今回は、化粧品開発者の私が今現在注目している『クリームクレンジング』をご紹介します。
それが、『ラミナーゼ クレンジングバーム』です。
これは、『ラメラタイプ』のクリームクレンジングであり、品質は勿論ですが、『技術的』に大変面白いです。
注目ポイント
技術力に定評があるメーカー
ラミナーゼ クレンジングバームを開発・販売しているのが、『皮膚臨床薬理研究所』という会社です。
創業が1986年で、比較的歴史が浅いので、正直、皆様にはあまり馴染みがないかもしれませんね。
しかし、業界ではちょっとした有名会社で、当然私もその存在を知っていました。
何故なら、会社自体の歴史は浅くとも、研究者の質が素晴らしいのです。
研究者の中心は、言わずと知れた日本トップの化粧品会社、『資生堂』出身の方々で、化粧品のプロ集団です。
ですから、『界面化学』という学問に裏付けされた確かな技術で、様々な機能性化粧品を開発されています。
その一つが『ラミナーゼ クレンジングバーム』です。
ラメラテクノロジー
一番のポイントはやはり独自技術である『ラメラテクノロジー』でしょう。
『ラメラ』という言葉、皆様にとっては馴染みがないかもしれませんが、化粧品にとっては非常に重要なワードなんです。
化粧品にとってラメラ(ラメラ構造)は、『保湿』、『洗浄』の点において、最重要技術の一つです!
では『ラメラ』とは何でしょうか?
ラメラとは『水と油の層状構造』のことを意味します。
上図は模式図です。
通常、乳化タイプのクレンジングは、相の中に別の相が『粒子状』になって存在しています。
『水』の中に『油』が粒子状になって存在するものを『水中油タイプ(O/W)』、『油』の中に『水』が粒子状になって存在するものを『油中水タイプ(W/O)』と言います。
ラメラ構造の場合、図のように、水と油が『粒子状』ではなく、『層状』に存在しています。
<水中油、油中水とは?>
水中油タイプの場合、一番外の相が『水』なので、水の性質が強いです。よって、メイク汚れは『油汚れ』がメインですから、水の性質が強い水中油タイプのクレンジングは、『クレンジング力』が劣ります。ただし、水の性質が強いため、『洗い上がり』には優れ、使用後のお肌はべたべたしません。
一方、油中水タイプの場合、一番外の相が『油』なので、油の性質が強いです。油汚れであるメイクとなじみがいいので『クレンジング力』は高いです。しかし、油の性質故に、『洗い上がり』は悪く、使用後のお肌はべたつく傾向にあるため、『W洗顔』が必須です。
ラメラ構造のクレンジングは、水と油が層状に連なっているため、『水と油、双方の性質』を持っています。油の性質を持っているため、『クレンジング力』に優れ、且つ、水の性質も持っているため『洗い上がり』にも優れます。
ですから、ラミナーゼのホームページにもあるように、毛穴の汚れまでしっかり落としながらも、W洗顔不要なのです。
『しっかり落とす』とか『W洗顔不要』とかを宣伝文句に販売しているクレンジングは結構ありますが、その根拠がはっきりしないものがほとんどです。
『ラミナーゼ クレンジングバーム』は『ラメラ構造』のクレンジングのため、汚れをしっかり落とし(油の性質)、W洗顔不要(水の性質)なのです。
W洗顔不要には、しっかりとした科学的根拠があります。
同時にエイジングケアも
以下が、ラミナーゼ クレンジングバームの全成分です。
水、BG、DPG、グリセリン、シクロヘキサシロキサン、エチルヘキサン酸セチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ステアリン酸グリセリル(SE)、ステアリルアルコール、PEG-60水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸、ホホバ種子油、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、ベヘン酸、アルギニン、シクロペンタシロキサン、デキストリン、グリチルリチン酸2K、トコフェロール、パパイン、PVP、アルニカ花エキス、オドリコソウ花エキス、オランダカラシ葉/茎エキス、ゴボウ根エキス、セイヨウアカマツ球果エキス、セイヨウキズタ葉/茎エキス、ニンニク根エキス、ローズマリー葉エキス、ローマカミツレ花エキス、フラーレン、香料
赤字が美肌成分(保湿成分)ですが、話題の『フラーレン』を筆頭に、9種類もの植物エキスが配合されています。
まさに『美容クリーム』です。
クレンジングは洗い流すものですし、クレンジング後の洗顔で(W洗顔)、お肌にはほとんど何も残りませんので、通常のクレンジングには美肌成分はあまり配合しません。
当然です。配合してもクレンジングやその後の洗顔(W洗顔)で、ほとんどが洗い流されてしまいます。
しかし、ラミナーゼは違います。
『ラメラ構造』なのでW洗顔が不要です。
ですから、お肌にとって必要な美肌成分を洗い流すことなく、お肌の上に留めておくことが出来るのです。
ラメラ構造故に、『美容クリームのような成分配合』が可能になった、まさに新発想のクレンジングです。
総評
『ラメラ構造』は化粧品にとって非常に重要ですが、この構造を化粧品に組み込むことは容易ではありません。高い技術力が必要です。
元資生堂の、本物の技術集団だからこそ可能にしたのでしょう。
確固たる技術に裏打ちされたクレンジング料ですし、私自身、皆様にラメラをもっと身近に感じて頂きたいので、『肌質問わず、全ての方』にお試し頂きたいです。
注意点
ご使用の際は以下にご注意ください。
- 本品は『クリームタイプ』のクレンジングですが、同じクリームタイプでありながら、クレンジング力に優れる『高内相水中油型』ではございませんので、あらかじめご了承ください。
- 本品は十分なクレンジング力を有しますが、『オイルタイプ』に比べれば、クレンジング力は劣ります。『クレンジング力を最優先』にお考えの方であればオイルクレンジングをおすすめします。
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<ラメラが体感できるクリームクレンジング>

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません