。
しかし現実には、その効果に満足していない方もおられるようで、その場合、一体どうすればよいのでしょうか?
美白コスメの効果に満足出来ない時にやるべきただ一つの事
美白コスメの効果に満足しない時にやるべきただ一つの事、それは、『美白コスメを変える』です。
当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、これには、しっかりとした『理由』があります。
「美白コスメ」には必ず、アルブチンやビタミンC誘導体などの『美白の有効成分』が配合されていますが、これら成分は、「美白」という効果は同じですが、『メカニズム』が違います。
この『メカニズムの違い』が、美白コスメの効果に満足できない時に『美白コスメを変える』をおすすめする理由です。
このブログでも紹介していますが、美白には主に『3つのメカニズム』があります。
※美白=紫外線によるしみ・そばかすの予防
チロシナーゼの活性抑制
シミの元、メラニン色素の出発は、アミノ酸の一種である『チロシン』という物質です。このチロシンが『チロシナーゼ』という酸化酵素によって酸化され、最終的に黒褐色の『メラニン色素』になります。
このように、『チロシン』という出発物質が、『チロシナーゼ』という酸化酵素の力を借りて、反応(酸化)を繰り返すことでシミの元、『メラニン色素』は生成されます。
ですから、チロシナーゼの活性を抑制すれば、チロシンは酸化されず、メラニン色素の生成が抑えられます。
この『チロシナーゼの活性抑制』を美白のメカニズムとする有効成分が一番多く、代表的な成分に、「アスコルビン酸2グルコシド」・「アルブチン」・「コウジ酸」・「エラグ酸」・「ルシノール(4-n-ブチルレゾルシノール)」・「マグノリグナン」などがあります。
メラノサイトの活性抑制
メラニン色素は、『メラノサイト』で作られます。女性ホルモンや紫外線などの刺激を受けると、『プラスミン』や『プロスタグランジン』と言われる物質が、メラノサイトに働きかけて、メラニン生成をスタートさせます。
つまり、メラノサイトに、「メラニンを作りなさい!」という『シグナル』を与えて『メラノサイトを活性化』させます。
「メラニンを作りなさい!」という、メラノサイトへのシグナルを遮断し、メラノサイトの活性化が抑制されると、メラニン色素の生成は抑制されます。
この『メラノサイトの活性抑制』を美白のメカニズムとする代表的な有効成分には、「カモミラET」・「トラネキサム酸」・「TXC(トラネキサム酸セチル)」などがあります。
メラノサイトの拡散抑制
視覚的にシミと認識されるのは、メラニンやメラノサイトが、お肌表面(表皮)に移動するからです。ですから、メラノサイトの表皮への拡散を抑制すれば、視覚的にシミと認識されません。
この『メラノサイトの拡散抑制』を美白のメカニズムとする代表的な有効成分には「ナイアシンアミド」などがあります。
このように、美白には大きく『3つのメカニズム』があり、美白の有効成分の種類によってメカニズムが異なります。
しみの原因は人によって様々です。ですから、しみケアに、「チロシナーゼ活性抑制」が効果的な人もいれば、「メラノサイトの活性抑制」が効果的な人もいるでしょう。
しみの原因が人によって異なるように、効果が得られやすい美白メカニズム(作用点)も人によって異なるのです。
ですから、効果に満足しない時には「美白コスメを変える」の真の意味は、異なるメカニズムの有効成分を配合した「美白コスメに変える」ということです。
もし、数ヶ月という長期に渡って使用しているのに、満足のいく効果が得られないのであれば、それは、ご使用の美白コスメに配合の有効成分の作用点(メカニズム)が、あなたにとって効果的ではない可能性があります。
ですから、おもいきって、作用点(メカニズム)の異なる有効成分配合の美白コスメに変えるというのが、私が考える、「美白コスメの効果に満足しない時にやるべきただ一つの事」です。
次項では、効果に満足しない時に有効な、注目の「美白コスメ」をご紹介します。
注目美白コスメ
ポーラ ホワイトショット LX, MX
2019年5月、美白市場で画期的な出来事が起こりました。
化粧品会社大手 ポーラが、美白分野で約10年ぶりに、国から、『新規美白有効成分』の承認を得ました。
それが、新規美白有効成分『PCE-DP』。ポーラの独自成分です。
そして、PCE-DPを配合した美白コスメ(医薬部外品)が、『ホワイトショット LX』と『ホワイトショットMX』です。
約10年ぶりに承認を得た新規美白有効成分「PCE-DP」の、美白メカニズムが素晴らしいです。何故なら、世の中には様々な美白有効成分が存在しますが、そのどれとも違う、『新しいメカニズム』だからです。
従来の美白メカニズムは、前述したように、「チロシナーゼ活性抑制」・「メラノサイトへのシグナル遮断」・「メラノサイトの拡散抑制」が一般的です。
ポーラが開発した新規美白有効成分「PCE-DP」の美白メカニズムは、従来とは異なり、表皮細胞のエネルギー産生を増やす事で、ターンオーバーを促進し(メラニンを抱えた細胞が自然に剥がれる)、シミの元であるメラニンが蓄積しにくい肌に導きます。
これをポーラでは『エネルギー美白』と呼んでいます。
ポーラの研究によると、「PCE-DP」は表皮細胞において、エネルギー物質を作り出す反応経路のひとつである『クエン酸回路』を 活性化させることが分かりました。
クエン酸回路は、一度の反応で多くのエネルギー物質を生み出すこと ができますが、表皮ではあまり活用されていません。この、休眠しているクエン酸回路を活性化させることが、美白への第一歩です。
「PCE-DP」によって、表皮細胞内で十分なエネルギーが作られた肌は、メラノサイトにメラニン引き渡しを促す伝達物質の産生が沈静する事、そして、表皮細胞自体のメラニンの取り込みが沈静する事が分かりました。これによって、表皮細胞に含まれるメラニン量(シミの元)が減少していくと考えられます。
さらに、クエン酸回路を活性化させる事で、表皮細胞の増殖が活発になります。結果、表皮の生まれ変わり(ターンオーバー)が促進され、シミの元であるメラニンを抱えた細胞が自然に剥がれやすくなります。
このように、ポーラの新規美白有効成分「PCE-DP」は、『表皮の状態を総合的に改善する』ことで、メラニンの蓄積を抑え、シミ・ソバカスを防ぎます。これは、これまでにない『新しい美白メカニズム』です。
ですから、今お使いの美白コスメの効果に満足できていない方に、新美白メカニズムの「PCE-DP」配合『ポーラ ホワイトショットLX, MX』が注目されています。
何故なら、「PCE-DP」の美白メカニズムは、これまでにない新しいものです。皆様が経験したことが無い美白メカニズムとも言えますから、そのメカニズムと効果に期待されているわけです。
富士フィルム アスタリフトホワイト
「アルブチン」や「ビタミンC誘導体」を配合したチロシナーゼ活性抑制をメカニズムとする「美白コスメ」は、古くから存在し、最も一般的と言えるでしょう。
アルブチン・ビタミンC誘導体配合の美白コスメであれば、富士フィルムの『アスタリフト ホワイト』。
「アスタリフト ホワイト」の有効成分は、化粧水とクリームが『アルブチン』、美容液が『ビタミンC誘導体』であり、「アスタリフト ホワイト」には、富士フィルムがこれまでの研究で培ってきた『高度なナノテクノロジー』が搭載されています。
美白の有効成分は、ただ単に処方に配合されるだけでは意味がありません。いかに肌内部に深く浸透させるかが重要であり(角層まで)、そのための技術が『アスタリフト ホワイト』には備わっています。
おわりに
いかがでしょうか?
美白コスメには、国が効果を認めた『有効成分』が、『効果が期待できる量』配合されています。しかし、美白コスメは『医薬部外品』であり、「医薬品」ではありません。
「医薬品」の場合、効果の代償として副作用が認められていますが、「医薬部外品」には副作用は認められておらず、何より『安全性』を重視します。
有効成分が配合されていますから、「医薬部外品」には「化粧品」以上の予防効果は期待出来ますが、それでも「医薬品」に比べ『効果は緩和(緩やか)』です。
ですから、有効成分配合の美白コスメ(医薬部外品)であっても、1ヶ月~3ヶ月の期間、使い続けない限り効果を得ることは出来ません。
美白コスメに即効性は求めるべきではないので、まずは、1ヶ月~3ヶ月使って頂いて、それでも効果に満足いかない場合は、『美白コスメを変える』をお試しください。
※美白コスメを変える=作用点(メカニズム)が異なる有効成分配合の美白コスメに変える
作用点が異なる有効成分配合の美白コスメに変えても、なお、効果に満足いかない場合は、『サプリメント』も一つの方法です。
私は「サプリメント」にはあまり詳しくありませんが、体の中に入れるモノなので、大手メーカーであり、「美白コスメ」も手掛けるメーカーの「サプリメント」が、信頼度もあっていいのではと思います。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません